最新技術に挑戦し続ける LIFULL HOME'Sアプリの開発について

最新技術に挑戦し続ける
LIFULL HOME'Sアプリの開発について
2018年2月15日
株式会社LIFULL 高橋庸介
Developers Summit 2018

© LIFULL Co., Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。
高橋庸介
• 2015年株式会社LIFULL入社
• LIFULL HOME’Sアプリ開発担当
• iOS, tvOS
• API
• AWS
• Firebase
自己紹介
2

LIFULL
3

© LIFULL Co., Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。4
LIFULL HOME’Sアプリ

本発表のテーマ
5

プロダクトに導入するまでが
新技術への挑戦です

Android

Android
Google Play 「ベストオブ 2017」デイリーヘルパー部門入賞
一昨年のGoogle Play 「ベストオブ 2016」ベストローカルアプリ部門に続いて2年連続

iOS

iOS
AppStore
Today
掲載

新技術をプロダクトに導入したことで
評価に繋がっている

• アイデア提案
• 導入時の困難に立ち向かう
• 技術的負債の返済
12
新技術を導入するための課題

長期目線で評価してもらわないとつらい
短期目線しかない組織では提案が通りにくい
アイデア評価 - 新技術アイデアを評価する
14
根気強く意識を変えていくしかない

アイデア評価 - 風土づくりにつながる活動
• Google I/O・WWDC動画鑑賞会
新機能だけでなくUXや画像フォーマットなどのセッションも
• デザイン勉強会ランチ
最近のアプリデザインの流行を追う

アイデア評価 - モックで提案する
モックで提案することで採用率アップ
• 言語化できないよさを伝えられる
• 実現可能性を示せる

アイデア評価 - クリエイターの日
1Qに7日間だけ普段の業務以外のことに挑戦できる制度

根気強く風土づくり

導入時の困難に立ち向かう - 新技術には困難がつきもの
新技術導入時に直面する事態
• 調査・学習が難しい
• 予期せぬことが起こる
これらを乗り越えて初めてプロダクトに導入できる

Android Instant Apps
21

Instant Apps
ネイティブアプリをインストールをしなくても
使えるようにする技術
対応デバイスは世界で5億台以上
(2017/9/6時点)
まだ対応事例が少ない

Instant Apps - 大規模な実装見直しが必要になる
Instant Appsに対応したモジュール構造にするために
全体の依存関係と実装見直しが必要に
作業内容
• コードの依存関係を洗い出し
• 依存関係の整理、似た機能の統合、容量削減
• Instant Appsとしての機能開発
• 動かない機能の復旧
• テスト

Instant Apps - xmlリソースの参照問題
特定条件下でのリソースアクセスで
「Resource Not Found」になる
機能モジュール内xmlからのリソースアクセスはBaseモジュールのRを参照してしまう
（ビルドが通ってしまうので気づかない）
Feature Base
bg_image bg_image

• Google Analytics - Android 7で動かなかった
• Crashlytics - 今では対応済み
• DataBinding - 今でもBaseモジュールでしか動かない
Issue Tracker、Stack Overflowを見て調査
InstantApps - ライブラリがInstant Appsに対応していない
25
https://qiita.com/inuko/items/c93d9963cdc97136219b

Tango
26

Tango - LIFULL HOME’S Room Style AR
実際のお部屋にカーテンのイメージデータを表示すること
で、模様替え後のお部屋をリアルにシミューレション
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.lifull.homes.android.roomstyle_ar

Tango - 早すぎた
Tangoのサポートは2018年3月1日に終了
対応端末は2端末のみ
• Phab 2 Pro
• ZenFone AR

ARKit
29

ARKit - AR間取り計測
ホームズくんと一緒にお部屋を計測

ARKit - WWDC後のブレスト
A:「家具とか置けたらいいよね！」
B:「ホームズくんが召喚できたら面白いよね！」
C:「それはどれぐらいでできるの？」
一同: 「…」

ARKit - WWDC後のブレスト
A:「家具とか置けたらいいよね！」
B:「ホームズくんが召喚できたら面白いよね！」
C:「それはどれぐらいでできるの？」
一同: 「…」
Tangoやった人:「モデルありますよ」

ホームズくんモデルの取り込み
Blenderで作成したホームズくんモデルを
取り込み
応用例
クリスマス仕様

ARKit - ホームズくんのモデルで可能になったこと
ホームズくんとコミュニケーションしながらユーザを誘導
専門用語による説明ではなくホームズくんとの対話
床認識操作の誘導認識完了の通知

AppleTV
35

AppleTV - 家族で住まい探し
住まい探しは家族の問題
家族で住まい探しをする新しい体験を提案したい

AppleTV - PodspecにtvOSがあるはどれ？
• AWSCore (AWSSDK)
• Firebase
• GoogleAnalytics
• GoogleMaps
• Fabric

AppleTV - Fabricだけ（2018/2/14現在）
• AWSCore (AWSSDK)
• Firebase
• GoogleAnalytics
• GoogleMaps
• Fabric

AppleTV - ライブラリが対応してないなら自力で実装
AWS接続部分はリファレンスを読みながら自力で実装
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/general/latest/gr/Welcome.html
Google AnalyticsはScreenやEventを送るぐらいなら簡単
• https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/protocol/v1/devguide?hl=ja
• https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/protocol/v1/parameters?hl=j
a

iOSに新規インストールするとtvOSにも
インストールされる設定
その代わりtvOSだけ配信停止はできな
後での解除できない
※ 審査等はiOSに影響しません
40
AppleTV - Universal Purchaseにするか？

AppleTV - AppleTVのストア掲載

新技術には困難がつきもの
リスクを取る覚悟をする
42

iOSアプリリニューアル
44

技術的負債の返済 - iOSアプリが抱えていた技術的負債
アプリのメンテナンス性の低下
メンバー入れ替わりによるコードのブラックボックス化
• 新機能追加のコスト増加
• 仕様把握漏れによるバグの発生

新技術を導入しやすい設計
→ 機能追加・修正時の影響範囲がわかりやすい設計
技術的負債の返済 - 設計方針
46
統一化
抽象化

技術的負債の返済 - iOS HOME’S Architecture
View
Presenter
UseCase
Repository
画面表示やイベント検知を主に行う
表示する情報取得と加工を行う
アプリケーション共通の処理を行う
サーバやデータベースへの
アクセスを抽象化する
レイヤごとの役割を明確化

技術的負債の返済 - 特定の枠組みに依存しない
UseCase
Repository
RepositoryProtocol
UseCaseはどこからデータを取得して
いるか意識しない
ラリブラリや外部サービスの切り替え
が容易に

技術的負債の返済 - 型の命名規則の統一
実装するものの役割からレイヤを決める
→ 型名は主に扱うデータ名 + レイヤ名
• PropertiesPresenter: 物件情報の表示用加工（物件一覧画面の表示
）
• PropertiesUseCase: 物件に関する処理（物件検索）
• PropertiesRepository: 物件情報の取得（物件検索クライアント呼
び出し）

技術的負債の返済 - UI実装の統一
ローディングエラー

抽象化と統一化で
新技術導入のコストを減らす
51

次の挑戦への繋がり
52

次の挑戦への繋がり - 継続的に新技術に挑戦するサイクル
実績ができたことが
次のアイデアへのエネルギーを生む
アイデア提案プロダクトへの導入
技術力UP
モチベーションUP
プロジェクト化

次の挑戦への繋がり - アプリの成長
自分の強みを発揮できる分野 × チーム開発
→ 多面的にアプリを改善
AWS
AR
ライブラリ
機械学習
Firebase
CI

次の挑戦への繋がり - アプリを介したチーム力強化
他メンバーにとっても新機能は「自分ごと」に
→ チーム力の強化
テスト
新技術導入

新しいことをやってくるのは
いつもLIFULL
…と言われたい!
56

まとめ
プロダクトに導入するまでが
新技術への挑戦です
• アイデアを提案しやすい風土を根気強く作ろう
• 新技術には困難がつきものなので、リスクを取る覚悟を持とう
• 技術的負債は返済して
新技術を導入しやすい状態を作ろう

おまけ
59

Firebaseを用いた
検索テーマ配信
60

検索テーマとは
「どんな部屋に住みたいか？」
「どんな家を買いたいか？」
をユーザに選択してもらい、それ
に合った検索条件を設定する機能

検索テーマの配信手段
画像URL + 検索条件をアプリに配信したい
Server
画像URL: http://www.homes.co.jp/image/12345.png
検索条件: market=rent&type=rennovation
RemoteConfig + RealtimeDatabase

検索テーマの配信手段
Condition: ios
↑配信先
Value: 001,002,005,010
↑テーマIDのリスト
Parameter Key: theme_rent
Condition: android
Value: 002,003,004,006
them
e
00
1
002
query: market=rent&type=rennovation
image_url: …
name: リノベ・リフォー
ム
← テーマID
Realtime
Database
RemoteConfig
63

メリット
RemoteConfigとRealtimeDatabaseの強力な機能の恩恵を得ることができる
。
サーバは不要。難しいことはSDKがやってくれる。
データ同期
• 同期に関する実装不要
• 効率的な通信
• オフライン対応
配信先の切り替え
• セグメントごと切り替え
• A/Bテストも容易
A B

応用
固定になっているデータを動的に変更できるようにしてみる。
• plist等で管理している静的なデータ
• WebAPIから取得している固定のデータ
よりユーザに合った情報を提供できるかも。
plist Realtime
Database
RemoteConfig
65

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