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第72回次世代大学教育研究会,共催:NPO法人人材育成マネジメント研究会
     株式会社ディスコ(東京・飯田橋)8階 第1会議室,2012年8月25日


  グループ討議における課題提起者の
自己開示プロセスのリバーサル理論による解釈
      Interpretation of the Self-Disclosure Processes of Problem Presenter
               in Group Discussions in terms of Reversal Theory


                               2012年8月25日
                            内藤隆,阪井和男(明治大学)

資料URL:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~sakai/presen/ne67-transactional-constraint-method-20120825.pdf
略歴
                              <研究>
                               「現場からサービスを創新するコミュニケーション
         内藤 隆 Naito Takashi     手法の開発と汎用化・体系化の研究」(科学研究
                                助成費・2012~2014年採択研究、研究分担者)
<所属・資格>
                               「青少年のスポーツ振興のためのプロモーション
 株式会社シーエスアップ 代表取締役
                                教材に関する調査研究」(笹川スポーツ研究助成・
 明治大学サービス創新研究所 事務局長・
                                2012年採択研究、研究代表者) など
  客員研究員
 早稲田大学スポーツ科学研究センター招聘
                              <実務>
  研究員
                               民間スポーツクラブ、公共スポーツ施設 サービス
 スポーツ科学修士、健康運動指導士
                                調査、サービス向上支援
 一般社団法人CSスペシャリスト検定協会認
                               介護予防施設 開業・運営コンサルティング
  定講師
                               加圧トレーニングジム 人材育成支援
                               職域における従業員ヘルスアップ企画、運動指導
<略歴>
                               民間企業 顧客満足度調査設計・分析・レポート、
サービスコンサルタント。研修講師。健康スポー
                                窓口応対力調査、電話応対力調査
ツ指導者。日本フットボールリーグ所属 横河武
                               自治体 営業実践講座講師、就業支援講座講師、
蔵野フットボールクラブのトップチームおよび育
                                民間企業 新入社員研修、CS研修講師
成部門の運営担当、民間フィットネスクラブ運営
企業 ゲオフットネスにおいてクラブ支配人等を
経て、2009年12月に株式会社シーエスアップを
設立。
                                                     2
<役職等>
                                       明治大学法学部教務主任

               略歴                      明治大学東北再生支援プラットフォーム副代表
                                       明治大学文明とマネジメント研究所所長
                                       明治大学サービス創新研究所所長
                  明治大学法学部教授            明治大学死生学研究所副代表
                  (理学博士)               明治大学社会イノベーション・デザイン研究所事務局長
                  阪井和男              <公職等>
                  Kazuo Sakai         早稲田大学メディアネットワークセンター非常勤講師
                  sakai@meiji.ac.jp
                                                 早稲田大学情報教育研究所客員研究員
                                                 早稲田大学ビジネススクール・ドラッカー経営思想研
プロフィール:                                              究部会WG座長
  http://rwdb2.mind.meiji.ac.jp/Profiles/7/00006 ドラッカー学会執行役員
  57/profile.html                                情報コミュニケーション学会会長
<略歴>                                             一般社団法人CSスペシャリスト検定協会理事
   1952年 和歌山県和歌山市生まれ                             NPO実務能力認定機構理事
   1971年 和歌山県立桐蔭高校卒業                             NPO法人 人材育成マネジメント研究会理事
   1977年 東京理科大学理学部物理学科卒業 NPO法人 日本地域活性力創出機構評議員
   1979年 同大学院理学研究科修士課程物理 DPCマネジメント研究会理事
       学専攻修了
                                                 サービスデザイニング研究所所長
   1985年 同大学院理学研究科博士課程物理
       学専攻退学(6年間在籍)                              サイエンティフィック・システム研究会知的能力の可視
                                                     化WG座長
   1987年 理学博士(論文,東京理科大学)取得
                                                 次世代大学教育研究会事務局長
   1990年 明治大学法学部専任講師
                                                 オープンソース&リソース戦略研究会共同代表
   1993年 明治大学法学部助教授
                                                 日本語プログラミング研究会会長
   1998年 明治大法学部教授
                                                 Japrico Club ユーザ会会長
                                                 Ja Sakai Community運営委員(設立発起人) 3
                                                 大学情報サミット初代代表幹事
はじめに
グループ討議の概要
   明治大学サービス創新研究所が主催する研究
    会にて実施
     2011年8月からこれまで計15回開催
     1回あたりの参加者は10~20名
     参加者は、様々な業界・業種の現場担当者・管理
      業務担当者、管理職・経営者、コンサルタント、研
      究者、学生など多様
   阪井(2010)が開発した「交流制約法」をグルー
    プ討議の方法論として用いる
2012年8月25日    内藤隆・阪井和男      5
日時               課題(討議テーマ)                 NPS
第1回 2011/08/01  今後、自分が就職支援新事業にどのように取り組めばよいか?     -
第2回 2011/08/23  自分の海外留学に企業は何を期待しているのか?           -
第3回 2011/08/29  社内でサービス人材をどのように育成すればよいか?         -
第4回 2011/08/29  今後、自分が取り組みたいマッチングビジネスの可能性につい
                                                 -
                て
第5回 2011/09/15  今後の自社のプロモーションへのSNS活用について         -
第6回 2011/11/11  出版物の編集業務において致命的なミスをなくすにはどうすれ
                                                40%
                ばよいか?
第7回 2011/12/12  パフォーマンスが低い部下のモチベーションを高めるにはどうす
                                                77%
                ればよいか?
第8回 2012/01/25  地域に必要とされるケーブルテレビとは何か?           20%
第9回 2012/02/13  入札制度下のビジネスに成功モデルはあるのか?          70%
第10回 2012/03/23 お客様センターの社内報告をよりインパクトあるものにするため
                                                63%
                にはどうすればよいか?
第11回 2012/04/20 運動・スポーツの参加率・実施率を飛躍的に高めるにはどうすれ
                                                63%
                ばよいか?
第12回 2012/5/09 自社の人材をどう育てるか、高度化するか?             67%
第13回 2012/5/23 e-learning学習からのドロップアウトをいかに防ぐか?     -
第14回 2012/6/15 新たなホームページ制作パッケージ商品をどのように拡販してい
                                                92%
                けばよいか?
第15回 2012/7/26 何かあったらの前に依頼を受けられるようにする、自分のサービ
                                                60%
                スを知ってもらうためには
開催風景




2012年8月25日   内藤隆・阪井和男   7
交流制約法

明治大学サービス創新研究所,サービス創新研究会10/28研究会報告
http://www.service-innovating.jp/archives/624 (2011年11月22日アクセス)
交流制約法
マーケットと組織の界面を構成するうち,組織側のサービス従事
者側からサービス創新する方法
1. 高い志をもって究極の理想を目指す
2. もっとも困難な問題をえぐりだす  課題提起者(1名)が
    問題の再定義         自分が強く解決を
3. みんなで知恵を振り絞って解決   望んでいる問題を
    ピザ屋の質問
                    参加者に提起する
   発想の原点・・・
     イノベーション・ダイアグラム+トヨタ生産方式の5つのなぜ
     発散収束思考  収束発散思考

        明治大学サービス創新研究所,サービス創新研究会10/28研究会報告
        http://www.service-innovating.jp/archives/624 (2011年11月22日アクセス)
2012年8月25日                                内藤隆・阪井和男                        9
交流制約法の収束発散思考
    創造的対立の解消プロセス
     問題の提起問題の再設定究極の理想解問題の解決
1.   収束思考 :質問会議
      アクションラーニング(AL)による問題発見
      ALの前半セッションのみを使う
2.   発散思考 :わいがや
      ワールドカフェ(WC)による問題解決




2012年8月25日     内藤隆・阪井和男        10
交流制約法の収束発散思考

       質問会議:                           定義する
       アクションラーニング
          Action-Learning               why   収束
         (前半のみ利用)

                                          究極の理想解


        わいがや:                          how
          ワールドカフェ                             発散
           World-Cafe
                                       解決する



2012年8月25日                  内藤隆・阪井和男               11
交流をどう制約するか

   制約1:質問しか許さない                        定義する
       アクションラーニング                             収束
          Action-Learning               why
         (前半のみ利用)

                                          問題の再定義
   制約2:批判をさせない
   制約3:強制的に席替え                         how
             ワールドカフェ                          発散
              World-Cafe
                                       解決する



2012年8月25日                  内藤隆・阪井和男               12
ALのルール(伊藤洋志,2008年7月17日)
   ALセッション 2つの基本ルール
    その1:質問中心
          質問に答えるだけで、自分からは語らない(発言しない)
    その2:振り返りの時間をとる
          ALコーチはいつでも介入する権限がある




2012年8月25日         内藤隆・阪井和男        13
ALセッションの前半(伊藤洋志,2008年7月17日)
   グランドルールの確認とコミットメント
     チームとしての信頼関係の構築と安全な場であることの共通
      認識を構築する
   問題の提示(2~3分)
   問題の明確化(10~15分単位で1時間程度)
     メンバーの課題をグループとして明確化し共有することで、先
      入観、固定概念、曖昧な認識などを打破する
    (「全員、問題を紙に書き、発表」は今回省略)
   問題の再定義(10分程度の休憩中に)
     問題を多面的に検証し、チームとして共通の問題を定義する

2012年8月25日      内藤隆・阪井和男       14
ワールドカフェ
   カフェのような自由な雰囲気で、
    メンバーを変えながらセッションを3回程度行うことで、
    そこで出たアイデアが他花受粉するようなイメージで、
    テーマに対するコンテクストが短時間で深まり、
大変盛り上がる効果がある




2012年8月25日   内藤隆・阪井和男       15
ワールドカフェのルール
    コーディネーターが課題を設定する
        話題提供者が再定義した問題を提示
    はじめに3~6人のグループをつくる
        テーブルには模造紙とペンを置いておく
        カフェのようなくつろいだ雰囲気を出す小道具を置いておく
        発言者の権利を示す小道具を準備しておくのもよい
            発言者用カラーボール等




 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス)
2012年8月25日                         内藤隆・阪井和男                              16
(写真)http://de.wikipedia.org/wiki/World-Cafe より引用 2011年7月12日アクセス




         ワールドカフェのルール
    第1セッション
    1.   A3用紙(模造紙)に自由にメモを書きながら、20分話し合う
            自分のことを語るよりも人の話を聞き出すように
            セッションの終了時にコーディネーターが手を挙げる
            それを見たら話すのをやめて自分も手を挙げる
    2.   説明役(ホスト)を決める
            ジャンケン以外の方法で決めること
             ジャンケンは意思決定ではない(Decision making without Janken, さかはらあつし)

    3.   他のメンバーはそれぞれ別のグループへ移動する
    4.   小休憩をとる
「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス)

2012年8月25日                        内藤隆・阪井和男                                               17
ワールドカフェのルール
    第2セッション
    1.       各グループでホストがメモを見ながらそこで出た話を説明
    2.       参加者は各々のグループで出た議論を紹介する
    3.       後は自由に話し合う
             使用済みの模造紙にどんどん上書きしながら書き加える
    4.       コーディネーターが終了を指示する
             多人数の場合は、手を上げさせるのが有効
    5.       説明役(ホスト)を決める
    6.       元のグループへ戻る
    7.       小休憩をとる
                 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス)

2012年8月25日                     内藤隆・阪井和男                                        18
ワールドカフェのルール
   第3セッション
    1.   第2セッションと同様に進める
    2.   コーディネーターが終了を指示する
    3.   説明役(ホスト)を決める
    発表
    1.   各グループのホストが総括する
            マインドマップ等を利用するのが有効
            はじめにキーワードを5つ程度列挙する
                                             Freemind
    2.   終了

 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス)
2012年8月25日                         内藤隆・阪井和男                              19
問題の発見から問題の再定義
 知                 【2】動機の確立
 の                  問題解決への
 具      【1】問題の発見
                      強い動機
 現
 化
                      【3】問題の再定義
                       アクション
                        ラーニング




                          知の創造
2012年8月25日               内藤隆・阪井和男   20
問題の再定義から解決策の発見
 知                 【2】動機の確立
 の                  問題解決への
 具      【1】問題の発見
                      強い動機
 現
 化
                      【3】問題の再定義
                       アクション
                        ラーニング




                      【4】解決策の発見
                       ワールドカフェ



                          知の創造
2012年3月17日            明治大学サービス創新研究所   21
問題の発見から解決策の発見
             対処療法                         根治療法
 知                 【2】動機の確立
 の                  問題解決への
 具      【1】問題の発見
                      強い動機
 現
 化
                      【3】問題の再定義
                       アクション
                        ラーニング




                      【4】解決策の発見
                       ワールドカフェ             拍子抜けす
                                アブダクション     るほど単純

                                            知の創造
2012年8月25日               内藤隆・阪井和男                   22
創発へのプロセス
                対処療法                      根治療法
 知                 【2】動機の確立
 の                  問題解決への
 具      【1】問題の発見
                      強い動機
 現       強制ブレーン
 化        ストーミング
                      【3】問題の再定義
     【0】安心の確立          アクション
                        ラーニング
     ワールドカフェ




                      【4】解決策の発見
                       ワールドカフェ             拍子抜けす
                                アブダクション     るほど単純

                                            知の創造
2012年8月25日               内藤隆・阪井和男                   23
交流分析法の
実践報告(1)
研究動機
[仮説] サービス提供組織に「交流制約法」を適用するこ
とで課題解決が促進され、サービス革新につながる!
              ↓
「交流制約法」を広めるには、課題解決が推進され、高
い満足を生むメカニズム解明と、方法論の改善が必要
             ↓
課題提起者に焦点をあて、グループ討議中の心理変化
と課題解決への貢献等を調査


2012年8月25日   内藤隆・阪井和男       25
調査方法
   対象
     第1~15回までのグループ討議
     課題提起者の全15名(性別:         すべて男性)
   方法
     質問紙による調査
     電子メール
          調査依頼と質問紙の配布・回収
   回収
     15名中15名から回答(回答率:100%)
2012年8月25日        内藤隆・阪井和男            26
アンケート質問内容       データ
(1) 現在振り返ってみて課題提起者を務めたことに
価値を感じるか                    定量
   (10点法による総合満足度評価)
(2) 総合満足度評価数値の選択理由         定性
(3) 課題提起者からみた交流制約法の意味や価値 定性
(4) 課題提起者経験後から現在までに起きた心理
                         定性
的・行動的変化
(5) 課題提起者が感じた交流制約法のデメリット   定性
(6) 収束思考中(アクションラーニング)、課題再定
義中、発散思考中(ワールドカフェ)、グループ討議 定性
終了後の心理状況
(7) 交流制約法の課題解決への貢献度        定量
(2)結果: 総合満足度
 推奨度      人         選択理由   *回答文章から内容を一部抜粋
             解決策が具体的になった。それによって、問題に対して前向きに考え、
              行動できるようになった
             自分にとって本当の問題が何であるか整理できる
             利害関係のない外部の方々と話せた
             自分と異なる環境の人々からアイデアが提示され、新鮮な気持ちで
              受け止められた
高満足度群
          9  業種・経験など様々な方々が議論することによって、固定概念の無い
(10~9点)       アイデアがでてきた
             皆の視点から様々な提言を聞けて、気づきや新しい発想が生まれた
             自社の新規事業について、他者から見たときの興味やニーズ、あるい
              は疑問や不満、先入観などをつかむことができたため。
             気がついていたが、気がつかないふりをしていたことが、はっきりした。
              これから取り組むべきことが、はっきりした
               自分の中にあった葛藤に気づくことができた
               自分の中にある問いに対する答えにて確信を得ることができた
中間群
          4    思考の枠が取り払われる感じがあるため
(8~7点)         自分の考えの振り返りができる。解決すべき問題を絞り込むことによ
                り頭の整理ができる
低満足度群     ディスカッションできたのは良かった
       2
(6~0点)    期待していた問題の深掘りや新たな視点や発見が得られなかった
(5)結果: 交流制約法のデメリット
 推奨度     人       選択理由   *回答文章から内容を一部抜粋
              ある程度知識が共有できる解説者のような立場が必要かと
               感じた
              会を進行する上でふさわしい課題は何か、どんな課題を期
高満足度群          待されているかを同時に考えてしまう
        9     課題提起において課題の内容の提示は、「交流制約法」の
(10~9点)
               特徴を踏まえて事前に吟味しておいた方が良いと感じました。
               あまり深く考えず課題提起した場合は、参加者も混乱してし
               まうようです。
              自分の心理の触れられたくないところを答えなければいけな
               かった
中間群           単に課題提起者を否定する物言いをしているように感じてし
         4     まう発言があったこと
(8~7点)
              専門的なことや仕組みの理解がいることについては、もう少
               し説明ができるような時間・工夫があるとよい
          専門的な課題の場合、課題提起者とその他の人たちの知識
低満足度群
       2   や情報量に差がありすぎると、議論をしている風にして、実
(6~0点)     はまるで参考になっていないというようなこともあるのでは
15名中13名が、心理的・行動的変化が起きたと回答
        (4)結果: 心理的・行動的変化
 推奨度      人         選択理由   *回答文章から内容を一部抜粋
             様々なことに前向きに対処する自信がついた。他人の問題にも積極的
              に取り組めるようになった
             より実践的な思考を求め、働きかけをするようになった
             多様な意見に触れることに価値を感じるようになっている。問題解決を
              楽しむようになっている。
高満足度群        部下とのコミュニケーションを増やすようになった
          9
(10~9点)      個人の考え、同じ環境の人の考え方、経験からでは限られた発想しか
              生まれてこなかったが、 環境の異なる方の意見を聴くことができ、新
              しい発想やすべきことの方向性が見出せた。行動はこれからです。
             実際の業務における課題提起において意識するようになりました。
             いずれにしても、シンプルで具体的であるべきだと痛感している。
             提示されたキーワードを意識しながら計画を立てるようになってきた
             参加者からのフィードバックが、行動の裏付け・自信につながっている
中間群           のではないかと思う
          4
(8~7点)       個人や専門的な課題について、自分以外や専門外の方でもアイデア
              が出せることがわかり、気持ちが楽になった
低満足度群          自分の問題意識をもっと具体的なものとし、アクションしていかないとい
          2
(6~0点)          けない
(6)結果: 討議中の 心理変化
 推奨度   人       収束思考時           発散思考時       反転度
           正しく伝えたいが、どこまで通 人の意見を聞けることがとても興味
           わるだろうという不安     深い                2
           とにかく回答することに必死 議論がとても楽しかった        2
           自分の思考が深まっていった 気が大きくなっていく感じがあり、楽
                         しかった                2
           緊張していた(特に前半)  緊張がほどけて楽しい状態        2
        しまった。こんなはずじゃな    気持ちが楽になった
        かった                                  2
高満足度群 9 とても感激した。真摯に回答し   問題の分類と解決策が具現化して
                                             ?
(10~9点) なければと感じた。        いった。
        質問者が課題提起した前提     課題再定義によってか? 参加者の
        について、なぜ混乱されてい    意見のベクトルがあってきた。      ?
        たのかが不明であった
        心の中が忙しかった。        自分自身のキャラクターにどんな先
                          入観を持たれているのかが、意外に   2
                          興味深かった。
           反論をされたくないという意識、感謝していました。どんな意見が出
           分かってもらえているか?と ているのか興味がありつつも、怖さ    1
           いう不安がありました。    もありました。
青色(不安・緊張)=-1, 下線(客観的)=0, 赤色(楽しい・前向き)=1
反転度 = 快(収束思考時) - 快(発散思考時)
(6)結果: 討議中の 心理変化
 推奨度   人       収束思考時          発散思考時        反転度
           質問に答えるのに必死   自分の中を他の人が整理してくれて
                        いる感じ                 1
         どのような質問にも素直に対応 考え方を多く聞こうという前向きな状
         したい            態                    1
         楽しく振り返りができる    チームの誰か1人には質問力が必要
中間群
       4                と感じた                -1
(8~7点)   とても心地よい感覚でした。特 楽しいと感じました。
         に質問に対して明確に回答で
         きた際には、自分はきちんと状                      0
         況を把握できている、という気
         持ちになります。
         どのような答え方をしたらわか 専門的なことでやってしまうと、あま
         りやすく理解していただけるか り議論になっていないな          0
         あまり突っ込んだ質問や答えに ワールドカフェには参加せずに外か
         困るような質問を受けなかった ら話を聞いていましたが、振り返ると、
低満足度群
       2 ので、落ち着いていました。  中に入って一緒にアイデア出しや議
(6~0点)                  論するのも面白かったのかと思いま     1
                        す。自分の提起した問題を各所で
                        様々なアイデアが出されているようで、
                        楽しい気持ちでした。
青色(不安・緊張)=-1, 下線(客観的)=0, 赤色(楽しい・前向き)=1
反転度 = 快(収束思考時) - 快(発散思考時)
交流分析法の
   実践報告(2)
グループ討議における課題提起者の
    自己開示プロセスの
  リバーサル理論による解釈
<結果> 総合満足度と課題解決への貢献度
15名中12名が、交流制約法が課題解決に貢献したと回答
      5
              y = 0.4732x + 0.0321
                   R² = 0.7125
 課    4
              相関係数=0.8440
 題
 解
 決へ   3

 の
 貢    2
 献
 度
      1

      0
          0    1       2      3      4   5   6   7   8   9   10
          ←低い                        総合満足度               高い→
2012年8月25日                           内藤隆・阪井和男                     34
<結果> 討議中の心理状況変化
   高満足群の特徴(9名中7名)

〈収束思考時〉 「不安」 「緊張」 「必死」など不快な感情
や緊張度の高さを示す表現
                      反転

〈発散思考時〉 一転して、「楽しい」 「興味深い」 「楽に
なった」など心地よい感情を示す表現

   低満足群・中間群の特徴
     上記パターンは見られない
     収束思考時の心理状況については1名のみ不快を示す表現



2012年3月17日    明治大学サービス創新研究所        35
リバーサル理論
      リバーサル理論(反転理論)
       25年ほどから研究されている動機づけスタイルの理論
        特徴:動機づけを,状況で変わるダイナミックなものとして扱う
        概要
          1.    人間経験の4つの側面(手段-目的,ルール,処理,関係)に,
          2.    4対の動機づけ状態(テリック-パラテリック,順法-反抗,支配-共
                感,オーティック-アロイック)を設定
          3.    状況によって動機づけ状態の反転が生ずるとする
        応用:スポーツや芸術,教育,産業活動,娯楽,笑いなど幅広い人間
         活動を動機づけ状態とその反転の観点から研究されている
       雨宮俊彦・生田好重,「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概要」,関西大学社会学部紀要, 39(3), 123-165, 2008-03.
阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」,
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載

   2012年8月25日                    内藤隆・阪井和男                                 36
収束思考時の心理状態
                  イノベーションダイアグラム                                                  リバーサル理論
         知                                                         心地よさ        リラックスした気分
    の
        具                              抽象化
        現                              why?                                                  自己的領域
        化               具体化
                         how                                                        質問
                                                                                    覚醒が高い
                                         苦
                                     覚醒が高い                           不快感                    不安
                                                                                                     覚醒
                          共鳴場                                              低         穏           高
                                                                           い         や           い
                                                                                     か


                                                                           安全ゾーン         危険ゾーン       外傷ゾーン


  M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監
  訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The
  dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.

阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 37
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
プロテクティブ・フレームの生成
                  イノベーションダイアグラム                                                  リバーサル理論
         知                                                         心地よさ        リラックスした気分
    の
        具                              抽象化
        現                              why?                                                  自己的領域
        化               具体化
                         how                                                        質問
                                                                                    覚醒が高い
                                         苦
                                     覚醒が高い                           不快感                    不安
                                                                                                     覚醒
                          共鳴場                                              低         穏           高
                                                                           い         や           い
                                                                                     か
                                                                                               プ
                                                                                               ロ
                                                                           安全ゾーン         危険ゾーン テ     外傷ゾーン
                                                                                               ク
                                                                                               テ
                                                                                               ィ
                                                                                               ブ
  M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監                                                        ・
                                                                                               フ
  訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The                                              レ
  dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.                         ー
                                                                                               ム

阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 38
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
発散思考時の心理状態
                イノベーションダイアグラム                                                     リバーサル理論
        知                                                     心地よさ           リラックスした気分     興奮
   の
       具                           抽象化                                                          反
       現                           why?                                                         転
       化              具体化
                       how                                                         質問
                                                                                   覚醒が高い
                                    苦
                                 クレーム
                                覚醒が高い                           不快感          退屈            不安
                                                                                                        覚醒
                       共鳴場                                               低          穏               高
                                                                         い          や               い
                                                                                    か
                                      サービスの創造                                                 プ
            共鳴場がプロテクティ                                                                        ロ
             ブ・フレームの役割                                                   安全ゾーン          安心ゾーン テ         外傷ゾーン
                                                                                              ク
                                                                                         興奮   テ
  雨宮俊彦・生田好重、「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概要」、                                                   ↑   ィ
                                                                                              ブ
  関西大学社会学部紀要、関西大学、第39巻第3号、pp.123-165 (2008).                                             不安   ・
  M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監訳,                                                     フ
                                                                                        危険ゾーン レ
  渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The                                               ー
  dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.                        ム

阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 39
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
発散思考時の心理状態
            イノベーションダイアグラム                             リバーサル理論
        知                            心地よさ                   興奮
   の
       具               抽象化
       現               why?
       化       具体化
                how
                       苦
                       クレーム
                      覚醒が高い           不快感        退屈
                                                                     覚醒
            クレーム対応者                          低          穏        高
                                             い          や        い
                                                        か
                        サービスの創造                           プ
                                                          ロ
                                             安全ゾーン  安心ゾーン テ          外傷ゾーン
                                                          ク
                                                          テ
  雨宮俊彦・生田好重、「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概                      ィ
                                                          ブ
  要」、関西大学社会学部紀要、関西大学、第39巻第3号、pp.123-165                   ・
  (2008).                                                 フ
                                              安全と安心の      レ
   M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監                  ー
                                              領域が異なる
  訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The         ム
  dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.
阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 40
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
反転の様相
  心地よさ          リラックスした気分       興奮
                                                          横軸は覚醒,縦軸は心
                                                           地よさ(快)
                                              反
                                              転
                                                          どの覚醒度にも実線・破
                                                           線の2ブランチが存在
                                                            第一枝:リラックス-不安

                退屈                                          第二枝:退屈-興奮
   不快感                           不安
            低                             高       覚醒
            い           穏             い                   何らかのきっかけで上
                        や
                        か                                  下のブランチで反転
    M.J. Apter, “Reversal theory; Motivation,Emotion and Personality”, Routledge, 1989.
    M.J. アプター,『デンジャラス・エッジ (「危険」の心理学) 』,山岸俊男監訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.
    原著:Michael J. Apter, "The dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.

阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 41
電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
反
 推奨度 人 TA            収束思考時           TA         発散思考時             転
                                                                  度
         交流分析
        CP
        AC
                正しく(CP)伝えたいが、どこまで通
                わるだろうという不安(AC)
                                     NP
                                     FC
                                          人の意見を聞ける(NP)ことがとても興
                                          味深い(FC)
                                                                  2
        A       とにかく回答する(A)ことに必死     A    議論(A)がとても楽しかった(FC)
        AC      (AC)                 FC
                                                                  2
高満足度群 5
        A       自分の思考(A)が深まっていった     FC   気が大きくなっていく感じ(FC)があり、
(10~9点)
                                     FC   楽しかった(FC)
                                                                  2
          AC    緊張していた(AC)(特に前半)     FC   緊張がほどけて楽しい状態(FC)        2
          AC    しまった(AC)。こんなはずじゃな    FC   気持ちが楽になった(FC)
          AC
                                                                  3
                かった(AC)
          A                    A
                質問に答える(A)のに必死(AC)         自分の中を他の人が整理(A)してくれ
          AC                   AC
                                                                  0
                                          ている感じ(AC)
中間群       ACどのような質問にも素直に(AC)対 NP          考え方を多く聞こう(NP)という前向き
       3
                               NP
                                                                  1
(8~7点)      応したい                          な状態(NP)
         FC 楽しく(FC)振り返りができる(A) A          チームの誰か1人には質問力が必要
         A                                と感じた(A)
                                                                  -1
低満足度群    A どのような答え方をしたら(A)わか CP           専門的なことでやってしまうと、あまり
       1
         NP りやすく理解していただけるか(NP)
                                                                  -1
(6~0点)                                    議論になっていないな(CP)
不安・緊張(AC)= –1, 客観的(NP, CP, A)=0, 楽しい(FC)=1             FC
                                                 快
反転度 = N(FC) – N(– AC)
NP:養育的な親の心、CP:批判的な親の心                                  覚醒度
                                           NP                A, CP
A:大人の心、AC:従順な子どもの心、FC:自由な子どもの心

   2012年8月25日               内藤隆・阪井和男            不快     AC    42
反転の様相
心地よさ         リラックスした気分        興奮
                                                    質問が覚醒度を上げるか?
        AC                                            高満足度群:不安・緊張のま
                         FC
                                反                      っただ中にいる
                                転
                                                      低満足度群:状況を客観的
                                                       に見ている
        FC               AC                         棲み込み度
不快感          退屈               不安
         低                              高   覚醒       対象と自己との距離の小ささ
         い           穏              い
                     や                                P(arent):距離大(棲込度小)
                     か
                                                      C(hild):距離小(棲込度大)
 M.J. Apter, “Reversal theory; Motivation,Emotion and Personality”, Routledge, 1989.
 M.J. アプター,『デンジャラス・エッジ (「危険」の心理学) 』,山岸俊男監訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.
 原著:Michael J. Apter, "The dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992.

2012年8月25日                                  内藤隆・阪井和男                                   43
PDPスキーマモデル
                            一般形
                            活性度
                             ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0
                             ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0
                            正味の入力
                             neti(t) = Σj wij aj(t) + biasi(t)
                            総和則・対称則
                             Σj={A}wij + Σk={B}wik = 0
                             Σ(i∈{A})j={A}wij = Σ(k∈{B})l={B}wkl
                             wij = wji
[1] 阪井和男・和田悟,「ユニットの疲労効果を取り入れた連想型スキーマモデル」,『明治大学教養論集』,明治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp. 27-66,1992年3月1日.
[2] 阪井和男・片山硬・大岩幸太郎・和田悟,「平均場近似によるPDPスキーマモデルのカオスダイナミクスの理論」,『明治大学教養論集』,明治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp.
67-104,1992年3月1日.
[3] Kazuo SAKAI, Tsuyoshi KATAYAMA, Kotaro OIWA and Satoshi WADA, "Theory of chaotic dynamics with transfer crises in a mean-field PDP schema model (Discovery of transfer crises
and its cognitive meanings)", The Bulletin of Arts and Science Meiji University, Meiji Unviersity, No. 249, pp. 105-150, Mar. 1, 1992.
[4] Kazuo Sakai, Tsuyoshi Katayama, Satoshi Wada and Kotaro Oiwa, "Perspective Reversal Caused by Chaotic Switching in PDP Schema Model", IEEE International Conference on Neural
networks (San Francisco, USA, March 28-April 1, 1993), Proceedings of the 1993 IEEE International Conference on Neural Networks, Vol. 3, pp. 1938-1943, Mar. 28, 1993.
[5] Kazuo Sakai, Tsuyoshi Katayama, Satoshi Wada and Kotaro Oiwa, "Chaos Causes Perspective Reversals for Ambiguious Patterns", Advances in Intelligent Computing, eds. B. Bouchon-
Meunier, R. R. Yager and L. A. Zadeh, Springer, Berlin, pp. 463-472, 1995.
カオス解の存在証明
                                                              1.5


   一般形 1スキーマの平均場近似                                             1
                                                                                             A=4
   活性度
    ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0          0.5


    ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0




                                                       X(t)
                                                                0

   正味の入力の平均場近似                                                       0   10   20   30   40   50    60   70   80   90   100


    <net(t)> = Σj wij <a(t)> + <bias(t)>                      -0.5


   ここで、<bias(t)>=0とすると                                         -1

    <net(t)> = Nw<a(t)> (>0)
   近似活性度                                                      -1.5
                                                                                             t
                                                                              A<3         1周期
    ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}Nw<a(t)>
                                                                              3≤A≤3.56995 2周期
    ∴<a(t+1)> = <a(t)> + {1-<a(t)>}Nw<a(t)>                                                       3.569945671...
          = (1+Nw)<a(t)> - Nw<a(t)>2                                                                     ファイゲンバウム点
   ここで、1+Nw=Aとおくと                                                             A=3.83              3周期の窓
                                                                                                        0.1561644
    <a(t+1)>= A<a(t)>{1 -         <a(t)>}
                                                                                                        0.5047063
   さらに、 <a(t)>=X(t)とおくと                        1次元ロジス                                                   0.9574152

    X(t+1)= AX(t){1 - X(t)}
                                               ティック写像                         A≦4                 カオス


[2] 阪井和男・片山硬・大岩幸太郎・和田悟,「平均場近似によるPDPスキーマモデルのカオスダイナミクスの理論」,『明治大学教養論集』,明
治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp. 67-104,1992年3月1日.
   2012年8月25日                                 内藤隆・阪井和男                                                                 45
PDPスキーマモデル
最も単純な場合:                            一般形
 2スキーマ・2ユニット                        活性度
                                     ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0
                                     ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0
        A                B          正味の入力
             w21                     neti(t) = Σj wij aj(t) + biasi(t)
 w11    a1               a2   w22   総和則・対称則
                   w12               Σj={A}wij + Σk={B}wik = 0
                                     Σ(i∈{A})j={A}wij = Σ(k∈{B})l={B}wkl
       w11+w12=0                     wij = wji
       w11=w22=w
       ∴w12=w21=-w>0
                                    連想型PDPスキーマモデル
                                     biasi(t+1) = (1-ε) biasi(t) + εneti(t)




2012年8月25日                    内藤隆・阪井和男                                         46
連想型PDPスキーマモデル
                                                        a2(t)         a1(t)

           w =2.4            1.5


    bias1(0) =0.001
    bias2(0) =0                1



       a1(0) =0

                      a(t)
                             0.5

       a2(0) =0
          ε=0.02               0
                                    0   10   20    30   40       50           60   70   80   90   100
   max|ai(t)| =5
                             -0.5
                                                                 t




                                                                Δa(t) = a1(t) - a2(t)
                                                                Δbias(t) = bias1(t) - bias2(t)


                                                                          Δbias(相対バイアス)の意味
                                                                           興奮すればするほど興奮しやすくなる


2012年8月25日                                        内藤隆・阪井和男                                              47
心地よさ            リラックスした気分                   興奮


     反転の力学                                                       FC
                                                                           反
                                                                           転
    乗り換え危機によるカオス
     的遷移
                                                                AC
      第1枝の安定な周期解
                              不快感             退屈                          不安
      覚醒度上昇による不安定化                       低                                    高   覚醒度
            第1枝がカオス化し、カオス            い                   穏                    い   =相対
                                                          や                         バイアス
             アトラクタができる                                    か
        第2枝のBasin(初期値集合)が
         近寄ってくる                 ×              Chaos
                                                               Chaos
                                              Attractor
                                                              Attractor
            第1枝のカオスアトラクタが、                                                    2. 乗り換
             第2枝のBasinと重なる                                                      え危機

        第1枝のカオス解から第2枝
                                                                ×
         の周期解へ遷移                                ×
     連想型PDPスキーマモデル                                            Basin
                                               Basin
                              Basin
2012年8月25日             内藤隆・阪井和男                                                     48
おわり
<補足資料>
なぜサービス創造が必要か?
   サービス創造とは
    組織による社会環境への適応過程
     企業組織
        社会環境の中で社会エコシステムを構成
        環境=動的に変化する

       組織の適応問題
              秩序化しようとする組織が変化する環境にいかに適応?
              既存組織にない新しい秩序(⇐仮説)を作り続けるしかない!

             ∴適応手段のひとつ=サービス創造



2012年3月17日          明治大学サービス創新研究所         51
サービス創造の2つの問題
1.   場所の問題
     組織のどこから生み出されるか
      組織トップかミドルかボトム
      ライン組織のどこが担うか

2.   方法論の問題
     仮説生成をどう行うか
      どの創造技法を使うか
          ブレインストーミング・KJ 法等

2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所   52
新サービスの創造手法
1.   場所の問題
     組織のどこから生み出されるか
      組織トップかミドルかボトム
       サービスフロント(ボトムの現場担当者)
2.   方法論の問題
     仮説生成をどう行うか
      どの創造技法を使うか
       交流制約法(アクションラーニング&ワールドカフェ)


2012年3月17日    明治大学サービス創新研究所         53
サービスを創造する場所
~サービスフロントからのサービス創造~
新秩序はどこから生まれるか?
             不動点
             (クラス1)
                                      カオスの縁
                                       生命は,秩序と無秩序(カオス)
             周期的                         のはざまで揺れている
             (クラス2)       カオスの縁
                                        適応的な複雑系がここに属
                                         するというのが、複雑力学系
              複雑
             (クラス4)
                                         における最近の大発見
                                      複雑力学系の4つのクラス
                                        クラス1:不動点
              カオス                       クラス2:周期系
             (クラス3)
                                        クラス3:カオス系
あらゆる秩                                   クラス4:カオスの縁
序が存在!
      リューイン,ロジャー,『コンプレクイシティへの招待(複雑性の科学 生命の進化から国家の興亡まですべてを貫く法則)』,
      糸川英夫監訳,福田素子訳,徳間書店,1993年10月.
2012年3月17日            明治大学サービス創新研究所                         55
企業組織の秩序
                                社長

                          社長室
                                             企業
                                営        製   組織
                      財    人    業    企   造
                      務    事    部    画   部
                      部    部         部

                                             現場
                                             担当者




2012年3月17日   明治大学サービス創新研究所                   56
企業組織のさまざまな境界
  社長・役員の外部ネットワーク                 社長

                           社長室
                                              企業
                                 営        製   組織
                       財     人   業    企   造
   担当部署の外部ネットワーク       務     事   部    画   部
                       部     部        部

                                              現場
                                              担当者
   サービスフロントの顧客接点
                                              顧客


                                              潜在
                                              顧客




2012年3月17日   明治大学サービス創新研究所                    57
サービスフロント=カオスの縁
                                               社長
 秩                不動点
 序                (クラス1)                 社長室
                                                            企業
                                               営        製   組織
                                     財     人   業    企   造
                  周期的                務     事   部    画   部
                  (クラス2)             部     部        部
                                 サ
                             カ   ー                          現場
                             オ   ビ                          担当者
                   複雑        ス   ス
                  (クラス4)     の   フ
                                 ロ                          顧客
                             縁   ン
                                 ト

                                                            潜在
                  カオス                                       顧客
乱                 (クラス3)
雑
       あらゆる秩
       序が存在!
     2012年3月17日            明治大学サービス創新研究所                    58
現場担当者の暗黙知
                                 社長

                           社長室
                                              企業
                                 営        製   組織
                       財     人   業    企   造
                       務     事   部    画   部
                       部     部        部

   顧客の欲求を無意識的に                                現場
                                              担当者
    暗黙知として獲得ずみ
                                              顧客

暗黙知を短時間のグループ討議によって
表出させるための会議手法とは・・・?                            潜在
                                              顧客




2012年3月17日   明治大学サービス創新研究所                    59
創造できない
発散収束思考
思考の発散収束モデル


          Aスキーマ
                                   思考の収束
                  思考の発散
                                               Bスキーマ

     思考の発散収束モデルでは,
      発散思考収束思考
  の順で手法を意識的に切り替える
         「成就される活動」のままに「制御すべき行為」を制御させている!
上の図は、印南一路(1997年)から修正して作成。(印南一路、『すぐれた意思決定(判断と選択の心理学)』、中央公論新
社、中公文庫い-99-1、2002年1月. 原著:中央公論新社から刊行、1997 年.)
   2012年3月17日              明治大学サービス創新研究所               61
思考の発散収束モデル
     Aスキーマ
                            思考の収束
             思考の発散
                                     Bスキーマ


             発散                 収束
      知                 知
                                             演繹推論
      の                 の
      具                 具
      現                 現                      アブダクション
      化                 化
                                             帰納推論



              知の創造                   知の創造
2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所                     62
思考の発散収束モデル
     Aスキーマ
                            思考の収束
             思考の発散
                                     Bスキーマ


             発散                 収束
      知                 知       演繹推論
      の                 の
      具                 具
      現                 現              アブダクション
      化                 化

                                帰納推論


              知の創造                   知の創造
2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所                  63
アブダクションにおける抽象化の機能

                                    アイデアを「遠くへ」飛ばす
                                     図表1-10(細谷功,2011年,p. 44)をもとに修正して作成
                 かばん


                                 例:財布,
           直接似ている                弁当箱,収                            創造的
                                 納箱,・・・
                                            例:本棚,
        「収納」する(有形物)                         物置,冷
抽                                           蔵庫,・・・
                                                     例:PCのフォルダ,
象       「収納」する(無形物)                                  部屋の間取り,
化                                                    土地の分譲,・・・
                                                                  例:予算の分け方,
      「資源を分けて配分する」                                                組織の分け方,電
                                                                  車のダイヤ,・・・
                                           アブダクション
          さらに「遠く」へ?                        (アナロジーが見えないものの新結合)
                 細谷功,『アナロジー思考』,東洋経済新報社,pp. 30-45,2011年8月11日.
    2012年3月17日                 明治大学サービス創新研究所                            64
峻別すべき現象と行為
   成就される活動
        A Schema
                                     思考の収束
                   思考の発散             Convergence
                   Divergence
                                                   B Schema
   制御すべき行為

                                収束   発散

                        why            how


2012年3月17日             明治大学サービス創新研究所                      65
発散収束モデルの問題点
   現象と行為の見え方が違う!
     成就される活動
          表出した「行動」
             ○観測可能, ×制御可能
              発散的に広がって創発を起こす

     制御すべき行為
          意図した「行動」
             ×観測可能,○制御可能
              whyを問う行為は「集中」!

    両者を混同してはならない!

             阪井和男,「組織における戦略行動ゆらぎのカオスモデルによる解釈 -ブレークスルーのスキーマ理論-」,『ゆ
             らぎの科学と技術 -フラクチュオマティクス入門-』,第11章,pp. 147-168,東北大学出版会,2004年9月15日.
2012年3月17日                明治大学サービス創新研究所                               66
トヨタ生産方式に
おける5つのなぜ
トヨタ生産方式における5つのなぜ
   トヨティズム(トヨタ生産方式)の基本の一つ
    One of the basic method of Toyotism
      「源流方式」(problem solving at the source)
          「なぜを5回問い」,Ask ‘why’ five times
          ものの流れの「源流」にさかのぼって問題を発見,解決し,
          課題を創出して実現する
          そのアプローチ自体を,サプライチェーンの全員に繰り返して教え,
           改善していくこと
     創案した人
          トヨティズムの父・大野耐一(Taiichi Ohno)
          工場現場での度重なる試行錯誤を通して見出した経験的な知恵
西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日.
2012年3月17日           明治大学サービス創新研究所                        68
トヨタ生産方式での事例
   事件(1980年代中盤) Case (Mid-1980s)
     顧客の苦情              Customer complaint
       「カーステレオが不良品だから,車ごと交換しろ!」
           “It was a defective car stereo. Should be replaced with a new car!”
          純正カーステレオのFM自動受信チューニングが壊れた
           Despite the genuine car stereo, the automatic FM tuner is broken
               トヨタの最高車種に搭載されていた
                It had been installed in Toyota's best car
          日本の大手音響機器サプライヤーが開発・製造
           The car stereo was manufactured by a major Japanese supplier
          トヨタに納入していた同社製品のなかでも最高機種
           It was the best models in the product delivered to Toyota
西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日.
2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所                           69
トヨタの純正カーステレオ
                                       純正カーステレオの
                                       FM自動受信チュー
知の具現化(Realization of Knowledge)



                                       ニングが壊れた

                                    大手音響機器
                                     サプライヤー (How)
                                     の最高機種




2012年3月17日                                 明治大学サービス創新研究所   70
トヨタ生産方式での事例
   1回目のなぜ
     トヨタがサプライヤーとの合同対策会議を開く
      根本原因の究明「なぜ不良が発生したのか」
           トヨタ:品質管理,購買要員
           サプライヤー:設計,製造,品質管理,セールス担当者

     サプライヤーの回答
         不良原因
             たまたまそのカーステレオのプリント基板の一部に異常な高圧
              電流が流れて,半導体が飛んでしまったらしい


 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日.
2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所                           71
1回目のなぜ
                                     純正カーステレオの
                                     FM自動受信チュー
知の具現化(Realization of Knowledge)



                                     ニングが壊れた



                                            1回目のなぜ(Why1)


                                      プリント基板の一
                                      部に異常な高圧
                                      電流が流れて,
                                      半導体が飛んだ




2012年3月17日                              明治大学サービス創新研究所      72
知の具現化(Realization of Knowledge)   1回目のなぜ


                                  (How) コンデンサーを
                                      大容量で耐性の     1回目のなぜ(Why1)
                                       あるものに交換


                                           プリント基板の一
                                           部に異常な高圧
                                           電流が流れて,
                                           半導体が飛んだ




2012年3月17日                                    明治大学サービス創新研究所      73
1回目のなぜ
                                     対処療法だ!
知の具現化(Realization of Knowledge)




                                  (How) コンデンサーを
                                      大容量で耐性の     1回目のなぜ(Why1)
                                       あるものに交換

                                     プリント基板の一
                                     部に異常な高圧      対象への棲み込み
                                     電流が流れて,
                                                  問題を再発させては
                                     半導体が飛んだ
                                                  ならない!




2012年3月17日                                    明治大学サービス創新研究所      74
知の具現化(Realization of Knowledge)   2回目のなぜ


                                           1回目のなぜ(Why1)


                                         2回目のなぜ(Why2)

                                     設計ミスでも部品
                                     の不良でもない
                                     製造工程か物流
                                     かのいずれか




2012年3月17日                             明治大学サービス創新研究所      75
知の具現化(Realization of Knowledge)   3回目のなぜ


                                                  1回目のなぜ(Why1)

                                   設計ミスでも部品
                                    の不良でもない
                                               2回目のなぜ(Why2)
                                   製造工程か物流     3回目のなぜ(Why3)
                                     かのいずれか
                                        製造工程のデザ
                                        インにも,工員の
                                        作業にも問題ない




2012年3月17日                                    明治大学サービス創新研究所      76
知の具現化(Realization of Knowledge)   4回目のなぜ


                                                1回目のなぜ(Why1)


                                              2回目のなぜ(Why2)
                                    製造工程のデザ   3回目のなぜ(Why3)
                                   インにも,工員の
                                   作業にも問題ない   4回目のなぜ(Why4)

                                        工場内ではなく,
                                        「輸送中」にあり
                                        そうだ


2012年3月17日                                明治大学サービス創新研究所        77
知の具現化(Realization of Knowledge)   5回目のなぜ


                                                 1回目のなぜ(Why1)


                                               2回目のなぜ(Why2)
                                               3回目のなぜ(Why3)
                                               4回目のなぜ(Why4)
                                  工場内ではなく,「輸
                                   送中」にありそうだ
                                               5回目のなぜ(Why5)
                                     下請けが組み立てたプリント基板
                                     を本工場へ輸送する際に発生!

2012年3月17日                                 明治大学サービス創新研究所        78
知の具現化(Realization of Knowledge)   5回目のなぜ


                                                 1回目のなぜ(Why1)


                                               2回目のなぜ(Why2)
                                               3回目のなぜ(Why3)
                                               4回目のなぜ(Why4)
                                  下請けが組み立てた
                                  プリント基板を本工場
                                  へ輸送する際に発生!
                                               5回目のなぜ(Why5)
                                    プリント基板を輸送する「通い箱」にハンダや電線
                                    の細かい切れ端が付着.輸送中の振動で導電物
                                    の切れ端がプリント基板に付着し回路をショート
2012年3月17日                                 明治大学サービス創新研究所        79
知の具現化(Realization of Knowledge)   5回目のなぜ


                                                     (Why1)



                                                 (Why2)

                                                 (Why3)
                                  プリント基板を輸送する
                                  「通い箱」にハンダや電線   (Why4)
                                  の細かい切れ端が付着.
                                  輸送中の振動で導電物     (Why5)       アブダクション             拍子抜けす
                                  の切れ端がプリント基板
                                                   パラダイム破壊型ブレークスルー                るほど単純
                                  に付着し回路をショート
                                                                知の創造(Creation of Knowledge)
2012年3月17日                                   明治大学サービス創新研究所                                    80
5回目のなぜ                               無駄な部品交換に一円も
                                                                       費やすことなく問題を根治
                                                                       将来発生したであろう信用
                                                                       の失墜も未然に回避
知の具現化(Realization of Knowledge)




                                                     (Why1)

                                                              (How) 毎日「通い箱」をきれ
                                                                     いに掃除するだけ
                                                 (Why2)

                                                 (Why3)
                                  プリント基板を輸送する
                                  「通い箱」にハンダや電線   (Why4)
                                  の細かい切れ端が付着.
                                  輸送中の振動で導電物     (Why5)       アブダクション             拍子抜けす
                                  の切れ端がプリント基板
                                                   パラダイム破壊型ブレークスルー                るほど単純
                                  に付着し回路をショート
                                                                知の創造(Creation of Knowledge)
2012年3月17日                                   明治大学サービス創新研究所                                    81
トヨタ生産方式における5つのなぜ
                    対処療法                            根治療法
             コンデンサーを大容量で                  毎日「通い箱」をきれいに掃除
 知            耐性のあるものに交換                            するだけ
                            (How)
 の
 具       純正カーステレオのFM自動
                                                            無駄な部品交換に一円も
         受信チューニングが壊れた
 現                                                          費やすことなく問題を根治
                                                            将来発生したであろう信
 化                                                          用の失墜も未然に回避
                                (Why1)

      プリント基板の一部に異常な高圧                               (How)
      電流が流れて,半導体が飛んだ
                            (Why2)
                            設計ミスでも部品の不良でもなく,
                   (Why3)    製造工程か物流かのいずれか
       製造工程のデザインにも,工員の
              作業にも問題ない
                            (Why4)
                            工場内ではなく,
                   (Why5)   「輸送中」にありそうだ
       下請けが組み立てたプリント基板                    (アブダクション)         拍子抜けする
        を本工場へ輸送する際に発生!                                      ほど単純
                      プリント基板を輸送する「通い箱」
                      にハンダや電線の細かい切れ端                        知の創造
                      が付着.輸送中の振動で導電物
2012年3月17日            の切れ端がプリント基板に付着し                                82
                      回路がショート
トヨタ生産方式での事例
   5つのなぜの効果
     同じ問題は二度と発生しなくなった!
      根本原因が分かり,問題の根を源流で摘み取ったため
       最初の解決策では,いずれ同じ問題が再発していたはず

       別の機種に別の現れ方をして,当事者を右往左往させたであろう

     当事者双方にウィン・ウィン状況
      1.   サプライヤーは無駄な部品交換に一円も費やさずに問題を根治
      2.   将来発生したであろう信用の失墜も未然に回避
      3.   重要な教訓を学んだ
     深い信頼関係
      「トヨタさんのようなお客様には,私どもは自然についていきます。そのほうが
      得だからです」(西口,2007年,p. 95)
 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30
 日.
2012年3月17日        明治大学サービス創新研究所                           83
対処療法から根治療法へ
                                         対処療法                   根治療法
知の具現化(Realization of Knowledge)




                                    コンデンサーを
                                   大容量で耐性の
                                   あるものに交換
                                                     毎日「通い箱」をきれ
                                     異常な高圧電           いに掃除するだけ
                                    流が流れ,半導
                                      体が飛んだ




                                   「通い箱」の細かい      アブダクション             拍子抜けす
                                   切れ端が輸送中に                           るほど単純
                                   プリント基板に付着
                                                    知の創造(Creation of Knowledge)
2012年3月17日                                 明治大学サービス創新研究所                          84
トヨタ生産方式における5つのなぜ
                   対処療法                根治療法
 知
 の
 具            コンデンサーを
 現           大容量で耐性の
 化           あるものに交換
                               毎日「通い箱」をきれ
               異常な高圧電           いに掃除するだけ
              流が流れ,半導
                                             「5つのなぜ」
                体が飛んだ
                                             =ブルートファク
                         対象への棲み込み            ツに至るための
      重大な事実の発見           問題を再発させては           苦悩のプロセス
       ブルートファクツ          ならない!

             「通い箱」の細かい       アブダクション        拍子抜けす
             切れ端が輸送中に                       るほど単純
             プリント基板に付着
                           アブダクションが
                           アフォードされる         知の創造
2012年3月17日           明治大学サービス創新研究所                  85
知の具現化(Realization of Knowledge)   5回目のなぜ


                                              (Why1)

                                                                          (How)
                                     収                               発
                                          (Why2)
                                     束                               散
                                     思    (Why3)                     思
                                     考                               考
                                          (Why4)
                                                       発散思考
                                          (Why5)       アブダクション             拍子抜けす
                                            パラダイム破壊型ブレークスルー                るほど単純

                                                         知の創造(Creation of Knowledge)
2012年3月17日                               明治大学サービス創新研究所                                 86
「交流制約法」によるグループ討議                 究極の
                                            質問

     日時                     課題(討議テーマ)        NPS
第1回 2011/08/01 今後、自分が就職支援新事業にどのように取り組めばよい
                                                 -
               か?
第2回 2011/08/23 自分の海外留学に企業は何を期待しているのか?            -
第3回 2011/08/29 社内でサービス人材をどのように育成すればよいか?          -
第4回 2011/08/29 今後、自分が取り組みたいマッチングビジネスの可能性に
                                                 -
                 ついて
第5回 2011/09/15   今後の自社のプロモーションへのSNS活用について    -
第6回 2011/11/11   出版物の編集業務において致命的なミスをなくすにはどう
                                            40%
                 すればよいか?
第7回 2011/12/12   パフォーマンスが低い部下のモチベーションを高めるには
                                            77%
                 どうすればよいか?
第8回 2012/01/25   地域に必要とされるケーブルテレビとは何か?      20%
第9回 2012/02/13 入札制度下のビジネスに成功モデルはあるのか?       70%
   2012年3月17日          明治大学サービス創新研究所        87
なぜ「究極の質問」か?
   従来のアンケート方式
    【目的】 客観的な分析のため
          アンケート実施者が知りたいことを聞いている
                知りたいことを聞いてもダメ!
                顧客の答えたいことではない!

   「究極の質問」によるアンケート
    × 客観分析
          みんなはきっとこう考えるだろう
    ○ 主観推測
          私はこう感じてしまったのだ
    主観から顧客の行動を予測すること
2012年3月17日             明治大学サービス創新研究所   88
サービスの評価
             ロイヤルティが高く、友人に
              も顧客になるよう薦める
                             推奨者


                                   中立者
       顧客                  サービス    満足はしているが、
                                   競合他社からの働き
                                   かけになびきやすい



             劣悪な関係を強いられた
                 不満客
                             批判者



2012年3月17日       明治大学サービス創新研究所                 89
推奨者<批判者
             ロイヤルティが高く、友人に
              も顧客になるよう薦める
                             推奨者


                                   中立者
       顧客                  サービス    満足はしているが、
                                   競合他社からの働き
                                   かけになびきやすい



             劣悪な関係を強いられた
                 不満客
                             批判者



2012年3月17日       明治大学サービス創新研究所                 90
推奨者>批判者
             ロイヤルティが高く、友人に
              も顧客になるよう薦める
                             推奨者


                                   中立者
       顧客                  サービス    満足はしているが、
                                   競合他社からの働き
                                   かけになびきやすい



             劣悪な関係を強いられた
                 不満客
                             批判者

成長エンジン=推奨者-批判者
2012年3月17日       明治大学サービス創新研究所                 91
成長エンジンは噴射しているか?
   顧客ロイヤルティを知る
     究極の質問
        この会社を友人や同僚に薦める可能性があるとすると,
          10点満点でどのくらいでしょうか?
       その理由
        その理由でもっとも大きいものを一つだけ教えてください



                フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、
                堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日.

2012年3月17日     明治大学サービス創新研究所                    92
究極の質問
   既存の顧客満足度調査=「役に立たない」
        誤った顧客を調査対象
        真意を汲み取れない質問

   究極の質問
    顧客ロイヤルティの有効な測定方法
     特徴
        たった一文の質問とその理由を聞くだけ
        正味の推奨者率(NPS: Net Promoter Score)を計算する

        正なら成長エンジン噴射中(口コミで爆発的に広がる)
                   フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、
                   堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日.
2012年3月17日       明治大学サービス創新研究所                      93
究極の質問
   企業の真の成長
     顧客がその企業との取引をとても気に入り、
      友人や同僚に称賛の声を伝えることから生まれる
   利益の意味
     「悪しき利益」=顧客を食い物にする
     「良き利益」=顧客の熱心な協力による

   究極の質問
    「この会社を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか」
          「良き利益」と「悪しき利益」を識別する
          10点法で聞く(0点から10点まで)
                     フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、
                     堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日.
2012年3月17日         明治大学サービス創新研究所                      94
「NPS」とは
   「究極の質問」を用いて算出される顧客ロイヤルティ
    の指標

   NPS (Net Promoter Score: 正味の推奨者率)
    NPSが正なら成長エンジンが噴射中(口コミで爆発的に広がる)

究極の質問
「この会社を友人や同僚に紹介したいと思いますか?」
    (1) 10点法で聞く(0点から10点)
    (2) その理由で最も大きなものを1つだけ教えてください
フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日
阪井和男、『究極の質問とその応用』、第6回ケータイ活用教育研究会発表資料、2009年8月1日
                               95
NPSの算出方法
   顧客の分類
    (1) 推奨者(10~9点)
      ・顧客ロイヤルティが高く、友人にも顧客になるよう薦める
    (2) 中立者(8~7点)
      ・満足はしているが、競合他社からの働きかけになびきやすい
    (3) 批判者(6~0点)
      ・劣悪な関係を強いられた不満客
   NPS(推薦者の正味比率)
    「(1)推奨者-(3)批判者」の割合              *企業の収益や市場シェアとの相関性あり

フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日
阪井和男、『究極の質問とその応用』、第6回ケータイ活用教育研究会発表資料、2009年8月1日
                               96
究極の質問
                                    10, 9
 「良き利益」
 =顧客の熱心な     ロイヤルティが高く、友人に
              も顧客になるよう薦める
                              推奨者
  協力による


                                            8, 7
                             究極の    中立者
       顧客
                              質問    満足はしているが、
                                    競合他社からの働き
                                    かけになびきやすい

  「悪しき利益」
  =顧客を食い物
   にする
             劣悪な関係を強いられた
                 不満客
                              批判者
                                    6~0
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Naitou sakai 20120825

  • 1. 第72回次世代大学教育研究会,共催:NPO法人人材育成マネジメント研究会 株式会社ディスコ(東京・飯田橋)8階 第1会議室,2012年8月25日 グループ討議における課題提起者の 自己開示プロセスのリバーサル理論による解釈 Interpretation of the Self-Disclosure Processes of Problem Presenter in Group Discussions in terms of Reversal Theory 2012年8月25日 内藤隆,阪井和男(明治大学) 資料URL: http://www.kisc.meiji.ac.jp/~sakai/presen/ne67-transactional-constraint-method-20120825.pdf
  • 2. 略歴 <研究>  「現場からサービスを創新するコミュニケーション 内藤 隆 Naito Takashi 手法の開発と汎用化・体系化の研究」(科学研究 助成費・2012~2014年採択研究、研究分担者) <所属・資格>  「青少年のスポーツ振興のためのプロモーション  株式会社シーエスアップ 代表取締役 教材に関する調査研究」(笹川スポーツ研究助成・  明治大学サービス創新研究所 事務局長・ 2012年採択研究、研究代表者) など 客員研究員  早稲田大学スポーツ科学研究センター招聘 <実務> 研究員  民間スポーツクラブ、公共スポーツ施設 サービス  スポーツ科学修士、健康運動指導士 調査、サービス向上支援  一般社団法人CSスペシャリスト検定協会認  介護予防施設 開業・運営コンサルティング 定講師  加圧トレーニングジム 人材育成支援  職域における従業員ヘルスアップ企画、運動指導 <略歴>  民間企業 顧客満足度調査設計・分析・レポート、 サービスコンサルタント。研修講師。健康スポー 窓口応対力調査、電話応対力調査 ツ指導者。日本フットボールリーグ所属 横河武  自治体 営業実践講座講師、就業支援講座講師、 蔵野フットボールクラブのトップチームおよび育 民間企業 新入社員研修、CS研修講師 成部門の運営担当、民間フィットネスクラブ運営 企業 ゲオフットネスにおいてクラブ支配人等を 経て、2009年12月に株式会社シーエスアップを 設立。 2
  • 3. <役職等> 明治大学法学部教務主任 略歴 明治大学東北再生支援プラットフォーム副代表 明治大学文明とマネジメント研究所所長 明治大学サービス創新研究所所長 明治大学法学部教授 明治大学死生学研究所副代表 (理学博士) 明治大学社会イノベーション・デザイン研究所事務局長 阪井和男 <公職等> Kazuo Sakai 早稲田大学メディアネットワークセンター非常勤講師 sakai@meiji.ac.jp 早稲田大学情報教育研究所客員研究員 早稲田大学ビジネススクール・ドラッカー経営思想研 プロフィール: 究部会WG座長 http://rwdb2.mind.meiji.ac.jp/Profiles/7/00006 ドラッカー学会執行役員 57/profile.html 情報コミュニケーション学会会長 <略歴> 一般社団法人CSスペシャリスト検定協会理事 1952年 和歌山県和歌山市生まれ NPO実務能力認定機構理事 1971年 和歌山県立桐蔭高校卒業 NPO法人 人材育成マネジメント研究会理事 1977年 東京理科大学理学部物理学科卒業 NPO法人 日本地域活性力創出機構評議員 1979年 同大学院理学研究科修士課程物理 DPCマネジメント研究会理事 学専攻修了 サービスデザイニング研究所所長 1985年 同大学院理学研究科博士課程物理 学専攻退学(6年間在籍) サイエンティフィック・システム研究会知的能力の可視 化WG座長 1987年 理学博士(論文,東京理科大学)取得 次世代大学教育研究会事務局長 1990年 明治大学法学部専任講師 オープンソース&リソース戦略研究会共同代表 1993年 明治大学法学部助教授 日本語プログラミング研究会会長 1998年 明治大法学部教授 Japrico Club ユーザ会会長 Ja Sakai Community運営委員(設立発起人) 3 大学情報サミット初代代表幹事
  • 5. グループ討議の概要  明治大学サービス創新研究所が主催する研究 会にて実施  2011年8月からこれまで計15回開催  1回あたりの参加者は10~20名  参加者は、様々な業界・業種の現場担当者・管理 業務担当者、管理職・経営者、コンサルタント、研 究者、学生など多様  阪井(2010)が開発した「交流制約法」をグルー プ討議の方法論として用いる 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 5
  • 6. 日時 課題(討議テーマ) NPS 第1回 2011/08/01 今後、自分が就職支援新事業にどのように取り組めばよいか? - 第2回 2011/08/23 自分の海外留学に企業は何を期待しているのか? - 第3回 2011/08/29 社内でサービス人材をどのように育成すればよいか? - 第4回 2011/08/29 今後、自分が取り組みたいマッチングビジネスの可能性につい - て 第5回 2011/09/15 今後の自社のプロモーションへのSNS活用について - 第6回 2011/11/11 出版物の編集業務において致命的なミスをなくすにはどうすれ 40% ばよいか? 第7回 2011/12/12 パフォーマンスが低い部下のモチベーションを高めるにはどうす 77% ればよいか? 第8回 2012/01/25 地域に必要とされるケーブルテレビとは何か? 20% 第9回 2012/02/13 入札制度下のビジネスに成功モデルはあるのか? 70% 第10回 2012/03/23 お客様センターの社内報告をよりインパクトあるものにするため 63% にはどうすればよいか? 第11回 2012/04/20 運動・スポーツの参加率・実施率を飛躍的に高めるにはどうすれ 63% ばよいか? 第12回 2012/5/09 自社の人材をどう育てるか、高度化するか? 67% 第13回 2012/5/23 e-learning学習からのドロップアウトをいかに防ぐか? - 第14回 2012/6/15 新たなホームページ制作パッケージ商品をどのように拡販してい 92% けばよいか? 第15回 2012/7/26 何かあったらの前に依頼を受けられるようにする、自分のサービ 60% スを知ってもらうためには
  • 7. 開催風景 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 7
  • 9. 交流制約法 マーケットと組織の界面を構成するうち,組織側のサービス従事 者側からサービス創新する方法 1. 高い志をもって究極の理想を目指す 2. もっとも困難な問題をえぐりだす 課題提起者(1名)が  問題の再定義 自分が強く解決を 3. みんなで知恵を振り絞って解決 望んでいる問題を  ピザ屋の質問 参加者に提起する  発想の原点・・・  イノベーション・ダイアグラム+トヨタ生産方式の5つのなぜ  発散収束思考  収束発散思考 明治大学サービス創新研究所,サービス創新研究会10/28研究会報告 http://www.service-innovating.jp/archives/624 (2011年11月22日アクセス) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 9
  • 10. 交流制約法の収束発散思考  創造的対立の解消プロセス 問題の提起問題の再設定究極の理想解問題の解決 1. 収束思考 :質問会議  アクションラーニング(AL)による問題発見 ALの前半セッションのみを使う 2. 発散思考 :わいがや  ワールドカフェ(WC)による問題解決 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 10
  • 11. 交流制約法の収束発散思考 質問会議: 定義する アクションラーニング Action-Learning why 収束 (前半のみ利用) 究極の理想解 わいがや: how ワールドカフェ 発散 World-Cafe 解決する 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 11
  • 12. 交流をどう制約するか 制約1:質問しか許さない 定義する アクションラーニング 収束 Action-Learning why (前半のみ利用) 問題の再定義 制約2:批判をさせない 制約3:強制的に席替え how ワールドカフェ 発散 World-Cafe 解決する 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 12
  • 13. ALのルール(伊藤洋志,2008年7月17日)  ALセッション 2つの基本ルール その1:質問中心  質問に答えるだけで、自分からは語らない(発言しない) その2:振り返りの時間をとる  ALコーチはいつでも介入する権限がある 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 13
  • 14. ALセッションの前半(伊藤洋志,2008年7月17日)  グランドルールの確認とコミットメント  チームとしての信頼関係の構築と安全な場であることの共通 認識を構築する  問題の提示(2~3分)  問題の明確化(10~15分単位で1時間程度)  メンバーの課題をグループとして明確化し共有することで、先 入観、固定概念、曖昧な認識などを打破する (「全員、問題を紙に書き、発表」は今回省略)  問題の再定義(10分程度の休憩中に)  問題を多面的に検証し、チームとして共通の問題を定義する 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 14
  • 15. ワールドカフェ  カフェのような自由な雰囲気で、 メンバーを変えながらセッションを3回程度行うことで、 そこで出たアイデアが他花受粉するようなイメージで、 テーマに対するコンテクストが短時間で深まり、 大変盛り上がる効果がある 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 15
  • 16. ワールドカフェのルール  コーディネーターが課題を設定する  話題提供者が再定義した問題を提示  はじめに3~6人のグループをつくる  テーブルには模造紙とペンを置いておく  カフェのようなくつろいだ雰囲気を出す小道具を置いておく  発言者の権利を示す小道具を準備しておくのもよい  発言者用カラーボール等 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 16
  • 17. (写真)http://de.wikipedia.org/wiki/World-Cafe より引用 2011年7月12日アクセス ワールドカフェのルール  第1セッション 1. A3用紙(模造紙)に自由にメモを書きながら、20分話し合う  自分のことを語るよりも人の話を聞き出すように  セッションの終了時にコーディネーターが手を挙げる  それを見たら話すのをやめて自分も手を挙げる 2. 説明役(ホスト)を決める  ジャンケン以外の方法で決めること ジャンケンは意思決定ではない(Decision making without Janken, さかはらあつし) 3. 他のメンバーはそれぞれ別のグループへ移動する 4. 小休憩をとる 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 17
  • 18. ワールドカフェのルール  第2セッション 1. 各グループでホストがメモを見ながらそこで出た話を説明 2. 参加者は各々のグループで出た議論を紹介する 3. 後は自由に話し合う  使用済みの模造紙にどんどん上書きしながら書き加える 4. コーディネーターが終了を指示する  多人数の場合は、手を上げさせるのが有効 5. 説明役(ホスト)を決める 6. 元のグループへ戻る 7. 小休憩をとる 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 18
  • 19. ワールドカフェのルール  第3セッション 1. 第2セッションと同様に進める 2. コーディネーターが終了を指示する 3. 説明役(ホスト)を決める  発表 1. 各グループのホストが総括する  マインドマップ等を利用するのが有効  はじめにキーワードを5つ程度列挙する Freemind 2. 終了 「ワールド・カフェ」,http://www.humanvalue.co.jp/service/wcafe/ (2011年8月6日アクセス) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 19
  • 20. 問題の発見から問題の再定義 知 【2】動機の確立 の 問題解決への 具 【1】問題の発見 強い動機 現 化 【3】問題の再定義 アクション ラーニング 知の創造 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 20
  • 21. 問題の再定義から解決策の発見 知 【2】動機の確立 の 問題解決への 具 【1】問題の発見 強い動機 現 化 【3】問題の再定義 アクション ラーニング 【4】解決策の発見 ワールドカフェ 知の創造 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 21
  • 22. 問題の発見から解決策の発見 対処療法 根治療法 知 【2】動機の確立 の 問題解決への 具 【1】問題の発見 強い動機 現 化 【3】問題の再定義 アクション ラーニング 【4】解決策の発見 ワールドカフェ 拍子抜けす アブダクション るほど単純 知の創造 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 22
  • 23. 創発へのプロセス 対処療法 根治療法 知 【2】動機の確立 の 問題解決への 具 【1】問題の発見 強い動機 現 強制ブレーン 化 ストーミング 【3】問題の再定義 【0】安心の確立 アクション ラーニング ワールドカフェ 【4】解決策の発見 ワールドカフェ 拍子抜けす アブダクション るほど単純 知の創造 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 23
  • 25. 研究動機 [仮説] サービス提供組織に「交流制約法」を適用するこ とで課題解決が促進され、サービス革新につながる! ↓ 「交流制約法」を広めるには、課題解決が推進され、高 い満足を生むメカニズム解明と、方法論の改善が必要 ↓ 課題提起者に焦点をあて、グループ討議中の心理変化 と課題解決への貢献等を調査 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 25
  • 26. 調査方法  対象  第1~15回までのグループ討議  課題提起者の全15名(性別: すべて男性)  方法  質問紙による調査  電子メール  調査依頼と質問紙の配布・回収  回収  15名中15名から回答(回答率:100%) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 26
  • 27. アンケート質問内容 データ (1) 現在振り返ってみて課題提起者を務めたことに 価値を感じるか 定量 (10点法による総合満足度評価) (2) 総合満足度評価数値の選択理由 定性 (3) 課題提起者からみた交流制約法の意味や価値 定性 (4) 課題提起者経験後から現在までに起きた心理 定性 的・行動的変化 (5) 課題提起者が感じた交流制約法のデメリット 定性 (6) 収束思考中(アクションラーニング)、課題再定 義中、発散思考中(ワールドカフェ)、グループ討議 定性 終了後の心理状況 (7) 交流制約法の課題解決への貢献度 定量
  • 28. (2)結果: 総合満足度 推奨度 人 選択理由 *回答文章から内容を一部抜粋  解決策が具体的になった。それによって、問題に対して前向きに考え、 行動できるようになった  自分にとって本当の問題が何であるか整理できる  利害関係のない外部の方々と話せた  自分と異なる環境の人々からアイデアが提示され、新鮮な気持ちで 受け止められた 高満足度群 9  業種・経験など様々な方々が議論することによって、固定概念の無い (10~9点) アイデアがでてきた  皆の視点から様々な提言を聞けて、気づきや新しい発想が生まれた  自社の新規事業について、他者から見たときの興味やニーズ、あるい は疑問や不満、先入観などをつかむことができたため。  気がついていたが、気がつかないふりをしていたことが、はっきりした。 これから取り組むべきことが、はっきりした  自分の中にあった葛藤に気づくことができた  自分の中にある問いに対する答えにて確信を得ることができた 中間群 4  思考の枠が取り払われる感じがあるため (8~7点)  自分の考えの振り返りができる。解決すべき問題を絞り込むことによ り頭の整理ができる 低満足度群  ディスカッションできたのは良かった 2 (6~0点)  期待していた問題の深掘りや新たな視点や発見が得られなかった
  • 29. (5)結果: 交流制約法のデメリット 推奨度 人 選択理由 *回答文章から内容を一部抜粋  ある程度知識が共有できる解説者のような立場が必要かと 感じた  会を進行する上でふさわしい課題は何か、どんな課題を期 高満足度群 待されているかを同時に考えてしまう 9  課題提起において課題の内容の提示は、「交流制約法」の (10~9点) 特徴を踏まえて事前に吟味しておいた方が良いと感じました。 あまり深く考えず課題提起した場合は、参加者も混乱してし まうようです。  自分の心理の触れられたくないところを答えなければいけな かった 中間群  単に課題提起者を否定する物言いをしているように感じてし 4 まう発言があったこと (8~7点)  専門的なことや仕組みの理解がいることについては、もう少 し説明ができるような時間・工夫があるとよい  専門的な課題の場合、課題提起者とその他の人たちの知識 低満足度群 2 や情報量に差がありすぎると、議論をしている風にして、実 (6~0点) はまるで参考になっていないというようなこともあるのでは
  • 30. 15名中13名が、心理的・行動的変化が起きたと回答 (4)結果: 心理的・行動的変化 推奨度 人 選択理由 *回答文章から内容を一部抜粋  様々なことに前向きに対処する自信がついた。他人の問題にも積極的 に取り組めるようになった  より実践的な思考を求め、働きかけをするようになった  多様な意見に触れることに価値を感じるようになっている。問題解決を 楽しむようになっている。 高満足度群  部下とのコミュニケーションを増やすようになった 9 (10~9点)  個人の考え、同じ環境の人の考え方、経験からでは限られた発想しか 生まれてこなかったが、 環境の異なる方の意見を聴くことができ、新 しい発想やすべきことの方向性が見出せた。行動はこれからです。  実際の業務における課題提起において意識するようになりました。  いずれにしても、シンプルで具体的であるべきだと痛感している。  提示されたキーワードを意識しながら計画を立てるようになってきた  参加者からのフィードバックが、行動の裏付け・自信につながっている 中間群 のではないかと思う 4 (8~7点)  個人や専門的な課題について、自分以外や専門外の方でもアイデア が出せることがわかり、気持ちが楽になった 低満足度群  自分の問題意識をもっと具体的なものとし、アクションしていかないとい 2 (6~0点) けない
  • 31. (6)結果: 討議中の 心理変化 推奨度 人 収束思考時 発散思考時 反転度 正しく伝えたいが、どこまで通 人の意見を聞けることがとても興味 わるだろうという不安 深い 2 とにかく回答することに必死 議論がとても楽しかった 2 自分の思考が深まっていった 気が大きくなっていく感じがあり、楽 しかった 2 緊張していた(特に前半) 緊張がほどけて楽しい状態 2 しまった。こんなはずじゃな 気持ちが楽になった かった 2 高満足度群 9 とても感激した。真摯に回答し 問題の分類と解決策が具現化して ? (10~9点) なければと感じた。 いった。 質問者が課題提起した前提 課題再定義によってか? 参加者の について、なぜ混乱されてい 意見のベクトルがあってきた。 ? たのかが不明であった 心の中が忙しかった。 自分自身のキャラクターにどんな先 入観を持たれているのかが、意外に 2 興味深かった。 反論をされたくないという意識、感謝していました。どんな意見が出 分かってもらえているか?と ているのか興味がありつつも、怖さ 1 いう不安がありました。 もありました。 青色(不安・緊張)=-1, 下線(客観的)=0, 赤色(楽しい・前向き)=1 反転度 = 快(収束思考時) - 快(発散思考時)
  • 32. (6)結果: 討議中の 心理変化 推奨度 人 収束思考時 発散思考時 反転度 質問に答えるのに必死 自分の中を他の人が整理してくれて いる感じ 1 どのような質問にも素直に対応 考え方を多く聞こうという前向きな状 したい 態 1 楽しく振り返りができる チームの誰か1人には質問力が必要 中間群 4 と感じた -1 (8~7点) とても心地よい感覚でした。特 楽しいと感じました。 に質問に対して明確に回答で きた際には、自分はきちんと状 0 況を把握できている、という気 持ちになります。 どのような答え方をしたらわか 専門的なことでやってしまうと、あま りやすく理解していただけるか り議論になっていないな 0 あまり突っ込んだ質問や答えに ワールドカフェには参加せずに外か 困るような質問を受けなかった ら話を聞いていましたが、振り返ると、 低満足度群 2 ので、落ち着いていました。 中に入って一緒にアイデア出しや議 (6~0点) 論するのも面白かったのかと思いま 1 す。自分の提起した問題を各所で 様々なアイデアが出されているようで、 楽しい気持ちでした。 青色(不安・緊張)=-1, 下線(客観的)=0, 赤色(楽しい・前向き)=1 反転度 = 快(収束思考時) - 快(発散思考時)
  • 33. 交流分析法の 実践報告(2) グループ討議における課題提起者の 自己開示プロセスの リバーサル理論による解釈
  • 34. <結果> 総合満足度と課題解決への貢献度 15名中12名が、交流制約法が課題解決に貢献したと回答 5 y = 0.4732x + 0.0321 R² = 0.7125 課 4 相関係数=0.8440 題 解 決へ 3 の 貢 2 献 度 1 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ←低い 総合満足度 高い→ 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 34
  • 35. <結果> 討議中の心理状況変化  高満足群の特徴(9名中7名) 〈収束思考時〉 「不安」 「緊張」 「必死」など不快な感情 や緊張度の高さを示す表現 反転 〈発散思考時〉 一転して、「楽しい」 「興味深い」 「楽に なった」など心地よい感情を示す表現  低満足群・中間群の特徴  上記パターンは見られない  収束思考時の心理状況については1名のみ不快を示す表現 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 35
  • 36. リバーサル理論  リバーサル理論(反転理論) 25年ほどから研究されている動機づけスタイルの理論  特徴:動機づけを,状況で変わるダイナミックなものとして扱う  概要 1. 人間経験の4つの側面(手段-目的,ルール,処理,関係)に, 2. 4対の動機づけ状態(テリック-パラテリック,順法-反抗,支配-共 感,オーティック-アロイック)を設定 3. 状況によって動機づけ状態の反転が生ずるとする  応用:スポーツや芸術,教育,産業活動,娯楽,笑いなど幅広い人間 活動を動機づけ状態とその反転の観点から研究されている 雨宮俊彦・生田好重,「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概要」,関西大学社会学部紀要, 39(3), 123-165, 2008-03. 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 36
  • 37. 収束思考時の心理状態 イノベーションダイアグラム リバーサル理論 知 心地よさ リラックスした気分 の 具 抽象化 現 why? 自己的領域 化 具体化 how 質問 覚醒が高い 苦 覚醒が高い 不快感 不安 覚醒 共鳴場 低 穏 高 い や い か 安全ゾーン 危険ゾーン 外傷ゾーン M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監 訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 37 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
  • 38. プロテクティブ・フレームの生成 イノベーションダイアグラム リバーサル理論 知 心地よさ リラックスした気分 の 具 抽象化 現 why? 自己的領域 化 具体化 how 質問 覚醒が高い 苦 覚醒が高い 不快感 不安 覚醒 共鳴場 低 穏 高 い や い か プ ロ 安全ゾーン 危険ゾーン テ 外傷ゾーン ク テ ィ ブ M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監 ・ フ 訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The レ dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. ー ム 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 38 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
  • 39. 発散思考時の心理状態 イノベーションダイアグラム リバーサル理論 知 心地よさ リラックスした気分 興奮 の 具 抽象化 反 現 why? 転 化 具体化 how 質問 覚醒が高い 苦 クレーム 覚醒が高い 不快感 退屈 不安 覚醒 共鳴場 低 穏 高 い や い か サービスの創造 プ 共鳴場がプロテクティ ロ ブ・フレームの役割 安全ゾーン 安心ゾーン テ 外傷ゾーン ク 興奮 テ 雨宮俊彦・生田好重、「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概要」、 ↑ ィ ブ 関西大学社会学部紀要、関西大学、第39巻第3号、pp.123-165 (2008). 不安 ・ M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監訳, フ 危険ゾーン レ 渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The ー dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. ム 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 39 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
  • 40. 発散思考時の心理状態 イノベーションダイアグラム リバーサル理論 知 心地よさ 興奮 の 具 抽象化 現 why? 化 具体化 how 苦 クレーム 覚醒が高い 不快感 退屈 覚醒 クレーム対応者 低 穏 高 い や い か サービスの創造 プ ロ 安全ゾーン 安心ゾーン テ 外傷ゾーン ク テ 雨宮俊彦・生田好重、「動機づけのダイナミズム : リバーサル理論の概 ィ ブ 要」、関西大学社会学部紀要、関西大学、第39巻第3号、pp.123-165 ・ (2008). フ 安全と安心の レ M.J.アプター,『デンジャラス・エッジ(「危険」の心理学)』,山岸俊男監 ー 領域が異なる 訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日.原著:Michael J. Apter, "The ム dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 40 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
  • 41. 反転の様相 心地よさ リラックスした気分 興奮  横軸は覚醒,縦軸は心 地よさ(快) 反 転  どの覚醒度にも実線・破 線の2ブランチが存在  第一枝:リラックス-不安 退屈  第二枝:退屈-興奮 不快感 不安 低 高 覚醒 い 穏 い  何らかのきっかけで上 や か 下のブランチで反転 M.J. Apter, “Reversal theory; Motivation,Emotion and Personality”, Routledge, 1989. M.J. アプター,『デンジャラス・エッジ (「危険」の心理学) 』,山岸俊男監訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日. 原著:Michael J. Apter, "The dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. 阪井和男・栗山健,「談話分析による創発プロセスの可視化に向けて ~マイクロ・アブダクションの連鎖としての創発プロセス~」, 41 電子情報通信学会 思考と言語研究会「言語と学習,場の共創」発表資料,pp69-76,2011年11月26日 より転載
  • 42. 反 推奨度 人 TA 収束思考時 TA 発散思考時 転 度 交流分析 CP AC 正しく(CP)伝えたいが、どこまで通 わるだろうという不安(AC) NP FC 人の意見を聞ける(NP)ことがとても興 味深い(FC) 2 A とにかく回答する(A)ことに必死 A 議論(A)がとても楽しかった(FC) AC (AC) FC 2 高満足度群 5 A 自分の思考(A)が深まっていった FC 気が大きくなっていく感じ(FC)があり、 (10~9点) FC 楽しかった(FC) 2 AC 緊張していた(AC)(特に前半) FC 緊張がほどけて楽しい状態(FC) 2 AC しまった(AC)。こんなはずじゃな FC 気持ちが楽になった(FC) AC 3 かった(AC) A A 質問に答える(A)のに必死(AC) 自分の中を他の人が整理(A)してくれ AC AC 0 ている感じ(AC) 中間群 ACどのような質問にも素直に(AC)対 NP 考え方を多く聞こう(NP)という前向き 3 NP 1 (8~7点) 応したい な状態(NP) FC 楽しく(FC)振り返りができる(A) A チームの誰か1人には質問力が必要 A と感じた(A) -1 低満足度群 A どのような答え方をしたら(A)わか CP 専門的なことでやってしまうと、あまり 1 NP りやすく理解していただけるか(NP) -1 (6~0点) 議論になっていないな(CP) 不安・緊張(AC)= –1, 客観的(NP, CP, A)=0, 楽しい(FC)=1 FC 快 反転度 = N(FC) – N(– AC) NP:養育的な親の心、CP:批判的な親の心 覚醒度 NP A, CP A:大人の心、AC:従順な子どもの心、FC:自由な子どもの心 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 不快 AC 42
  • 43. 反転の様相 心地よさ リラックスした気分 興奮  質問が覚醒度を上げるか? AC  高満足度群:不安・緊張のま FC 反 っただ中にいる 転  低満足度群:状況を客観的 に見ている FC AC  棲み込み度 不快感 退屈 不安 低 高 覚醒 対象と自己との距離の小ささ い 穏 い や  P(arent):距離大(棲込度小) か  C(hild):距離小(棲込度大) M.J. Apter, “Reversal theory; Motivation,Emotion and Personality”, Routledge, 1989. M.J. アプター,『デンジャラス・エッジ (「危険」の心理学) 』,山岸俊男監訳,渋谷由紀訳,講談社,1995年6月8日. 原著:Michael J. Apter, "The dangerous edge: the psychology of experiment", The Free Press, 1992. 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 43
  • 44. PDPスキーマモデル 一般形 活性度 ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0 ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0 正味の入力 neti(t) = Σj wij aj(t) + biasi(t) 総和則・対称則 Σj={A}wij + Σk={B}wik = 0 Σ(i∈{A})j={A}wij = Σ(k∈{B})l={B}wkl wij = wji [1] 阪井和男・和田悟,「ユニットの疲労効果を取り入れた連想型スキーマモデル」,『明治大学教養論集』,明治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp. 27-66,1992年3月1日. [2] 阪井和男・片山硬・大岩幸太郎・和田悟,「平均場近似によるPDPスキーマモデルのカオスダイナミクスの理論」,『明治大学教養論集』,明治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp. 67-104,1992年3月1日. [3] Kazuo SAKAI, Tsuyoshi KATAYAMA, Kotaro OIWA and Satoshi WADA, "Theory of chaotic dynamics with transfer crises in a mean-field PDP schema model (Discovery of transfer crises and its cognitive meanings)", The Bulletin of Arts and Science Meiji University, Meiji Unviersity, No. 249, pp. 105-150, Mar. 1, 1992. [4] Kazuo Sakai, Tsuyoshi Katayama, Satoshi Wada and Kotaro Oiwa, "Perspective Reversal Caused by Chaotic Switching in PDP Schema Model", IEEE International Conference on Neural networks (San Francisco, USA, March 28-April 1, 1993), Proceedings of the 1993 IEEE International Conference on Neural Networks, Vol. 3, pp. 1938-1943, Mar. 28, 1993. [5] Kazuo Sakai, Tsuyoshi Katayama, Satoshi Wada and Kotaro Oiwa, "Chaos Causes Perspective Reversals for Ambiguious Patterns", Advances in Intelligent Computing, eds. B. Bouchon- Meunier, R. R. Yager and L. A. Zadeh, Springer, Berlin, pp. 463-472, 1995.
  • 45. カオス解の存在証明 1.5 一般形 1スキーマの平均場近似 1 A=4 活性度 ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0 0.5 ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0 X(t) 0 正味の入力の平均場近似 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 <net(t)> = Σj wij <a(t)> + <bias(t)> -0.5 ここで、<bias(t)>=0とすると -1 <net(t)> = Nw<a(t)> (>0) 近似活性度 -1.5 t A<3 1周期 ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}Nw<a(t)> 3≤A≤3.56995 2周期 ∴<a(t+1)> = <a(t)> + {1-<a(t)>}Nw<a(t)> 3.569945671... = (1+Nw)<a(t)> - Nw<a(t)>2 ファイゲンバウム点 ここで、1+Nw=Aとおくと A=3.83 3周期の窓 0.1561644 <a(t+1)>= A<a(t)>{1 - <a(t)>} 0.5047063 さらに、 <a(t)>=X(t)とおくと 1次元ロジス 0.9574152 X(t+1)= AX(t){1 - X(t)} ティック写像 A≦4 カオス [2] 阪井和男・片山硬・大岩幸太郎・和田悟,「平均場近似によるPDPスキーマモデルのカオスダイナミクスの理論」,『明治大学教養論集』,明 治大学教養論集刊行会,249号, 自然科学, pp. 67-104,1992年3月1日. 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 45
  • 46. PDPスキーマモデル 最も単純な場合: 一般形 2スキーマ・2ユニット 活性度 ai(t+1) = ai(t) + {1-ai(t)}neti(t) ・・・ neti(t)≧0 ai(t+1) = ai(t) + ai(t)neti(t) ・・・・・ neti(t)<0 A B 正味の入力 w21 neti(t) = Σj wij aj(t) + biasi(t) w11 a1 a2 w22 総和則・対称則 w12 Σj={A}wij + Σk={B}wik = 0 Σ(i∈{A})j={A}wij = Σ(k∈{B})l={B}wkl w11+w12=0 wij = wji w11=w22=w ∴w12=w21=-w>0 連想型PDPスキーマモデル biasi(t+1) = (1-ε) biasi(t) + εneti(t) 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 46
  • 47. 連想型PDPスキーマモデル a2(t) a1(t) w =2.4 1.5 bias1(0) =0.001 bias2(0) =0 1 a1(0) =0 a(t) 0.5 a2(0) =0 ε=0.02 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 max|ai(t)| =5 -0.5 t Δa(t) = a1(t) - a2(t) Δbias(t) = bias1(t) - bias2(t) Δbias(相対バイアス)の意味 興奮すればするほど興奮しやすくなる 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 47
  • 48. 心地よさ リラックスした気分 興奮 反転の力学 FC 反 転  乗り換え危機によるカオス 的遷移 AC  第1枝の安定な周期解 不快感 退屈 不安  覚醒度上昇による不安定化 低 高 覚醒度  第1枝がカオス化し、カオス い 穏 い =相対 や バイアス アトラクタができる か  第2枝のBasin(初期値集合)が 近寄ってくる × Chaos Chaos Attractor Attractor  第1枝のカオスアトラクタが、 2. 乗り換 第2枝のBasinと重なる え危機  第1枝のカオス解から第2枝 × の周期解へ遷移 × 連想型PDPスキーマモデル Basin Basin Basin 2012年8月25日 内藤隆・阪井和男 48
  • 51. なぜサービス創造が必要か?  サービス創造とは 組織による社会環境への適応過程  企業組織  社会環境の中で社会エコシステムを構成  環境=動的に変化する 組織の適応問題  秩序化しようとする組織が変化する環境にいかに適応?  既存組織にない新しい秩序(⇐仮説)を作り続けるしかない! ∴適応手段のひとつ=サービス創造 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 51
  • 52. サービス創造の2つの問題 1. 場所の問題 組織のどこから生み出されるか  組織トップかミドルかボトム  ライン組織のどこが担うか 2. 方法論の問題 仮説生成をどう行うか  どの創造技法を使うか  ブレインストーミング・KJ 法等 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 52
  • 53. 新サービスの創造手法 1. 場所の問題 組織のどこから生み出されるか  組織トップかミドルかボトム サービスフロント(ボトムの現場担当者) 2. 方法論の問題 仮説生成をどう行うか  どの創造技法を使うか 交流制約法(アクションラーニング&ワールドカフェ) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 53
  • 55. 新秩序はどこから生まれるか? 不動点 (クラス1)  カオスの縁 生命は,秩序と無秩序(カオス) 周期的 のはざまで揺れている (クラス2) カオスの縁  適応的な複雑系がここに属 するというのが、複雑力学系 複雑 (クラス4) における最近の大発見  複雑力学系の4つのクラス  クラス1:不動点 カオス  クラス2:周期系 (クラス3)  クラス3:カオス系 あらゆる秩  クラス4:カオスの縁 序が存在! リューイン,ロジャー,『コンプレクイシティへの招待(複雑性の科学 生命の進化から国家の興亡まですべてを貫く法則)』, 糸川英夫監訳,福田素子訳,徳間書店,1993年10月. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 55
  • 56. 企業組織の秩序 社長 社長室 企業 営 製 組織 財 人 業 企 造 務 事 部 画 部 部 部 部 現場 担当者 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 56
  • 57. 企業組織のさまざまな境界 社長・役員の外部ネットワーク 社長 社長室 企業 営 製 組織 財 人 業 企 造 担当部署の外部ネットワーク 務 事 部 画 部 部 部 部 現場 担当者 サービスフロントの顧客接点 顧客 潜在 顧客 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 57
  • 58. サービスフロント=カオスの縁 社長 秩 不動点 序 (クラス1) 社長室 企業 営 製 組織 財 人 業 企 造 周期的 務 事 部 画 部 (クラス2) 部 部 部 サ カ ー 現場 オ ビ 担当者 複雑 ス ス (クラス4) の フ ロ 顧客 縁 ン ト 潜在 カオス 顧客 乱 (クラス3) 雑 あらゆる秩 序が存在! 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 58
  • 59. 現場担当者の暗黙知 社長 社長室 企業 営 製 組織 財 人 業 企 造 務 事 部 画 部 部 部 部 顧客の欲求を無意識的に 現場 担当者 暗黙知として獲得ずみ 顧客 暗黙知を短時間のグループ討議によって 表出させるための会議手法とは・・・? 潜在 顧客 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 59
  • 61. 思考の発散収束モデル Aスキーマ 思考の収束 思考の発散 Bスキーマ  思考の発散収束モデルでは, 発散思考収束思考 の順で手法を意識的に切り替える  「成就される活動」のままに「制御すべき行為」を制御させている! 上の図は、印南一路(1997年)から修正して作成。(印南一路、『すぐれた意思決定(判断と選択の心理学)』、中央公論新 社、中公文庫い-99-1、2002年1月. 原著:中央公論新社から刊行、1997 年.) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 61
  • 62. 思考の発散収束モデル Aスキーマ 思考の収束 思考の発散 Bスキーマ 発散 収束 知 知 演繹推論 の の 具 具 現 現 アブダクション 化 化 帰納推論 知の創造 知の創造 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 62
  • 63. 思考の発散収束モデル Aスキーマ 思考の収束 思考の発散 Bスキーマ 発散 収束 知 知 演繹推論 の の 具 具 現 現 アブダクション 化 化 帰納推論 知の創造 知の創造 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 63
  • 64. アブダクションにおける抽象化の機能  アイデアを「遠くへ」飛ばす 図表1-10(細谷功,2011年,p. 44)をもとに修正して作成 かばん 例:財布, 直接似ている 弁当箱,収 創造的 納箱,・・・ 例:本棚, 「収納」する(有形物) 物置,冷 抽 蔵庫,・・・ 例:PCのフォルダ, 象 「収納」する(無形物) 部屋の間取り, 化 土地の分譲,・・・ 例:予算の分け方, 「資源を分けて配分する」 組織の分け方,電 車のダイヤ,・・・ アブダクション さらに「遠く」へ? (アナロジーが見えないものの新結合) 細谷功,『アナロジー思考』,東洋経済新報社,pp. 30-45,2011年8月11日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 64
  • 65. 峻別すべき現象と行為  成就される活動 A Schema 思考の収束 思考の発散 Convergence Divergence B Schema  制御すべき行為 収束 発散 why how 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 65
  • 66. 発散収束モデルの問題点  現象と行為の見え方が違う!  成就される活動  表出した「行動」 ○観測可能, ×制御可能  発散的に広がって創発を起こす  制御すべき行為  意図した「行動」 ×観測可能,○制御可能  whyを問う行為は「集中」! 両者を混同してはならない! 阪井和男,「組織における戦略行動ゆらぎのカオスモデルによる解釈 -ブレークスルーのスキーマ理論-」,『ゆ らぎの科学と技術 -フラクチュオマティクス入門-』,第11章,pp. 147-168,東北大学出版会,2004年9月15日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 66
  • 68. トヨタ生産方式における5つのなぜ  トヨティズム(トヨタ生産方式)の基本の一つ One of the basic method of Toyotism  「源流方式」(problem solving at the source)  「なぜを5回問い」,Ask ‘why’ five times  ものの流れの「源流」にさかのぼって問題を発見,解決し,  課題を創出して実現する  そのアプローチ自体を,サプライチェーンの全員に繰り返して教え, 改善していくこと  創案した人  トヨティズムの父・大野耐一(Taiichi Ohno)  工場現場での度重なる試行錯誤を通して見出した経験的な知恵 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 68
  • 69. トヨタ生産方式での事例  事件(1980年代中盤) Case (Mid-1980s)  顧客の苦情 Customer complaint 「カーステレオが不良品だから,車ごと交換しろ!」 “It was a defective car stereo. Should be replaced with a new car!”  純正カーステレオのFM自動受信チューニングが壊れた Despite the genuine car stereo, the automatic FM tuner is broken  トヨタの最高車種に搭載されていた It had been installed in Toyota's best car  日本の大手音響機器サプライヤーが開発・製造 The car stereo was manufactured by a major Japanese supplier  トヨタに納入していた同社製品のなかでも最高機種 It was the best models in the product delivered to Toyota 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 69
  • 70. トヨタの純正カーステレオ 純正カーステレオの FM自動受信チュー 知の具現化(Realization of Knowledge) ニングが壊れた 大手音響機器 サプライヤー (How) の最高機種 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 70
  • 71. トヨタ生産方式での事例  1回目のなぜ  トヨタがサプライヤーとの合同対策会議を開く 根本原因の究明「なぜ不良が発生したのか」  トヨタ:品質管理,購買要員  サプライヤー:設計,製造,品質管理,セールス担当者  サプライヤーの回答  不良原因  たまたまそのカーステレオのプリント基板の一部に異常な高圧 電流が流れて,半導体が飛んでしまったらしい 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 71
  • 72. 1回目のなぜ 純正カーステレオの FM自動受信チュー 知の具現化(Realization of Knowledge) ニングが壊れた 1回目のなぜ(Why1) プリント基板の一 部に異常な高圧 電流が流れて, 半導体が飛んだ 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 72
  • 73. 知の具現化(Realization of Knowledge) 1回目のなぜ (How) コンデンサーを 大容量で耐性の 1回目のなぜ(Why1) あるものに交換 プリント基板の一 部に異常な高圧 電流が流れて, 半導体が飛んだ 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 73
  • 74. 1回目のなぜ 対処療法だ! 知の具現化(Realization of Knowledge) (How) コンデンサーを 大容量で耐性の 1回目のなぜ(Why1) あるものに交換 プリント基板の一 部に異常な高圧 対象への棲み込み 電流が流れて, 問題を再発させては 半導体が飛んだ ならない! 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 74
  • 75. 知の具現化(Realization of Knowledge) 2回目のなぜ 1回目のなぜ(Why1) 2回目のなぜ(Why2) 設計ミスでも部品 の不良でもない 製造工程か物流 かのいずれか 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 75
  • 76. 知の具現化(Realization of Knowledge) 3回目のなぜ 1回目のなぜ(Why1) 設計ミスでも部品 の不良でもない 2回目のなぜ(Why2) 製造工程か物流 3回目のなぜ(Why3) かのいずれか 製造工程のデザ インにも,工員の 作業にも問題ない 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 76
  • 77. 知の具現化(Realization of Knowledge) 4回目のなぜ 1回目のなぜ(Why1) 2回目のなぜ(Why2) 製造工程のデザ 3回目のなぜ(Why3) インにも,工員の 作業にも問題ない 4回目のなぜ(Why4) 工場内ではなく, 「輸送中」にあり そうだ 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 77
  • 78. 知の具現化(Realization of Knowledge) 5回目のなぜ 1回目のなぜ(Why1) 2回目のなぜ(Why2) 3回目のなぜ(Why3) 4回目のなぜ(Why4) 工場内ではなく,「輸 送中」にありそうだ 5回目のなぜ(Why5) 下請けが組み立てたプリント基板 を本工場へ輸送する際に発生! 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 78
  • 79. 知の具現化(Realization of Knowledge) 5回目のなぜ 1回目のなぜ(Why1) 2回目のなぜ(Why2) 3回目のなぜ(Why3) 4回目のなぜ(Why4) 下請けが組み立てた プリント基板を本工場 へ輸送する際に発生! 5回目のなぜ(Why5) プリント基板を輸送する「通い箱」にハンダや電線 の細かい切れ端が付着.輸送中の振動で導電物 の切れ端がプリント基板に付着し回路をショート 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 79
  • 80. 知の具現化(Realization of Knowledge) 5回目のなぜ (Why1) (Why2) (Why3) プリント基板を輸送する 「通い箱」にハンダや電線 (Why4) の細かい切れ端が付着. 輸送中の振動で導電物 (Why5) アブダクション 拍子抜けす の切れ端がプリント基板 パラダイム破壊型ブレークスルー るほど単純 に付着し回路をショート 知の創造(Creation of Knowledge) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 80
  • 81. 5回目のなぜ 無駄な部品交換に一円も 費やすことなく問題を根治 将来発生したであろう信用 の失墜も未然に回避 知の具現化(Realization of Knowledge) (Why1) (How) 毎日「通い箱」をきれ いに掃除するだけ (Why2) (Why3) プリント基板を輸送する 「通い箱」にハンダや電線 (Why4) の細かい切れ端が付着. 輸送中の振動で導電物 (Why5) アブダクション 拍子抜けす の切れ端がプリント基板 パラダイム破壊型ブレークスルー るほど単純 に付着し回路をショート 知の創造(Creation of Knowledge) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 81
  • 82. トヨタ生産方式における5つのなぜ 対処療法 根治療法 コンデンサーを大容量で 毎日「通い箱」をきれいに掃除 知 耐性のあるものに交換 するだけ (How) の 具 純正カーステレオのFM自動 無駄な部品交換に一円も 受信チューニングが壊れた 現 費やすことなく問題を根治 将来発生したであろう信 化 用の失墜も未然に回避 (Why1) プリント基板の一部に異常な高圧 (How) 電流が流れて,半導体が飛んだ (Why2) 設計ミスでも部品の不良でもなく, (Why3) 製造工程か物流かのいずれか 製造工程のデザインにも,工員の 作業にも問題ない (Why4) 工場内ではなく, (Why5) 「輸送中」にありそうだ 下請けが組み立てたプリント基板 (アブダクション) 拍子抜けする を本工場へ輸送する際に発生! ほど単純 プリント基板を輸送する「通い箱」 にハンダや電線の細かい切れ端 知の創造 が付着.輸送中の振動で導電物 2012年3月17日 の切れ端がプリント基板に付着し 82 回路がショート
  • 83. トヨタ生産方式での事例  5つのなぜの効果  同じ問題は二度と発生しなくなった! 根本原因が分かり,問題の根を源流で摘み取ったため  最初の解決策では,いずれ同じ問題が再発していたはず  別の機種に別の現れ方をして,当事者を右往左往させたであろう  当事者双方にウィン・ウィン状況 1. サプライヤーは無駄な部品交換に一円も費やさずに問題を根治 2. 将来発生したであろう信用の失墜も未然に回避 3. 重要な教訓を学んだ  深い信頼関係 「トヨタさんのようなお客様には,私どもは自然についていきます。そのほうが 得だからです」(西口,2007年,p. 95) 西口敏宏,『遠距離交際と近所づきあい(成功する組織ネットワーク戦略)』,NTT出版,pp. 89-95,2007年1月30 日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 83
  • 84. 対処療法から根治療法へ 対処療法 根治療法 知の具現化(Realization of Knowledge) コンデンサーを 大容量で耐性の あるものに交換 毎日「通い箱」をきれ 異常な高圧電 いに掃除するだけ 流が流れ,半導 体が飛んだ 「通い箱」の細かい アブダクション 拍子抜けす 切れ端が輸送中に るほど単純 プリント基板に付着 知の創造(Creation of Knowledge) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 84
  • 85. トヨタ生産方式における5つのなぜ 対処療法 根治療法 知 の 具 コンデンサーを 現 大容量で耐性の 化 あるものに交換 毎日「通い箱」をきれ 異常な高圧電 いに掃除するだけ 流が流れ,半導 「5つのなぜ」 体が飛んだ =ブルートファク 対象への棲み込み ツに至るための 重大な事実の発見 問題を再発させては 苦悩のプロセス ブルートファクツ ならない! 「通い箱」の細かい アブダクション 拍子抜けす 切れ端が輸送中に るほど単純 プリント基板に付着 アブダクションが アフォードされる 知の創造 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 85
  • 86. 知の具現化(Realization of Knowledge) 5回目のなぜ (Why1) (How) 収 発 (Why2) 束 散 思 (Why3) 思 考 考 (Why4) 発散思考 (Why5) アブダクション 拍子抜けす パラダイム破壊型ブレークスルー るほど単純 知の創造(Creation of Knowledge) 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 86
  • 87. 「交流制約法」によるグループ討議 究極の 質問 日時 課題(討議テーマ) NPS 第1回 2011/08/01 今後、自分が就職支援新事業にどのように取り組めばよい - か? 第2回 2011/08/23 自分の海外留学に企業は何を期待しているのか? - 第3回 2011/08/29 社内でサービス人材をどのように育成すればよいか? - 第4回 2011/08/29 今後、自分が取り組みたいマッチングビジネスの可能性に - ついて 第5回 2011/09/15 今後の自社のプロモーションへのSNS活用について - 第6回 2011/11/11 出版物の編集業務において致命的なミスをなくすにはどう 40% すればよいか? 第7回 2011/12/12 パフォーマンスが低い部下のモチベーションを高めるには 77% どうすればよいか? 第8回 2012/01/25 地域に必要とされるケーブルテレビとは何か? 20% 第9回 2012/02/13 入札制度下のビジネスに成功モデルはあるのか? 70% 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 87
  • 88. なぜ「究極の質問」か?  従来のアンケート方式 【目的】 客観的な分析のため  アンケート実施者が知りたいことを聞いている  知りたいことを聞いてもダメ!  顧客の答えたいことではない!  「究極の質問」によるアンケート × 客観分析  みんなはきっとこう考えるだろう ○ 主観推測  私はこう感じてしまったのだ 主観から顧客の行動を予測すること 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 88
  • 89. サービスの評価 ロイヤルティが高く、友人に も顧客になるよう薦める 推奨者 中立者 顧客 サービス 満足はしているが、 競合他社からの働き かけになびきやすい 劣悪な関係を強いられた 不満客 批判者 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 89
  • 90. 推奨者<批判者 ロイヤルティが高く、友人に も顧客になるよう薦める 推奨者 中立者 顧客 サービス 満足はしているが、 競合他社からの働き かけになびきやすい 劣悪な関係を強いられた 不満客 批判者 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 90
  • 91. 推奨者>批判者 ロイヤルティが高く、友人に も顧客になるよう薦める 推奨者 中立者 顧客 サービス 満足はしているが、 競合他社からの働き かけになびきやすい 劣悪な関係を強いられた 不満客 批判者 成長エンジン=推奨者-批判者 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 91
  • 92. 成長エンジンは噴射しているか?  顧客ロイヤルティを知る  究極の質問 この会社を友人や同僚に薦める可能性があるとすると, 10点満点でどのくらいでしょうか?  その理由 その理由でもっとも大きいものを一つだけ教えてください フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、 堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 92
  • 93. 究極の質問  既存の顧客満足度調査=「役に立たない」  誤った顧客を調査対象  真意を汲み取れない質問  究極の質問 顧客ロイヤルティの有効な測定方法  特徴  たった一文の質問とその理由を聞くだけ  正味の推奨者率(NPS: Net Promoter Score)を計算する  正なら成長エンジン噴射中(口コミで爆発的に広がる) フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、 堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 93
  • 94. 究極の質問  企業の真の成長  顧客がその企業との取引をとても気に入り、 友人や同僚に称賛の声を伝えることから生まれる  利益の意味  「悪しき利益」=顧客を食い物にする  「良き利益」=顧客の熱心な協力による  究極の質問 「この会社を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいあるか」  「良き利益」と「悪しき利益」を識別する  10点法で聞く(0点から10点まで) フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、 堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日. 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 94
  • 95. 「NPS」とは  「究極の質問」を用いて算出される顧客ロイヤルティ の指標  NPS (Net Promoter Score: 正味の推奨者率) NPSが正なら成長エンジンが噴射中(口コミで爆発的に広がる) 究極の質問 「この会社を友人や同僚に紹介したいと思いますか?」 (1) 10点法で聞く(0点から10点) (2) その理由で最も大きなものを1つだけ教えてください フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日 阪井和男、『究極の質問とその応用』、第6回ケータイ活用教育研究会発表資料、2009年8月1日 95
  • 96. NPSの算出方法  顧客の分類 (1) 推奨者(10~9点) ・顧客ロイヤルティが高く、友人にも顧客になるよう薦める (2) 中立者(8~7点) ・満足はしているが、競合他社からの働きかけになびきやすい (3) 批判者(6~0点) ・劣悪な関係を強いられた不満客  NPS(推薦者の正味比率) 「(1)推奨者-(3)批判者」の割合 *企業の収益や市場シェアとの相関性あり フレッド・ライクヘルド、『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』、堀新太郎訳、ランダムハウス講談社、2006年9月27日 阪井和男、『究極の質問とその応用』、第6回ケータイ活用教育研究会発表資料、2009年8月1日 96
  • 97. 究極の質問 10, 9 「良き利益」 =顧客の熱心な ロイヤルティが高く、友人に も顧客になるよう薦める 推奨者 協力による 8, 7 究極の 中立者 顧客 質問 満足はしているが、 競合他社からの働き かけになびきやすい 「悪しき利益」 =顧客を食い物 にする 劣悪な関係を強いられた 不満客 批判者 6~0 成長エンジン=推奨者-批判者 2012年3月17日 明治大学サービス創新研究所 97