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プロトコル分析実習
ユーザビリティ評価実習
島村隆一 ( 株)リコー
2000/04
2007/5/23
本講座の目的
 人間の認知のメカニズムに着目するプ
 ロトコル分析を学ぶ
 このプロセスを通じて、「わかりやす
 い」「使いやすい」ユーザーインター
 フェイスデザインとは何か、それを造
 り出す技術とは何かを考える。
    実際の業務ではくり返し実施し、解決策を
     ブラッシュアップしていく
本日のスケジュール
 本日の内容説明          10:30ー11:00
 学生モニター募集     11:00-11:00
 モニター評価       11:10-11:50
 仕様の説明        11:50ー12:00
    お昼休み(1 H)
 グループ討議(問題点抽出)    13:00-13:50
    休憩(10分)
 発表               14:00-15:00
 グループ討議(改善案)     15:00-15:30
    休憩(10分)
 発表               15:40-16:40
 まとめ              16:40-17:00
ユーザービリティとは
         有用性
     Usefulness

                              効用
                        Utility

                                           機能
 「使いやすさ」                               Function
                                           性能
 「わかりやすさ」                          Performance
                  使いやすさ
                  Usability
                                        操作性
                                    Operatebility
                                        認知性
                                     Cognizable
                                        快適性
                                      Comfortable
ユーザービリティの必要性
 道具
    直接手で操作する。結果が見える
    単機能=目的が明確=使い方が明確
道具の高機能・高性能化
スペースシャトルのロボットアーム
(SRMS)
若田宇宙飛行士が操作する
インターラクション・デザイ
ン
 原子力の事故
    作業員のミス?
    複雑なシステムの操作結果のフィードバッ
     ク
多機能化・ブラックボックス
化
 機能が見えない
 操作が見えない
ユーザーと道具・機器の関係
                物理的
 佐伯1988年       
             第  世界
      第     二
      一     接
心理的   接     面
世界    面
30,000 件
20%
2,000 円


   年間  14,400,000
   円
ユーザービリティの必要性
 ハードからソフトへ
    多機能化・ブラックボックス化
 サポートコストの増大
    問い合わせ対応: 2000 円 / 件
    サービス・セールス対応時間の増大
 ユーザーのメリット
    すぐ誰でも使える
    説明が不要
ユーザービリティラボ
 Micrsoft
 http://www.microsoft.com/usability/lab.mspx
評価ラボ




  テスト室          観察室
RICOH ユーザビリティ評価ラボ全景


       マジックミラー

                         観察・分析室




テスト室




                  観察風景
Human-Centered Design


 人間中心設計プロセス
0. 人間中心設計
の必要性の特定                1. 利用状況の
                        把握と明示


            4. 要求事項に    システムが
                                2. ユーザーと
            対する設計の     特定のユーザー
                        及び組織の  組織の要求事項
                評価                  の明示
                       要求事項を満足



                       3. 設計による
                       解決策の作成
ISO13407                          JISZ8530
ユーザービリティと科学
認知科学                  情報工学    バイオ工学   システム工学
   4つの記念碑( 1956
    年)                知識工学             機械工学
                               工学
     ミラー : 短期記憶(チャ
      ンク ) に制限があり7
      ± 2である(制約のあ     認知科学    人間工学     感性工学
      る情報処理系)
     ブルーナー&グッド
      ナウ&オースチン:       心理学    労働科学
                                       生理学
      情報処理の方略
     チョムスキー:言語       人類学    行動科学
      活動の心理的研究                         神経科学     医学
     ニューエリー&サイ
                      言語学    社会学
      モン:人工知能                          解剖学

                      哲学
ユーザービリティと科学
   情報工学    バイオ工学   システム工学


   知識工学     工学      機械工学


   認知科学    人間工学     感性工学



   心理学    労働科学
                    生理学

   人類学    行動科学
                    神経科学     医学
   言語学    社会学
                    解剖学

   哲学
認知科学
D.A.Norman1983 年に提唱

 デザイン モデル 
                   Gap       ユーザーモデル
  設計者
  デザイナー                   ユーザー




            システム・機器

                システムイメージ
                                   (D.A.Norman 1989)
人の認知プロセス



   感覚器   特徴の抽出       抽出したものを分析       多彩な知識
   5感    (0.5s 程度保   1) 情報の符号化       /メンタルモデ
         持アナログ       2) 短期間の情報保持     ル
         で情報量大       =意味の解釈 (20s 程   ・命題的知識(言
         )           度)              語的/イメージ知
                        情報単位         識)
                     (Chunks)7±2     ・エピソード的知
                     3) 情報の加工        識(体験的/意味
                     長期記憶との照合・       的一般知識)
知識を引き出せないのが忘却        記憶再生・推論・判
                                     ・宣言型知識
                     断
情報処理特性モデル
                                     ゼロックス社のバロアルト研究所
                                     ( LTM)
                                 長期記憶( PARC)
                                    δLTM=∞
                                    μLTM=∞
                                  κLTM= 意味的
           作業記憶( WM) 又は短期記憶( STM)
                                                      μWM=3(2.5-4.1)Chunks
 視覚イメージ( VIS)             聴覚イメージ( AIS)                 μWM*=7(5-9)Chunks
 δVIS=200(70-1000)ms     δAIS=1500(900-3500)ms          δWM=7(5-266)s
  μVIS=17(7-17)letters     μAIS=5(4.5-6.2)letters   δWM(1Chunk)=73(73-266)s
    κVIS= 物理的                κLTM= 物理的               δWM(3Chunk)=7(5-34)s
                                                     κWM= 音響的・視覚的




                  知的プロセッサー                                                      認知プロセッサー
                  τp=100(50-200)ms                                               τc=70(25-170)ms
                      眼球運動                                                    LTM カラ関連スル意味情報ヲ
                    230(70-700)ms                                               検索シ次ノ行動ヲ決定




    μ= 保持容量                                      運動プロセッサー
    δ= 減衰時間                                       τn=70(30-100)ms
   κ= 表象コード                                     動作指示に基づき行動
 τ= 処理時間の周期
淵モデル (gulf model)
                    D.A.Norman
 7 段階の認知過程
 1) 目標を立てる
 2) 意図を形成する
 3) 行為系列を特定
   する
 4) 行為を実行する
 5) システムの状態
   を知覚する
 6) 状態を解釈する
 7) 目的意図と状態を評価する
誤るのは人の常
 操作を誤るのは、人のミスではない
 !
 機械(製品)が悪い。!
    その場、その場で合理的に思考している。
    過去のことを全て覚えているわけではない
    過去の経験と照らし合わせながら、
    目的へ向かう操作の流れの中で判断してい
     る
    初めて触る製品でも試行錯誤で操作ができ
人間工学
 戦闘機の墜落事故
    航空事故の原因はパイロットのミス?
    瞬時の判断時に誤解を招く表示方法
人間工学から認知工学へ
 ハイテク飛行機の墜落事故
    オートパイロットと機長との不整合




               B747-400
アフォーダンス( affordance )
                      JJ ギブソ
 操作方法を限定する。           ン
     事物の知覚された特徴:使い方を示すもの
       使い方の手がかりを明示している
       アフォーダンスは環境の中にある。
     視覚:眼球と脳だけでなく頭・全身の姿勢
      や身体にかかる加速度などの感覚を加味し
      た見るシステム
     アフォーダンスがないと押す引くなどの表
      示が必要になる。
対話設計における 8 つの黄金
律
            Ben Shneiderman : 1987
1 .一貫性をもたせる
2 .頻繁に使うユーザーには近道を用意
  する
3 .有益なフィードバックを提供する
4 .段階的な達成感を与える対話を実現
  する 
5 .エラーの処理を簡単にさせる
6 .逆操作を許す
7 .主体的な制御権を与える
ユーザービリティ評価
ユーザーの「わかりやすさ」「使い
やすさ」を評価する(製品の操作性
評価)
    観察法
    プロトコル分析手法  (発話思考法)
    ヒューリスティック分析
    認知的 WalkThrough 手法
    グループインタビュー
    質問紙法(アンケート)
モニターによる製品の評価計
画
 何を見たい・知りたいのかをはっきりさせる
 実験対象を選択する
 モニターの選択する
    狙いのユーザー5名以上
      5名以上で80%の問題点が見つけられる
    メジャー(評価基準)を決める
      CIF の場合は、優位差を要求されるので 15 名以上
      ( 0.9 、 30 名 0.95)
          http://zing.ncsl.nist.gov/iusr/
          ISO standard ISO/IEC 25062:2006
5 ユーザでテストすれば十分な理
   由




Jakob Nielsen 博士の Alertbox
http://www.usability.gr.jp/alertbox/20000319.html
評価指標
 ユーザーを使って評価する方法
    効果
      成功・エラー回数を測る
    効率
      パフォーマンス・時間を測る
    満足度
      生理を測る
      官能評価(質問紙)
    観察結果
      プロトコル分析・タスク分析など
プロトコル分析
 ユーザーに操作しながら、発話を御願いして
 システムを評価する方法
 ユーザーがどのように製品とインターラク
 ションするのかを分析し、ユーザーの行動特
 性を抽出する
 デザインモデルとユーザーモデルとのギャッ
 プを知ることができる
 実験環境により効率よく観察する
    場合によっては実際の現場で
プロトコル分析とは
 発話思考法
    ユーザーに課題を提示する
    課題達成時、頭に思いついたことを発話す
     る
    ユーザーの発話と行動、機器の反応を記録
     する
                     発話法




              プロトコル分析(新曜社)より引用
ユーザービリティ評価のポイ
ント
 ユーザーのパーソナルビューから見る
  ユーザーは多様である:いろいろな人がい
   るので、どうやるか、かなり難しい
  回答は1つではない

  完全解は存在しない

 「使いやすさ」は物の属性ではなく、人が
   使って初めてわかる人の属性である。
評価の実施
 目的                評価準備
    評価指標の決定          録画機材
 評価方法の選択              評価対象(操作確認)
                       評価場所確保
 評価対象 , タスクの決定
                   

                      説明資料
    シナリオにする
                      プレ評価の実施
    タスクシートを用意する
    プレ評価(身内でやって   評価実施
     みる)              発話練習
                        まずやって見せる
 リクルート
                        音がとれていることの
    狙いのユーザー            確認(機材)
    初心者が簡単なら熟練者      タスクの御願い
     も簡単
                      インタビュー(必要に応
                       じて)
実験上の注意
被験者に偏見を与え        リクルートでも注
ない               意、先入観を与えな
    タスクの与え方に配   い
     慮が必要         人によっては勉強し
    用語にも注意が必要     てきてしまうことを
                   避ける
自由に操作させる
                 対象の準備
気楽に操作できる環         動作の確認
境を整える             初期値の確認
操作している部分が             初期値によって見れ
記録できる工夫               るものが異なる
                    プレ評価は必ず行う
発話の誘導
 発話の練習           注意点
    やってみせる         操作を誘導するよう
    練習してもらう         な言動は避ける
    実際にできなくても      用語には特に注意、
     良い              事前に表示されてい
 発話を誘導する             る用語を使うと誘導
                     してしまう
    「今、何を考えてい
     るのですか?」        ヒントは段階的に与
    質問されたら質問す       える
     る                その範囲にはありま
    オウム返しする          せん
    行動は誘導しない         その言葉は使われて
                      ません
    遭難したらヒントを
プロトコル分析手法
ユーザーの行動の基になっている 頭の
中のモデル User Model ( Mental
Model )を探る           TOOL
                                           Goal
 発話と動作から、ユー                    Gap
 ザーの思考過程を推測
 する。(発話思考法を用
 いた認知過程の分析)                      SubGoal
                   SubGoal
                               Gap

                         Gap
              現在
プロトコル分析
 発話をベースにユーザーの思考過程を
 類推する。(ユーザーモデルを理解す
 る)
書き起こし手順
 音だけで言葉を書き起こす
    ビデオを見ない
    聞き取れない言葉は「…」でよい
 印刷して、ビデオを見る
    操作・機械の動きを記入する
 ビデオを見て確認する
    ユーザーモデルを類推する
    全体を見る
プロトコル分析の注意
 事実を記録する
    発話・行動・システムの動き
 行動の単位を確認する
    SubGoal単位
    単位毎の比較
 問題の重要性・汎用性の判断
    個別問題か、
    一般化できる問題かの判断
問題の分析1
 どのようにインターラクションした
 か
 どのような障害が発生したのか
 その時ユーザーはどのように考えた
 のか
 観察した事実から推測する
<分析の視点>
 ユーザーは合理的な行動をしている
問題の分析2
 問題点の原因は?
    なぜ、そうなったか?
    システムの何が悪いのか?
    システムモデルとユーザーモデルの違い
     は?
 全体を俯瞰して考える
    同じようなことが他でも起きてないか
    特定の部分でつまづいてないか
    グルーピングとのかかわりあいは?
ユーザー評価の実施
御願い1
御願い2
御願い3
実習
1グループ 5 名以内
問題点を抽出して原因を特定する
1 時間後に 10 分で発表する
発表
各グループ 10 分で発表してくだ
さい
改善策の検討
30 分で有効な改善策をつくって
ください
10 分で発表
評価方法と特徴
       利用される手法     方法                   メ ッ・
                                         リ ト 利用場面           デメ ッ
                                                              リ ト
                                        ユーザビリ 評価の一般的方法。
                                              ティ         比
                   ユーザーに課題をお願いし 頭に浮か
                                、
       プロト ル分析
          コ                             較的効率的に定性的な情報が得ら  れ、 進行役にスキルが必要。 結果を分析す
                   んだことを話しながら操作を行ってもら
       (発話思考法)                          潜在的、 原因的要因の追求により良い るのに時間と 労力がかかる。
                   う
                                        結果が得られる
                                                            検査者が操作する場合に誘導し ま
                                                                           てし
                   ユーザーに課題をお願いし 検査者ま
                               、        進行のスキルも必要なく 会話から
                                                    、    思
                                                            う可能性が高まる。 ユーザー同士の場
       対話法         たはユーザ同士で会話をしながら検査    考過程が明確になり 分析が容易にで
                                                  、
                                                            合は一回のテスト 2名必要でリ
                                                                     で     クルー
                   者が操作を行って課題を達成する      きる
                                                            ト数が倍になる。
                                        簡単に実施でき、定性的な分析ができ 観察にもスキルが必要。観察中に問題
       観察法         実際のユーザーの操作を観察する
                                        る                 のある作業が発生しない場合も多い。
                                                           測定に測定装置が必要で操作に影響
                   脈拍や血圧、筋電図、脳波など生理的                       が出る場合がある。非接触のアイカメラ
       生理指標測定法                       数値データで定量的に分析ができる
                   指標を測定する                                 ができアイト キングは最近良く
                                                                 ラッ       使わ
モニター                                                       れている。
短期評価               時間や手順数など指標を決めて測定す
       パフォーマンス評価                     数値データで定量的に分析ができる      指標を定義するのが難しい。
                   る
                                     主観的要因について評価を行う  時に使
                   サンプルを比較して感覚的に順番をつ
       官能評価                          う QDA( 法)
                                      。    SD 一対比較法,順位法、 因子分析に専門的知識が必要。
                                                        評
                   けたり数値に当てはめてもらう
                                     価グリ ド
                                         ッ 法など複数の手法がある
                                                       文脈的インタ ーやフォ
                                                              ビュ   ーカスグルー
       インタ ー
          ビュ       個人やグループに対してインタビューを ヒ ングで評価するので誰にでも簡
                                       ヤリ
                                                       プなど適切に実施するにはスキルが必
       (個人・グループ)   行う                 単に実施できる。
                                                       要。
                                                       フリーコ ント まく
                                                           メ をう 活用すると 新しい
                                    直接会わなく 実施可能なので大量 知見が得られる場合があるが、
                                          ても                          質問に
       質問紙(アンケート) 質問に答えを書いても らう
                                    のデータを得ることができる。     書かれている仮説にし か答えが得られ
                                                       ない。
       各種分析法(コンジョ 質問紙や官能評価で集めたデータ
                 イ               を分 適切に評価を計画し 適切に分析するこ 必要なサンプル数など統計の知識と そ
       ント 多変量解析など) 析する手法がいく
         ・                 つかある     とで優良な結果が得ら れる。     れぞれの手法の知識が必要。
評価方法と特徴
       利用される手法             方法                        メ ッ・
                                                      リ ト 利用場面               デメ ッ
                                                                               リ ト
                           実際のユーザーが使っていると ろを    こ
       観察法                                           簡単に実施でき、  定性的な分析ができ 長期に渡る観察には労力・       時間がかか
                           観察する。    ビデオによる定点観測の場
       ( ールド
        フィ    テスト    )                               る                       る。
                           合も  含む。
                                                                             通常は、 使用後に使いやすさ ヤリ
                                                                                             をヒ ン
       インタ ー
           ビュ              個人やグループに対し      てインタ ーを
                                                ビュ
                                                     観察し ながら インタ ーするのが良い グするので、 た人が意識し
                                                                ビュ                  使っ        て感じ た
       (個人・ グループ)          行う
                                                                             結果になる。
モニター
                           ユーザーに写真や文字で感じ       たこ を その場にいなく
                                                  と           て記録が取れる。 記録 ユーザーが面倒になり
                                                                         、               記録を取ら  ない
長期評価   フォ エッ
         ト セイ・    日記
                           記録をと てもっ   らう             を見ながら詳細をインタ    ビューする    場合がある。
                                                                             フリーコ ント まく
                                                                                 メ をう 活用すると   新し い
                                                     仮説に対し  て定量的データ   を得ること
       質問紙(  アンケート     ) 質問に答えを書いても        らう                                発見が得ら れる場合があるが、  質問に
                                                     ができる。
                                                                             書かれている仮説にし  か答えが得られ
       ユーザビリ 評価・ 実験室で課題を与え操作をお願いす
              ティ         演                                                   ユーザーの環境と  異なるので、 見つけ
                                                     観察が出来ない場合に行う     。
       技による再現              る・ いつも行っ   ているこ を再現し ら
                                           と     ても                          られない問題点がある場合がある。
                                                     まだ詳細の決まっていない設計の初期
                           行為の7段階モデルなどを利用し       て                           ユーザーを想定し  て行うので、 想定外
                                                     段階で評価ができる。 ポイント スク分
                                                                  3     タ
       認知的Wa lkTh ro ugh 法 ユーザーの行動をト     レースすること  で問                         の操作など実際の現場での問題点を発
                                                     析は情報入手・  理解判断・  操作の3 つ
                           題点を探す                                             見できない可能性がある。
                                                     で評価する
                                                     まだ詳細の決まっていない設計の初期
インスペ                       経験則( の原則など)
                                  10        に基づき問題                           一人では一部の問題点し   か探せないの
       ヒ ーリ
        ュ   スティ 法ク                                   段階で評価ができる。   一番効率が良い
ク ン
 ショ                        点を探す                                              で必ず複数名(名程度)
                                                                                     6    で行う 。
                                                     と れる。
                                                      さ
(検査者
                           事前に用意し    たチェ ク項目について、 チェ クリ があれば誰でも簡単に実 チェ ク スト
                                         ッ             ッ スト                    ッ リ を作成・ 維持するのに労
評価)    チェ ク スト
         ッ リ 法
                           ○ × や数字を当てはめチェ ク   ッ する   施するこ が可能
                                                          と                  力と時間がかかる。
                                                     二つの視点で同時に見るので問題点
                           二人で操作役と     記録役に分かれて、   相
                                                     の発見率が上がる。   評価終了時に、 協調し
                                                                           結    て作業ができないと  一人で行う  よ
       二人検査者法              談し  ながら操作するこ で、と 問題点を抽
                                                     果レポート の記録ができ分析時間の短 り     効率が下がる場合がある。
                           出する
                                                     縮ができる。
       ※手法は単独で行われるより 組み合わせて行われるこ の方が多い。
                                、                と
二人で行うプロトコル分析
対話法                     発問法
    二人の被験者が相談し            被験者と検査者が対話
     ながら操作する                しながら操作する
     対等の立場の二人での            プロトタイプが不完全
      共同作業とする               で被験者が操作できな
     会話から思考過程が理            い場合や被験者が発話
      解しやすい                 しにくい場合に適用す
                            る
       対話法                     発問法



被験者 A    被験者 B               被験者    実験者

     プロトコル分析(新曜社)より引用
認知的ウォークスルー法と
は
評価者自身 がユーザの認知的な行動軌跡を推定して問題点を抽
出する方法。
   ユ ーザのインタフェース行動に重点を置き、ユーザが自分の目的を達成
    するためにどのような行動をとり、その結果予測しなかったエラーを ど
    のような場合犯すかを想像して進める。
       対象となるユーザがどのようなスキルかを設定する。
       ゴールを設定する。
       ゴールに向かって、そのユーザが操作を どのようにするかを想像する。
       一つのアクションごとに、ユーザが何 を見て、何を選択して、表示を解釈し
        、判断するかを推測する。
   ユーザの認知的行動をチェックシート式に記述
     操作ステップ毎に分析シートに基づいてブレーンストー ミングを行いながら
        、認知的プロセスをたどり問題点を抽出して行く。
         可視性:ユーザは目の前のインタフェースで何をするかわかるか?(見た目)
         マッピング:ユーザは目の前のインタフェースを見て、その操作方   法を正しくイメー
          ジできるか? (やり方・操作作法)
         良い概念モデル:ユーザは目の前のインタフェース上で、自身のタ スクと操作手順を

          正しく関連付けて実行することができるか?(手順・操作フロー)
         フィードバック:システムからのフィードバック情報を元にユーザ は自身のタスクが

          順調に進んでいるかわかるか?
認知的 Walkthrough の手順
      タスクを設定する
           ユーザーが何をするかの“目標 ( ゴール )” を
            設定する。                                                       見た目
                                                         操作作法
      ユーザーを設定する
           初心者、多少使える
           上級者 ( コマンド入力の方が作業が早い )
            などに大きく分けられる。
      ゴール・サブゴール
           淵モデルの7つの段階の基づいて分析する                     手順
      各アクションに対する分析
           設定したタスクを達成するまでに、各ユー
            ザーがどのような方法をとり、どんな手順                                     フィードバック
            で問題解決をしているかを推測し、また
            ユーザーがどのような問題にひっかかるか
            などを考え、細かく分析していく。



オリジナル
< 7 つの視点>
・ユーザーの意図                                < 4 つの視点>
・入力選択                                       見た目           やり方           手順           フィ バック
                                                                                       ード
                                                     ユーザーは目の前のイン    ユーザーは目の前のイン    システムからのフィード
・入力の実行                                  ユーザーは目の前のイン
                                                     ターフェイスを見て、その   ターフェイス上で、自身の   バック情報を元にユーザ
                                        ターフェイスで何をするか
・表示                                                  操作方法を正しく ージ
                                                             イメ     タスクと操作手順を正しく   は自身のタスクが順調に
                                           わかるか?
・表示の知覚                                                  できるか?       関連付けて実行すること    進んでいるかわかるか?
・解釈
・評価



              ※D.A ノーマンの行為の淵モデルに基づいてい
                 る
報告フォーマット                                                                             <拡張 HCI モデル>
                                                                                             ・操作意図
                                                                                             ・操作対象の知覚
                                                                                             ・操作対象の解釈
                                                                                             ・操作行為の知覚
                                                                                             ・操作行為の解釈
                                                                                             ・操作の実行
                                                                                             ・操作の解釈
                                                                                             ・結果の解釈
                                                                                             ・結果の評価



検査者評価(認知的Wa lkTh ro ugh)   
                                                          対象物:
                                                             iHubWinPC 画面フロー               A:使えない            E:非常に使い易い
実施日 2011年10月13日・
               14日                                        検査者:                             B:操作困難である         G:使い易い
                                                                                           C:使いづらい
                                                見た目             やり方              手順             フィ バッ
                                                                                                  ード ク
           このステップでの                                                        ユーザーは目の前のインタ ーフェ システムからのフィ バッ 情
                                                                                                     ード ク
                                                          ユーザーは目の前のインタ ーフェ
 操作ステップ                   ユーザーが操作ができるか?   ユーザーは目の前のインターフェ                  イス上で、自身のタスクと操作手 報を元にユーザは自身のタ スク   問題は何か?(改善策案)   全体
            正しい目標                          イスで何をするかわかるか?
                                                          イスを見て、 その操作方法を正し
                                                                           順を正し 関連付けて実行するこ が順調に進んでいるかわかる
                                                                               く
                                                             く ージできるか?
                                                              イメ
                                                                               とができるか?            か?
                      判
                             A.・ C・ E
                               B・ G・          A.・ C・ E
                                                B・ G・          A.・ C・ E
                                                                 B・ G・         A.・ C ・ E
                                                                                 B・ G・         A.・ C・ E
                                                                                                 B・ G・
                      定
    1          ①
                      要
                      因

                      判
                             A.・ C・ E
                               B・ G・          A.・ C・ E
                                                B・ G・          A.・ C・ E
                                                                 B・ G・         A.・ C ・ E
                                                                                 B・ G・         A.・ C・ E
                                                                                                 B・ G・
                      定
    2          ②
                      要
                      因
ヒューリスティクス評価
定義
   経験則(原則・ガイドライン ) に基づき仕様書・
    プロトタイプを検査しインターフェイスの問題点
    を探し出す方法( Nielsen&Molich1990 )
手順
   熟練した評価者複数人で、個々にインターフェイ
    ス評価を行う。
   一通り評価を行ったら、評価者間で意見交換を行
    いその記録を取る。
   司会者が進行を行い、結果として問題点をまとめ
    た一覧表を作成する。
   使い勝手のどの経験則に反しているかを明記す
    る。
特徴
   効率性が一番高いといわれている
参考文献
 誰のためのデザイン
  D.A. ノーマン著 新曜社


 コンピュータはむずかしすぎ
 て使えない!
    アラン・クーパー著  翔泳社
 ユーザビリティエンジニ
 アリング
    樽本 徹也
参考文献(出展)
書籍名                       著者                                        発行年度     出版社
                          ト ケリ (著), ジョ
                            ム         ー         ナサン リ ト  ッマ
イノベーションの達人!               ン (著), To m Ke lle y (原著), J o na t h a n
                          Lit t m a n (原著),                          2006年6月 早川書房
ユーザビリ エンジニアリ
     ティ        ング―
ユーザ調査と ユーザビリ 評価
              ティ          樽本 徹也
実践テクニッ ク                                                    2005年10月      オーム社
スローなユビキタ  スライフ            関根 千佳                                  2005     地湧社
マーケティング・ インタビュー           上野 啓子                                  2004     東洋経済新報社
エモーショナル・ デザイン             ドナルド A ノ
                              ・ . ーマン著                           2004     新曜社
使いやすさ のためのデザイン ユー         山崎 和彦編著  松田 美奈子編 吉
ザーセンタ ・
     ード デザイン              武 良治編著                                   2004 丸善
「使いやすさ の認知科学
      」                   原田 悦子                                    2003 共立出版
アンケート調査と  統計解析が分か
                          酒井隆
る本                                                                 2003 日本能率協会マネジメ センタ J MAM)
                                                                                  ント  ー(
ユーザービリ エンジニアリ
       ティ        ング
                          ヤコ ニールセン
                            ブ・
原論第2版                                                              2002 東京電機大学出版局
                  (ト ケリ (著), To m Ke lle y (著),
                     ム・ ー
                  ジョ    ナサン・ ッ マン (著), J o na t h a n
                                リ ト
発想する会社
                  Lit t m a n (著)), 鈴木 主税 (翻訳), 秀
                  岡 尚子 (翻訳)                                        2002 早川書房
アフォーダンスの心理学       エド    ワード S リ・・ ード                               2001 新曜社
コンピュータはむずかし すぎて使え アラン・       クーパー Ala n Co o pe r 著山
ない!               形浩生 訳                                            2000   翔泳社
認知研究の技法           海保博之+加藤隆                                         1999   福村出版
消費者は二度評価する        梅沢 伸嘉                                            1997   ダイヤモンド社
アフォーダンス           佐々木正人著                                           1995   岩波書店
プロトコル分析入門         海保博之・         原田悦子                               1993   新曜社
ユーザーインタ ーフェイスの設計 B.シュナイダーマン                                        1993   日経BP社
誰のためのデザイン         DAノ    ーマン                                       1990   新曜社
プロトコル分析
講師:島村隆一
Ryuichi Shimamura
 所属 : ( 株 ) リコー
E-Mail : rshima@nts.ricoh.co.jp
 

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  • 2. 本講座の目的 人間の認知のメカニズムに着目するプ ロトコル分析を学ぶ このプロセスを通じて、「わかりやす い」「使いやすい」ユーザーインター フェイスデザインとは何か、それを造 り出す技術とは何かを考える。  実際の業務ではくり返し実施し、解決策を ブラッシュアップしていく
  • 3. 本日のスケジュール 本日の内容説明          10:30ー11:00 学生モニター募集     11:00-11:00 モニター評価       11:10-11:50 仕様の説明        11:50ー12:00  お昼休み(1 H) グループ討議(問題点抽出)  13:00-13:50  休憩(10分) 発表               14:00-15:00 グループ討議(改善案)     15:00-15:30  休憩(10分) 発表               15:40-16:40 まとめ              16:40-17:00
  • 4. ユーザービリティとは 有用性 Usefulness 効用 Utility 機能 「使いやすさ」 Function 性能 「わかりやすさ」 Performance 使いやすさ Usability 操作性 Operatebility 認知性 Cognizable 快適性 Comfortable
  • 5. ユーザービリティの必要性 道具  直接手で操作する。結果が見える  単機能=目的が明確=使い方が明確
  • 7. インターラクション・デザイ ン 原子力の事故  作業員のミス?  複雑なシステムの操作結果のフィードバッ ク
  • 9. ユーザーと道具・機器の関係 物理的 佐伯1988年        第 世界 第 二 一 接 心理的 接 面 世界 面
  • 10. 30,000 件 20% 2,000 円 年間  14,400,000 円
  • 11. ユーザービリティの必要性 ハードからソフトへ  多機能化・ブラックボックス化 サポートコストの増大  問い合わせ対応: 2000 円 / 件  サービス・セールス対応時間の増大 ユーザーのメリット  すぐ誰でも使える  説明が不要
  • 14. RICOH ユーザビリティ評価ラボ全景 マジックミラー 観察・分析室 テスト室 観察風景
  • 15. Human-Centered Design 人間中心設計プロセス 0. 人間中心設計 の必要性の特定 1. 利用状況の 把握と明示 4. 要求事項に システムが 2. ユーザーと 対する設計の 特定のユーザー 及び組織の 組織の要求事項 評価 の明示 要求事項を満足 3. 設計による 解決策の作成 ISO13407 JISZ8530
  • 16. ユーザービリティと科学 認知科学 情報工学 バイオ工学 システム工学  4つの記念碑( 1956 年) 知識工学 機械工学 工学  ミラー : 短期記憶(チャ ンク ) に制限があり7 ± 2である(制約のあ 認知科学 人間工学 感性工学 る情報処理系)  ブルーナー&グッド ナウ&オースチン: 心理学 労働科学 生理学 情報処理の方略  チョムスキー:言語 人類学 行動科学 活動の心理的研究 神経科学 医学  ニューエリー&サイ 言語学 社会学 モン:人工知能 解剖学 哲学
  • 17. ユーザービリティと科学 情報工学 バイオ工学 システム工学 知識工学 工学 機械工学 認知科学 人間工学 感性工学 心理学 労働科学 生理学 人類学 行動科学 神経科学 医学 言語学 社会学 解剖学 哲学
  • 18. 認知科学 D.A.Norman1983 年に提唱 デザイン モデル  Gap ユーザーモデル 設計者 デザイナー ユーザー システム・機器 システムイメージ (D.A.Norman 1989)
  • 19. 人の認知プロセス 感覚器 特徴の抽出 抽出したものを分析 多彩な知識 5感 (0.5s 程度保 1) 情報の符号化 /メンタルモデ 持アナログ 2) 短期間の情報保持 ル で情報量大 =意味の解釈 (20s 程 ・命題的知識(言 ) 度) 語的/イメージ知 情報単位 識) (Chunks)7±2 ・エピソード的知 3) 情報の加工 識(体験的/意味 長期記憶との照合・ 的一般知識) 知識を引き出せないのが忘却 記憶再生・推論・判 ・宣言型知識 断
  • 20. 情報処理特性モデル ゼロックス社のバロアルト研究所 ( LTM) 長期記憶( PARC) δLTM=∞ μLTM=∞ κLTM= 意味的 作業記憶( WM) 又は短期記憶( STM) μWM=3(2.5-4.1)Chunks 視覚イメージ( VIS) 聴覚イメージ( AIS) μWM*=7(5-9)Chunks δVIS=200(70-1000)ms δAIS=1500(900-3500)ms δWM=7(5-266)s μVIS=17(7-17)letters μAIS=5(4.5-6.2)letters δWM(1Chunk)=73(73-266)s κVIS= 物理的 κLTM= 物理的 δWM(3Chunk)=7(5-34)s κWM= 音響的・視覚的 知的プロセッサー 認知プロセッサー τp=100(50-200)ms τc=70(25-170)ms 眼球運動 LTM カラ関連スル意味情報ヲ 230(70-700)ms 検索シ次ノ行動ヲ決定 μ= 保持容量 運動プロセッサー δ= 減衰時間 τn=70(30-100)ms κ= 表象コード 動作指示に基づき行動 τ= 処理時間の周期
  • 21. 淵モデル (gulf model) D.A.Norman 7 段階の認知過程 1) 目標を立てる 2) 意図を形成する 3) 行為系列を特定 する 4) 行為を実行する 5) システムの状態 を知覚する 6) 状態を解釈する 7) 目的意図と状態を評価する
  • 22. 誤るのは人の常 操作を誤るのは、人のミスではない ! 機械(製品)が悪い。!  その場、その場で合理的に思考している。  過去のことを全て覚えているわけではない  過去の経験と照らし合わせながら、  目的へ向かう操作の流れの中で判断してい る  初めて触る製品でも試行錯誤で操作ができ
  • 23. 人間工学 戦闘機の墜落事故  航空事故の原因はパイロットのミス?  瞬時の判断時に誤解を招く表示方法
  • 24. 人間工学から認知工学へ ハイテク飛行機の墜落事故  オートパイロットと機長との不整合 B747-400
  • 25. アフォーダンス( affordance ) JJ ギブソ 操作方法を限定する。 ン  事物の知覚された特徴:使い方を示すもの  使い方の手がかりを明示している  アフォーダンスは環境の中にある。  視覚:眼球と脳だけでなく頭・全身の姿勢 や身体にかかる加速度などの感覚を加味し た見るシステム  アフォーダンスがないと押す引くなどの表 示が必要になる。
  • 26. 対話設計における 8 つの黄金 律 Ben Shneiderman : 1987 1 .一貫性をもたせる 2 .頻繁に使うユーザーには近道を用意 する 3 .有益なフィードバックを提供する 4 .段階的な達成感を与える対話を実現 する  5 .エラーの処理を簡単にさせる 6 .逆操作を許す 7 .主体的な制御権を与える
  • 27. ユーザービリティ評価 ユーザーの「わかりやすさ」「使い やすさ」を評価する(製品の操作性 評価)  観察法  プロトコル分析手法  (発話思考法)  ヒューリスティック分析  認知的 WalkThrough 手法  グループインタビュー  質問紙法(アンケート)
  • 28. モニターによる製品の評価計 画 何を見たい・知りたいのかをはっきりさせる 実験対象を選択する モニターの選択する  狙いのユーザー5名以上  5名以上で80%の問題点が見つけられる  メジャー(評価基準)を決める  CIF の場合は、優位差を要求されるので 15 名以上 ( 0.9 、 30 名 0.95)  http://zing.ncsl.nist.gov/iusr/  ISO standard ISO/IEC 25062:2006
  • 29. 5 ユーザでテストすれば十分な理 由 Jakob Nielsen 博士の Alertbox http://www.usability.gr.jp/alertbox/20000319.html
  • 30. 評価指標 ユーザーを使って評価する方法  効果  成功・エラー回数を測る  効率  パフォーマンス・時間を測る  満足度  生理を測る  官能評価(質問紙)  観察結果  プロトコル分析・タスク分析など
  • 31. プロトコル分析 ユーザーに操作しながら、発話を御願いして システムを評価する方法 ユーザーがどのように製品とインターラク ションするのかを分析し、ユーザーの行動特 性を抽出する デザインモデルとユーザーモデルとのギャッ プを知ることができる 実験環境により効率よく観察する  場合によっては実際の現場で
  • 32. プロトコル分析とは 発話思考法  ユーザーに課題を提示する  課題達成時、頭に思いついたことを発話す る  ユーザーの発話と行動、機器の反応を記録 する 発話法 プロトコル分析(新曜社)より引用
  • 33. ユーザービリティ評価のポイ ント ユーザーのパーソナルビューから見る  ユーザーは多様である:いろいろな人がい るので、どうやるか、かなり難しい  回答は1つではない  完全解は存在しない 「使いやすさ」は物の属性ではなく、人が 使って初めてわかる人の属性である。
  • 34. 評価の実施 目的 評価準備  評価指標の決定  録画機材 評価方法の選択  評価対象(操作確認) 評価場所確保 評価対象 , タスクの決定   説明資料  シナリオにする  プレ評価の実施  タスクシートを用意する  プレ評価(身内でやって 評価実施 みる)  発話練習  まずやって見せる リクルート  音がとれていることの  狙いのユーザー 確認(機材)  初心者が簡単なら熟練者  タスクの御願い も簡単  インタビュー(必要に応 じて)
  • 35. 実験上の注意 被験者に偏見を与え リクルートでも注 ない 意、先入観を与えな  タスクの与え方に配 い 慮が必要  人によっては勉強し  用語にも注意が必要 てきてしまうことを 避ける 自由に操作させる 対象の準備 気楽に操作できる環  動作の確認 境を整える  初期値の確認 操作している部分が  初期値によって見れ 記録できる工夫 るものが異なる  プレ評価は必ず行う
  • 36. 発話の誘導 発話の練習 注意点  やってみせる  操作を誘導するよう  練習してもらう な言動は避ける  実際にできなくても  用語には特に注意、 良い 事前に表示されてい 発話を誘導する る用語を使うと誘導 してしまう  「今、何を考えてい るのですか?」  ヒントは段階的に与  質問されたら質問す える る  その範囲にはありま  オウム返しする せん  行動は誘導しない  その言葉は使われて ません  遭難したらヒントを
  • 37. プロトコル分析手法 ユーザーの行動の基になっている 頭の 中のモデル User Model ( Mental Model )を探る TOOL Goal 発話と動作から、ユー Gap ザーの思考過程を推測 する。(発話思考法を用 いた認知過程の分析) SubGoal SubGoal Gap Gap 現在
  • 39. 書き起こし手順 音だけで言葉を書き起こす  ビデオを見ない  聞き取れない言葉は「…」でよい 印刷して、ビデオを見る  操作・機械の動きを記入する ビデオを見て確認する  ユーザーモデルを類推する  全体を見る
  • 40. プロトコル分析の注意 事実を記録する  発話・行動・システムの動き 行動の単位を確認する  SubGoal単位  単位毎の比較 問題の重要性・汎用性の判断  個別問題か、  一般化できる問題かの判断
  • 41. 問題の分析1 どのようにインターラクションした か どのような障害が発生したのか その時ユーザーはどのように考えた のか 観察した事実から推測する <分析の視点> ユーザーは合理的な行動をしている
  • 42. 問題の分析2 問題点の原因は?  なぜ、そうなったか?  システムの何が悪いのか?  システムモデルとユーザーモデルの違い は? 全体を俯瞰して考える  同じようなことが他でも起きてないか  特定の部分でつまづいてないか  グルーピングとのかかわりあいは?
  • 47. 評価方法と特徴 利用される手法 方法 メ ッ・ リ ト 利用場面 デメ ッ リ ト ユーザビリ 評価の一般的方法。 ティ 比 ユーザーに課題をお願いし 頭に浮か 、 プロト ル分析 コ 較的効率的に定性的な情報が得ら れ、 進行役にスキルが必要。 結果を分析す んだことを話しながら操作を行ってもら (発話思考法) 潜在的、 原因的要因の追求により良い るのに時間と 労力がかかる。 う 結果が得られる 検査者が操作する場合に誘導し ま てし ユーザーに課題をお願いし 検査者ま 、 進行のスキルも必要なく 会話から 、 思 う可能性が高まる。 ユーザー同士の場 対話法 たはユーザ同士で会話をしながら検査 考過程が明確になり 分析が容易にで 、 合は一回のテスト 2名必要でリ で クルー 者が操作を行って課題を達成する きる ト数が倍になる。 簡単に実施でき、定性的な分析ができ 観察にもスキルが必要。観察中に問題 観察法 実際のユーザーの操作を観察する る のある作業が発生しない場合も多い。 測定に測定装置が必要で操作に影響 脈拍や血圧、筋電図、脳波など生理的 が出る場合がある。非接触のアイカメラ 生理指標測定法 数値データで定量的に分析ができる 指標を測定する ができアイト キングは最近良く ラッ 使わ モニター れている。 短期評価 時間や手順数など指標を決めて測定す パフォーマンス評価 数値データで定量的に分析ができる 指標を定義するのが難しい。 る 主観的要因について評価を行う 時に使 サンプルを比較して感覚的に順番をつ 官能評価 う QDA( 法) 。 SD 一対比較法,順位法、 因子分析に専門的知識が必要。 評 けたり数値に当てはめてもらう 価グリ ド ッ 法など複数の手法がある 文脈的インタ ーやフォ ビュ ーカスグルー インタ ー ビュ 個人やグループに対してインタビューを ヒ ングで評価するので誰にでも簡 ヤリ プなど適切に実施するにはスキルが必 (個人・グループ) 行う 単に実施できる。 要。 フリーコ ント まく メ をう 活用すると 新しい 直接会わなく 実施可能なので大量 知見が得られる場合があるが、 ても 質問に 質問紙(アンケート) 質問に答えを書いても らう のデータを得ることができる。 書かれている仮説にし か答えが得られ ない。 各種分析法(コンジョ 質問紙や官能評価で集めたデータ イ を分 適切に評価を計画し 適切に分析するこ 必要なサンプル数など統計の知識と そ ント 多変量解析など) 析する手法がいく ・ つかある とで優良な結果が得ら れる。 れぞれの手法の知識が必要。
  • 48. 評価方法と特徴 利用される手法 方法 メ ッ・ リ ト 利用場面 デメ ッ リ ト 実際のユーザーが使っていると ろを こ 観察法 簡単に実施でき、 定性的な分析ができ 長期に渡る観察には労力・ 時間がかか 観察する。 ビデオによる定点観測の場 ( ールド フィ テスト ) る る。 合も 含む。 通常は、 使用後に使いやすさ ヤリ をヒ ン インタ ー ビュ 個人やグループに対し てインタ ーを ビュ 観察し ながら インタ ーするのが良い グするので、 た人が意識し ビュ 使っ て感じ た (個人・ グループ) 行う 結果になる。 モニター ユーザーに写真や文字で感じ たこ を その場にいなく と て記録が取れる。 記録 ユーザーが面倒になり 、 記録を取ら ない 長期評価 フォ エッ ト セイ・ 日記 記録をと てもっ らう を見ながら詳細をインタ ビューする 場合がある。 フリーコ ント まく メ をう 活用すると 新し い 仮説に対し て定量的データ を得ること 質問紙( アンケート ) 質問に答えを書いても らう 発見が得ら れる場合があるが、 質問に ができる。 書かれている仮説にし か答えが得られ ユーザビリ 評価・ 実験室で課題を与え操作をお願いす ティ 演 ユーザーの環境と 異なるので、 見つけ 観察が出来ない場合に行う 。 技による再現 る・ いつも行っ ているこ を再現し ら と ても られない問題点がある場合がある。 まだ詳細の決まっていない設計の初期 行為の7段階モデルなどを利用し て ユーザーを想定し て行うので、 想定外 段階で評価ができる。 ポイント スク分 3 タ 認知的Wa lkTh ro ugh 法 ユーザーの行動をト レースすること で問 の操作など実際の現場での問題点を発 析は情報入手・ 理解判断・ 操作の3 つ 題点を探す 見できない可能性がある。 で評価する まだ詳細の決まっていない設計の初期 インスペ 経験則( の原則など) 10 に基づき問題 一人では一部の問題点し か探せないの ヒ ーリ ュ スティ 法ク 段階で評価ができる。 一番効率が良い ク ン ショ 点を探す で必ず複数名(名程度) 6 で行う 。 と れる。 さ (検査者 事前に用意し たチェ ク項目について、 チェ クリ があれば誰でも簡単に実 チェ ク スト ッ ッ スト ッ リ を作成・ 維持するのに労 評価) チェ ク スト ッ リ 法 ○ × や数字を当てはめチェ ク ッ する 施するこ が可能 と 力と時間がかかる。 二つの視点で同時に見るので問題点 二人で操作役と 記録役に分かれて、 相 の発見率が上がる。 評価終了時に、 協調し 結 て作業ができないと 一人で行う よ 二人検査者法 談し ながら操作するこ で、と 問題点を抽 果レポート の記録ができ分析時間の短 り 効率が下がる場合がある。 出する 縮ができる。 ※手法は単独で行われるより 組み合わせて行われるこ の方が多い。 、 と
  • 49. 二人で行うプロトコル分析 対話法 発問法  二人の被験者が相談し  被験者と検査者が対話 ながら操作する しながら操作する 対等の立場の二人での プロトタイプが不完全 共同作業とする で被験者が操作できな 会話から思考過程が理 い場合や被験者が発話 解しやすい しにくい場合に適用す る 対話法 発問法 被験者 A    被験者 B 被験者    実験者 プロトコル分析(新曜社)より引用
  • 50. 認知的ウォークスルー法と は 評価者自身 がユーザの認知的な行動軌跡を推定して問題点を抽 出する方法。  ユ ーザのインタフェース行動に重点を置き、ユーザが自分の目的を達成 するためにどのような行動をとり、その結果予測しなかったエラーを ど のような場合犯すかを想像して進める。  対象となるユーザがどのようなスキルかを設定する。  ゴールを設定する。  ゴールに向かって、そのユーザが操作を どのようにするかを想像する。  一つのアクションごとに、ユーザが何 を見て、何を選択して、表示を解釈し 、判断するかを推測する。  ユーザの認知的行動をチェックシート式に記述  操作ステップ毎に分析シートに基づいてブレーンストー ミングを行いながら 、認知的プロセスをたどり問題点を抽出して行く。  可視性:ユーザは目の前のインタフェースで何をするかわかるか?(見た目)  マッピング:ユーザは目の前のインタフェースを見て、その操作方 法を正しくイメー ジできるか? (やり方・操作作法)  良い概念モデル:ユーザは目の前のインタフェース上で、自身のタ スクと操作手順を 正しく関連付けて実行することができるか?(手順・操作フロー)  フィードバック:システムからのフィードバック情報を元にユーザ は自身のタスクが 順調に進んでいるかわかるか?
  • 51. 認知的 Walkthrough の手順 タスクを設定する  ユーザーが何をするかの“目標 ( ゴール )” を 設定する。 見た目 操作作法 ユーザーを設定する  初心者、多少使える  上級者 ( コマンド入力の方が作業が早い ) などに大きく分けられる。 ゴール・サブゴール  淵モデルの7つの段階の基づいて分析する 手順 各アクションに対する分析  設定したタスクを達成するまでに、各ユー ザーがどのような方法をとり、どんな手順 フィードバック で問題解決をしているかを推測し、また ユーザーがどのような問題にひっかかるか などを考え、細かく分析していく。 オリジナル < 7 つの視点> ・ユーザーの意図 < 4 つの視点> ・入力選択 見た目 やり方 手順 フィ バック ード ユーザーは目の前のイン ユーザーは目の前のイン システムからのフィード ・入力の実行 ユーザーは目の前のイン ターフェイスを見て、その ターフェイス上で、自身の バック情報を元にユーザ ターフェイスで何をするか ・表示 操作方法を正しく ージ イメ タスクと操作手順を正しく は自身のタスクが順調に わかるか? ・表示の知覚 できるか? 関連付けて実行すること 進んでいるかわかるか? ・解釈 ・評価 ※D.A ノーマンの行為の淵モデルに基づいてい る
  • 52. 報告フォーマット <拡張 HCI モデル> ・操作意図 ・操作対象の知覚 ・操作対象の解釈 ・操作行為の知覚 ・操作行為の解釈 ・操作の実行 ・操作の解釈 ・結果の解釈 ・結果の評価 検査者評価(認知的Wa lkTh ro ugh)      対象物: iHubWinPC 画面フロー A:使えない E:非常に使い易い 実施日 2011年10月13日・ 14日 検査者: B:操作困難である G:使い易い C:使いづらい 見た目 やり方 手順 フィ バッ ード ク このステップでの ユーザーは目の前のインタ ーフェ システムからのフィ バッ 情 ード ク ユーザーは目の前のインタ ーフェ 操作ステップ ユーザーが操作ができるか? ユーザーは目の前のインターフェ イス上で、自身のタスクと操作手 報を元にユーザは自身のタ スク 問題は何か?(改善策案) 全体 正しい目標 イスで何をするかわかるか? イスを見て、 その操作方法を正し 順を正し 関連付けて実行するこ が順調に進んでいるかわかる く く ージできるか? イメ とができるか? か? 判 A.・ C・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ A.・ C ・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ 定 1 ① 要 因 判 A.・ C・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ A.・ C ・ E B・ G・ A.・ C・ E B・ G・ 定 2 ② 要 因
  • 53. ヒューリスティクス評価 定義  経験則(原則・ガイドライン ) に基づき仕様書・ プロトタイプを検査しインターフェイスの問題点 を探し出す方法( Nielsen&Molich1990 ) 手順  熟練した評価者複数人で、個々にインターフェイ ス評価を行う。  一通り評価を行ったら、評価者間で意見交換を行 いその記録を取る。  司会者が進行を行い、結果として問題点をまとめ た一覧表を作成する。  使い勝手のどの経験則に反しているかを明記す る。 特徴  効率性が一番高いといわれている
  • 54. 参考文献 誰のためのデザイン  D.A. ノーマン著 新曜社 コンピュータはむずかしすぎ て使えない!  アラン・クーパー著  翔泳社 ユーザビリティエンジニ アリング  樽本 徹也
  • 55. 参考文献(出展) 書籍名 著者 発行年度 出版社 ト ケリ (著), ジョ ム ー ナサン リ ト ッマ イノベーションの達人! ン (著), To m Ke lle y (原著), J o na t h a n Lit t m a n (原著), 2006年6月 早川書房 ユーザビリ エンジニアリ ティ ング― ユーザ調査と ユーザビリ 評価 ティ 樽本 徹也 実践テクニッ ク 2005年10月 オーム社 スローなユビキタ スライフ 関根 千佳 2005 地湧社 マーケティング・ インタビュー 上野 啓子 2004 東洋経済新報社 エモーショナル・ デザイン ドナルド A ノ ・ . ーマン著 2004 新曜社 使いやすさ のためのデザイン ユー 山崎 和彦編著  松田 美奈子編 吉 ザーセンタ ・ ード デザイン 武 良治編著 2004 丸善 「使いやすさ の認知科学 」 原田 悦子 2003 共立出版 アンケート調査と 統計解析が分か 酒井隆 る本 2003 日本能率協会マネジメ センタ J MAM) ント ー( ユーザービリ エンジニアリ ティ ング ヤコ ニールセン ブ・ 原論第2版 2002 東京電機大学出版局 (ト ケリ (著), To m Ke lle y (著), ム・ ー ジョ ナサン・ ッ マン (著), J o na t h a n リ ト 発想する会社 Lit t m a n (著)), 鈴木 主税 (翻訳), 秀 岡 尚子 (翻訳) 2002 早川書房 アフォーダンスの心理学 エド ワード S リ・・ ード 2001 新曜社 コンピュータはむずかし すぎて使え アラン・ クーパー Ala n Co o pe r 著山 ない! 形浩生 訳 2000 翔泳社 認知研究の技法 海保博之+加藤隆 1999 福村出版 消費者は二度評価する 梅沢 伸嘉 1997 ダイヤモンド社 アフォーダンス 佐々木正人著 1995 岩波書店 プロトコル分析入門 海保博之・ 原田悦子 1993 新曜社 ユーザーインタ ーフェイスの設計 B.シュナイダーマン 1993 日経BP社 誰のためのデザイン DAノ ーマン 1990 新曜社