1. 新しい公共の担い手育成のための
産学官連携
次世代大学教育研究会
2011.7.23
勝浦信幸
1

2. 「新しい公共」宣言（抜粋）
人々の支え合いと活気のある社会。それをつくることに向けたさまざまな当事
者の自発的な協働の場が「新しい公共」である。これは、必ずしも、鳩山政権や
｢新しい公共｣円卓会議ではじめて提示された考え方ではない。これは、古くから
の日本の地域や民間の中にあったが、今や失われつつある「公共」を現代にふさ
わしい形で再編集し、人や地域の絆を作り直すことにほかならない。
・・・
「新しい公共」が作り出す社会は「支え合いと活気がある社会」である。すべ
ての人に居場所と出番があり、みなが人に役立つ歓びを大切にする社会であると
ともに、その中から、さまざまな新しいサービス市場が興り、活発な経済活動が
展開され、その果実が社会に適正に戻ってくる事で、人々の生活が潤うという、
よい循環の中で発展する社会である。
気候変動の影響が懸念される一方で、少子高齢化が進み、成熟期に入った日本
社会では、これまでのように、政府がカネとモノをどんどんつぎ込むことで社会
問題を解決することはできないし、われわれも、そのような道を選ばない。
これから、「新しい公共」によって「支え合いと活気のある」社会が出現すれ
ば、ソーシャルキャピタルの高い、つまり、相互信頼が高く社会コストが低い、
住民の幸せ度が高いコミュニティが形成されるであろう。さらに、つながりの中
で新しい発想による社会のイノベーションが起こり、「新しい成長」が可能とな
るであろう。
http://www5.cao.go.jp/entaku/shiryou/22n8kai/pdf/100604_01.pdf
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3. 新しい公共の背景
☞ （高度経済成長期には効率的・効果的であった）従来の公共サービスの開発・供給手法だけでは、多様化・高度化・複雑化した今日の公共ニーズに
適切な対応を図ることができない。
1890年(明治23年)
これから :
政府支出 : 8000万円（名目GNP:10億円）
行政が提供する公共サービス
1990年（平成2年）
政府支出 : 80兆円（名目GNP:400兆円）
様々な主体との連携・協力
公共ニーズの増大・質的変化
《 多様化・高度化・複雑化 》
100年間で 新しい公共（公共空間）
政府支出 : 100万倍
名目GNP:40万倍
（公平・平等・画一を旨とする）従来の公共サービスの供給手法の限界
新しい考え方、手法による公共サービス（社会サービス）の開発・提供・「豊かな公」の実現
3

4. 仕事と働き方の変化
☞ 職住分離 = 大きな工場で流れ作業を行う場合に効率的・効果的
ベルトコンベアによる流れ作業

5. 仕事と働き方の変化
☞ 職住分離 = 大きな工場で流れ作業を行う場合に効率的・効果的
みんなが揃って、一斉に
通勤 動かないと仕事が成立し
ない。ベルトコンベアに
よる流れ作業
通勤

6. 仕事と働き方の変化
☞ 職住分離 = 大きな工場で流れ作業を行う場合に効率的・効果的
▼
▲
機械化
▲ ▼
セル化

7. 仕事と働き方の変化
☞ 職住分離 = 大きな工場で流れ作業を行う場合に効率的・効果的
▼
▲
機械化
▲ ▼ ▲ ▼
▼
▲
セル化 ロボット化

8. 仕事と働き方の変化
☞ 職住分離 = 大きな工場で流れ作業を行う場合に効率的・効果的
ホームオィス
知識の創造 = 環境との相互作用
⊗
ナレッジワーク
知識・情報を扱うビジネス（生産・加工・流通）
▼
▲
⊗
いつでも、どこでも、時間・場所を問わない
▲ ▼
▼
▲
機械化
▲ ▼
セル化 ロボット化

9. 仕事と働き方の変化
☞ 自営業・個人事業主の減少と新しい事業者層の台頭
自営業・個人事業主の減少
※小売業（商店街）の衰退、中小製造業の淘汰。事業
主の高齢化に伴う引退
（2002年には廃業者の43.0％が60歳以上）。
※欧米諸国（フランスを除く）は1980年代を境に増加
に転じた。
※米国は1970年よりホームベースド・ビジネスが増加
し、90年代に入って SOHOやインディペンデント・コン
トラクター（独立請負契約者）などの新しい事業者層が
台頭。
新しい事業者層の台頭
※SOHOやインディペンデント・コントラクター（独立請負
契約者）は、社会経済のサービス化やアウトソーシング
の進展などにより、今後拡大していく可能性が高い。
※自宅や小規模なオフィスで開業し、仕事の進め方や
働く時間などを自分でコントロールできるSOHOやイン
ディペンデント・コントラクター（独立請負契約者）は、
ワークライフバランスの形成を図りやすい自律的で自
由な働き方
Works June - July 1999「 自営業の復権」 大久保幸夫 （ワークス研究所 所長）
http://www.works-i.com/flow/works/contents34.html

10. 仕事と働き方の変化
☞ 自営業・個人事業主の減少と新しい事業者層の台頭
開廃業率の逆転状況
※開業率は1970年代半ばから1990年代の半ばまで長期に
わたって低下傾向にあったが近年下げ止まり上昇に転じつ
つある。一方、廃業率は2001年から2004年の期間で年平均
6.4％と過去最高の水準となった。
※開業企業数は1994年から1996年まで年平均14.3万社まで
減少したのち増加に転じ、2001年から2004年には平均16.8
万社となった。 一方、廃業企業数は同じ期間で平均17.2万
社から29.0万社に増加している。
独立行政法人中小企業基盤整備機構「平成18年版中小企業白書」要約より
※この結果、1986年のピーク時には535.1万社を数えた日本
http://www.smrj.go.jp/kikou/info/bizinfoplaza/sinko/h18/index.html の企業数は2004年では 433.8万社まで減少している。
日本の元気 = 地域の元気 = 地域の仕事を創造する
▲ ▼
新たな公共空間の形成 = 地域協働のプラットフォーム
▲ ▼
ワークスタイル、ライフスタイルの変革

11. 多様な若者をどう支え、それぞれ
の力をどう伸ばして、地域社会の
期待に応えていくか
地域
自治体 に求められている課題
大学
11

12. 地域ICT活用による
新しい公共の担い手育成
ー埼玉県鶴ヶ島市の事例ー
12

13. ソーシャルメディアの効果→絆への影響
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 %
ブログ
SNS
動画共有
サイト
情報共有
サイト
マイクロ
ブログ
掲示板
家族・親戚の絆 友人・知人の絆 地域住民間の絆 世代間の絆 職場の絆
13

14. コミュニケーション効用による分析
平成22年版情報通信白書より 14

15. 地域SNSの効用
0% 20% 40% 60% 80% 100%
地域に関する新しい情報 37.8 38.5 11.5 6.06.1
新しい友人が増えた 45.5 24.9 13.1 6.7 9.9
地元への愛着が深まった 26.7 36.4 21.4 7.1 8.4
既存の友人の新たな一面 19.5 36.4 21.9 9.1 13.1
自治体の施策が身近に 20.5 32.5 23.7 12.2 11.2
既存の友人との関係が深まった 23.5 24.7 28.6 8.2 15.0
地元の購買機会が増えた 16.4 24.6 33.0 11.8 14.2
仕事への貢献 15.9 23.1 31.1 10.7 19.1
地元の友人との遊びが増えた 13.8 18.6 31.6 15.1 21.0
地域活動への参加が増えた 8.0 12.2 35.4 18.3 26.1
そう思う ややそう思う どちらでも あまり そう思わない
ない そう思わない 15

16. Towntip システム概要
団体、施設、地域情報
SNS機能 活動への参加
団体ページ マイページ
コメントやアイディア出し
団体情報の発信
活動紹介・報告 施設情報
地域情報の発信
まちづくりポイント発行・管理機能
支援者や市民との中長
寄附決済・管理機能 市民や学生同士や団体とのつながり
期的なコミュニケーション
情報交換、共有
地域通貨発行・管理機能
学習単位発行・管理機能
NPO・行政・大学・企業等 映像自動編集配信機能 市民・学生等
▲ ▼
情報の提供
外部システム連携
※施設予約・自治体WEB等
情報発信力の強化 地域協働に関する情報の共有・共感 つながり・信頼の再
ICTの活用
生《主体的参加》
▼
▼
❶ 地域の課題・活動の可視化（見える化） ❷多様な参加形態・担い手の発掘 ❸ソーシャルキャピタルの形成
☞ 活動の活性化・円滑化・高度化 ☞ 多様な参画形態・方法の提供 ☞ 興味・関心の継続的な惹起
▲
▲
☞ 担い手の発掘、育成 等
●いつ、どこで、誰が、どんな目的で？ ●参加するキッカケ（応援書き込み・寄付） ●多様なネットワークによる互酬性の醸成
どのような効果が？を可視化 ●担い手の固定化・高齢化解消

17. Towntipの狙い：担い手育成フロー
まちづくり活動への参 課題や関心分野での 協働プロジェクトの
・まちづくり参加への機会を提供 加の機会を提供 コミュニティ形成支援 実行を支援
・まちづくりポイントによる参加の楽しみ
・関心テーマを共有する仲間との出会い
社会起業家
・行政サービスの認知普及、電子化支援
・市民と職員との交流機会の提供 市民・学生 ブログ等を通した交流 担い手人材
・地域情報の見える化 地域コミュニティ 地域コーディネータ
・協働推進、寄附条例普及
行政職員
課題解決に向けた
課題の共有
協働プロジェクト
・活動情報や志を広く情報発信可能
・活動支援や課題解決に向けた
人・寄附・知恵の募集 団体・サークル・NPO 新たな政策メニュー
・支援者との中長期的な 活動団体の
コミュニケーションの提供
情報発信、支援募集
企業、大学
・企業サービスの提供
・社会貢献活動とのマッチング
・関心テーマごとのニーズ調査
・ まちづくりポイントによる ・ 映像による情報発信 ・ 寄附・知恵・人の支援募集
参加のキッカケを提供 ・ 行政サービス情報、企業の ・ ICカード、クレジットカード等を活用した寄附システム
・ ブログ、メッセージ等SNS機能 支援情報の提供 ・ 活動拠点の提供、施設予約システム
による仲間との出会い、交流 ・ iSB公共未来塾オンライン講座
学習機会の提供
＜ユーザー登録層＞ ＜プロジェクト参加層＞ ＜プロジェクトリーダー層＞
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共有、共感から「新しい公共」の実現に向けた協働プロジェクト、担い手人材、企業、政策を創出

18. つるがしまTOWNTIPの利用状況
●プロジェクトコミュニティの開設
（広報=情報提供、公聴、政策立案、政策形成=協働）
●ポイント発行（政策目標、政策評価）
●藤金地区里山再生プロジェクト
●子どもフェスティバル
●自転車のまちづくり
●男女共同参画 &c...
143名 自ら主体的にまちづくりに参画！
コミュニティリーダー
●ブログで情報発信、情報交換
●イベントに参加した感想や意見
●プロジェクトづくりなど
③担い手の発掘・育成 997名
ポータルサイト登録者 感想や意見、情報などを交換・共有！
●市主催のイベントなどにてポイント発行
イベントなどに参加してポイントをゲット！
1990名
②興味・関心の惹起・深化
カード会員を含む利用者全体 楽しみながらまちづくりに参加！
2011/03/31現在
①裾野の拡大 18

19. towntipマイページ作成者数（年代別）
年代
100
男性
90
80 女性
70
60
50
40
30
20
10
0 人
0 50 100 150 200
19

20. プロジェクトの公開度の比較
20

21. プロジェクトへの登録制限の比較
21

22. 地域SNSの平均像（活用状況/月）＋つるがしまTown tip （H22/6）
属性 平均値 中央値 最大値 最小値 Town tip
利用者(人) 1,455 794 10,655 44 869
コミュニティ数 215 130 1,375 17 123
月間 365,376 122,431 2,566,556 170 511,335
ページビュー
22

23. 全国に広がるTOWNTIP 2011.3末
マイページ登録者数
マイページ登録者数 プロジェクト数
プロジェクト数
全国版 527 30
鶴ヶ島市 997 143
世田谷区 194 129
中央区 24 7
杉並区 0 0
多摩市 34 8
横浜市 6 0
岡山市 29 5
23

24. 24