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情報モラル教育を考える
- 2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 教育実践研究支援センター 専門：情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 教育関連：教育の情報化に対応できる教員の養成 教員養成へのICT活用
- 3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 近況報告 l 卒修論指導が大変です 💦💦 l 文科省アドバイザー派遣事業（小金井） n 教師用タブレットを入れる予定です l プログラミング教育 n かなり考えています n 町田市がPepper事業に当選しました n 小金井市のあの学校と・・・
- 17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 l 情報化社会に対応する初等中等教育の 在り方に関する調査研究協力者会議 臨時教育審議会第二次答申（1986.4） l 情報活用能力（情報リテラシー） 育成の必要性 l 情報化に対応した教育を進めるには 情報化の光と影を明確に踏まえる ことの必要性
- 18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 臨時教育審議会第三次答申（1987.4） l 情報化に対応した教育改革のための 具体的施策が示された n 情報モラルの確立 n 情報手段の活用 n 情報環境の整備
- 19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 教育課程審議会（1987.9） l 情報活用能力についての概念規定 n 情報活用能力とは、情報及び情報手段を 主体的に選択し活用していくための 個人の基礎的な資質をいう （臨教審二次答申） ②情報化社会の特質、 情報の社会や人間に対する影響の理解 ③情報の重要性の認識、 情報に対する責任感
- 20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 教育課程の基準の改善に関する基本方針 について（答申） l 社会の情報化に主体的に対応できる 基礎的な資質を養う観点から、 l 情報の理解、選択、処理、創造などに 必要な能力及びコンピュータ等の 情報手段を活用する能力と態度の 育成が図られるよう配慮する。 l なお、その際、情報化のもたらす 様々な影響についても配慮する 教育課程審議会（1987.12）
- 22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 ２２１１世世紀紀をを展展望望ししたた我我がが国国のの教教育育のの在在りり方方 ににつついいてて l 情報化と教育について推進すべきことを 提示 n 情報教育の体系的な実施 n ICT活用による学校教育の質的改善 n 情報化社会に対応する「新しい学校」の 構築 n 情報社会の「影」の部分への対応 中央教育審議会一次答申（1996.7)
- 23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 体系的な情報教育の実施に向けて l 情報教育の目標を整理 n 情報活用の実践力 n 情報の科学的な理解 n 情報社会に参画する態度 情報化の進展に対応した初等中等教育における 情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議 第一次報告（1997） 情報教育の 三要素
- 24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 学習指導要領（H11／1999） l 普通教科「情報」が必修に l 情報モラルを 「情報社会で適正な活動を行うための 基になる考え方と態度」 と定義 学習指導要領情報の解説（2000） 小中学校は？
- 25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 l 新情報教育の手引き n 情報教育３要素の解説 l 情報モラル指導カリキュラムモデル 情報モラル等サポート事業（2005～2008）
- 27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 中央教育審議会答申（H20／2008） l 教育内容に関する主な改善事項 n ・・・，社会の変化への対応の観点から 教科等を横断して改善すべき事項 p情報教育，環境教育，ものづくり，キャリア 教育，食育，安全教育，心身の成長発達につ いての正しい理解 学習指導要領（H20／2008）
- 28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 学習指導要領での記載（総則） l 各教科等の指導に当たっては，児童がコ ンピュータや情報通信ネットワークなど の情報手段に慣れ親しみ，コンピュータ で文字を入力するなどの基本的な操作や 情報モラルを身に付け，適切に活用でき るようにするための学習活動を充実する とともに，これらの情報手段に加え視聴 覚教材や教育機器などの教材・教具の適 切な活用を図ること。 第１章 総則 第４ 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
- 29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 学習指導要領での記載（道徳） l 一部改正 l 児童の発達の段階や特性等を考慮し，第 2に示す道徳の内容との関連を踏まえ， 情報モラルに関する指導に留意すること。 第３章 道徳 第３ 指導計画の作成と内容の取扱い
- 30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 学習指導要領解説での記載（国語） l なお，実際に引用や要約をするに当たっ ては・・・出典を明示することや，引用 部分が適切な量になることなどについて も指導することが求められる。このこと は，著作権を尊重し保護することになる。 3,4学年「読むこと」 l 引用した文章等の出典については必ず明 記するとともに，引用部分が適切な量に なるよう指導する必要がある。このよう な指導が，著作権を尊重し，保護するこ とにつながる。 5,6学年「書くこと」
- 31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の歴史 学習指導要領解説での記載 （特別活動：学級活動） l 「(2)日常の生活や学習への適応及び健康 安全」のアからキまでで示した内容のほ かにも，日常の道徳性の指導，国民の祝 日や長期休業日の事前・事後の指導，環 境美化に関する指導，学校行事の事前・ 事後指導，貯蓄や消費 に関する指導，情 報モラルに関する指導などが考えられる。
- 44. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育は必要か？ そのために情報モラル教育 l 情報社会で適正な活動を行うための 基になる考え方と態度 n 情報手段をいかに上手に賢く使っていく ための判断力や心構え n 情報社会の特性の一側面である影の部分 の理解 を育成 （参考）情報モラル教育実践ガイダンス，国立教育政策研究所，2011
- 46. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育は必要か？ はじめてdigital deviceを使った年齢 l 就学前20%，小学校卒業までに90% （引用）i-Learn.jp「日本の幼児はICTに触らせてもらえない」より
- 52. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 カリキュラム・マネージメント？ l 総則で求めている l が，教科はない l 資料を参考に l 独自カリキュラムを （参考）情報モラル教育実践ガイダンス，国立教育政策研究所，2011
- 54. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 情報社会の倫理 l 自他の権利を尊重した l 責任ある行動 （参考）情報モラル教育実践ガイダンス，国立教育政策研究所，2011 低：人の作ったものを大切にする 心をもつ 中：自分の情報や他人の情報を 大切にする 高：情報にも，自他の権利がある ことを知り, 尊重する（国語） 著作権
- 55. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 安全への知恵 l 危険の予測 l 被害を予防する知識や態度 （参考）情報モラル教育実践ガイダンス，国立教育政策研究所，2011 低：ー 中：情報には誤ったものもあること に気付く 高：情報の正確さを判断する方法を 知る
- 56. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 安全への知恵 l 危険の予測 l 被害を予防する知識や態度 （参考）情報モラル教育実践ガイダンス，国立教育政策研究所，2011 低：決められた利用の時間や約束を 守る 中：健康のために利用時間を決め守る 高：健康を害するような行動を 自制する
- 57. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 どう学ばせるか l 道徳が参考になる？ l 道徳における三要素 n 道徳的諸価値の理解と自分自身に固有の 選択基準・判断基準の形成 n 人間としての在り方生き方についての考 え n 人間としてよりよく生きる基盤となる道 徳性 l 「心」の方は置き換えられそう？
- 58. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 道徳における主体的な学び l 興味や問題意識を持つことができるよう な身近な社会的課題を取り上げる l 問題解決的な学習を通して 一人一人が考えたことや感じたことを 振り返る活動を取り入れる l 多様な考えを持つ他者を相互に認め合い 広い心で異なる意見や立場を尊重し、 共によりよく生きようという意欲などを 高めるようにする
- 59. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 深い学びとするときの配慮すべき点 l 道徳における主体的な学びとならない例 n 主題やねらいの設定が不十分な単なる 生活経験の話合い n 読み物教材の登場人物の心情理解 のみに終始する指導 n 望ましいと思われることを 言わせたり書かせたりする ことに終始する指導 l 配慮部分を除けば学び方の例 自分の他の人の 知識や経験に結びつけ 一般的にとらえる力へ
- 60. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 深い学びとするときの配慮すべき点 l 道徳における主体的な学びとならない例 n 主題やねらいの設定が不十分な単なる 生活経験の話合い n 読み物教材の登場人物の心情理解 のみに終始する指導 n 望ましいと思われることを 言わせたり書かせたりする ことに終始する指導 l 物語やドラマを題材に
- 61. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 読解における認知活動 l 既有のスキーマや知識を利用した 推論や理解 Working Memory 作動記憶 long-term memory 長期記憶 schema 子ども は 少ない
- 62. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 読解における認知活動 l 様々な視点から一つの理解の形成 Working Memory 作動記憶 long-term memory 長期記憶 schema 子どもは 一つの理解を 形成すると 思考を停止
- 63. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 登場人物の感情の読み取り 彼氏の想い 彼女の思い 二つの視点の統合視点の移動自己中心性 彼女の思いも 意識した想い
- 64. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 もっと根本的なところで 自分のこととして 置き換えられない 共感できない 共感できない ドラえもんの イラスト・・・
- 65. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 深い学びとするときの配慮すべき点 l 道徳における主体的な学びとならない例 n 主題やねらいの設定が不十分な単なる 生活経験の話合い n 読み物教材の登場人物の心情理解 のみに終始する指導 n 望ましいと思われることを 言わせたり書かせたりする ことに終始する指導 l ある程度の経験が必要
- 66. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 読解における認知活動 l 既有のスキーマや知識を 利用した推論や理解 Working Memory 作動記憶 long-term memory 長期記憶 schema 子ども は 少ない 経験 が 少ないから
- 68. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 必要かどうかの話に戻りますが・・・ l あまり使っていないと実感がつかめない l じゃああまり意味ないのでは？ l いやいや，世界をみてみよう！ 情報モラル教育必要性 使うようになってきている
- 69. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育は必要か？ はじめて「コンピュータ」を使った年齢 l 就学前10%，小学校卒業までに85% （引用）i-Learn.jp 「日本の幼児はICTに触らせてもらえない」より
- 70. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育は必要か？ インターネットで社会的つながりを 持つことはとても有益だ （引用） i-Learn.jp 「 ICTに対する意識は世界最低」より
- 71. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育は必要か？ 校外の学習ICT活用頻度 （引用） i-Learn.jp 「学びにICTを活かせない日本」より
- 72. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報モラル教育の実践 なにがいいたいかと言うと l 情報モラル教育が必要と思えるように l ICT活用を一般的にしないと l それを，学校，地域，家庭， みんなで理解していくことが重要
- 74. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに なんでLINEで喧嘩がおこる？ l メッセージの70%がノンバーバル l 短文の読むこと書くことが重要！！ バーバルオンリーだと・・・
- 75. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 情報モラル教育の目的 l コンピュータやインターネットを 活用できるようするため ・・・コンピュータで文字を入力するなどの基本的 な操作や情報モラルを身に付け，適切に活用で きるようにするための学習活動を充実・・・ （学習指導要領 総則） 生きる力 情報手段を上手に賢く使っていく 情報化社会で上手に賢く生きていく