1. アルゴリズム＋データ構造
勉強会（14）
2013-05-26 アロハ）竹腰 彰成

2. 第１４回 ８クイーン問題

3. ８クイーン問題とは
• チェス盤に８つのクイーンを置く
• クイーンがそれぞれ取られないように並べられ
れば成功
• クイーンは縦横ななめの８方向にどこまでも進めら
れる（飛車と角行を合わせた動き）
• 何通りかの解があることがわかっている
• 全部で92通り。鏡像・回転を除くと12通り
• これをコンピュータですべての解を導く
図はWikipediaより

4. 力まかせ探索

5. 力まかせ探索とは
• 別名「しらみつぶし探索」
• ８つのクイーンを配置した全部のパターンをチェックすれば解ける
•
64!
64−8 !
=
64!
56!
= 64 ∗ 63 ∗ 62 ∗ 61 ∗ 60 ∗ 59 ∗ 58 ∗ 57
= 178,462,987,637,760通り
• コンピュータがきわめて高速なら使えることもあるが、あまり実用的
ではない
• 1秒間に1,000,000,000通りを確認できるなら178,462秒＝約2日で解ける
• それでも、まずはこれでやってみる（高速化は次回行う）

6. ８クイーンの基本フロー(1)
1. 初期化
2. for (各配置パターン全部回るような条件) {
1. パターンを配置する();
2. If (クイーンが取り合いできないことを確認()) {
1. パターンを表示する
3. }
3. }
• まず、どうやって条件を判定するか

7. チェス盤の表現方法
• チェス盤を２重配列で表現することにする
for ($y = 0; $y < 8; $y++) {
for ($x = 0; $x < 8; $x++) {
$chessboard[$y][$x] = 0;
}
}
• クイーンがあれば1、なければ0とする

8. クイーン同士が取り合えないことを確認(1)
• 横にチェックしたとき、同じ筋に２つクイーンがあるとアウト。０個または１
つならセーフ
function check_yoko($chessboard)
{
for ($y = 0; $y < 8; $y++) {
$count = 0;
for ($i = 0; $i < 8; $i++) {
$count += $chessboard[$y][$i];
}
if ($count >= 2) {
return false;
}
}
return true;
}

9. クイーン同士が取り合えないことを確認(2)
• 同じように縦筋、ななめ筋もチェックする関数を作り、まとめて呼び出
せば完成
function check_chessboard($chessboard)
{
return check_tate($chessboard)
&& check_yoko($chessboard)
&& check_naname($chessboard);
}
※ななめ筋のチェックはすこし面倒

10. ８クイーンの基本フロー(2)
1. 初期化
2. for (各配置パターン全部回るような条件) {
1. パターンを配置する();
2. If (check_chessboard()) {
1. パターンを表示する
3. }
3. }
• 次に、どうやってパターンを配置するか

11. 力技で配置
• 全パターンを配置するのはちょっと大変。「横方向に２つ置けない」ので、
$chessboard[$y][$x]のうち$yを固定してしまう。
for ($x0; $x0 < 8; $x0++) {
$chessboard[0][$x0] = 1;
for ($x1; $x1 < 8; $x1++) {
$chessboard[1][$x1] = 1;
for ($x2; $x2 < 8; $x2++) {
（省略）
for ($x7; $x7 < 8; $x7++) {
$chessboard[7][$x7] = 1;
if (check_chessboard($chessboard[7][$x7])) {
print_chessboard();
}
$chessboard[7][$x7] = 0; // ループ内で同じ横筋に２個置かないように取り除く
}
（省略）

12. 実習
• ここまでの内容を踏まえて、力まかせ探索で８クイーン問題を解いて
ください
• 全部表示するには数日かかるので、１つでも表示されたら動くだろうという程
度のテストでOKです
• 次回はこれを高速化します。そのため、実装を完成させてください。
• 来週はお休みし、再来週に次回を行います。
• どうしても解けない場合でも「クイーンを互いに取り合えないことの確認」関
数は作ってください。