０からはじめる広報の仕組みづくり（入門編）

1. (C) Toru Sato. All Right Reserved
０からはじめる広報の仕組みづくり
（入門編）

2. エグゼクティブサマリ
(C) Toru Sato. All Right Reserved
組織のビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィードバックの掛か
る仕組みを構築．Plan-Do-Seeサイクルを徹底し、予め定義した目的に向かうこと．
ポリシー（全体統一方針）を定め、行動基準を明確にすることで、どんな人であっても
事業内容を正しく理解し、その存在意義に共感できるような情報発信を心掛ける．
専門の人員体制を敷くと同時に、組織内の責任の所在を明確にし、人と取り扱う情
報について承認種別と権限設定を定め、定期的に見直しを図る．

3. プロフィール
 氏名 ： 佐藤 徹（さとう とおる）
 生年月日 ： １９８５/０２/１８ （２９歳）
 専門 ： 分子生物学（DNA，活性酸素，細胞死）
デジタルマーケティング・CRM（フレームワークを使った
Webサイト運営方針定義，ログ分析・相関性分析・ 重回帰
分析を軸としたPlan-Do-Seeサイクル，新規事業企画）
ファンドレイジング
 属性 ：みずがめ座のAB型
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4. 広報の仕組みづくりにおけるポイント
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組織のビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィードバックの掛か
る仕組みを構築．Plan-Do-Seeサイクルを徹底し、予め定義した目的に向かうこと．
ポリシー（全体統一方針）を定め、行動基準を明確にすることで、どんな人であっても
事業内容を正しく理解し、その存在意義に共感できるような情報発信を心掛ける．
専門の人員体制を敷くと同時に、組織内の責任の所在を明確にし、人と取り扱う情
報について承認種別と権限設定を定め、定期的に見直しを図る．

5. 広報とは
広報（こうほう）とは、企業だけでなく行政や各種
団体の活動内容や商品などの情報発信を行う
業務、またはその担当者や部署。
広告と混同されることがあるが、広告が新聞や
雑誌、テレビなどの広告枠を買って商品や企業
の宣伝を行うことであるのに対し、広報とは
情報を受発信することで、新聞
や雑誌などの媒体に記事として
取り上げてもらったり、従業員や
株主、消費者などのステークホ
ルダーに活動内容などを理解し
てもらうことを含む。
発信側では情報戦、心理戦の一手段として捉え
る場合もある。（出典：wikipedia）
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6. 広告・PRの差
直接的なステークホルダーとコストの分類に於いて、広報は広告
（プロモーション）・PR（パブリック・リレーションズ）に分かれる
広告
２つの“PR”
Promotion
PR Public Relations
直接的な
ステークホルダー
広告代理店
報道機関
コスト
広告費
コミュニケー
ション工数
（人件費）
広報
広報のブレークダウン
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7. 広報の目的
 ビジョン・使命（Why）の普及
 各事業（What）の支援
 定常的なコミュニケーション
成
果
の
時
間
軸
概
念
の
階
層
高 長
短低
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ビジョン・使命を定義したことに依って、各事業を支援する方法や
定常的なコミュニケーションのルールが定まる

8. それぞれの目的に合わせたKGI/KPIの定義（案）
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ビジョン・使命の普及各事業の支援定常的なコミュニケーション
KGI KPI KGI KPI KGI KPI
情報のリーチ数 売上高1. プレスリリー
ス数
2. 取材申し込
み数
3. 取材対応率
4. 各媒体のパ
ブリシティ数・
ユーザー数
5. 各記事の
ソーシャルメ
ディアでの
シェア数/率
6. 自メディアへ
のアクセス数
ブランド・エク
イティ
1. 事業体が保
持する各媒
体へのアクセ
ス数
2. 各記事の
ソーシャルメ
ディアでの
シェア数/率
3. お問い合わ
せ数/率
4. 訪問数
5. ユーザー数
1. ロイヤルティ
水準
2. スイッチング
コスト水準
3. ブランドイ
メージ
寄付額 1. コーポレート・
ブランディン
グ媒体への
アクセス数
2. 寄付プラット
フォームでの
CV率

9. 広報の仕組み全体像
ビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィード
バックの掛かる仕組みを構築したい
何のために 誰が 何をどうする
−ビジョン・各事業目標
（KGI/KPI）の定義
−リスクアセスメント
−問題解決施策の定義
−経営企画部門
−広報戦略部門 など
−問題解決のために適
切なシナリオの定義
−定義されたシナリオ
を現実のものとする
−広報（広告・PR）部門
−問い合わせ窓口
−ビジョン・使命の普及と
各事業の支援
−定常的なコミュニケーション
−シナリオの到達度を
調査・分析
−リスクアセスメントの
仮説検証
−広報（広告・PR）部門
−経営企画部門 など
−効果測定
−2次データの調査・分析
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10. 調査・分析を通じた組織の最適化
定期的に、広報施策の効果測定を実施・より投資対効果の高い
活動に予算/人的リソースを配分する仕組みを整備する
予算・人的リソースの再配分効果測定（ex.重回帰分析）
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11. 広報の仕組みづくりにおけるポイント
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組織のビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィードバックの掛か
る仕組みを構築．Plan-Do-Seeサイクルを徹底し、予め定義した目的に向かうこと．
専門の人員体制を敷くと同時に、組織内の責任の所在を明確にし、人と取り扱う情
報について承認種別と権限設定を定め、定期的に見直しを図る．
ポリシー（全体統一方針）を定め、行動基準を明確にすることで、どんな人であっても
事業内容を正しく理解し、その存在意義に共感できるような情報発信を心掛ける．

12. 1. 企業内部と外部（社会）からの情報収集活動
2. 状況把握を目的とした調査・分析
3. 経営幹部の了解・調整に基づく「あるべき企業の姿」の明確化
4. 広報実行計画案の構築（企画・立案）
5. 分かりやすい言葉や表現方法を駆使した情報発信活動の展開
6. 社会・一般からの好意獲得と相互の信頼関係の構築
7. リスクマネジメント（備え・対応）
出典：電通パブリックリレーションズ
広報の仕事内容
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13. 広報の５大原則
下記の原則を守れる様な組織を整備すること
具体例
真実性
インシデント・不祥事の報告、虚偽なき
コミュニケーション
５大原則
透明性
広報窓口の統合と迅速なレスポンス、
担当者のプロフィールの開示、問い合
わせの拒否・無視をしない
公共性
事業内容の説明・業績発表、 CSR・CSV
的な施策
網羅性
様々なステークホルダー総てを想定し
た施策
時事性
新事業・新プロダクトの発表、世論に
合わせた文脈の設定
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14. 各セクターにおける広報で求められるもの
ビジネスセクターでは、「株主の利益に資するかどうか？」という
点が重要になる
ビジネスセクター（営利企業など）
存在目的
ステークホルダー
価値基準
規律
利潤の追求
顧客、競合他社、従業員、就職希望者、株主・投資家など
株主の利益
持続性
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15. 各セクターにおける広報で求められるもの
パブリックセクターでは、「公共の利益に資するかどうか？」とい
う点が重要になる
ビジネスセクター（営利企業など）
パブリックセクター（官公庁，医療・福祉・教育・
研究機関，地方行政など）
存在目的
ステークホルダー
価値基準
規律
利潤の追求 全体の奉仕
顧客、競合他社、従業員、就職
希望者、株主・投資家など
株主の利益 公共の利益
公共性持続性
地域、同業者、監督省庁、従業
員、就職希望者、国民など
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16. 各セクターにおける広報で求められるもの
ソーシャルセクターでは、「社会問題の解決に資するかどうか？」
という点が重要になる
ビジネスセクター（営利企業など） ソーシャルセクター（NPO ，NGOなど）
存在目的
ステークホルダー
価値基準
規律
利潤の追求 社会問題の解決
顧客、競合他社、従業員、就職
希望者、株主・投資家など
株主の利益 問題解決の貢献
社会性持続性
地域、同業者、監督省庁、従業
員、就職希望者、国民など
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17. ビジネスセクターにおける事例のケーススタディ： Johnson & Johnson
タイレノール事件（1982年）
事件を受けて開発された新パッケージは異物混入を防ぐ構造とし、
さらに医師へのプレゼンテーションを計100万回行うなど
丁寧なコミュニケーションにより売上を回復した
シカゴ・サン・タイムズ紙からタイレノール®への
毒物混入の事実を通報される
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出典：Johnson & Johnson

18. 学術研究論文のプレスリリース事例のケーススタディ
「データ・事実」「今回の成果」「今後の展望」の
ステップを踏む
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19. 学術研究論文のプレスリリース事例のケーススタディ
学問・事業・研究の歴史を説明する
専門用語を分かりやすく説明する
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20. 学術研究論文から学ぶ、プレスリリースで最低限書くべきこと
背景
目的
方法
結果
考察
展望
学術研究論文の構成要素 内容 プレスリリースで書くべきこと
本研究の存在意義
今回の論文で実施した
仮説検証プロセス
データのinput/putput
− 社会的な影響 （市場）
− 各分野の動向 （業界）
− 実績/ビジョン （自社）
−ステークホルダーの情動
に留意した事実の説明
− 程度・水準の説明
− 相関関係・因果関係の
違い
一般の人であっても、内容を正しく理解し、その存在意義に共感
できるような文章を心掛けたい
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21. プレスリリースにおけるポイントまとめ
 「データ・事実」「今回の成果」「今後の展望」のステップを踏む
 専門用語を分かりやすく説明する
 学問・事業・研究の歴史を説明する
 ステークホルダーの情動に留意する
 程度・水準を分かりやすく説明する
 相関関係・因果関係の違いに留意する
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22. CSR・CSV的な施策
特に、医療・福祉・教育分野の広報は、国連ミレニアム開発目標
（下記）に基づく文脈作りと親和性が高い
1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
2. 普遍的初等教育の達成
3. ジェンダーの平等と女性の地位向上
4. 乳幼児死亡率の削減
5. 妊産婦の健康の改善
6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
7. 環境の持続可能性の確保
8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
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23. CSR事例のケーススタディ：PepsiCo（Pepsi Cola）
社会貢献PJT 1,000件の候補の中からネット投票で選ばれた32
のPJTに対して、PepsiCoが月130万ドルの予算を提供（10ヶ月で
2,000万ドルの寄付；2010年）
出典：Pepsi Refresh Project
悪いことをしていれば直ぐに糾弾される一方で、
良いことをしていれば共感は波及し、善意は増幅される
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24. エグゼクティブサマリ
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専門の人員体制を敷くと同時に、組織内の責任の所在を明確にし、人と取り扱う情
報について承認種別と権限設定を定め、定期的に見直しを図る．
組織のビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィードバックの掛か
る仕組みを構築．Plan-Do-Seeサイクルを徹底し、予め定義した目的に向かうこと．
ポリシー（全体統一方針）を定め、行動基準を明確にすることで、どんな人であっても
事業内容を正しく理解し、その存在意義に共感できるような情報発信を心掛ける．

25. ソーシャルセクターにおける事例のケーススタディ：米国赤十字社
ハリケーン・カトリーナ（2005年）、ハイチ地震（2010年）
ハイチ大地震では、twitter・facebookを通じた
モバイル募金の呼び掛けで3日間で1,000万ドルを集めた
ハリケーン・カトリーナの緊急救援活動での
不手際に対する批判・苦情対処を契機に、
ソーシャルメディア管理責任者を採用
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出典：American Red Cross（Looops Communications作成）

26. 広報対応フローチャートの事例：Google
「常軌を逸しているか？」「それは真実か？」
「事業に対することか？」「組織に対することか？」
「他に繰り返している人はいるか？」
「一定水準以上の“炎上”になっているか？」など
予め定められた問いに答えていくことで、対処すべき人と方針が
定義される。
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出典：CSearch Engine Landons

27. 承認フロー/ポイントの管理
内部稟議を形骸化させず、承認種別と権限設定を定め定期的に
見直しを図ることで、責任の所在が明確になる
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28. 履歴保存のルールの徹底
「いつ」「どの組織の」「誰が」「どのような取材を」「どこの管轄で」
対応したのか？「いつ」「どこで」「どのような記事が」発表された
のか？をログとして保存
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プレスリリースの際のPR先リストとしても機能

29. エグゼクティブサマリ
(C) Toru Sato. All Right Reserved
組織のビジョン・各事業のto be像を目指して、定期的に適切なフィードバックの掛か
る仕組みを構築．Plan-Do-Seeサイクルを徹底し、予め定義した目的に向かうこと．
ポリシー（全体統一方針）を定め、行動基準を明確にすることで、どんな人であっても
事業内容を正しく理解し、その存在意義に共感できるような情報発信を心掛ける．
専門の人員体制を敷くと同時に、組織内の責任の所在を明確にし、人と取り扱う情
報について承認種別と権限設定を定め、定期的に見直しを図る．

30. (C) Toru Sato. All Right Reserved
ありがとうござい
ました