中小企業のために作られたWindows Server Essentialsとは

貞祐光
Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management
中小企業のために作られた
Windows Server Essentials とは

自己紹介
Masahiko Sada
貞祐光
通信キャリア（MNO）でクレジット／決済サービスのビジネス企画、戦略立案業
務に従事
職業
略歴
2014年7月~ Microsoft MVP for File System and Storage
ブログ「薩摩藩中仙道蕨宿別邸」… http://satsumahomeserver.com/
執筆ホワイトペーパー：「Windows Server 2012 R2 記憶域スペースのアーキテクチャと
設計・管理のベストプラクティス」
2009年7月~ Microsoft MVP for Server Solutions – Windows Home Server
2015年7月~ Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management

 中小／SOHOのIT管理者だけれど、いったい何をどうしたらいいのか？
 社員のコラボ／ワークスペースは無料のクラウドサービス。それでいいのか？
 人の入れ替わりが激しいので、そのたびに環境セットアップしたり、案内する
のが面倒。
 データのバックアップはどうしたらいいのか？
過去にPC/NASが故障してデータが消えてしまったことがある
 Windows Server Essentialsって聞いたことがないけれど、便利なの？
本日の対象はこんな方

Windows Server 2012 R2 Essentialsとは何なのか？
Windowsサーバーのもつ機能を、中小企業向けにソリューションとして統合／自動構成

ビジネスを支える機能を簡単に構成して、楽に管理
「Windows Server Essentialsの構成」
ウィザード
ダッシュボードサーバーマネージャー
ウィザードやダッシュボードなど、GUI中心で自動構成してくれるから、初級管理者でも安心

Essentialsなら職場のIT環境が例えばこう変わる
Essentialsの
ある環境
Essentialsの
ない環境
環境設定
○ユーザーアカウントはサーバー側で作
成。共有フォルダーへのアクセス権も
一元管理
○コネクターインストール時に、ファイ
ルサーバーへのショートカットをデス
クトップ上に自動作成
○プリンターの設定、ドライバーもグ
ループポリシーで配信
（プリントサーバーの構成とグループ
ポリシーの設定が必要）
 ユーザーアカウントはクライアントコ
ンピューターで作成。ユーザー名を聞
いて共有フォルダーへのアクセス権を
別途設定。
 ファイルサーバーの場所を周知が必要
(server経理課...)
 プリンターのインストール方法を案内
それぞれのPCにドライバーをインス
トール、IPポートを設定…
データのバックアップ
○クライアントコンピューターのHDDが
故障しても、イメージバックアップか
ら短時間でコンピューター丸ごと環境
を復元、またはファイル／フォルダー
単位で復元可能。
 クライアントコンピューターのHDDが
故障したら、ローカルにあった取引先
とのデータも重要資料も、過去のメー
ルもすべてロスト
働き方
○ファイルサーバーのファイルは社外か
らもアクセス可能。
○突発的な仕事でも、社外から社内のPC
にリモートアクセス。会社に行かなく
ても対応できる。
 会社に行かないと仕事が何もできない。
通勤時間をかけて、わざわざ会社に出
勤。

Windows Server Essentialsの主な機能
業務環境の構築データ・環境の保護柔軟な働き方の実現
ダッシュボードを通じた統合管理

サーバーダッシュボード
• 一通りの初期構築はホームタブのセットアップタスクから。
• ToDo形式で必要なタスクがまとめられている。
• 管理はほぼサーバーダッシュボードから可能。

Windows Server Essentialsの主な機能

ユーザーアカウント／グループの作成・管理
• Active Directoryを利用して、認証・認可を実現
• 難しそうに聞こえるADをGUIから簡単に構成・管理
• ユーザー毎にフォルダーのアクセス権や
コンピューターへのリモートアクセス権などを
コントロール
• ユーザーグループを作成して、部署や担当、
プロジェクト単位などでアクセス権限管理も可能。

ユーザーアカウント
• ウィザードに従って簡単に設定

ユーザーグループ
• 部署・担当、プロジェクトなど、任意の単位でユーザーをグループ化。
• グループに対してアクセス権を設定することもできる

クライアントコンピューターの管理
• インストールはWebページから。
クライアントコンピューターを簡単に接
続
• Active Directory ドメインへの参加など、
難しいことはインストール中に自動的に
設定
• ユーザープロファイルの移行も自動化
（~8.1まで）
• コネクトウィザードはLAN内／LAN外いず
れからも実行可能。
‐ LAN外から実行する場合は、VPN接続が自動
構成され、LAN外からもドメイン参加可能
＝自宅のPCなど、BYOD対応も
 管理対象クライアントには「コネクター」をインストール

クライアントコンピューターの管理
• ダッシュボードのデバイスページに
サーバーとコンピューターの一覧を表示
• 全コンピューターに適用されるタスク:
‐ クライアントバックアップの
カスタマイズ
‐ コンピューターをサーバーに接続
‐ グループポリシーの実装
• コンピューターごとに適用されるタスク:
‐ コンピューターのプロパティの表示
‐ バックアップと復元
‐ コンピューターのバックアップのカスタマイズ
‐ リモートデスクトップ接続
‐ コンピューターの削除

サポートされるクライアント
• Windows 10
‐ Windows 10
‐ Windows 10 Professional
‐ Windows 10 Enterprise
‐ Windows 10 Education
• Windows 8 operating systems
‐ Windows 8 / Windows 8.1
‐ Windows 8 Pro / Windows 8.1 Pro
‐ Windows 8 Enterprise / Windows 8.1 Enterprise
• Windows 7 operating systems
‐ Windows 7 Home Basic and Home Premium SP1(x86 and x64)
‐ Windows 7 Professional SP1(x86 and x64)
‐ Windows 7 Ultimate SP1(x86 and x64)
‐ Windows 7 Enterprise SP1(x86 and x64)
‐ Windows 7 Starter SP1 (x86)
• Mac OS X 10.5 ～ 10.8
最新の情報はhttps://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj713510.aspxを参照
※コネクターはWindows Server 2008 R2 以降
のサーバーOSもサポート

グループポリシー
• デバイスページから設定
‐ フォルダーリダイレクト
‐ セキュリティ設定

グループポリシー「フォルダーリダイレクト」
• クライアントコンピューター上の重要なデータを自動的に
サーバーに保存して保護
‐ フォルダーリダイレクトは
ユーザーに違和感なく、
データをサーバー上に保存
‐ サーバーに保存するフォルダーは
指定可能:
 デスクトップ
 マイドキュメント
 お気に入り
 ダウンロード、その他

グループポリシー「セキュリティ設定」
• クライアントコンピューターの
セキュリティポリシーを強制的に
設定、適用
‐ ドメイン内で統一したセキュリティ
ポリシーを適用可能
‐ 最新の重要なアップデートを
適用するため、Windows Update
を有効化
‐ Windows Defender はマルウェア
の攻撃から保護
‐ ネットワークファイアウォール
を強制的に有効化し、外部からの
攻撃にさらされることを防ぐ

グループポリシー
• ポリシーをカスタマイズすることで、
もっと高度な管理も
‐ プリンター
‐ デスクトップショートカット
‐ ブラウザブックマーク …etc
• 応用にはなるが、うまく活用すること
で新たなコンピューターのセットアッ
プや、新規採用者の環境設定などを簡
素化することもできる
WMI Group Policy Filter issue on Windows 10 breaks Folder
Redirection Windows Server 2012 R2 Essentials, Windows Server 2012
Essentials and Windows Small Business Server 2011 Essentials
【参考】
Windows 10にグループポリシーを適用するには、WMIフィ
ルターの編集が必要

記憶域の管理
• サーバーに接続されたハードディスクを管理
• 記憶域（記憶域スペース）の
作成もダッシュボードから可能。

記憶域スペースとは
複数の物理ディスクを束ねて仮想的なディスクにみせることで、
「柔軟なディスク増設」、「回復性（耐障害性）」、「パフォーマンスの向上」
などを実現できるSDS（Software Defined Storage）技術
ダッシュボードから作成すると、双方向ミラー
の仮想ディスクを自動作成
コントロールパネルやサーバーマネージャー、
PowerShellからより高い回復性を備えた仮想
ディスクの作成も可能

ストレージ（記憶域）：共有フォルダーの管理
• ウィザードから簡単に、物理ディスクや仮想ディスク上に、共有フォルダーを作成。
• ユーザー／グループに対するアクセス権もダッシュボードから。
• 物理ディスク間のフォルダー移動もウィザードに従うだけ

メールの統合（Exchange, Office 365）
以下のサービス／サーバーと統合するこ
とで、ダッシュボードからメールボック
スの管理を合わせて行うことができる。
• Office 365
• オンプレミスの Exchange Server
• ホスティング Exchange Server
ダッシュボードでユーザー作成と同時に、
Office 365のユーザーアカウントを作成…など
オンプレミスのアカウント管理とクラウドのメールアカウントを一元化。
今後のオンプレミス／クラウドのハイブリッド時代を先取りした、統合アカウント管理。

【おさらい】Windows Server Essentialsの主な機能

クライアントコンピューターのバックアップ
• 夜間などあらかじめ指定した時間帯の中で、クライ
アントコンピューターを自動的にバックアップ
（クライアントがスリープしている場合は自動レ
ジュームしてバックアップも）
• バックアップ対象／対象外をディスク／フォルダー
単位で指定できる
• クライアントコンピューターのすべてのシステムを、
同一または類似のハードウェアに復元
（ベアメタルリストア）
• ファイルまたはフォルダー単位の復元
• クライアントバックアップにはVSSライターを使用
（クライアントが稼働中でもバックアップが可能）

クライアントコンピューターのバックアップ

クライアントコンピューターのベアメタルリストア
• コンピューターのシステム全体の復元
‐ 復元先のクライアントコンピューターを、ネットワークブート（PXE boot）
あるいはUSBドライブから起動し、復元

クライアントコンピューターのベアメタルリストア
• コンピューターのシステム全体の復元
‐ コンピューター名と、復元対象となるバックアップイメージを一覧から指定。
‐ 復元が終わると、バックアップ時点のシステム状態に

• クライアントコンピューターから管理者がダッシュボードを起動
• バックアップから復元対象のアイテムを選択
ファイル、フォルダー、ドライブ単位での復元

ファイル履歴の保存
• Windows 8 以降のクライアントのファイル履歴の保存をサポート。サーバー
の共有フォルダー内にファイルの履歴を保存。
• ユーザープロファイル内に保存されたファイルやフォルダを、ある特定時点
のバージョンに復元が可能。
• PC単位ではなく、ユーザー単位で設定が可能。
• 新しいPCにユーザーがログインすると自動でファイルを復元
• バックアップ対象／頻度、保持期間も指定できる

Windows Server バックアップ
• Essentials サーバー自体のバックアップ
• Windows Server バックアップの機能を利用
• 2012 R2 より、2TBを超えるボリュームもサポート
• ファイル指定、フォルダー指定、サーバー全体の
ベアメタルリストアをサポート
• ディスクを入れ替えて複数のバックアップ先に
バックアップすることも可能。
（オフサイトバックアップを想定）
• デフォルトでは１日２回（それぞれ時間を指定）、
カスタムでは、30分ごとにバックアップ時間を
指定可能。

正常性の監視
• サーバーとクライアントのセキュリティ状態を監視。
• 管理者がサーバーとクライアントのセキュリティ状態、
システム状態を監視するのに有効
• アラート通知をメールで管理者やシステム管理を委託している
SIerなどに送信も可能
• ３つの管理レベル
(情報／警告／エラー)
• エラーの解決方法へ
のリンク

Azure Backupとの統合
• 帯域とストレージの効率的な利用
• 柔軟な構成
• 利用量に応じた課金
• ダッシュボード上から簡単に管理
• Microsoft Azure との統合
• 暗号化されたバックアップ
• 信頼できるデータセンター
サインアップ
バックアップ
登録・
構成
同一あるいは異なる
サーバーに復元
エージェントの
インストール

BCP(Business Contunity Plan)/DR(Disaster Recovery)
• Windows Server EssentialsをHyper-Vの仮想
インスタンスで稼働させ、Hyper-Vレプリカ
で、遠隔サイトにバックアップ
• 利点:
• ビジネスの継続性と災害対策を安価に実現
• 復元は数分以内に可能
• 遠隔地にバックアップすることでDR対策に
• 災害時は自動的にライブマイグレーション
• 構成と管理は簡単
Windows Server
Essentials
の仮想インスタンス

AnyWhere Access（リモートWebアクセス／VPN）
VPNリモートWebアクセス
VPN接続を自動設定
外出先では自動接続も
リモートデスクトップ／ファイルアクセス

リモートワークの実現
VPNリモートWebアクセス
• 自宅や外出先から会社のサーバーのファ
イルにアクセスができる
• 自宅や外出先から会社のコンピューター
にリモートデスクトップ接続ができる
（Lights-Outアドインと組み合わせると、
Wake on LANで外出先から電源を入れ
ることも）
• 自宅や外出先から会社のネットワークに
アクセスができる
• 社内ネットワークにいる状態になり、社
内リソースへのアクセスが容易に。
• アクセス権限はユーザー／グループ毎の制御ができる
（管理職はOK／一般社員はNGなど）

クラウドサービスの統合

Windows Server Essentialsの
入手方法は？

Windows Server Essentialsが利用できるSKU
FoundationStorage Standard DatacenterEssentials
 「Essentialsエクスペリエンス」がデフォルトで自動構成される専用SKU
クライアントアクセスライセンス（CAL）が不要でライセンス費用が安価に
 サーバーの役割「Essentials エクスペリエンス」が利用できるSKU
 Workgroup
 Standard
 Essentials
CAL不要

Essentials SKUの選び方
Essentialsが最初から有効になったSKU
Standard、Datacenterエディションで
Essentialsエクスペリエンスを有効化
※いずれも2012 R2の場合
EssentialsStorage Essentials Standard Datacenter
※Std.ライセンス
+
CALが必要
Transition可能
ビジネスが
成長しても
対応可能
CAL不要

Essentialsの入手方法
Essentialsが最初から有効になったSKUの購入
Standard、Datacenterエディションで、
Essentialsエクスペリエンスを有効化
DSP版プリインストール
サーバー
OEM製品
Essentials

今日は実機の展示もございます
会場内に実際の製品を展示しております。
興味を持たれた方は、休憩時間、懇親会のお時間にご自由に見学ください。
また、購入について相談いただくことも可能です。

ビジネスを支える機能を簡単に構成して、楽に管理
「Windows Server Essentialsの構成」
ウィザード
ダッシュボードサーバーマネージャー
ウィザードやダッシュボードなど、GUI中心で自動構成してくれるから、管理者初級者でも安心

Windows Server 2012 R2 EssentialsはこんなOS
ユーザー部門のIT管理者でも、こんなことが手軽に実現できるサーバー

 中小／SOHOのIT管理者だけれど、いったい何をどうしたらいいのか？
 社員のコラボ／ワークスペースは無料のクラウドサービス。それでいいのか？
 人の入れ替わりが激しいので、そのたびに環境セットアップしたり、案内する
のが面倒。
 データのバックアップはどうしたらいいのか？
過去にPC/NASが故障してデータが消えてしまったことがある
 Windows Server Essentialsって聞いたことがないけれど、便利なの？
本日の対象はこんな方
⇒Windows Server Essentialsなら、必要な機能が揃っています。
⇒Windows Server Essentialsなら、自社のサーバーが社内外からアクセスできるコラボスペースに
⇒Windows Server Essentialsなら、コネクターのインストールで環境設定もほぼ完了
⇒Windows Server Essentialsなら、日々自動的にバックアップ
⇒どうお感じになられましたか？？？

ご清聴ありがとうございました
次のセッションは１４時１０分からとなります

Microsoft TechNetフォーラムへのお誘い
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ご質問は、Microsoft TechNet フォーラムへどうぞ。
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