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2016.6.17 cprで胸骨圧迫を持続してやるべきか中断すべきか
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2016.6.17 cprで胸骨圧迫を持続してやるべきか中断すべきか
1.
2.
BACK GROUND ・CPR=用手胸骨圧迫〈血流の維持〉+陽圧換気〈酸素化の 維持〉 ・人工呼吸のための胸骨圧迫中断は血流を低下させる ・心原性の院外心停止患者を対象とした観察研究では中断 するよりも持続的に胸骨圧迫をする方が高い生存率を示 すとあった ・そこでEMS隊員たちによって行われるCPRで持続的な胸 骨圧迫、胸骨圧迫を中断する方、どちらが生存率、神経 機能、有害事象の発生率に影響を与えるか研究すること とした
3.
PICO P:院外心停止の患者に対して I:持続的な胸骨圧迫をするか C:人工呼吸のために胸骨圧迫を中断するか O:生存率と神経学的予後を改善するか
4.
METHOD Study design and
oversight ・この試験は院外心停止の患者を含むようなランダム化 試験に参加したことのある北米の10臨床施設やその 地域のEMS施設を含んだネットワークである Resuscitation Outcomes Consortium(ROC)に よって行われた ・そのうち8つの施設と114のEMS施設がこの試験に参加 した ・患者の同意は事後承諾
5.
METHOD Patient population 適格基準 訓練をうけたEMS隊員によって胸骨圧迫をされた非外傷性の院外心停 止の成人 除外基準 EMS隊員が心停止を目撃した人、DNRにサインをした人、外傷の人、心 停止の原因の窒息性の人、コントロール不可能な出血または失血の人、 訓練を受けなかったEMS隊員によって最初にCPRされた人、CPRの前 に機械によって胸骨圧迫を受けた人、施設に到着する前に高度な呼吸 管理をされた人 ※再発性のVfに対する抗不整脈薬の試験に平行登録している人も少数いた
6.
METHOD Study intervention ・試験デザイン: クラスター無作為化試験(施設毎に1:1に割り付け) 非同期的10回/分の陽圧換気+100回/分の胸骨圧迫(continuous群) VS 30:2で胸骨圧迫と人工呼吸を行う群(interrupted群) ・1年に2回それぞれのグループがクロスオーバーされた。 ・試験登録にはお試し期間(run-in
phase)と本登録(active phase)とを設け て評価 ・CPRのプロセスデータはモニター付きの除細動器のデータで評価された
7.
METHOD Outcomes ・Primary outcome: 生存退院率 ・Second
outcome:modified Rankingスコア(0~6の 尺度で、3以下は良好な神経機能を示す)を用いた退 院時の神経機能、 Hospital-free survival、 ・Hospital-free survivalは退院後の生存期間と定義
8.
METHOD STASTICAL ANALYSIS 過去の試験結果を元にしたデータより、両側検定 (p=0.05)で90%の検出力を得る試験を行うには23600 人の患者(それぞれのグループが11800人ずつ)が必 要であると見積もった。 ・有効性に関してはactive-enrollment phase期間の全 ての患者を対象とした。 ・安全性に関してはactive-enrollment
phase、run-in phaseどちらともの期間の全ての患者を対象とした ・95%信頼区間は中間解析の調整で計算された ・中間解析は6か月毎に行われた
9.
METHOD ・予後因子のある、無しによって定義されたサブグループ の中でprimary outcomeやsecondary outcomeに 対する治療効果が個々に調査された。 ・また二つのper-protocol解析でも調査された。 ・一つ目のper-protocol解析はCPRの過程をオートアル ゴリズムにより解析したもので、二つ目のper- protocol解析はCPRの過程を研究共同者によって解 析したものである
10.
PER-PROTOCOL解析
11.
RESULT
12.
SCREENING AND RONDOMIZATION
13.
CHARACTERISTICS(PRETREATMENT:TABLE1)
14.
CHARACTERISTICS(POSTTREATMENT:TABLE2)
15.
PER-PROTOCOL解析 ・オートアルゴリズムによってCPRの過程を評価したper- protocol解析により、continuous群で6108人、 interrupted群で7371人が除外された ・このper-protocol解析では治療後のEMS提供者や患 者の特徴に有意差があった。Intervention群に比べて control群の方がよりshockable rhythm(VFやPEA) や入院前の挿管になる確率が高かった。
16.
PRIMARY AND SECONDARY
OUTCOME(TABLE3)
17.
ADDITIONAL ANALYSES
18.
DISCUSSION ・院外心停止患者において、continuous群が interrupted群に対し生存率および神経予後で上回る ことはなかった。 ・ continuous群がinterrupted群に対し退院後の生存 期間が短く、救急搬送または入院する可能性が低いこ とがわかった。 ・per-protocol解析では、continuous群がinterrupted 群に対し比較して生存率は低かった。
19.
DISCUSSION ・以前の観察研究ではShcockable rhythmがある患者 では中断を伴う場合よりも継続的に行われた方が有意 に生存率の上昇を認めていた。 ・しかし専門外の人によって胸骨圧迫を行われた非心原 性の心停止患者、またはEMS提供者によって行われ たshockable rhythmの無い患者では、継続的な胸 骨圧迫は結果として大きな改善は認められなかった。 ・また以前の研究では、継続的な胸骨圧迫を行うときに CPRの過程や、同時に行われていた他の手技(エピネ フリン投与、換気マスク装着など)について評価してい なかった
20.
DISCUSSION ・最初に継続的胸骨圧迫を施行したという研究では、 ほとんどの患者がバッグバルブマスクを用いた陽 圧換気で人工呼吸されていたが、その他にどんな ことが行われたかについては報告がなかった ・以前の研究でみられた改善点のいくつかは、継続 的な胸骨圧迫だけによるものというよりはCPRプ ロセスの改善や治療システムの改善、ホーソン効 果によるものだったのかもしれない
21.
DISCUSSION ・今回すべての患者の90%のCPRの過程についての データを集めてそれぞれのグループでCPRのパターン を検討してみた ・結果、患者に施行されたCPRの質は現代のevidence- based practice guidelineと一致した ・しかし、オートアルゴリズムを用いたper-protocol解析 では、continuous群またはinterrupted群どちらにも 分類できなかったため多くの患者が除外された ・またcontinuous群よりもinterrupted群の方が多く除外 されたため、群間で不均衡が生じてしまった
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LIMITATION 1.1回あたりの胸骨圧迫の時間差は群間であまりなかった 2.クロスオーバー前の期間にそれぞれのグループの患者数に 差があったり、期間に差があったり、参加中止となったEMS 施設があった+患者やEMS提供者の治療の特徴も群間で 違いがあった 3.心肺蘇生後のケアの質が院外心停止後の結果に関与して いるのだが、心肺蘇生後のケアに関しては評価していな かった 4.酸素化や分時あたりの換気について計測していなかった。
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CONCLUSION 院外心停止患者において、EMS提供者に よるCPR中に胸骨圧迫が継続的に行わ れても、中断を伴って行われた場合と比 較して、有意に高い生存率および良好な 神経機能が得られることはなかった。
Notas do Editor
・EMS 隊員や病院の治療の特徴と同様に患者の特徴にグループ間で有意な差はなかった(table 1,2)
・EMS隊員によるCPRの過程〈胸骨圧迫の休止の数、長さ、1回の胸骨圧迫の時間)は群間で小さいながらも有意差があった。(Table 2 ,SA-FigS4)
サブグループ解析では、あまり大きな有意差を示すものはなかった。
今回の試験ではCPRプロセスデータを集めて評価し、CPRの質は現代のエビデンスに基づいたpractice guidelineと一致していたものの、治療内容にばらつきがあることあるということがわかった。できる限りアーチファクトを除外しようとしたがアーチファクトは多々存在した。
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