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植物発酵ペーストAo 摂取による抗酸化効果検証試験および肌改善効果検証試験
- 1. 「植物発酵ペーストAO」摂取による 抗酸化効果検証試験および肌改善効果検証試験 ～非盲検試験～ ○飯尾 晋一郎1), 本藤 和彦2), 鈴木 直子1), 山下 慎一郎1), 和泉 達也3) 1)株式会社オルトメディコ, 2)八雲香産株式会社, 3)広尾皮フ科クリニック
- 2. 第15回 日本予防医学会学術総会2 背景・目的 植物発酵物の摂取による抗酸化効果・肌改善効果に ついて検証することを目的とした。 酸化ストレス 植物発酵ペーストAO • 数種類の果実や野菜が含有された発酵物 • 抗酸化作用 • 紫外線保護作用 • 線維芽細胞の増殖促進作用 • 生体内における酸化反応と抗酸化能の バランスが崩れている状態 • 肌の老化を促進 活性 酸素 抗酸 化能
- 3. 第15回 日本予防医学会学術総会3 試験概要 試験対象 疲れやすさを自覚している日本人女性 試験デザイン 非盲検試験 試験期間 2016年8月15日～11月19日 スクリーニング 39名 本試験参加者 27名 (36.7 ± 5.9 歳) 試験食品 植物発酵ペーストAO 摂取期間 8週間 摂取用量 1日1包・朝食前に摂取する 試験概要
- 4. 第15回 日本予防医学会学術総会4 摂取前 評価項目 • 酸化ストレスマーカー 尿中8-OHdG、ＰＡＯ ＰＲＬ、ＨＥＬ • 酸化ストレスプロファイル • アンケート • 肌測定 (ロボスキンアナライザー) • 身体測定 • 理学検査 • 尿検査 • 末梢血液検査 摂取 8 週間 検査ポイント 摂取開始日 有効性項目 安全性項目 試験食品 摂取期間
- 5. 第15回 日本予防医学会学術総会5 酸化ストレスマーカー 8-OHdG DNA の酸化損傷を反映 PAO (Potential Anti Oxidant) 血清の総抗酸化能を反映 PRL, HEL 脂質の過酸化レベルを反映 酸化ストレスプロファイル 8-OHdG と PAO の値から体内の抗酸化能の バランスを評価 引用) Naito Y, et al. Anti-Aging Medicine, 2010; 7(5): 36-44.
- 6. 第15回 日本予防医学会学術総会 ロボスキンアナライザー シミ、シワ、肌のきめ、毛穴、 うるおい、色味、赤味等を数値化し評価する。 6 肌測定方法 目尻のシワ シミ 赤味 出典) 株式会社インフォワードHP
- 7. 第15回 日本予防医学会学術総会7 酸化ストレスおよび抗酸化能 摂取前 (対応のあるt検定, 平均値±標準誤差) DNA酸化損傷が抑制 総抗酸化能が上昇 摂取8週間後 1000 1050 1100 1150 1200 1250 [μmol/L] p = 0.033 PAO 04 5 6 7 8 9 10 11 [ng/mLcrea.] p < 0.001 尿中 8-OHdG (クレアチニン補正) 0
- 8. 第15回 日本予防医学会学術総会8 酸化ストレスプロファイル -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 危険 警告 低活性 良好 -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 危険 警告 低活性 良好 -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 -100.0 -50.0 0.0 50.0 100.0 危険 警告 低活性 良好 摂取前 摂取8週間後 酸化ストレス予防能 (PAO)低 高 酸化ストレスの程度弱強
- 9. 第15回 日本予防医学会学術総会9 0 1 2 3 4 5 6 7 p = 0.012 自覚症状 (1) p = 0.021 p = 0.062 p < 0.001 p = 0.001 p = 0.003 p < 0.001 p = 1.000 p = 0.005 改善 自 覚 症 状 摂取前 摂取8週間後
- 10. 第15回 日本予防医学会学術総会10 0 1 2 3 4 5 6 7 自覚症状 (2) p = 0.001 p = 0.002 p = 0.025 p < 0.001 p = 0.008 p < 0.001 p = 0.018p = 0.161 改善 自 覚 症 状 摂取前 摂取8週間後
- 11. 第15回 日本予防医学会学術総会11 (対応のあるt検定, 平均値±標準誤差) 2000 2500 3000 3500 4000 4500 p = 0.005 0 [個] 赤味 (数) 1000 1500 2000 2500 3000 p = 0.002 0 赤味 (面積) [mm2] 肌測定 摂取前 摂取8週間後 70 80 90 100 110 120 p = 0.015 [mm] 目尻のシワ (総長さ) 0 100 120 140 160 p = 0.041 [mm2] 目尻のシワ (総面積) 0
- 12. 第15回 日本予防医学会学術総会12 追加解析 摂取前 摂取8週間後 解析対象者 27名 解析対象者 17名 52.2±9.9 歳1) 野田艶子ら. 相模女子大学紀要. B, 自然系, 2009; 73: 47-56. 2) 野田艶子. 相模女子大学紀要. B, 自然系, 2008; 72: 27-38. (対応のあるt検定, 平均値±標準誤差) シミの数 ⇒ 尿中 8-OHdGの低下 ⇒ シワの減少 ⇒ 赤味の増加 ⇒ シミの減少 追加解析結果 18.5 kg/m2 ≤ BMI < 25.0 kg/m2 (肌状態の安定が示唆される範囲) 75 80 85 90 [個] p = 0.021 0
- 13. 第15回 日本予防医学会学術総会 ① 活性酸素の減少 ② 肌状態の改善 ③ 肌や疲労に関する自覚症状が改善 ④ 本試験条件下において、安全な食品 • DNA 損傷マーカーの減少 • 酸化予防能マーカーの上昇 • 肌の血流が増加 • シワ、シミの減少 • 肌の弾力、キメ、クスミ等が改善 • 体の疲れや倦怠感が改善 13 総括
Notas do Editor
- それでは、「植物発酵ペーストAO」摂取による抗酸化効果検証試験および肌改善効果検証試験～非盲検試験～と題して、発表を始めます。 よろしくお願いいたします。
- 老化には酸化ストレスが関与しており、活性酸素の過剰発生が一因であると考えられています。 そのため、活性酸素除去能の高い食品の摂取が老化予防の手段として期待されています。 先行研究より、植物発酵ペーストAＯは、細胞能に対する抗酸化作用を示しています。また、過酸化水素および紫外線による酸化ストレスから細胞を保護する作用も示しています。 果実や野菜は抗酸化能が高いことが知られており、これらを含む植物発酵物も抗酸化作用を示す食品として期待されていますが、抗酸化作用及び肌に対する作用をヒトに対して示す研究データはまだほとんど存在していません。 そこで本研究では、植物発酵物を摂取することによる抗酸化効果及び肌改善効果について検証することを目的にヒト試験を実施しました。
- つづいて本研究の方法をご紹介致します。 試験対象者は、「疲れやすさを自覚している日本人女性」としました。 試験デザインは「非盲検試験」 スクリーニングは39名行い、本試験には27名組入れました。植物発酵ペーストAOを1日1包・朝食前に8週間摂取としました。
- 今回測定した評価項目です。 まず、主要アウトカムとして、酸化ストレスマーカーである、尿中8-OHdG、ＰＡＯ、ＰＲＬ、ＨＥＬを測定致しまいた。 また、副次的アウトカムとして、ロボスキンアナライザーを用いた肌測定、アンケートを用いた自覚症状の評価を行っております。 身体測定・理学検査・尿検査・末梢血液検査・血液生化学検査を実施し、安全性を評価しております。 また、検査タイミングにつきましては、下図に示すように、スクリーニング兼摂取前と摂取8週間後の2回行いました。
- 酸化ストレスマーカーはそれぞれ、DNAの酸化損傷レベルや血清の総抗酸化能、脂質の過酸化レベルなどを反映しています。 また、8-OHdGとPAOの値から、抗酸化能のバランスについても評価しました。
- 肌状態の測定に関しましては、ロボスキンアナライザーを用いました。 ロボスキンアナライザーは高精度な肌画像の撮影、画像データのライブラリ-機能により、肌の毛穴・しわ・色素沈着・色合い・きめなどの肌の状態を客観的に数値化で評価します。
- それでは、試験結果に移ります。 こちらは、酸化ストレスおよび酸化ストレスマーカーを示したグラフです。 摂取前と摂取8週間後において、DNA酸化損傷マーカーである尿中8-OHdGの数値が有意に低下しました。 尿中8-OHｄGは活性酸素によって生成されますが、摂取前後と比較して低下したため、試験食品摂取によるDNA酸化損傷の抑制が示唆されます。 さらに、酸化ストレス予防能マーカーであるPAOも、数値が有意に上昇したことから抗酸化作用も高まったと考えられます。
- こちらの図は、先ほどデータでお見せした8-OHdG、PAOの2つのマーカーのバランスを評価したものです。 縦軸は酸化ストレスの程度を、横軸は酸化ストレス予防能を示しています。 酸化ストレスが強く、予防能が低下している場合は危険域にプロットされ、 逆に酸化ストレスが弱く、予防能が上昇している場合は良好域にプロットされます。 こちらは摂取前の散布図です。危険域、警告域付近にプロットされていることが確認できます。 そしてこちらが摂取後の散布図です。摂取前と比較し、良好域によっていることがわかります。 こちらの散布図より、摂取前と摂取8週間後では、酸化ストレスの程度が比較的低下していることがわかります。
- こちらは、自覚症状アンケートのスコアです。 摂取前と摂取8週間後の間に有意差が認められた項目は、「化粧のノリが悪い」 、「肌に弾力がない」 、「肌がべとついている」 、「肌のキメが悪い」 、「肌がくすんでいる」 、「肌がたるんでいる」、「クマ、くすみが気になる」
- 「体が疲れやすい」 、「寝ても疲れがとれない」 、「むくみやすい」 、「倦怠感がある」、「体調不良に陥りやすい」 、「口内炎ができやすい」 、「頭がすっきりしない」 の14項目で、いずれの症状も改善を示しました。
- ロボスキンアナライザーを用いた肌測定の結果がこちらです。 上段のグラフに示しますように、目尻のしわの総延長と総面積が摂取前後で有意に減少し、しわの改善がみられました。 これは、試験食品の摂取により抗酸化作用が向上したことで、肌のコラーゲンが正常に保たれるようになり、肌にハリが出るようになったためであると考えられます。 また、下段のグラフに示しますように、赤味の数と面積が摂取前後で有意に上昇しました。 これは、赤味の数と面積が増えたことは肌の状態が悪化したためではなく、試験食品に含有されているポリフェノールの作用により顔の血流が改善したことが考えられます。
- こちらは追加解析の結果です。 野田らの研究によりますと、BMIが18.5未満の痩せ型は乾燥肌、25.0以上の肥満型は脂性肌が多く、肌の状態が不安定であることが多いとされています。 よって、試験食品の影響を肌が安定した状態で評価するために、肌の状態が不安定な痩せ型の者と肥満型の者を除外し、追加解析を実施しました。 その結果、まず、これまでの結果同様、尿中8-OHdG濃度の低下、シワの減少、赤味の増加が確認されました。 また、新たな知見といたしまして、試験食品の摂取によってシミの数が減少し、顔のシミの改善がみられました。
- 植物発酵ペーストAOには、にんじん、バナナ、トマト、などが含有されており、これらにはビタミン類やポリフェノール類が成分として含まれています。 そのビタミン類やポリフェノールの作用によって、老化の元となる活性酸素を除去し、活性酸素が原因となる疲労やDNAの酸化損傷、コラーゲン破壊などを抑制することが示唆されました。また肌の状態が安定している者を追加解析した結果、酸化ストレスの改善だけでなく、シミの改善も見られました。これらのことから、植物発酵ペーストAOの摂取は抗酸化に作用し、さらに肌の状態を改善することが確認されました。
- 以上で発表を終わります。 ご清聴ありがとうございました。