Toyama20180826

GISを使った教材づくり
新指導要領必修「地理総合」を念頭に
2018年8月26日日本地図学会地図学カレッジ
伊藤智章（静岡県立裾野高等学校教諭）

１．問題の所在
２．教材づくりの指針
３．事例紹介

地理屋・・・教科ギルドの抵抗・弊害
（伊藤：2017）
地
理
学
専
攻

地理屋の懸念①
未履修者に高校地理ができるか？

若い連中は
中学校以来、地理を
勉強してないんですよ
高校での履修機会を奪い
それを黙認してきたのは
どこのどなただ…!!

「地理の見方・考え方」
が専門外の人にちゃんと
教えられるんですかね？
「歴史」の方に、同じこと
を言われませんでしたか？
その時どう感じ、どう対抗
してきましたか？

地理屋の懸念②
新しい教材・指導法への
拒否反応

地図の読図や
フィールドワークは
修行です。鍛錬です。
私も若いころは…
（以下略）

手仕事させてなんぼです。
スマホ漬けな小僧には
なおさら…！

GIS？アクティブ？
現場を知らぬ偉いさんの
絵空事です。無視無視

はい、おまち！。
白黒地形図プリント

「鉄人」の料理は、誰でも作れません
理想主義に走りすぎた「学習指導要領」
推奨する研究者と現場とのギャップ

発想の転換が必要です。

必修化とは、全国チェーン展開の
ようなもの。今は急拡大前夜。

「専門店」の味、スタイルを受け
継ぎながら、チェーン展開するには？

チェーン店の味を入り口に、専門店
に足を運ぶお客様をどう取り込むか？

地図／地理教育
「業界」全体の問題
地理総合
地理探究
2022～
地理A
地理B

若いころ、「読図」や「製図」の
修業を経験した地理屋さん達
地図のプロとしての一定の自負

日常的に自分で作図している
地理屋は少ないという自己矛盾。
白黒コピー、過去問切り貼りなど･･･

それでいて、チェーン店の
「機械で打つ手打ち風うどん」を
一段低く見ている。バイトが作る
「讃岐うどん」w

「素人が機械で打つ」うどん屋さん
安くてそこそこ本格的
トッピング、新メニュー充実
全国に定着「うどん屋」業界にも貢献

例１）「ポケモンGO」ブーム

例２）Googleの地理情報サービス

例３）オープンデータと
フリーな地図サービス

GISは、セルフうどん店の
「製麺機」である
手打ち（風）の麺（地図）
を、いつでもどこでも提供
「職人」に経験や修行を
求めない
材料・ノウハウ・機械部品
を共通化している。

ショップメイドの
新鮮な地図教材
をお客様（生徒）へ
紙のプリント
大判の白地図
スマホ・タブレット画面
トッピングは
ご自由に！

うどんが出来るまで
製麺機の使い方
うどんの吟味・品質検査
GISソフトの操作実習
分析・研究活動
すべての「店」で、すべての「客」に
対して「日常的に」行う必要はない。

メニュー選びトッピングの楽しみを提供
今日はどの地図に
しようか・・・・。
どんなデータを
載せようか…。
リピーターの獲得！

教材の「お持ち帰り」を推奨
スマホとの連動性・地域への頒布

２．GISを使った教材づくり

①基本コンセプト
生徒に製麺機（GISソフト）
の使い方を教えるわけではない

状況に応じて麺（地図）を選び
情報を組み合わせる楽しみを
伝える教材（教室の中でも外でも）

器（提供媒体）を多様化。限定しない。

②現状と課題
GISソフトを使った
「プリント作り」がほとんど
個別作業が中心
提示用教材と完全に連動できる

大判地図とタブレットを組み
合わせた協働学習
準備が大変な割に効果は
高くない。動機づけ程度に

スマホとどう付き合うか？
教室の秩序、学習効果を
考えると活用難しい
データ配信の問題
野外学習や授業後の復習
発展での利用に期待

教室の本命は「タブレット」
・無線LANのない教室で動く
地図帳アプリ
・ブログを介してデータを配信
・地図をシェアするWebサービス

（１）ハザードマップ
on Google Earth

パソコン・スマホ・タブレットで
いとちり
各種データやアプリへの
リンクがあります。
http://itochiriback.seesaa.net/

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