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Semelhante a オンコロ冊子Vol.3 (20)
オンコロ冊子Vol.3
- 2. 後藤 功一氏、消化器がんの
遺伝子スクリーニングネット
ワーク「GI-SCREEN-Japan」
に 関しては 同 院 消 化 管 内 科
長の吉野 孝之氏などが報告
した。
スクラム・ジャパンは、全国
約260病院、製薬企業等17社
が参加するプロジェクト。次世
代シークエンサー(NGS)を用
いて、がんの発生や進行に直
接関わる161個のドライバー
遺 伝 子を一 度 に調 べる遺 伝
子スクリーニング検査を実施
し、その結果を治験に繋げる
プレシジョン・メディシン(高
精度医療)のプロジェクト。
大津氏によると、2015年2
月から18年6月 に、肺がん
と消化器がんの患者約1万人
が遺伝子スクリーニングを受
け、既に登録が終わり結果が
出ているものも含め、合計42
治験を行っている。
「1つの大きな成果は、全国
の 臨 床 試 験 の 拠 点となって
いる病 院と医 師 主 導 治 験 の
ネットワークができた事です。
各治験の結果を見ると、同じ
ドライバー遺伝子でも全ての
がん種で同じ結果が得られて
いる訳ではないで すし、薬 剤
により異なる事が改めてデー
タとし て 出 て き て い ま す 。
薬 の 有 効 性 に 関して は 、
臨 床 試 験 ベ ースで 評 価して
いく必 要 があります」と大 津
氏は指摘した。
30企業治験と12の
医師主導治験を実施
日本のゲノム医療を
けん引するスクラム・
ジャパンの成果
国 立 が ん 研 究 センター 東
病院のSCRUM-Japan(スク
ラム・ジャパ ン)成 果 報 告 会
が 、7月2 6日に 開 催され た 。
スクラム・ジャパ ン は 、一 人
ひとりの 遺 伝 子 異 常 に 合 わ
せ た がん治 療 の 開 発を目指
す、産学連携全国がんゲノム
スクリーニングプロジェクト。
成果報告会では、スクラム
・ジャパン代表で同病院長の
大津 敦氏が、プロジェクトの
概 要と全 体 的 な 成 果 に つ い
て話し、希少肺がんの遺伝子
スクリーニングネットワーク
「LC-SCRUM-Japan」の成果
を、同 院 呼 吸 器 内 科 科 長 の
プレシジョン・メディシン(高精度医療)
とは?
100個以上など、複数のがん細胞の遺伝子を次世代
シークエンサ ーで 解 析し、がん の 原 因となった 遺 伝
子変異を見つけ、一度にその遺伝子変異に効果があ
るように設計した分子標的薬を使用する手法です。
日本のゲノム医療をけん引する
スクラム・ジャパンの成果
—スクラム・ジャパン成果報告会—
がん治療の革命⁉プレシジョン・メディシン
特 集
- 3. スクラム・ジャパンで実施
された治験の結果を受けて、
2016年5月にはROS1遺伝子
変 異 のある非 小 細 胞 肺 がん
に対するROS1阻害薬クリゾ
チ ニブ( 商 品 名 ザ ーコリ)、
今年3月にはBRAF阻害薬ダ
ブラフェニブ(商 品 名タフィ
ンラー)とMEK阻害薬トラメ
チ ニブ(商 品 名メキ ニスト)
の併用療法が、BRAF遺伝子
変 異 のある非 小 細 胞 肺 がん
にも適応拡大された。
RET遺伝子のある非小細胞
肺がんに対するRET阻害薬
も進行中です。アジアを巻き
込 ん だ ゲノム 医 療 コンソー
シアムへ の 拡 大、次 の 創薬、
診 断 薬 の 開 発を継 続して い
く事 により、日本 が 世 界をリ
ード する 創 薬 、臨 床 開 発 の
場となり、プレ シ ジョン・メ
ディシン の 確 立 に 努 め てい
ければと考えています」と大
津氏は強調した。
2013年に、RET融合遺伝子
のある非 小 細 胞 肺 がんの 遺
伝子スクリーニングを全国で
進めるために発足した L C -
SCRUM-Japanには、非小細
胞肺がんの遺伝子スクリーニ
ングプロジェクトに263病院、
小 細 胞 肺 が ん のプ ロジェク
トに は 2 0 4 病 院 が 参 加して
いる。約5年間で、非小細胞肺
がんと小 細 胞 肺 が ん の 患 者
約6,500人が遺伝子スクリー
ニング検査を受けた。
非小細胞肺がん患者の3分
の 2 に、何らか のドライバ ー
遺伝子が見つかっている。
研究代表者の後藤氏は 、
これまでの 成 果として次 の 3
点 を 挙 げ た 。1 つ は 、非 小 細
胞肺がんの1%と希少なRET
融 合 遺 伝 子 のある肺 がん に
対 する 医 師主導治験を成功
させた事だ。2年間で約1,500
人の遺伝子スクリーニングを
行い、34人にRET遺伝子が見
つかり、19人が治験に参加。
奏効率は53%だった。
「2年で完結するか保証も
ンを開始しています。リキッド
バ イオプシーを 用 い たアン
ブレラ・バスケット型の治験
LC-SCREEN-Japan研究代表者の
後藤氏
希少肺がんの治療薬と
遺伝子変異診断薬の
実用化も大きな成果
基盤が評価され国際的
な治験の依頼が増加
なく治験を始めたのですが、
予定通り遺伝子スクリーニン
グと治験が終わったのは大き
な成果です。
きちんと基 盤 が あり希 少
フラクション(遺伝子の異常)
であっても予定通り臨床試験
ができる事が評価され、海外
から治 療 開 発 の 依 頼 が 沢 山
舞い込んで来ました」と後藤
氏は話す。
現在、RET肺がんに対する
2番目の治療薬の開発として、
アレクチ ニブ の 有 効 性 を 明
らか にするA L L- R E T 試 験 が
進 行 中 だ 。R E T 肺 が ん に つ
い て は 、世 界 未 承 認 の 分 子
標的薬LOXO292の治験が 6
月から開始している。
肺転移や多発性脳転移に
も効果があるとされる治験薬
バンデタニブも承認申請準備
を 進 め ている。また 、スクラ
ム・ジャパンで治験を行った
コン パ ニ オン 診 断 薬 3 種 類
が 実 用 化 さ れ 、承 認 申 請 中
と申 請 準 備 中 の も の が 1 件
づつある。
「治療薬開発の全国ネット
ワーク構 築、2 剤 の治療薬承
認、3つの診断薬承認、データ
共 有 、スクラム・ジャパ ン に
登 録した 患 者さん の 情 報 を
蓄 積 するレ ジストリの 構 築
が、現時点 の成果。
次 のステップとして、こう
した 希 少 なフラクション(遺
伝子変異など)に対する治療
薬 の 開 発 で 、海 外 の 研 究 者
グループとのコラボレーショ