ＳｃｉＲＥＸセミナー シリーズ「変革期における科学技術イノベーション政策」（第1回） 『グローバリズムの行方～「価値」の変容を考える～』
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ＳｃｉＲＥＸセミナー シリーズ「変革期における科学技術イノベーション政策」（第1回） 『グローバリズムの行方～「価値」の変容を考える～』
- 2. 出所） 注） 世界経済の現状（2014年） 世界GDPに占める米国の比率は22.5％。中国、日本は、それぞれ13.4％、6.0％。 1 出所） IMF, World Economic Outlook 2015 October 注） 国・地域名の横の数値は世界名目GDPに占めるシェア。 米国（22.5%） 名目GDP 17.4兆ドル 人口 3.2億人 1人当りGDP 54,597ドル ロシア（2.4%） 名目GDP 1.9兆ドル 人口 1.4億人 1人当りGDP 12,926ドル 中国（13.4%） 名目GDP 10.4兆ドル 人口 13.7億人 1人当りGDP 7,589ドル ブラジル（3.0%） 名目GDP 2.4兆ドル 人口 2.0億人 1人当りGDP 11,604ドル 中東・北アフリカ（4.1%） 名目GDP 3.2兆ドル 人口 4.2億人 1人当りGDP 7,546ドル （参考） サウジアラビア：$24,454 サブサハラアフリカ（2.2%） 名目GDP 1.7兆ドル 人口 9.0億人 1人当りGDP 1,861ドル （参考） 南アフリカ：6,483、ナイジェリア：3,298 全世界（2014年） 名目GDP 77.3兆ドル 人口 72.4億人 1人当りGDP 10,671ドル インド（2.7%） 名目GDP 2.1兆ドル 人口 12.6億人 1人当りGDP 1,627ドル 日本（6.0%） 名目GDP 4.3兆ドル 人口 1.3億人 1人当りGDP 36,332ドル EU28（23.9%） 名目GDP 18.5兆ドル 人口 5.0億人 1人当りGDP 36,638ドル （参考） ドイツ：$47,590、イギリス：$45,653 NIEs・ASEAN-5（6.0%） 名目GDP 4.6兆ドル 人口 6.3億人 1人当りGDP 7,343ドル （参考） タイ：$5,445、ミャンマー：$1,221
- 3. 出所） 注） グローバリズムの揺らぎ 8 グローバリズムの4要素 ① 市場主義、資本主義 ② 民主主義、個人の人権 ③ 科学技術への信頼 （④ ギリシャ・ローマ・キリスト教的） リベラルアーツ （藤山作成） グローバリズムの揺らぎ アマルティア・セン ハーバード教授 「グローバリズムの基本原理は不変だが、 手直しする必要がある。」 （2012年2月 世界文明フォーラム） クラウス・シュワブ会長 「新しい現実に向けた規範の共有が重要」 （2011年1月 ダボス会議） グローバリズムの内包する課題 （次頁） 市場主義が内包する課題 民主主義が内包する課題 科学技術が内包する課題 明確な意思表明 加速 リーマンショック後の世界経済 先進国の成長戦略失敗 金融制度改革中途半端 先進国低成長 （新興国は高→低） グローバリズムへの非追随文化圏 イスラム 中国
- 4. 出所） 注） グローバリズムの課題 9 民主主義が内包する課題 ポピュリズムへの対策 中産階級の衰退 民主主義教育の不足 科学技術が内包する課題 科学技術と人文科学、社会科学 科学技術の効用とリスク 生命科学 情報通信技術、ビックデータ 人工知能 原子力技術 等 市場主義が内包する課題 バブルの発生と崩壊 市場の公平性に対する疑問 政府と市場の関係 実体経済と金融市場
- 5. 出所） 注） 民主主義と科学技術の関係 14 出所） Economist Intelligence Unit, “Democracy Index 2014” World Economic Forum, “The Global Competitiveness Report 2014-2015” ［民主主義] [ 科 学 技 術 ] ［民主主義] 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 10.09.59.08.58.07.57.06.55.04.54.03.53.02.5 6.02.01.51.00.50.0 5.5 チリ ラオス ﾏﾚｰｼｱ ﾌｨﾝﾗﾝﾄﾞ ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ ｶﾝﾎﾞｼﾞｱ ケニア ﾐｬﾝﾏｰ イラン ﾉﾙｳｪｰ ｽｳｪｰﾃﾞﾝ サウジ トルコ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ 韓国 ｺﾛﾝﾋﾞｱ ﾃﾞﾝﾏｰｸ タイ UAE 南ｱﾌﾘｶ ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ メキシコ 豪州 スペイン インド カナダ ロシア イタリア 英国 ブラジル フランス ドイツ 日本 中国 米国 ベトナム ウクライナ ﾌｨﾘﾋﾟﾝ エジプト ﾅｲｼﾞｪﾘｱ 中国 日本 韓国 インド ASEAN先発組 ASEAN後発組 中南米 ﾍﾟﾙｰ ｳﾞｪﾈｽﾞｴﾗ ﾊﾟﾅﾏ ｸﾞｱﾃﾏﾗ ﾊﾟﾗｸﾞｱｲ
- 6. 出所） 注） 市場主義と科学技術の関係 15 出所） The Heritage Foundation and Dow Jones & Company, Inc., “2015 Index of Economic Freedom” World Economic Forum, “The Global Competitiveness Report 2014-2015” [ 科 学 技 術 ] ［市場主義] 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 トルコ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ ｽｳｪｰﾃﾞﾝ サウジ カナダ ﾉﾙｳｪｰ ｱﾙｾﾞﾝﾁﾝ 南ｱﾌﾘｶ UAE タイ ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ チリ ﾅｲｼﾞｪﾘｱ エジプト ﾌｨﾘﾋﾟﾝ ウクライナ ベトナム ケニア ﾌｨﾝﾗﾝﾄﾞ ｺﾛﾝﾋﾞｱ ﾃﾞﾝﾏｰｸ ﾏﾚｰｼｱ 韓国 スペイン 豪州 インド ロシア イタリア 英国 ブラジル フランス イラン ドイツ日本 中国 米国 ｶﾝﾎﾞｼﾞｱ ﾐｬﾝﾏｰ ラオス メキシコ 中国 日本 韓国 インド ASEAN先発組 ASEAN後発組 中南米 ペルー ｳﾞｪﾈｽﾞｴﾗ パナマ ｸﾞｱﾃﾏﾗ ﾊﾟﾗｸﾞｱｲ
- 7. 出所） 注） グローバリズムは「一つの確立した思想」だが他に「格差」や「人間開発」の考え方も重要 24 ジョセフ・スティグリッツ 現代に於ける格差は時として（国によって）「機会の不平等」＝「結果の不平等」を生んでいる。米国の格差も深刻。 これは人材の有効活用、マーケットの健全な発展を阻害し、経済発展を停滞させる。 格差が広がると①中流層の消費支出を押し下げる ②中流層そのものを空洞化させる。 ③（最富裕層は税逃れが多いので）税収が減る。 ④景気の波が頻発するようになる。 格差の拡大は「市場によるもの」というより「誤った政策によるもの」である。 ピケティの資本収益率 ＞ 経済成長率、 「放っておけば格差は拡大」の立場を支持。 ジニ係数 イタリアの統計学者ジニが 考案したもの。 所得の低い順に累積世 帯数が増加する毎に、 所得を累積していくと完 全平等では対角線になる （ジニ係数０） 現実のデータに基づくカーブをローレンツ曲線 といい、その曲線と対角線に囲われた面積を 対角線以下の三角形の面積で割ったものが ジニ係数。格差の最高が1になる。 パルマ比率 ケンブリッジ大学のガブリエル・パルマが提唱。 上位10%の所得合計÷下位40%の所得合計 ジニ係数より国際比較の納得性が高いといわ れている。大きい程、格差社会。 人間開発指数 国連開発計画（UNDP）が1990年から発表して いる。 医療と教育を重視した国毎のパフォーマンス を計る。 出生時平均余命・平均就学年数・予測就学年 数・1人当国民総所得で構成されている。 所 得 累積世帯数 ローレンツ曲線