木のこんに関する研究

1. 交流の促進と生活環境の向上を
目的とした里山子育てひろばの開設
新潟大学農学部生産環境科学科 笠原美里

2. 研究の背景と目的
保育の場空き施設
新たな
保育の場
自然の中で
子育てしたい
中山間地域
市街地
要望を叶える場保育の場の提供様々な人の交流の場生活環境の向上交流の促進
利用者
数減少
適切な
とは？

3. 調査概要
 調査地
新潟県小千谷市東山地区「木のこん」
 調査方法
合計22回の現地調査
・木のこん関係者への聞き取り調査
・木のこん利用者へのアンケート調査
・地域行事やイベントへの参加
・資料の分析

4. 「木のこん」の概要
 2013年7月12日に開設
 東山保育園跡地（東山住民センターに併設）を
有効活用
 厚生労働省の「地域子育て支援拠点事業」
（以下、拠点事業という）を活用
※実施主体は東山地区振興協議会
厚生労働省
東山地区
振興協議会
木のこん
拠点事業を
管轄
実施主体
（事業費の受取）
実際に
活動を行う

5. 「木のこん」の概要
 育児に悩む母親達により設立された
 施設内にある裏山で活動する
 「大人のルールで縛らない」
 「自由⇒自己責任→自分達でつくっていく」

6. 「木のこん」の概要
注）東山里山子育てひろば「木のこん」の運営体制図をもとに作成。
東山地区振興協議会 役員会
【その他の協力者】
住民センター事務員
地域復興支援員
振興会が運営
東山里山子育てひろば「木のこん」
【わさかき】
わさかき、母親たち
【地域おこし協力隊】
【木のこんスタッフ】
外部人材
<直接子供を見守る>
<裏方で支援する>

7. 利用者数の推移
注）木のこん開催日は入手した資料、イベント開催日は木のこんブログ（web）
をもとに作成。
利用者数の平均 大人：約6人、子供：約8人平成26年度

8. アンケートの結果
1.性別 (人)
男性 5
女性 14
合計 19
2.住所 (人)
小千谷市の東山地区 2
小千谷市の東山地区以外 14
長岡市の山古志地区 0
長岡市の山古志地区以外 1
その他の市町村 1
合計 18
3.年齢 (人)
10代 0
20代 0
30代 8
40代 7
50代 1
60代 1
70代以上 2
合計 19
•木のこんの概要を把握することを目的とした
•実施期間は7月5日～7月26日まで
•合計20部を回収した
東山地区以外の
小千谷市在住の
子育て世代の女性が多い

9. アンケートの結果
6.木のこんを利用した感想を教えてください。 （人）
のびのびと自然体で過ごせた 5
自然があって良い 3
子供の成長を感じ取れた 3
楽しかった 2
また遊びに来たい 2
小さい子だと遊びにくい 2
スタッフが増えて利用しやすくなった 1
住んでみたい 1
合計 15
5.木のこんに参加しようと思った理由を
教えてください。
（人）
自然と触れ合いたい 4
良い子育て・教育の場だと思った 4
自由にのびのびと過ごしたい 2
森のようちえんに興味があった 1
ベビーマッサージを受けにきた 1
友人に誘われた 1
どんなところか気になった 1
合計 13
一致している

10. アンケートの結果
7.保護者の方にうかがいます。木のこんに
参加して、お子さんの変化はありましたか。
（人）
あった 9
なかった 1
わからない 4
合計 14
8.7で「あった」と回答された方にうかがいます。
それはどのような変化ですか。
(人）
挑戦する勇気が出てきた 3
親離れするようになった 3
活発になった 2
自然のものを使って遊ぶようになった 1
のびのびしていた 1
合計 9

11. アンケートの結果
9.保護者の方にうかがいます。木のこんに
参加して、ご自身の変化はありましたか。
（人）
あった 9
なかった 1
わからない 3
合計 13
10.9で「あった」と回答された方にうかがいます。
それはどのような変化ですか。
（人）
おおらかに前向きになった 5
子供に任せられるようになった 2
このような場所にどうしても住みたい 1
子育てに煮詰まっていたが救われた 1
合計 9
親子共によい方向へ
変化があった人が多い

12. 交流の促進と生活環境の向上の可能性
• 利用者が多くいる
• 肯定的な意見多い
地域外の
利用者
• 利用者が少ない
地域内の
利用者
• イベントの際に地域住民を
招く機会は少ない
地域全体
影
響
は
十
分
に
あ
る
と
は
言
え
な
い
要
望
を
満
た
す
理念に共感し、救われた人がいる
様々な人にとってかけがえのない場

13. 木のこんの活動理念
 危険もある中で、あえて乳幼児から子育てをする
→自然の中で五感を働かせ、
生きる力を身につける
 自分の子供のことは親が責任を持つが
（体調や危険など）、参加者全員で見守る
 ×過保護・過干渉
○受容・肯定→極力ダメとは言わない
普及に向けた設立者・運営者への提案

14. 設立に必要なこと
• 所属サークル、わさかきへの
呼びかけ
• ＨＰにて人材募集
人
• 裏山の貸し出し許可
• 保育所跡地の
使用許可
場所
• 様々な事業による資金調達
• 無給スタッフを引き受けた資金
理念に
共感したから
集まった
理念に
共感したから
貸してくれた
理念を強く
持っているから
ここまでできる
理
念
を
持
つ
こ
と
は
大
切
普及に向けた設立者・運営者への提案

15. • 口頭や掲示物で注意喚起
• ひろば保険への加入
• 運営体制の確立
(振興会が責任負う)
安全面の
確保
• スタッフは「場の見守り役」
• 利用者がお互いに子育て
の助言をして高め合う
• 必要な技術を身につける
参加者の
意識・技術
の向上
運営に必要なこと
参
加
者
全
員
が
、
理
念
を
共
有
す
る
普及に向けた設立者・運営者への提案

16. 人
場所
資金
普及に向けた設立者・運営者への提案
安全面の確保
参加者の
意識・技術
の向上
＜設立＞ ＜運営＞
行政が支援する
外部人材
の配置
代わりの
独自予算
の補助

17. 普及に向けた制度面の提案
設立者
木のこんの場合
保育の場を
始めたい
保育園跡地を
有効利用したい
ニーズが一致
東山地区
振興協議会

18. 普及に向けた制度面の提案
子育てに
詳しくない人
他地域で考えられる問題点
拠点事業：保育施設以外も活用できる
子育て関係以外
の行政部門
知らない場合が多い
知ってもらうには？

19. 普及に向けた制度面の提案
情報提供情報収集
市の
農林水産部門
市の子育て
部門
設立者
協力
中山間地域の
実態を把握
空き
施設
中山間地域

20. 普及に向けた制度面の提案
設立者
親交あり
木のこんの場合
支援
拠点事業の
実施主体
東山地区
振興協議会

21. 普及に向けた制度面の提案
設立者を
支援する組織設立者
他地域で考えられる問題点
支援
地域とあまり
親交ない
信頼のおける人物であるという
保証を受けづらい
→拠点事業の実施主体となる
組織を見つけづらい

22. 普及に向けた制度面の提案
情報収集情報提供
市の
農林水産部門
市の子育て
部門
中山間地域 設立者
協力

23. 人
場所
資金
普及に向けた設立者・運営者への提案
安全面の確保
参加者の
意識・技術
の向上
＜設立＞ ＜運営＞
行政が支援する 自由を持たせる

24.  木のこんの皆様
 東山連絡所の皆様
 東山地区の皆様
謝辞