C 水辺班　パネル２枚目

1. 水辺に面した建物は、デザインガイドラインによって美
しく整えることとする。対岸からの景観には魅力が生ま
れ、水辺との一体感が生まれた。既存の建物も建て替え
られる際にはガイドラインに則る。
６歳
父親と初めてカヌーに乗る。
宍道湖の西岸における空間の整備。カヌー等に乗りやす
くなるよう水際を整備し、また腰掛けるのに丁度いい高
さの段差を用意した。浅瀬では子どもたちが水に入って
遊ぶことができるようになった。
１２歳
学校で習った英語で、観光客の外国人に挨拶。
「水辺における交通結節点は、誰もが使えるパブリック
スペースとする。」というルールを設ける。乗船場には
観光客も市民も集い、水辺に新たな交流が生まれる。
２０歳
成人式の後に、はじめてお酒をのむ。
「川沿いに立地する店舗は川の方向に開くこと」という
ルールづくり。眠っていた酒蔵の良さが再発見された。
２４歳
仕事で大失敗。先輩が元気づけてくれる。
交通規制により 7 時から 19 時の間以外を通行禁止にす
る。「飲みの時間」は道路も店舗スペースとして活用で
きるようになる。また、より川に接近させるためにデッ
キも設置。昼間には、釣りを楽しむこともできる。
２８歳
夕日をバックにプロポーズされる。
夕日の眺望が美しい白潟公園は、ランニングする人や憩
う人も多く、用途の多い水辺空間として成功している。
３０歳
高校の同級生と結婚式を挙げる。
現在活用されていない白潟公園北部に花道を整備する。
新郎新婦は結婚式のプログラムの 1 つで遊覧船で宍道湖
を 1 周する。そして、ここ白潟公園北部に整備された花
道を通り、周囲の人々から祝福される。
４０歳
念願のマイホームを建てる。
４６歳
育児に疲れ、夜の水辺をひとり歩く。
新しく整備された歩行空間に足元灯を整備する。夜間で
あっても安全に通行することができるようになった。
５８歳
息子の初めてホーランエンヤを見に大橋へ行く。
松江大橋は周囲の水辺空間が整備されたことで従来より
更に魅力的な場所となる。松江の水際の街並みと、ホー
ランエンヤの賑わいが目に楽しい空間。
６５歳
夫の退職祝いの様子が、橋の上から見えた。
川沿いの店舗は川に向かって開くことで、大橋川北岸が
一体的に賑やかになった。対岸から眺めても、人々の活
気が感じられるようになった。
６７歳
孫の入学式、桜の下で写真を撮る。
河川の拡幅工事に合わせて広場を整備する。ひな壇状に
整備された段差は、散歩に疲れたときに腰掛けて休憩す
るのに丁度いいスペースとなっている。また、ハレの日
には、源助桜をバックに記念撮影をすることができる。
「橋は歩行者の導線を邪魔しないようにする」といった
ルールをつくる。橋の下の通り道や横断歩道によって水
辺に沿った歩行者路が確保された。水辺が一体的に繋が
り、普段の散歩もより心地良いものになる。
７２歳
小学校からの大親友と散歩。
「川沿いの公共空間では、水辺に向かった視界を確保す
る」といったルールの整備。これにより、水辺方向への
気持ちが開ける。
７８歳
散歩の帰り、水辺を眺め亡き夫に思いを寄せる。
大橋マツ江の人生
源助桜について
大橋南詰にある源助公園にある
桜であり、現在は地域の人が花
見などで訪れる広場空間となっ
ている。川幅拡幅工事によって、
削られる土地の対象地であるこ
こを、水辺空間に市民が憩うた
めのシンボル空間として再整備
する。
現在ある桜を、新しい公園空間
にも移植する。桜のシンボルツ
リーとする為に、周辺の桜並木
とは連続させず、広場空間の真
ん中に配置。また、ひな壇上の
テラスを水面にせり出し、より
水辺を知覚に感じられる空間と
する。
ある市民の方に聞いてみました。
「あなたにとって宍道湖とは？」
こたえは
「何も思わない」
でした。
この答えを聞いたときに、なんでこんなに美しい水辺
なのに何も思わないんだろう？と考えてしまいました。
しかしよく考えてみると、毎日毎日、小さい頃から大
人になるまで、いつも水辺に関わって生きていて、生
活の、人生の中に水辺が常にあるからこそ、何も思わ
ないと答えられるその人こそが、宍道湖に対して最高
に愛情を持った人物なのではないだろうかと思うよう
になりました。そのような街への愛を持った市民があ
ふれるまちの姿が、とてもうらやましいと思うのです。
父親と
カヌーに乗る
ドキドキしながら
外国人と話す
川べりの居酒屋
雰囲気の良い
テラス空間
夕日をバックに
プロポーズ
船上結婚式
マイホーム！
たそがれ夜あるき
親友との散歩
入学式の桜
ホーランエンヤ
夫に思いを寄せる