Basis of leadership
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脳神経内科ウィンタースクールで使用したリーダーシップの基本に関するスライドです．若手向けにリーダー，フォロワー，マネジャーの違いや，さまざまなリーダーシップの種類と，目指すべきAssertive leaderについて解説しました．
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Basis of leadership
- 4. 最近読んだお勧めの本 「貞観政要（じょうがんせいよう）」 中国リーダー論の古典 • 人の器は大きくはならない． （リーダーは部下に支えられている） • 耳の痛い話こそ聞け． • リーダーの最も重要な役目は スタッフにとって，元気で明るく 楽しい職場を作ること．
- 5. リーダーは３つの鏡で 自分をチェックする！（貞観政要） • 鏡に自分を映し，怖い顔をしていないか，元気で 明るく楽しい顔をしているかチェックする ① 銅の鏡 • 過去の出来事しか将来を予想する教材がない ので，歴史を学ぶ ② 歴史の鏡 • 部下による耳の痛い話を受け入れる ③ 人の鏡
- 14. • 自分の人生を自分でコントロールするために， 自分を知り，自分のリーダーとなる勇気をもつ • I am the master of my fate, I am the captain of my soul. 映画「インビクタス」の中に出てきた 私の好きな詩 真のリーダーシップは 自身の人生を豊かにする
- 15. マネジャーの仕事は，リーダーと 明確に異なり，相互に補完するもの リーダー マネジャー 危機に直面 → 変革 安定期 → 管理 発展 維持 長期的視野（ビジョン） 短期的視野 鼓舞（エンパワー）する コントロールする どちらが求められるかは状況に依存する．
- 16. （ ） is doing things right. （ ） is doing the right things. Peter Drucker リーダーシップとマネジメント 理解できましたか？
- 18. ① 「素直」である人の成長は著しい． では「素直」とは何か？ 子曰く，由よ，汝にこれ知ることを誨（おし）えんか． これを知るをこれを知ると為し，知らざるを知らざると為せ． 是れ知るなり．（論語 - 為政） ＝無知の知（ソクラテス） 知らないことを知らないと素直に認め， 学ぶ人の成長は著しい． 孔子
- 21. ① 環境条件に適した行動をする者 ② 組織を変革する者 ③ 自制心と感情コントロールをもつ者 ④ より高次の倫理観をもつ者 ⑤ 自分らしさ，誠実さを大切にする者 代表的なリーダー像
- 22. • 環境条件に適合した行動が，リーダーとしての 効果を発揮する. • つまり，リーダーの行動は環境と部下の状況に よって変わる． リーダーシップ理論の歴史 ①条件適合理論（Situational leadership）
- 24. みんなのリーダーシップのタイプは？ あてはまる◯，やや当てはまる△，当てはまらない✕ 目標達成能力（P） 集団維持機能（M） 新たに始める 励ます 情報や意見を求める グループの感情を表す（盛り上 げるなど） 情報や意見を提供する 調停する 明確化し，混乱を解きほぐす 譲歩する 集約する コミュニケーションを促進する 意見一致かどうか確かめる 標準を設定する（進め方の ルールなど）
- 26. • 時代の急激な変化に対応する必要性から生じた 考え方． • リーダーとして変化を受け入れ，変革に挑む． 例「医師のバーンアウト」「医師の働き方改革」 • 人は新しい選択肢を回避する傾向があるため （現状維持バイアスという），困難を伴う． リーダーシップ理論の歴史 ②変革のリーダーシップ（Transformative LS）
- 27. 何を変革するか？ → 先を見て，本当に必要なことに取り組む！ 目先の仕事 （小事であることあり） 成長のための研鑽 長期的な計画を練る 大切なひととの話し 合い （大事：ここを行う！） やる必要があるか 分からない作業 重要度 高い 重要度 低い 緊急性高い 緊急性低い • 目先のことにとらわれず，変革のタイミングを逃さない 例：医師の燃え尽き症候群の問題
- 28. どのように変革するか？ レビンによる変革プロセス 解凍 • 変化の必要 性をメン バーに理解 してもらう． • 現状を突き 崩す 変革 • 具体的な方 策を取り入 れる • 新たな行動， 考え方を学 習する 再凍結 • 新しく導入し た変化を， 定着させる
- 29. ③ EQリーダーシップ （自制心と感情コントロール） Emotional Intelligence Quotient • 自己の感情を認識し（自己理解）， 感情をコントロールする． • 他者の感情を元にニーズに奉仕 し，激励・育成・確執管理・チーム づくりをする．
- 30. 「怒る」vs「叱る」 • 感情的に「怒る」のは厳に慎む. カッとしても，なんとか一度，冷静になる． • 理性的に，相手のことを慮って 「叱る」 しかし相手の感情の理解は，職場の diversity の 進展により以前より容易ではない．
- 31. • Servant ＝使用人，召使い • リーダーは「まず相手に奉仕し， その後，相手を導く」という考え に基づく． • 人に奉仕し，その人の中から最 高の能力を引き出して，背中を 押す．その環境づくりをする． リーダーシップ理論の歴史 ④ サーヴァント・リーダーシップ
- 32. エンパワーメント • 現場の自主性を高め，パフォーマンス向上に つなげるために権限を与え，力をつけさせること． • チームのタスクを完遂しつつ，部下を育成をする． • 従来型の権限委譲とは異なり，部下の意欲を最大化す ることが目的である．
- 34. • 自ら語るのではなく，質問せよ． • マイクロマネジメント（過保護）をしない． • 適切な仕事を任せる（今の知識とスキルで できる領域とできない領域の境界）． • 小さな決定権を与え，小さな失敗をさせる． • 手柄は部下のもの，責任は自分のもの． サーヴァント・リーダーの心得
- 35. • Authentic＝「本物の，確実な， 真正な」 • 指導者として人のまねではなく， 自分自身の価値観や信念に 正直に，自分らしく，誠実さや 倫理観といったものに重きを 置いて人を導く． リーダーシップ理論の歴史 ⑤ オーセンティック・リーダーシップ
- 36. Authentic とはどういう状態か？ 1. 本当の自己（感情，考え）を知る 2. 本当の自己を積極的に，包み隠さず表現できる 3. 自分の人生の創造者として「自分の人生のリーダー」 になる → 自分の弱さを認めると，その弱さが強さに変容する．
- 39. 最高のリーダー（Assertive leader）を目指し ４つのリーダーシップを身につける Assertive leader Authentic Servant Transfor mative Cross- over 自分と人のために行動し， 客観的主張のできるリーダー 個人的 土台 部下を 支援 変革する 壁（違い） を克服
- 40. Cross-border leadershipは Diversityを強みに変える • 良い壁（個性），悪い壁（他者との交流を断絶する壁： パワーの壁，男女の壁，世代の壁など）． • 壁＝Diversity（キャリア，経験，働き方の多様性）を チームの強みに変える． • Diversity を活かし，さまざまな患者さんの立場を 考えられる医療や研究，教育が可能になる．
- 41. Assertive leader の特徴 aggressive assertive passive 自分を尊重する 自分と人を尊重する 人を尊重する Compassion型共感 （客観的） Empathy型共感 （感情移入） 自分の意見を言う 客観的主張をする 人の意見を聞く win-lose win-win win-lose
- 42. 最後に・・・リーダーシップの学び方のコツ ① リーダーシップを意識的に経験すること． ② すごいリーダーだと思える人と一緒に仕事をして， その人の言動を観察すること． ③ それらの経験と観察からの教訓を言語化し，持論 を構築し，書籍などで勉強し肉付けすること．