鮫川村明るい未来連帯ニュースvol.3

1. 住民の立場で考える候補を選ぼう
●4月26日（日）村議会議員選挙
さあ、新成人のあなたも投票所へ
2007年以来8年ぶりの村議会議員選挙。前回の2011年は無投票
でした。ちなみに村長選挙は今年8月ですが、2003年の初当選から3
回とも無投票です。
選挙は自分の意思を村政に反映できる大切な機会。さて、今村で
注目すべきはどんなことでしょうか？
鮫川村明るい未来連帯ニュース 2015.4.20 vol.3
●選挙の争点はなに？
新成人の皆さんは、青生野地区に建てられた「仮設焼却炉（かせつしょ
うきゃくろ）」をご存知でしょうか？2年半前から村で大きな問題となっているこ
の焼却炉が、今回の選挙の争点となるべき重要な事案であることはまちが
いありません。
福島原発事故から4年が経っても、いまだメルトダウンした核燃料は当時
のまま、汚染水はたれ流し放題で、事態の深刻さはまったく変わっていませ
ん。そんな中、政府は放射能の除染をすすめ、避難した人たちに帰還をよ
びかけています。鮫川村でも青生野地区を中心に除染が行われました。
さて、ぼう大に積み上げられた除染ゴミの入ったフレコンバッグは、一体ど
うなったのでしょう？
●だまされた住民
青生野の人たちのほとんどは、はじめ焼
却炉のことを知らされていませんでした。役
場が小学校の除染ゴミの置き場を見つけ
られず困っていたことを知った心ある人々
が、村役場を助けようと「仮置き場」の受け
入れを決めたのです。
その後地権者に「仮置き場設置同意
書」が渡されました。よく見ると、そこには
「仮設焼却炉の設置を受け入れる」
と書かれていたのです。地権者の中には、
断ることができず仕方なくサインしてしまった
人もいました。（うらへつづく）
鮫川・汚染問題を考える会
鮫川村焼却炉問題連絡会
鮫川青生野を守る会
●秘密の実験計画
2012年11月、環境省は放射能に汚染され
た稲わらや除染ゴミなどを燃やす実験をする
ために、青生野地区の放牧地に仮設の焼
却炉を建てました。
しかし環境省と村は、はじめこの計画を18世
帯の地権者をふくめた30世帯の住民にしか
知らせず、それ以外の村民には知らせません
でした。
建設地は、塙町、いわき市、北茨城市の
境界付近ですが、これらの市や町の住民に
もまったく知らされませんでした。このうちわず
か1キロのところには生まれたばかりの赤ちゃん
もいましたので、あとで計画を知ったご両親は
とても心配しました。
工事の説明書には「公道から見えない
ように建設すること」と書かれており、住
所も非公開とされました。
焼却炉は秘密の実験施設だったのです。

2. （オモテのつづき）
●反対を押しきって建設したけれど・・・
その後、多くの人たちは必死に反対しまし
たが、村長も議員も耳をかそうとしませんでし
た。住民らは議会に「焼却炉の建設を止め
て下さい」という請願書（せいがんしょ）を提出
しましたが、全議員はこれを否決しました。
あまりに反対の声が強く、業（ごう）を煮やし
た環境省と村は、青生野地区の人たちだけ
の了解をとりつけようと３回の説明会を開きま
した。このとき塙町、いわき市などの人たちは
入れてもらえず、マイナス10℃の戸外へ閉め
出されました。↗
↗ 村長は反対する村民に対してひどいことを言
いました。
「あんたも村から出て行っていいよ」
また、反対署名（しょめい）をした人たちに対しても
嫌がらせがありました。仲の良かった青生野地区
はめちゃくちゃにされてしまいました。
地権者のひとりは家族を守るため最後まで反対
しました。すると環境副大臣が村にやって来て
「安全な施設です。ご安心ください」と説
明し、テレビニュースで大きく取り上げられました。
こうして工事は進められ、運転が始まった矢先
（やさき）のことでした。
「ド〰〰〰ン！！！」↙
↙ 地鳴りのするような大音響とともに、焼却
炉はあっけなく爆発してしまいました。環境副
大臣の言ったことはウソだったのです。
●通報も謝罪もしない「責任者たち」
環境省は爆発事故を必死にかくそうとしま
したが、村や消防署からの問いあわせに
よって、かくしきれなくなりました。しかしこのとき
も隣の市や町の住民には知らせず、おわび
のひとこともありませんでした。
あれだけ反対の声をおしきって焼却炉を受
け入れた村長や議員らはどうしたのでしょうか。
謝罪（しゃざい）し、責任をとって辞任（じにん）
した人が一人でもいたでしょうか。
国は原発を建設するときも「絶対安全で
す」と言っていました。それなのに
今回またも国の「安全です」に
村長らはだまされてしまったのでは
ないでしょうか。↗
●本当に住民を守れるのは誰か
今、焼却炉をめぐってあらたな問題がおきていま
す。地権者の一人が、自分ではない誰かが勝
手に自分の名を書いた「同意書」が見つかった
ため刑事告訴（けいじこくそ）したのです。またこの地
権者は、環境省が契約もせずに勝手に土地を
使っているため仮処分（簡易裁判）を起こしてい
ます。
村長や議員が受け入れた焼却炉がこのような
大きな問題に発展していることについて、当の責
任者たちは見て見ぬふりをしています。
放射能ゴミの焼却炉という危険な実験施設
をどこよりも早く受け入れた責任は重大です。また
今後、産業廃棄物の処分場などが持ち込まれ
る可能性もあります。
本当に危険なものが持ち込まれそうに
なったとき、住民を守ることができるのは
誰かを見きわめて一票を投じたいもので
す。
閉め出される
隣町の住民→
焼却炉入口
←立入禁止
焼却炉
2015年1月→