SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 14
オープンチームサイエンス
シビックテックを活かした
新しいサイエンスのカタチ
近 藤 康 久
@yaskondo @chikyuken
総合地球環境学研究所
• 京都にある、文部科学省系列の研究所。
• 地球環境問題を「人間と自然のかかわり」の視点から研究。
• 研究者とだけでなく、政府・自治体・企業・NPO・市民と
一緒に研究を進めるのが持ち味。
• 上賀茂名産の
京野菜、
すぐき菜
がモチーフ。
• ゆるキャラ
グランプリに
エントリ予定
• 応援してね!
研究者はどこ?
研究にもシビックテックを!
瀬戸寿一 2017.9.23 Facebookポストhttps://summit2017.code4japan.org
オープンサイエンスが始まっています
↓トップダウンのアクション(政策)
北本朝展(2016)「研究データとオープンサイエンスに関する基礎的知識」
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/01kitamoto.pdf より抜粋
オープンサイエンスへの収束
2016/03/17
研究データとオープンサイエンスフォーラ
ム
6
オープ
ンサイ
エンス
オープンデータ
オープンアクセス
市民科学・クラウ
ドファンディング
研究データ
データ出版
データリポジトリ
コラボレーション・オー
プンイノベーション
オープンピアレ
ビュー
研究の再現性・
透明性・研究
データ保存
超学際研究
参加
透明性
協働
共有
↑ボトムアップのアクション(社会の関与)
オープンデータの二つの流れ
オープンガバメント
データ
Open Government Data
オープンリサーチ
データ
Open Research Data
オープンガバナンス
Open Governance
オープンサイエンス
Open Science
社会課題の解決
Solution to Societal Issues
シビックテック Civic Tech
社会協働研究
Transdisciplinary Research
このプロジェクトの射程
RIHN Open Team Sci Project
シビックテックの射程
研究のプロセス
社会協働研究理論
(Mauser et al. 2013)
オープン
サイエンス
シビック
テック
問題を設定する Co-design
of research agenda
--- ✔︎
問題を解くための
方法を決める
---
(研究者の専決)
---
(研究者の専決)
✔︎
問題を解く Co-production
of knowledge
市民参加 ✔︎
成果を公表する Co-dissemination
of results
オープン
データ ✔︎
「オープン」リサーチデータの現実解は
FAIRデータの原則
8https://www.force11.org/group/fairgroup/fairprinciples
見つけられる・アクセスできる・相互に運用できる・再利用できる
地球研のチームサイエンス
7つの終了プロジェクトのリーダーと主要メンバーに対す
るロングインタビューの結果、
• どのプロジェクトも、人文・社会科学と自然科学
の研究者がチームを構成して研究を推進するチー
ムサイエンスである。
• どのプロジェクトも、異なる分野の専門家や社会
の多様な主体との間で生じる問題認識のずれに悩
んでいる。
ということが明らかになった。
地域の環境問題の現場における問題認識のずれ
例:びわ湖南湖における水草の異常繁茂
主体
研究者
滋賀県
湖岸住民
地元自治体
その他県民
問題認識 環境問題 迷惑問題
(異臭・ごみ)
関心低い
(でもびわ湖好き)
水草駆除費:年6億円
滋賀県琵琶湖政策課HPより 提供:山田英二氏
問題認識のずれを埋めるために
目標のずらし
Transcend
たとえ利害が一致しなくても
一緒に取り組める目標を
発見し、仕掛ける(宮内編2013)
参加と
エンパワメント
Participation and
Empowerment
多様な主体の参加をうながし、
潜在能力を引き出す
可視化
Visualization
言説やデータを見える化して共有する
• アンケート, 半構造化インタビュー,
GIS, オントロジー(共通語彙),
グラフィックレコーディング など
対話
Dialogue
対等な立場で互いの意見を聞き、
考えを深める(Bohm 1996)
• ハテナソン(質問づくりワークショップ),
アンカンファレンス(当日論題設定型ワークショップ) など
課題解決
障害
アプ
ローチ
私たちのプロジェクトがめざすのは…
オープンサイエンスと社会協働理論の融合
学術的知識の開放 学術界と社会の接合
効果測定法
の開発
オープンサイエンス
オープンリサーチデータ
《FAIRデータの原則》
シビックテック
《参加とエンパワメント》
社会協働
研究 Outcome
リソース
Feedback
知識生産
Knowledge production
行動
Action
Input Output
Knowledge Action Network (KAN)
研究者と実務者が
チームで
現実世界の
問題解決!
問題認識のずれを埋める方法
- 目標のずらし
- 参加とエンパワメント
- 可視化
- 対話
オープンサイエンス
社会協働研究
チームサイエンス
オープン
チームサイエンス
私たちのプロジェクトがめざすのは…
オープンサイエンスと社会協働理論の融合
一緒にやりましょう!
びわ湖の水草アイディアソン
7月21日(土)大津にて開催
まもなく参加者募集開始!

Mais conteúdo relacionado

Semelhante a オープンチームサイエンス:シビックテックを活かした新しいサイエンスのカタチ

2012ajgspsympo趣旨説明
2012ajgspsympo趣旨説明2012ajgspsympo趣旨説明
2012ajgspsympo趣旨説明
Kuniyasu MOKUDAI
 
Co step3期修了生チーム活動報告[1]
Co step3期修了生チーム活動報告[1]Co step3期修了生チーム活動報告[1]
Co step3期修了生チーム活動報告[1]
sakasuke_12
 
2012年情報社会学会年会知識共有セッション
2012年情報社会学会年会知識共有セッション2012年情報社会学会年会知識共有セッション
2012年情報社会学会年会知識共有セッション
Akiko Orita
 
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
琢哉 岩崎
 

Semelhante a オープンチームサイエンス:シビックテックを活かした新しいサイエンスのカタチ (20)

100322 生態学会 若手研究者のキャリア問題改変バージョン
100322 生態学会 若手研究者のキャリア問題改変バージョン100322 生態学会 若手研究者のキャリア問題改変バージョン
100322 生態学会 若手研究者のキャリア問題改変バージョン
 
誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜 #smips湯村
誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜 #smips湯村誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜 #smips湯村
誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜 #smips湯村
 
【Diversity】オモシロイ人が集まる、育つ環境づくり (隠岐さや香・広島大学大学院 准教授)
【Diversity】オモシロイ人が集まる、育つ環境づくり (隠岐さや香・広島大学大学院 准教授)【Diversity】オモシロイ人が集まる、育つ環境づくり (隠岐さや香・広島大学大学院 准教授)
【Diversity】オモシロイ人が集まる、育つ環境づくり (隠岐さや香・広島大学大学院 准教授)
 
100320 2 総合科学技術会議 知を活かす科学技術政策を
100320 2 総合科学技術会議 知を活かす科学技術政策を100320 2 総合科学技術会議 知を活かす科学技術政策を
100320 2 総合科学技術会議 知を活かす科学技術政策を
 
防煙教育と地域をつなぐ
防煙教育と地域をつなぐ防煙教育と地域をつなぐ
防煙教育と地域をつなぐ
 
20181021 gi sg
20181021 gi sg20181021 gi sg
20181021 gi sg
 
20201003生物多様性情報を使い倒す~GBIF入門~
20201003生物多様性情報を使い倒す~GBIF入門~20201003生物多様性情報を使い倒す~GBIF入門~
20201003生物多様性情報を使い倒す~GBIF入門~
 
機関間共同研究を推進するためのデータポリシーのかたち:総合地球環境学研究所の事例から
機関間共同研究を推進するためのデータポリシーのかたち:総合地球環境学研究所の事例から機関間共同研究を推進するためのデータポリシーのかたち:総合地球環境学研究所の事例から
機関間共同研究を推進するためのデータポリシーのかたち:総合地球環境学研究所の事例から
 
大学や研究所の研究活動がひと目で分る研究活動マップ生成~だれが,どこで,どんな活動をしてるの?~
大学や研究所の研究活動がひと目で分る研究活動マップ生成~だれが,どこで,どんな活動をしてるの?~大学や研究所の研究活動がひと目で分る研究活動マップ生成~だれが,どこで,どんな活動をしてるの?~
大学や研究所の研究活動がひと目で分る研究活動マップ生成~だれが,どこで,どんな活動をしてるの?~
 
160108_OpenScienceWS
160108_OpenScienceWS160108_OpenScienceWS
160108_OpenScienceWS
 
サイエンスカフェにいがた累計100回記念拡大版『つながろう,新潟のカガク!』(2014/04/19)新潟の科学コミュニケーション活動紹介(富山ほか含む)
サイエンスカフェにいがた累計100回記念拡大版『つながろう,新潟のカガク!』(2014/04/19)新潟の科学コミュニケーション活動紹介(富山ほか含む)サイエンスカフェにいがた累計100回記念拡大版『つながろう,新潟のカガク!』(2014/04/19)新潟の科学コミュニケーション活動紹介(富山ほか含む)
サイエンスカフェにいがた累計100回記念拡大版『つながろう,新潟のカガク!』(2014/04/19)新潟の科学コミュニケーション活動紹介(富山ほか含む)
 
青木和人「オープンデータ京都実践会の活動について」,京都市まちづくりアドバイザーミーティング,京都市役所,2014年8月5日.
青木和人「オープンデータ京都実践会の活動について」,京都市まちづくりアドバイザーミーティング,京都市役所,2014年8月5日.青木和人「オープンデータ京都実践会の活動について」,京都市まちづくりアドバイザーミーティング,京都市役所,2014年8月5日.
青木和人「オープンデータ京都実践会の活動について」,京都市まちづくりアドバイザーミーティング,京都市役所,2014年8月5日.
 
2012ajgspsympo趣旨説明
2012ajgspsympo趣旨説明2012ajgspsympo趣旨説明
2012ajgspsympo趣旨説明
 
青木和人「みんなで作ろうオープンデータ in 京都」, jus研究会,オープンソースカンファレンス京都大会,京都リサーチパーク(KRP),2014年8月2日.
青木和人「みんなで作ろうオープンデータ in 京都」, jus研究会,オープンソースカンファレンス京都大会,京都リサーチパーク(KRP),2014年8月2日.青木和人「みんなで作ろうオープンデータ in 京都」, jus研究会,オープンソースカンファレンス京都大会,京都リサーチパーク(KRP),2014年8月2日.
青木和人「みんなで作ろうオープンデータ in 京都」, jus研究会,オープンソースカンファレンス京都大会,京都リサーチパーク(KRP),2014年8月2日.
 
Co step3期修了生チーム活動報告[1]
Co step3期修了生チーム活動報告[1]Co step3期修了生チーム活動報告[1]
Co step3期修了生チーム活動報告[1]
 
2012年情報社会学会年会知識共有セッション
2012年情報社会学会年会知識共有セッション2012年情報社会学会年会知識共有セッション
2012年情報社会学会年会知識共有セッション
 
オープンサイエンスの波に乗れ! : 研究力強化のためにできること
オープンサイエンスの波に乗れ! : 研究力強化のためにできることオープンサイエンスの波に乗れ! : 研究力強化のためにできること
オープンサイエンスの波に乗れ! : 研究力強化のためにできること
 
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
20150326 (大阪大学)URA整備事業報告会
 
科学情報の現在と未来[抜粋]
科学情報の現在と未来[抜粋]科学情報の現在と未来[抜粋]
科学情報の現在と未来[抜粋]
 
不安な個人、立ちすくむ国家
不安な個人、立ちすくむ国家不安な個人、立ちすくむ国家
不安な個人、立ちすくむ国家
 

Mais de Yasuhisa Kondo

情報技術で考古学に橋を架ける
情報技術で考古学に橋を架ける情報技術で考古学に橋を架ける
情報技術で考古学に橋を架ける
Yasuhisa Kondo
 

Mais de Yasuhisa Kondo (20)

オープンチームサイエンス〜シビックテックを取り入れた社会課題解決研究の方法論〜
オープンチームサイエンス〜シビックテックを取り入れた社会課題解決研究の方法論〜オープンチームサイエンス〜シビックテックを取り入れた社会課題解決研究の方法論〜
オープンチームサイエンス〜シビックテックを取り入れた社会課題解決研究の方法論〜
 
チームサイエンスにおける知識融合ツールとしてのGISの役割
チームサイエンスにおける知識融合ツールとしてのGISの役割チームサイエンスにおける知識融合ツールとしてのGISの役割
チームサイエンスにおける知識融合ツールとしてのGISの役割
 
びわ湖の水草問題に対処するためのオープンサイエンス×シビックテック
びわ湖の水草問題に対処するためのオープンサイエンス×シビックテックびわ湖の水草問題に対処するためのオープンサイエンス×シビックテック
びわ湖の水草問題に対処するためのオープンサイエンス×シビックテック
 
Open Team Science: a new team-based research methodology for socio-environmen...
Open Team Science: a new team-based research methodology for socio-environmen...Open Team Science: a new team-based research methodology for socio-environmen...
Open Team Science: a new team-based research methodology for socio-environmen...
 
Participatory and transdisciplinary aspects of open sciece
Participatory and transdisciplinary aspects of open scieceParticipatory and transdisciplinary aspects of open sciece
Participatory and transdisciplinary aspects of open sciece
 
若手・中堅研究者のための科研費
若手・中堅研究者のための科研費若手・中堅研究者のための科研費
若手・中堅研究者のための科研費
 
文化遺産のオープンデータ化をめぐるアクションリサーチ
文化遺産のオープンデータ化をめぐるアクションリサーチ文化遺産のオープンデータ化をめぐるアクションリサーチ
文化遺産のオープンデータ化をめぐるアクションリサーチ
 
Future of open science in collaboration with society
Future of open science in collaboration with societyFuture of open science in collaboration with society
Future of open science in collaboration with society
 
Open science, transdisciplinary research, and the future of archaeology
Open science, transdisciplinary research, and the future of archaeologyOpen science, transdisciplinary research, and the future of archaeology
Open science, transdisciplinary research, and the future of archaeology
 
アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後
アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後
アラビア半島乾燥地オアシスの水環境に関する環境考古学的研究、その後
 
How open scientific research data transform transdisciplinary research; a the...
How open scientific research data transform transdisciplinary research; a the...How open scientific research data transform transdisciplinary research; a the...
How open scientific research data transform transdisciplinary research; a the...
 
ジオ系ソーシャルストリーミング番組「友引Night!!」の復活
ジオ系ソーシャルストリーミング番組「友引Night!!」の復活ジオ系ソーシャルストリーミング番組「友引Night!!」の復活
ジオ系ソーシャルストリーミング番組「友引Night!!」の復活
 
地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料
地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料
地球研「知の橋かけ」コアFS説明資料
 
地球環境知オープンサイエンス・プラットフォームの形成
地球環境知オープンサイエンス・プラットフォームの形成地球環境知オープンサイエンス・プラットフォームの形成
地球環境知オープンサイエンス・プラットフォームの形成
 
Open science in the context of transdisciplinary research
Open science in the context of transdisciplinary researchOpen science in the context of transdisciplinary research
Open science in the context of transdisciplinary research
 
オープンサイエンス時代の社会協働に基づく地球環境研究を支援する情報サービスの実現
オープンサイエンス時代の社会協働に基づく地球環境研究を支援する情報サービスの実現オープンサイエンス時代の社会協働に基づく地球環境研究を支援する情報サービスの実現
オープンサイエンス時代の社会協働に基づく地球環境研究を支援する情報サービスの実現
 
My JpGU: 日本地球惑星科学連合会員のためのSNS
My JpGU: 日本地球惑星科学連合会員のためのSNSMy JpGU: 日本地球惑星科学連合会員のためのSNS
My JpGU: 日本地球惑星科学連合会員のためのSNS
 
JpGU meets ORCID
JpGU meets ORCIDJpGU meets ORCID
JpGU meets ORCID
 
情報技術で考古学に橋を架ける
情報技術で考古学に橋を架ける情報技術で考古学に橋を架ける
情報技術で考古学に橋を架ける
 
生態文化ニッチモデリングによる分布推定
生態文化ニッチモデリングによる分布推定生態文化ニッチモデリングによる分布推定
生態文化ニッチモデリングによる分布推定
 

オープンチームサイエンス:シビックテックを活かした新しいサイエンスのカタチ

Notas do Editor

  1. In other words, transdisciplinary approach is a science with society...
  2. Since 2014, we have had interviews to project leaders and main members of seven completed RIHN projects. The interviews have revealed, every project is a team science, and suffers from gaps in understanding focal issues among different disciplines and stakeholders. We also realized, the research resource accumulated to the RIHN is human resources and case study know-hows rather than data. [click]
  3. This slide shows an example of information asymmetry in a transdisciplinary, or TD project. Regarding the overgrowth of waterweed in Lake Biwa, being studied with the Ecological Recycling Project, research experts and policy makers of the prefectural office, think it is an ecological problem. In contrast, it is a social problem for coastal residents and municipalities because they suffer from bad odor of drifted waterweed and must remove it as rubbish. Moreover, most of the unengaged public seems NOT interested in this socio-environmental issue, even though they are tax payers for that. In this case, the waterweed issue is differently understood in different socio-geographical contexts. [click]
  4. In short, this Core Project aims at a new research paradigm of Open Team Science by integrating Open Science and transdisciplinary Team Science. I will overview these concepts in next slides. [click]