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【TECH×GAME COLLEGE#25】
ビッグデータ時代だからこそ、
学びなおす問題解決のやり方
中村 竜太郎
参考図書
今回のテーマは、元々分析経験もない私だからこそ
いち分析者、管理職(分析、事業の両サイド)を経験するなかで
分析者視点、事業部視点の両面から見て
特に役に立った本の考え方と、実体験を合わせてお話させて頂き
ます
分析手法
テーマ選定の背景
考え方
論理的思考
問題解決思考
全ての起点
他の歯車を活かすも殺すも
ここ次第
第1の歯車
第2の歯車
可視化
集計
第3の歯車
ビッグデータ/BI
第2,3の歯車はテクノロジーのおかげで
時間・お金含め
コストと実行のハードルは下がった
しかし
下がったのはあくまでも
コストと実行のハードルだけ!!
テーマ選定の背景
分析手法
考え方
論理的思考
問題解決思考
可視化
集計
第3の歯車
ビッグデータ/BI
第1の歯車
第2の歯車
可視化だけして分析気分
グラフみて思ったことだけ言って分析気分
第1の歯車が機能していないと・・・・・
手法を使って分析気分
そうならないためにも、『考え方』にフォーカスした話になりま
す
テーマ選定の背景
つまり、全ては問題を解決するための手段でしかない
よって問題解決を意識できないということは
コックで例えるとこんな感じ
食材
(データ)
・食材(データ)や作りたいものが基点
・とにかくなんでも千切り (可視化)
・調理方法(分析手法)に固執する
・料理を提供するまでがサービス
(集計・可視化や意見を報告するだけ)
・お客の注文・ニーズ(問題)が基点
・必要なものだけ千切り(可視化)
・適した調理方法(分析手法)を実践
・お客が満足するまでが提供サービス
(問題が解決する、意思決定まで)
お客(問題解決)を意識しないコック お客(問題解決)を意識するコック
× 〇
この勉強会で伝えたいこと
企画職や分析者から問題が定義、分析され
問題解決の手段として「企画」が作られていると思います
そしてそれを形にするのは
ここにいらっしゃる現場で活躍しているエンジニアの方々です
だからこそ
その「問題」は正しいのか?
その「企画」は本当に形にすべきなのか?
を今回の「問題解決のやり方・考え方」を使って
「企画」の本質的な理解に役立ててもらえればと思います
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順があるのを知ろう
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順があるのを知ろう
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
問題とは?
現状
あるべき姿
問題 = あるべき姿と現状のギャップ
ギャップ
この二つがしっかりと定義し言語化されな
い限り、問題は定義されない
有名な児童小説でも言われていること
Alice: What road do I take?
アリス/道を聞いてもいい?
Cheshire Cat: Well where are you going?
チェシャ猫/どこに行きたいかによるけど?
Alice: I don't know.
アリス/どこに行きたいか、わからないの
Cheshire Cat: Then it doesn't matter.
If you don't know where you are going,
any road will get you there.
チェシャ猫/ならどうでもいいよ。
どこに行きたいかわからないなら、
どの道を選んだってどこかにたどり着けるんだから。
あるべき姿(目標)を決めない限り、問題も存在しないし、間違
いもない、更に正解もない
施策(プロダクト)の問題を教えて?
どこを目指しているんですか?
具体的には決めてないので、特にないです
問題定義・明確化のため、まずは分類する
 発生タイプ あるべき姿は設定される(受動的)
• 目標不達問題
• 異常発生問題
 設定タイプ あるべき姿は自分で設定する(能動的)
• 設定型問題
• 将来型問題
発生タイプ 目標不達問題
業務目標と現状のギャップが生み出す問題
日、週、月、半期、年度などの期間目標に対して
達成出来ていないケースで起きる問題
ビジネス的に一番発生する問題
やべーな
今月の売上未達だ。。。。
発生タイプ 異常発生問題
過去の延長線上で問題が発生
維持すべき現状から逸脱し、ギャップが生まれるケース
原因究明と対策立案/実行の緊急性が高い
先週と比べるとDAU
すごい落ちてるな・・・
設定タイプ 設定型問題
現在の問題に対して、改善改革活動のように
積極的に新たな到達目標を設定することで発生する問題
やっぱり、このイベント参加率を
60%までは引き上げたい
設定タイプ 将来型問題
これからどうするか、どこを目指していくべきかなど
将来のあるべき姿を描き
それと今を比較して問題を定義する
現状の翌月継続率で推移すると
2年後には月の売上規模が約5億だ。
8億目指すためにも継続率××%を目指す!
分類して、必要項目を埋める
 問題のタイプ
 あるべき姿
 あるべき姿を目指す理由
 目標値
 現状値
 ギャップ
特にここが明確でないと
達成できたかどうかもわからない
ここが難易度を測る目安
依頼者からの問題を整理するOPQ分析
依頼者の状況や疑問が正しく理解することが重要
それの方法としてOPQ分析というのがあります
 O:Objective(望ましい状況)
依頼者が考えている達成すべき目標や改善後の姿
 P:Problem(問題、現状とObjectiveのギャップ)
依頼者にとっての問題
 Q:Question(依頼者の疑問)
Problemに直面した依頼者が抱くだろう疑問(依頼者の視点で)
A:Answer(答え、主メッセージ)
Questionに対する答えが主メッセージとなる
レール(軸):望ましい状況と現状を比較する際のモノサシ
このレールが、トピック(テーマ、主題)になります。
「何が最も効果があるのか?」を問うのが
重要
このゲームというドメインは
どうあるべきか?
という哲学論や主観に陥りがち
その原因は
大本のゴール、目標値を決めていないから
そこが決まっていれば
「何が最も効果があるのか?」
という本質的な議論に集中できる
まとめ
問題解決なので
解決すべき「問題」を明確にするのが最重要
そのために、目的、ゴール、目標値を特に明確に
曖昧さを残さず
ここを明確にし、依頼者との認識をしっかり揃える
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順がある
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
とある会議にて
3ヵ月連続売上目標達成で絶好調だったけど、
今月の月初ガチャ売上が見込より約5千万程悪く、
このままでは今月の目標達成が厳しい状態なの。
あのキャラは売れないよ
どのUserが
計画対比で一番
ビハインドしたんですか?
セールをやりましょう
How:対策の話
Why:原因の話
Where:問題所在の話
とある会議にて
Where
問題解決の正しい手順
Why
How
問題はどこで起きているの
か?
その原因は何
か?
どう対処するの
か?
原因がわからないと、
正しいHow にはならな
い
問題の所在を絞らない
と
的確な原因にならない
スキーマでWhereを決めつけている
売上が悪い所在(User層等)がわからないまま、
原因の話をしても 非効率
先ずは、売上が悪い所在(User層等)がどこなのか?
という問題の所在を探っている
とある会議にて
スキーマでWhereとWhyを決めつけている
売上が悪い所在(User層等)も
更にその原因もわかっていない状態で
正しいHowの提案はできない
×
×
〇
スキーマ
強くショックを受けた少数の代表例だけを記憶の中に残し、
一人一人の頭の中に構築される、A = Bという個人的な思い込み
How思考に気を付ける
典型的な
How思考人間
×今期の売上どうやって
維持していこう
それであれば、新規・復帰の
継続率を上げるアプローチで
行きましょう!!
具体的にどれぐらいの売上を維持する必要(目標)があるのか?
問題(目標)が明確でない状態で、具体的なアプローチ(How)が出てくる時点で危険。
問題が明確になったら、まずwhereの手順で「目標を達成するために一番
効果的なのはどこなのか?」を明確にするwhere分析を実施する必要がある。
まとめ
問題解決には手順がある
Where → Why → How
必ずこの順番で取組み、
最初に問題箇所はどこなのか?
そこを明確にし、全員の認識を必ず揃えてから
次の工程へ
いきなり、How(打ち手)の話をするような
How思考にならないようにしましょう
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順がある
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
Whereの作業工程
1. 問題の全体を正しく捉える
2. 問題を適切に絞り込む
3. 論拠をつけて問題を特定する
Whereの作業工程
1. 問題の全体を正しく捉える
2. 問題を適切に絞り込む
3. 論拠をつけて問題を特定する
問題の全体を正しく捉えないと何がだめか
問題の全体を把握しないと、問題の所在を見落
とす
ことがあり、問題の所在を見落とし解決でき
ない
全体が決まらないとモレは決まらないため、抜
け漏
れが決まらずMECEにすることができない
どの範囲までの問題を解決するのか
つまり、検討に入る前に
考えることの全体を定義する
全体を決める際のポイント
ポイントは
周囲からの期待を考慮し、視座(目線)としては
“自分の立場の一つ上くらい”を考えて取り組む
※仕事の依頼者(上司等)が、更に上に報告する際にどうあるべきなのか?をイメー
ジする
全体を決めた時点で、上司・関係者と必ず「にぎ
る」
そうしないと出戻りになり、
この後の作業が全て無駄になることがある
あのアインシュタインも言っている
こと
アルベルト・アインシュタイン
いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識
に
よって解決することはできません
つまり
依頼者が暗黙的に想定している
スコープや目的のまま
取り掛かろうとするのは危険
問題の全体を正しく捉える 例
復帰Userの定着率を上げたいんだけど、
どこに改善ポイントがあるか分析してく
れる??
ちょっと確認させください。
復帰Userの定着率を上げることで、
その上位にある改善したい指標と目標値
は何になりますか?
依頼者の視点から一段視座(目線)を上げて、
依頼(問題)をまずは捉えなおす
もちろん売上よ。
目標値は、予算の月5億達成よ
それであれば、問題自体を
予算の月5億達成のために
どこに伸びしろがあるか?
として、問題解決アプローチ
させてください
Whereの作業工程
1. 問題の全体を正しく捉える
2. 問題を適切に絞り込む
3. 論拠をつけて問題を特定する
なぜ、問題を絞り込むのか?
限られたリソースで、絞り込まずに検討に入ると
広く浅い話にしかならず、根本原因の特定にはならな
い
確かにDAUは減っているけど
具体的にどの層が抜けているの?
そこもわからないまま、石配布量増やす
って適切なの??
DAUが落ちているので、
DAU維持のために
ログボの石配布量増やしましょう
適切に絞り込む際のポイント
 「切り口」を考える
ゲームUser → ex)プレイ日数、購買履歴
 「切れ目」を考える
プレイ日数 → インストール後1-2day,3-6day,7-13day…
購買履歴 → 総課金額0円、1,000円未満、3,000円未満…
「切り口」 と 「切れ目」 を考えるのがポイント
絞り込むための4Wの切り口アプロー
チ 例
When いつ起きた問題なのか?
月毎、日毎、朝/昼/夜、週毎、上旬/中旬/下旬 etc・・・
Where どこで起きた問題なのか?
国別 etc・・・ (ゲームではあまり利用しない切り口かも)
Who 誰で起きている問題なのか?
Userを 新規/既存/復帰レベル、インストール年月、
プレイ日数(月、週)、RFMのセグメント別 etc・・・
What 何で起きている問題なのか?
品目別(体力回復、ガチャ、月額)、ガチャ種別イベント種別
etc・・・
感度が良い切り口を選ぶ
さまざまな切り口を洗い出したら
特定の場所だけが問題となる切り口、
つまり特定箇所に問題が固まっているもの
感度が悪い 感度が良い
減少額が大きく
問題が固まっている切り口
Whereの作業工程
1. 問題の全体を正しく捉える
2. 問題を適切に絞り込む
3. 論拠をつけて問題を特定する
論拠をつけて問題を特定する
そもそもの問題(テーマ)に対して
Whereで特定した箇所を解決すると
問題解決に対してのインパクトが大きいと言える
理由
ろんきょ【論拠】
論証において、ある事実の真偽を判定する根拠となる事柄
大辞林 第三版より
もうちょい噛み砕いて
問題所在の論拠 例
今回のガチャが前回のガチャに比べて、2千万下回った件ですが
減少額を様々な切り口で分解し比較した結果
1,000~3,000円未満の購入者の
売上減少額が2千万程近くあり
前回比の減少額とほぼ一致します。
よって、 1,000~3,000円未満の購入者減が問題の所在といえます。
ココが論拠!!
論拠と原因の違い注意
「問題が問題であるといえる」理由 →
論拠
「問題が発生してしまう」理由 → 原因
例題 問題の所在or原因どちらを伝えてい
るか
DAUが一昨日から3万人減少しているのは、
低レベル帯のUserが3万人抜けているからです。
問題の所在。「~から」と表現すると原因のように見えるが、これは間違い。
原因であれば、3万人が抜けてしまう理由を話す必要がある。
例題 問題の所在or原因どちらを伝えてい
るか
売上目標に対して4千万ビハインドしたのは、
高レベル帯UserのARPPUが想定と大きく乖離したからです。
問題の所在。日常でも「ARPPU」が低いのが原因です」と言うのを聞くがこれは間違い。
これはあくまで問題の所在しか話していない。
この場合、ARPPUが低くなった理由を話さないと原因にはならない。
よく使う問題所在の論拠づけ
増加または減少が大きい
改善の可能性が高い
全体に占める割合が大きい
これらの論拠のうちどれが最も重要かは、
解くべき問題が何なのかによって変わります
例)売上が減少しているという問題に対して
先月比で今月の売上が
大きく下がっているの
<論拠候補>
1.増加または減少が大きい
2.改善の可能性が高い
3.全体に占める割合が大きい
◎
売上が下がっている問題を解決したいので、
この場合「減少が大きい」ところを問題箇所と特定するのが一般的。
全体でみた場合に最も売上が減少している箇所を特定し、そこに歯止めをかけるという考え方。
例)全体の売上が伸び悩んでいる問題に対し
て
<論拠候補>
1.増加または減少が大きい
2.改善の可能性が高い
3.全体に占める割合が大きい
◎
減少と似ているがこの場合は、伸び悩んでいるであって、別に下がっているわけではない。
この場合は、改善可能性が高いところが重要。全体に占める割合が仮に現在小さかったとし
ても、今後の伸びしろが大きく見込まれていれば構わない。
今年に入ってから
売上が伸び悩んでいるの
例)全体のイベント参加率が悪い
先日やった
××イベントの参加率が悪いの
<論拠候補>
1.増加または減少が大きい
2.改善の可能性が高い
3.全体に占める割合が大きい◎
全体に占める割合が大きいところが問題箇所となる。ある特定の大きなUserセグメントで参加
率が低いと、全体の参加率は下がる。そこを改善するのが全体に対するインパクトが大きい。
まとめ
問題解決の手順の中でも
まずとりかかるべきなのは
「Where」
論理的思考でしっかりと
論拠をつけて問題所在を明確にするのがポイント
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順がある
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
コインの裏返しに注意!!
表面的に起きている問題を、
そのまま裏返して対策にしない
コインの裏返し 例
1,000~3,000円未満の購入者層減少がなぜ起きているのか?
原因を明確にする前に、対策(How)の話をしない!!
今回のガチャが、前回比で売上が
大きくビハインドした件だけど、
1,000~3,000円未満の購入者層減少に
よるものだったわ(問題の所在)
よし、購入者増やす対策を考えよう!!
例えば、
・おまけをつける
・10連初回を割引
こんなのどうだい??
How思考!!
原因分析のやりかた 因果の構造図
1,000~3,000円未満の購入者層減少問題の所在
原因
優良User離脱
ガチャキャラ
魅力無し
セールを
やっていない
石在庫
がダブついてる
×事実ではない
(データで確認済)
×事実ではない
(データで確認済)
直前の
ガチャ消費が悪く
石在庫が高い水準
だった
×事実ではない
(データで確認済)
比較検証
優良顧客のDAU
比較検証
・ガチャ参加率
・平均ガチャ消費石
比較検証
石在庫数
比較検証
セール実施内容
石在庫
トレンドを確認して
いない
比較検証
ガチャ消費のトレンド
石在庫
を考慮した売上見込
を立てていない
なぜ?
なぜ?
なぜ?
・事実じゃないものや裏付けが取れていないものは点線の〇で
・データで比較検証したものは□で
因果の構造図でのポイント
1)最低でも5回は「なぜ」を繰り返す
2)論理の飛躍に気を付ける
3)打ち止めになるまで掘り下げる
4)自分を主語として考える
5)事実で確認をする
6)問題の固有原因になっているか確認する
7)手を打つべき原因を決める
手を打つべき原因を決める
複数の仮説原因から、下記の基準で手を打つ原因を決める。
問題解決の効果を高める
• 主たる原因に手を打つ
• 全体に影響が出るように手を打つ
• 浅すぎず深すぎないところに手を打つ
対策の実現性を高める
• 単にやってないだけの原因に手を打つ
• 下にある原因を避けて手を打つ(手を打つのが困難な原因がある場合)
検討の効果を高める
• 悪循環を断ち切るように手を打つ
• いくつかの原因にまとめて手を打つ
まとめ
原因分析のWhyも
いかに
抜け漏れなく可能性となる原因を洗い出し
常に問題の原因は自分たちの考え方・行動にあると
捉え深堀していくのが重要です
事実(データ)と論理で検証し
しっかりと論拠をつけて特定できるかがポイント
アジェンダ
1. そもそも「問題」とは?
2. 問題解決には手順がある
3. Where 問題所在の把握
4. Why 原因の特定
5. How 打ち手の構築
あらためて、対策とは??
対策とは
意図を持ってこれまでと違うことを行うこと
「これまでと同じこと」を一生懸命やる
現状の原因構造のどこかを変えうる
“これまでとは違うこと”が対策には必須!!
単なる思いつきではなく
“適切に考え抜かれたこれまでとは違うこと”
Howに取り掛かる前に
Where(問題箇所特定)+論拠付
↓
Why(原因特定)
とここまできたら、まずやることは二つ
・原因を“課題化”する
・課題が解決した状態定義と目標数値化
原因の課題化
問題:報酬獲得率が現状20%。そこを40%まで引き上げたい
問題の所在(Where):ミドル層
Whereの論拠:他の層と比べると報酬獲得率が低く改善の可能性があるのと、
User
全体数に占める割合も大きいため
原因(Why):報酬獲得までの難易度(トータルのスタミナ消費量)がミドル層に
とっては
高いため
目玉イベントの報酬獲得率が現状20%。そこを40%まで引き上げたいという問
題に対
して問題解決アプローチで分析した結果、WhereとWhyは下記のようになりま
した。
課題=ミドル層に対しての報酬獲得までの難易度を適正化する
課題が解決した状態定義と目標化
問題:報酬獲得率が現状20%。そこを40%まで引き上げたい
問題の所在(Where):ミドル層
Whereの論拠:他の層と比べると報酬獲得率が低く改善の可能性があるのと、
User
全体数に占める割合も大きいため
原因(Why):報酬獲得までの難易度(トータルのスタミナ消費量)がミドル層に
とっては
高いため
課題:ミドル層に対しての報酬獲得までの難易度を適正化する
目玉イベントの報酬獲得率が現状20%。そこを40%まで引き上げたいという問
題に
対して問題解決アプローチで分析した結果、WhereとWhyは下記のようになり
ました。
課題が解決した状態=報酬獲得の難易度適正化によりミドル層の獲得率が向
上
目標値=報酬獲得率40%
Howに取り掛かる前に必要なものは
How(対策)を考える前に
揃っていなければならない情報は、下記
1. Where(問題個所と論拠)
2. Why(原因)
3. 課題(原因から課題化されたもの)
4. 課題が解決した状態(あるべき姿、定性的に)
5. 課題が解決した状態の目標(定量)
仕事でよくあるケース
仕事でよく「課題管理表」というのがあります
課題化されているならまず、
あるべき姿があり、現状があり、
そのギャップの問題が定義され、
更にWhereとWhyが
明確になっていなければなりません。
それがないまま、
課題だけが出てきているなら
それは課題ではなく、
なんとなく不都合な事象の列挙に過ぎません
対策案は複数あるべき
複数、それもできるだけたくさん考えることが重
要!
なぜかというと
・実行して効果が不十分な場合、代替案として二の矢、三の矢と
して
予備対策として使える
理想は3つぐらいあるとよし
対策案が一つしかないのは危険
わかりました
じゃあ、この物件がおススメですね
この一択しかないですね
探している物件条件は
・渋谷駅から徒歩10分以内
・広さは2LDK
・家賃20万以内
って感じで検討しています
いやいや、検討したいんだから
この条件で一択しかないって
おかしいよね??
例えば物件を探している時、希望の条件を提示したのに、決めうちの1物件だけを
提案されても、「本当にそうなの?」、「他にもあるんじゃないの?」と思うのと一緒
そもそも複数案ない限り、検討もせずに採択しているということ
複数案から選ぶ評価軸は
対策案は複数の視点で評価する
よくある評価視点は、
1.効果(インパクト)
2.コスト
3.時間
4.リスク
上記4点を踏まえて採択する
ここまで来て、”How思考”にならない!!!
解決されるプロセスを明確に
対策を実施した場合に、ドミノ倒しのように
どういったプロセスで原因が解決されるのかを考
える
問題が解決されなかった時に
どのプロセスに問題があったかが容易にするため
プロセス毎に指標を設定しておく
問題個所原因 指標 指標 指標
対策の原因解決~問題解決のフロー
イベント特攻キャラを配布する
ミドル層が
イベント特攻キャラを獲得する
ミドル層が
イベント特攻キャラを育成する
ミドル層が
イベント特攻キャラを使って
イベント参加する
ミドル層が
報酬を獲得する
ここまで考えて、初めて対策を考えたことになる
プロセスを考えられていないようであれば、思いつきレベルと同
じ
獲得率
育成率
使用率
報酬獲得率
全体の獲得率があがる KGI:参加者全体の報酬獲得率40%
問題の所在としていたミドル層が
実施した対策でどういった
プロセスで最終目的のKGIを
達成するのか?
そして各プロセスごとの質を評価
できる指標を設定しておく
まとめ
Howが『企画』にあたる部分です
つまり、What,Where,Whyが明確になっているのが前提
エンジニアの方々が実装してくれている『企画』が
本当に正しい手順で行われたHowか?を
是非
エンジニアの方も改めて確認し
問題解決の確度を上げて
本当に実装すべきことに集中できる環境を作りましょう

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