1. いつも手元に！
現場で使える参考書
実際に現場で活動している
学習サポーターの皆さんの
声に応えてつくりました。

2. この小冊子では、
子どもたちが安心できる環境づくりの工夫や面談、
日々の子どもとの関わり方など、
すぐ実践できるコミュニケーション方法を紹介しています。
実際に活動しているサポーターの皆さんから、
子どもたちとの関わり方について、
参考になる手引きがあればという声を受けて
製作することになりました。
当団体のアドバイザーである後藤美香氏の協力のもと、
相手のおもいに共感したり、
ポジティブな言い方に表現を変えるなど、
具体的な言い方を交えていますので、
現場でも使いやすい内容となっています。
この小冊子を活用いただくことで、
サポーターの皆さんが、
更に充実した活動ができるとともに、
子どもたちから
「あのサポーターさんだとやる気になる」
と
思ってもらえるような信頼関係を築く
橋渡しができれば幸いです。
尚、
この小冊子は第 1 版として発行致しましたが、
さらに現場の状況に沿った
有意義な内容にしていきたいと考えていますので、
お気軽にご意見をお寄せください。
〈NPO 法人アスイク サポート力向上プロジェクト〉
監修：有限会社アライブ・ワン代表 後藤美香氏
2004 年より現職。2004 年生涯学習開発財団認定プロフェッショナル
コーチ、
2006 年プロコーチ認定評議会認定マスターコーチ。
3000 時間を超えるコーチングセッションや全国の企業・医療・教育分野
で 2000 件を超える研修実績を持つ。

3. 1
Step 01
関わる前の準備
06
Step 02
安心して勉強できる場づくり
07
Step 03
今までの学習サポーターの工夫例
09
Step 04
1 分でできるコミュニケーション
11
Step 01
学習面の面談
15
Step 02
学習以外のサポート面談
20
Step 03
面談の流れ
22
Step 01
褒めること・叱ることの目的
28
Step 02
褒め上手になる３つのポイント
29
Step 03
叱り上手になる３つのポイント
32
Step 01
Welcome な環境づくり
37
Step 02
面談のポイント
38
Step 03
褒める・叱るポイント
39
2
3

4.
「学ぶ
（＝成長する） ことにおいて、
」
幅広く活用できるコミュニケーション手法で、
子どもから大人まで世代を問わず使えます。
コーチングはアドバイスをするのではなく、
相手に解決できる力があることを信
じ、
自ら気づき、
学び育つような環境をつくり出し、
自発的に行動を起こすきっかけ
をつくることを目的としています。相手の話をしっかり聴く
（傾聴） 相手の良さを認
、
める、
違いを認める
（承認） 相手に考えさせ、
、
引き出す
（質問）
という点に気をつけ、
しっかり向き合う姿勢をとりましょう。
コーチングは自尊心を育みながら、
自分で一歩前に進む力をつけるコミュニケー
ションとも言えます。
下記のようなポイントを大事にしています。
すべての人間に個性
があり、
学習の得意不
得意も様々です。個人
の能力をそれぞれ伸ば
すことを 前 提とし、
一
人 ひ とり に 対 す る 観
察・把 握・分 析・対 応
を大切にします。
表情や動作などの非
言 語 に よるコ ミュニ
ケー ションも含 め、
相
手が安心できる関わり
と関係性が何より大切
です。
これがなければ学習
効果は上がりにくいで
す。自ら 学 ぶ、
自ら 取
り組むという姿勢を作
り出すことを目指しま
す。

5. 1
Step 01
関 わる 前 の 準 備
Step 02
安 心して
勉 強 できる 場 づくり
Step 03
今 まで の
学 習サポーターの 工 夫 例
Step 04
1 分 でできる
コミュニケ ー ション

6. 第 1 章 Welcome な環境づくり
S t ep 01
自分の問題は脇に置く
出がけに嫌なことがあったり、
気がかりや悩み事があったり。そんな時は子ども
を迎える前にそれを脇に置くイメージで自分の気持ちを整えましょう。納戸・ダン
ボール・部屋の棚など自分のイメージしやすい方法で
「終了後に取り出して整理しよ
う」
と一旦片付けることをおすすめします。
コーチングではこれを
「ニュートラルな状態を作る」
といって、
関わる前の基本中
の基本になります。
「見守るぞ」
「聞くぞ」
と自分に言い聞かす
大人は意見や忠告や指導、
説得が大好きです。特に愛情深く子ども好きの方、
そ
の子のことを思えば思うほど、
言いたいことが湧いてくるでしょう。
まずは、
「見守るぞ」
「聞くぞ」
と言い聞かせてから迎えましょう。
期待しましょう
今日も子どもたちは必ず学べると期待して迎えましょう。
Memo
「ピグマリオン効果」ある実験のお話
まず、
小学生に普通の知能テストをさせ、
その結果を担任の教師に
「このテストは将来の
学力の伸びが確実に予測できるものです。将来伸びる子の名前を教えましょう」
と伝えまし
た。しかし、
そこで教えられた数人の生徒は知能テストの成績に関係なく、
ランダムに選ば
れた子でした。
それから１年ほど後で再び知能テストをしたところ、
名前をあげられた子は、
そうでない
子に比べて明らかに成績が上がっていました。このように期待することによって、
相手もその
期待にこたえるようになる、
という現象を
「ピグマリオン効果」
とよんでいます。人は常に相
手の期待に対してこたえたい、
役に立ちたいと最も敏感に反応するからと言われています。
Point
無意識の期待が人を育てるんだ !!
06

7. 第 1 章 Welcome な環境づくり
S t ep 02
学習しやすい環境設定のちょっとした工夫
学習しやすい環境として、
場所・飲食物・明るさ・
人数・座る位置・周りやサポーターと話すときの距離
感 絵や花などの装飾 音楽 匂い 椅子の座り心地・
・
・
・
・
机の高さなどが影響します。その他、
整理整頓
（清
潔）
や動線なども含まれます。ちょっとした工夫で
「場」
のイメージや空気感は大きく変化します。
オリジナルルールを作ってみる
挨拶する・靴を揃える・時間を守るなどささやかなことでＯＫです。この時、
全体
ルールと子ども一人ひとりの個別ルールがあってもいいでしょう。サポーターとの
楽しい約束ですので、
守られている場合はしっかり褒めてあげましょう。
もし、
ポスターなどで表示する場合は肯定的表現にすることがポイントです。例
えば
「玄関を汚さないこと という命令調の表現よりは
！」
「靴はきれいにそろえて気
持ち良く過ごしましょう などです。
！」
子どもが話しやすい場づくりの工夫
なによりも笑顔が一番のウェルカムです。加えて、
次ページのような点も積極的
に取り入れましょう。普段は無意識にしているほどささやかなことですが、
初めての
子どもにはもちろん、
既に通っている子どもにも安心感を与え、
信頼関係を高める
ことにとても効果的です。
07