イラクのファルージャ郊外にあるサクラウィーヤに学校図書室と英語研究室ができた。プロジェクトのきっかけと実現に至るまで。

1. 学校図書室
&英語研究室
夢と実現

2. はじめに
このプロジェクトは、学校図書室と英語研究室を作り、生徒たちにさ
まざまな情報などを提供することを目的とします。そして、読書を推
奨し、英語を学ぶことで彼らの文化的レベルを高め、あらゆる暴力と
消極主義を否定し、平和と科学を愛する新しい教養のある世代を育て
ます。

3. 日本の学校を訪ねて
きっかけは2010年4月に日本を訪れた時でした。私は日本の学校には図
書室があることを知りました。そして、この経験をイラクにも伝えた
いという強い想いが私の中にわき起こりました。
また、私には英語研究室を作るという夢もありました。それまでの６
年間、イラクの英語テキストで中学1〜3年生、高校生を教えてきまし
た。個人的な経験ですが、さまざまな情報ソース、コミュニケーショ
ンツールを使うことで、日常のあらゆる場面の中に新たな可能性を見
いだしています。教育分野でも同じことが言えるでしょう。生徒たち
の時間、努力、費用を効果的に使うことができると同時に、本格的に
学ぶ良い機会にもなります。
私は、コミュニケーションを通して生徒たちと地域を融和させる取組
みをしています。また、新しい事にチャレンジする精神を、生徒たち
との対話の中で育てたいと思っています。そうした生徒たちは必ずや
力を発揮し、大きな役割を果たすようになるでしょう。.

4. 夢を叶える
いつも私を、イラク人を支え、夢を実現に導いてくれる人たちを忘れ
ません。それは、日本の友人たちです。いつも励まし支えてくれま
す。このプロジェクトに必要な機材や書籍を寄贈してくださいまし
た。
今年の初め、私はアル・マシール中学校の先生たち、理事会と協力
し、学校図書室を作りました。その後、私は新設されたサクラウィー
ヤ高校に転勤となりました。そこには、学校と一市民の協力で作られ
た立派な図書室がありました。そこで私は、寄贈された本をアル・マ
シール中学校(中学生向け)とサクラウィーヤ高校(青少年向け)に分ける
ことにしたのです。結果、一度に2つの図書室ができて大喜びです。ま
た、幼稚園にも幼児向けの本を寄贈しました。
サクラウィーヤ高校には、念願の英語研究室も作ることができまし
た。大きなホールに、音響設備、プロジェクター、パソコンを設置
し、素晴らしい研究室が完成したのです。スーパーバイザーは「どう
やって実現したのか？」と聞いてきましたので、「日本の友人たちが
支援してくれた」と答えますと、素晴らしいと絶賛してくださいまし
た。.

5. 隣国ヨルダン滞在中に書籍を購入

6. アル・マシール中学校の図書室

7. サクラウィーヤ高校の図書室

8. サクラウィーヤ高校図書室の”日本のコーナー”

9. 英語研究室準備中の様子

10. 現在、研究室は英語の授業や先生たちの教育研究会の会場として使用
中

11. サクラウィーヤ高校”先生デー“開催の準備をする生徒たち

12. “先生デー”には多くの市民、地元議員やイラク議会の教育委員会の方々も参加
し、素晴らしい一日となりました。生徒たちは演劇を披露しました。英語研究
室設立に際し、教育委員会からその努力が認められ、感謝の言葉をいただきま
した。

13. 年度終わり
今年度は私にとって最も素晴
らしいものとなりました。夢
への第一歩を踏み出すことが
でき、生徒たちが英語を学ぶ
ことを楽しみ、図書室を気に
入ってくれました。日本の友
人たちの助けがなければ、こ
れは実現していなかったで
しょう。サクラウィーヤ市民
を代表して、心から御礼を申
し上げます。
そして、私の側で支え、プロ
ジェクトの実現に向けて一緒
に働いてくれたすべての友
人、ダラフ先生、アデルさ
ん、オマルさん、ハリード校
長に感謝します。