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商学部標準科目 マーケティング




         #04 
         マーケティング戦略の策定と実行(2)

         2回目は、事業単位の戦略計画とマーケティング計画の立
         案方法とその成果測定について理解を深めます。
         案方法とその成果測定について理解を深めます

     1

         一橋大学大学院商学研究科
         松井 剛


#matsuimktg2010


目次
■マーケティングと顧客価値
■ 企業の戦略計画および事業部の戦略計画
■ 事業単位の戦略計画
■ 製品計画:マーケティング計画の性質と内容




                                  2




                                      1
企業レベル

■ 事業単位の戦略計画                       事業部             事業部
                               事業     事業      事業      事業
                               単位     単位      単位      単位

                              製   製   製   製   製   製   製   製
                              品   品   品   品   品   品   品   品




                                                          3




 SWOT分析




             内部環境
  Strengths     Weaknesses   ある事業を採り上げて
  -             -            「SWOT分析」を行っ
  -             -            て、それがなぜ成功を
                             て それがなぜ成功を
  -             -            収めているのか、ある
             外部環境            いは失敗に終わったの
  Opportunities Threats      かを説明しなさい。そ
  -             -            の際には以下の表を使                   4
  -             -            いなさい。
  -             -




                                                              2
内部環境
                                    Strengths        Weaknesses
                                    -                -
                                    -                -
                                    -                -
                                                  外部環境
SWOT分析:外部環境分析                       Opportunities
                                    -
                                                     Threats
                                                     -
                                    -                -
                                    -                -


 マーケティング機会:購買者のニーズと関心が存在し
 ており、こうしたニーズを満たして利益を上げられる
 可能性が高い分野
   マーケティング機会の源泉
     不足しているものを供給すること
     既存の製品ないしサービスを新しい方法や優れた方法で供給するこ
     と
     1.
     1  問題検出法(Detection Method) 消費者に提案を求める方法
        問題検出法(Detection Method):消費者に提案を求める方法
     2. 理想法(Ideal Method):消費者にその製品やサービスの理想的
        な形を創造してもらう方法
     3. 消費連鎖法(Consumption Chain Method):消費者に製品の入
        手から利用し廃棄するまでの段階を図にしてもらう方法
       まったく新しい製品やサービスを供給すること                     5




                                                  内部環境
                                    Strengths        Weaknesses
SWOT分析:外部環境分析                       -
                                    -
                                                     -
                                                     -

市場機会分析                              -                -
                                                  外部環境
                                    Opportunities    Threats
(MARKET OPPORTUNITY ANALYSIS)       -
                                    -
                                                     -
                                                     -
                                    -                -


   魅力度と成功確率からなるマトリックス
   テレビ照明機器会社の架空例




                                                                  6




                                                                      3
内部環境
                              Strengths        Weaknesses
                              -                -
                              -                -
                              -                -
                                            外部環境
SWOT分析:外部環境分析                 Opportunities
                              -
                                               Threats
                                               -
                              -                -
                              -                -


環境上の脅威:不利なトレンドや変化によって引き起こされる難局
のこと。防衛的マーケティング活動がなされなければ、売上や利益
  と 防衛的  ケ   グ活動がなされなければ 売上や利益
の低下をもたらす
深刻度と発生確率からなるマトリックス




                                                            7




                                            内部環境
                              Strengths        Weaknesses
                              -                -
                              -                -
SWOT分析:内部環境分析                 -                -
                                            外部環境
                              Opportunities    Threats
                              -                -
                              -                -
                              -                -

 強み/弱み分析のためのチェックリスト
1.   マーケティング(企業の評判、市場シェア、顧客満足、顧客維持、製品
     マ ケティング(企業の評判 市場シ ア 顧客満足 顧客維持 製品
     品質、サービス品質、価格の有効性、流通の有効性、プロモーションの
     有効性、セールス・フォースの有用性、革新性の有効性、地域的カバレ
     ッジ)
2.   ファイナンス(資本コストと資金調達力、キャッシュフロー、財務の安
     定性)
3.   製造(設備、規模の経済性、生産能力、従業員の能力、納期通りに製造
     する能力、製造技術)
4.
4    組織(長期的視野のある有用なリ ダ
     組織(長期的視野のある有用なリーダー、意欲的な従業員、起業家精神
                        意欲的な従業員 起業家精神
     、柔軟性もしくは機動性)
以上についてパフォーマンスと重要度から評価
     パフォーマンス(非常に強い、やや強い、どちらでもない、やや弱い、非
     常に弱い)
     重要度(高、中、低)                        8




                                                                4
目標設定




目標:規模と時間が規定された具体的な目的を指す
満たすべき条件
1.   (最も重要なものから層でないものまで)階層的に配
     列されていなければならない
2.   できる限り数値で表さなければならない
3.   現実的でなければならない
                                9
4.   一貫性がなければならない




戦略策定




戦略:目標を達成するためのゲーム・プラン
3つの基本戦略
1.   全体的コスト・リーダーシップ
2.   差別化
3.   集中
戦略グループ:移動障壁
                                10
パートナー・リレーションシップ・マネジメント




                                     5
3つの基本戦略(ポーター)
                            戦略の優位性
                   顧客から特異性
                                  低コスト地位
                    が認められる

  戦                               コスト・
  略      業界全体         差別化
                                リーダーシップ
  タ
  ー
  ゲ
  ット    特定セグメント             集    中
          のみ


  出所:マイケル・E ・ポーター (1995) 『競争の戦略』(新版)ダイヤモンド社.     11




 プログラムの作成と実行




7S:戦略はマネジメントの優れた企業が示す7つの要素のひとつに過
ぎない
  ハード:Strategy, Structure, and Systems
            gy,          ,      y
  ソフト
       Style:従業員が同じ考え方と行動様式を共有している
       Skill: 従業員が企業の戦略を実行するのに必要な専門技術を持っている
       Staff: 企業が優れた人材を採用し、十分に訓練し、適した仕事を任せている
       Shared Value: 従業員の道標となる価値観を共有している         12

出所:トム・ピーターズ, ロバート・ウォーターマン (2003)『エクセレント・カンパニー』
英知出版.




                                                      6
フィードバックとコントロール




ひとつだけ確かなこと:市場は変化する
市場の変化は7Sの変化よりも早い
→ 環境と企業の適合性が低下
→ 効率性は維持しているが有効性が低下
  効率性(Efficiency):物事を適切に進める
  有効性(Effectiveness):正しいことを行う
                                                        13




                                    企業レベル
■ 製品計画:                       事業部               事業部
マーケティング                    事業       事業      事業      事業
計画の性質と内容                   単位       単位      単位      単位

                          製     製   製   製   製   製   製   製
                          品     品   品   品   品   品   品   品



マーケティング計画:マーケターが市場を研究した
結果を要約し、企業がマーケティング目的に到達す
るための計画を記した文書
 戦略レ ル:標的市場と提供する価値提案を設定する
 戦略レベル:標的市場と提供する価値提案を設定する
 戦術レベル:マーケティング・プログラムと計画対象
 機関の資金配分を具体的に述べる

                                                        14




                                                             7
マーケティングの成果測定
 4つの方法
 1.
 1    売上分析
 2.   市場シェア分析
 3.   売上高マーケティング比率分析
 4.   財務分析




                                                          15




売上分析
 売上差異分析(Sales‐Variance Analysis):売上目標と実
 績のギャップから生じるに至った様々な要因を比較する
 分析
 例
      目標:単価1ドル×4,000個=4,000ドル
      実績:単価0.8ドル×3,000個= 2,400ドル
      この違いは価格引き下げのせい?販売数量不審によるせい?
価格引き下げによる差異=(1ドルー0.8ドル)×3,000個
価格引き下げによる差異=( ドル 0 8ドル)×3 000個    =     600ドル     37.5%
                                                  37 5%
      数量不審による差異=1ドル×(4,000個ー3,000個)=   1,000ドル   62.5%
                                       1,600ドル   100.0%
      →3分の2が数量目標を達成できないことに起因
      →販売目標を達成できなかった理由を検討                                 16




                                                               8
市場シェア分析
3つの市場シェア
1.
1     全体市場シェア(Overall Market Share)
       =自社の売上/市場全体の売上
2.    対象市場シェア(Served Market Share)
       =自社の売上/対象市場全体の売上
        対象市場(Served Market):自社の製品を購入する能力と意思のある消費者
3.    相対的市場シェア(Relative Market Share)
       =自社の売上/リーダー企業の売上




                                               17




市場シェア分析の注意点
     外的要因がすべの企業へ同様に影響するとは限らない
      例:喫煙の有害な影響に関するアメリカ公衆衛生局局長の報告はたば
      この総売上だけを低下させたが、各社への影響の程度は異なった
     企業の業績は、全企業の業績の平均との比較で判断すべきであ
     るとは限らない
      競合企業の業績との比較で判断すべき
     新規参入があると、既存の全企業の市場シェアが低下する場合
     がある
      例えば市場シェアが低下しても、他社よりも事業内容の質が悪いとは
      限らない
      新規参入企業が自社固有の市場にどこまでだけ期を与えたかを見るべ
      き
     市場シェアの原因が利益を伸ばすために意図的に仕組まれる場
     合もある
      例えば、経営者が利益を上げるために、収益性の低い顧客や製品を見
      限る場合
                                               18
     市場シェアは、小さな原因で変動する場合にある
      例:大口の取引が月の最終日に発生するか、翌月の初日に発生するか




                                                    9
売上高マーケティング費比率分析
(MARKETING EXPENSE‐TO‐SALES ANALYSIS)
    無駄遣いを防ぐ上での重要な尺度
    例:ある企業における同比率=30%
         セールス・フォース人件費比率            15%
         広告費比率                      5%
         販売促進費比率                    6%
         マーケティング・リサーチ比率             1%
         販売管理費比率                    3%




                                                         19




売上高マーケティング費比率分析の例
    14
    12                                              上限
売
    10                                              望ましいレベル
上
高                                                   下限
広
    8
告   6
費
比   4
率
    2
    0
         0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
                                                6
                           期間

15期に変動幅の上限を超えた!                           8期から14期にかけて6
(1)偶発的な現象?                                期連続同比率が上昇。そ
(2)広告費をコントロールできなくなっている?                   の確率は1/64(=1/2の6
                                                       20
                                          乗)。15期をまたず原因
                                          を調査すべき




                                                              10
財務分析
図2‐6:純資産利益率の財務モデル(P. 45)

 純利益                         純利益                   総資産
          =                                ×
 純資産                         総資産                   純資産
 純資産                        総資産
                                                     財務
 利益率                        利益率
                                                   レバレッジ
 (ROE)                      (ROA)

                    純利益                純売上高        総資産
          =                        ×           ×
                   純売上高                 総資産        純資産
                    売上高
                                        総資産          財務
                    利益率
                                        回転率        レバレッジ
                    (ROS)
                   売上高↑                売上高↑                21
                   コスト↓                資産(在庫、売掛金)↓




                                          各マーケ        マーケティ
収益性分析              職能別経費の明確化
                                          ティング要       ング要素別
                                          素への職能       の損益計算
例:芝刈り機事業                                  別経費配分       書の作成

■単純化された損益計算書(ドル)

売上高                   60,000 
売上原価                  39,000 
                      39,000
粗利益                   21,000 

経費
 給与      9,300 
 賃借料     3,000 
 消耗品費    3,500 
                      15,800 
純利益                    5,200 
                        ,
■通常経費の職能別経費への配分(ドル)

通常経費       合計              販売             広告 梱包・配送 請求・集金
給与        9,300           5,100          1,200  1,400  1,600 
賃借料       3,000                            400  2,000    600 
                                                         22
消耗品費      3,500             400          1,500  1,400    200 
         15,800           5,500          3,100  4,800  2,400 




                                                                11
各マーケ           マーケティ
収益性分析           職能別経費の明確化
                                         ティング要          ング要素別
                                         素への職能          の損益計算
例:芝刈り機事業                                 別経費配分          書の作成




  ■ 職能別経費を各チャネルに配分する根拠(ドル)
    職能 経費 各     配分  根 (  )

  チャネルタイプ   販売 広告 梱包・配送    請求・集金
  金物店        200   50  50       50 
  園芸用品店       65   20  21       21 
  百貨店         10   30   9        9 
             275  100  80       80 

  職能別経費
  職能 経費     5,500  3,100           4,800             2,400 
  ÷単位数        275    100              80                80 
  単位当たり経費      20     31              60                30 

                                                               23




                                         各マーケ           マーケティ
収益性分析           職能別経費の明確化
                                         ティング要          ング要素別
                                         素への職能          の損益計算
例:芝刈り機事業                                 別経費配分          書の作成

■ チャネル別の損益計算書(ドル)

                            金物店       園芸用品店 百貨店 企業全体
売上高                           30,000 
                                ,        10,000  20,000 
                                           ,       ,     60,000 
                                                           ,
売上原価                          19,500      6,500  13,000  39,000 
粗利益                           10,500      3,500   7,000  21,000 

経費
 販売(訪問1回当たり20ドル)                4,000       1,300       200    5,500 
 広告(1回当たり31ドル)                  1,550         620       930    3,100 
 梱包・配送(注文1回当たり60ドル)             3,000       1,260       540    4,800 
 請求(注文1回当たり30ドル)                1,500         630       270    2,400 
総経費                            10,050       3,810     1,940    5,800 
純利益または損失                          450       (310)     5,060    5,200 



                                                               24




                                                                        12
収益性分析に基づく改善
 園芸用品店を切る前に考える問題
     消費者はどの程度、ブランドよりも小売店のタイプによって購入
     を決めているのか?
     3チャネルの重要性について市場の動向はどうなっているのか?
     3チャネルに向けた自社のマーケティング戦略はどの程度有効な
     のか?
 5つの代替案
1.   小口注文の処理に特別料金を請求
2.   園芸用品店と金物店に対して、これまで以上にプロモーション支
     援を行う
3.   園芸用品店と金物店に対する訪問回数と広告量を削減する
4.   チャネルそのものを切るのではなく、各チャネル内の最も収益性
     の低い小売店との取引をやめる
5.   何もしない                           25




                                          13

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  • 1. 商学部標準科目 マーケティング #04  マーケティング戦略の策定と実行(2) 2回目は、事業単位の戦略計画とマーケティング計画の立 案方法とその成果測定について理解を深めます。 案方法とその成果測定について理解を深めます 1 一橋大学大学院商学研究科 松井 剛 #matsuimktg2010 目次 ■マーケティングと顧客価値 ■ 企業の戦略計画および事業部の戦略計画 ■ 事業単位の戦略計画 ■ 製品計画:マーケティング計画の性質と内容 2 1
  • 2. 企業レベル ■ 事業単位の戦略計画 事業部 事業部 事業 事業 事業 事業 単位 単位 単位 単位 製 製 製 製 製 製 製 製 品 品 品 品 品 品 品 品 3 SWOT分析 内部環境 Strengths Weaknesses ある事業を採り上げて - - 「SWOT分析」を行っ - - て、それがなぜ成功を て それがなぜ成功を - - 収めているのか、ある 外部環境 いは失敗に終わったの Opportunities Threats かを説明しなさい。そ - - の際には以下の表を使 4 - - いなさい。 - - 2
  • 3. 内部環境 Strengths Weaknesses - - - - - - 外部環境 SWOT分析:外部環境分析 Opportunities - Threats - - - - - マーケティング機会:購買者のニーズと関心が存在し ており、こうしたニーズを満たして利益を上げられる 可能性が高い分野 マーケティング機会の源泉 不足しているものを供給すること 既存の製品ないしサービスを新しい方法や優れた方法で供給するこ と 1. 1 問題検出法(Detection Method) 消費者に提案を求める方法 問題検出法(Detection Method):消費者に提案を求める方法 2. 理想法(Ideal Method):消費者にその製品やサービスの理想的 な形を創造してもらう方法 3. 消費連鎖法(Consumption Chain Method):消費者に製品の入 手から利用し廃棄するまでの段階を図にしてもらう方法 まったく新しい製品やサービスを供給すること 5 内部環境 Strengths Weaknesses SWOT分析:外部環境分析 - - - - 市場機会分析 - - 外部環境 Opportunities Threats (MARKET OPPORTUNITY ANALYSIS) - - - - - - 魅力度と成功確率からなるマトリックス テレビ照明機器会社の架空例 6 3
  • 4. 内部環境 Strengths Weaknesses - - - - - - 外部環境 SWOT分析:外部環境分析 Opportunities - Threats - - - - - 環境上の脅威:不利なトレンドや変化によって引き起こされる難局 のこと。防衛的マーケティング活動がなされなければ、売上や利益 と 防衛的 ケ グ活動がなされなければ 売上や利益 の低下をもたらす 深刻度と発生確率からなるマトリックス 7 内部環境 Strengths Weaknesses - - - - SWOT分析:内部環境分析 - - 外部環境 Opportunities Threats - - - - - - 強み/弱み分析のためのチェックリスト 1. マーケティング(企業の評判、市場シェア、顧客満足、顧客維持、製品 マ ケティング(企業の評判 市場シ ア 顧客満足 顧客維持 製品 品質、サービス品質、価格の有効性、流通の有効性、プロモーションの 有効性、セールス・フォースの有用性、革新性の有効性、地域的カバレ ッジ) 2. ファイナンス(資本コストと資金調達力、キャッシュフロー、財務の安 定性) 3. 製造(設備、規模の経済性、生産能力、従業員の能力、納期通りに製造 する能力、製造技術) 4. 4 組織(長期的視野のある有用なリ ダ 組織(長期的視野のある有用なリーダー、意欲的な従業員、起業家精神 意欲的な従業員 起業家精神 、柔軟性もしくは機動性) 以上についてパフォーマンスと重要度から評価 パフォーマンス(非常に強い、やや強い、どちらでもない、やや弱い、非 常に弱い) 重要度(高、中、低) 8 4
  • 5. 目標設定 目標:規模と時間が規定された具体的な目的を指す 満たすべき条件 1. (最も重要なものから層でないものまで)階層的に配 列されていなければならない 2. できる限り数値で表さなければならない 3. 現実的でなければならない 9 4. 一貫性がなければならない 戦略策定 戦略:目標を達成するためのゲーム・プラン 3つの基本戦略 1. 全体的コスト・リーダーシップ 2. 差別化 3. 集中 戦略グループ:移動障壁 10 パートナー・リレーションシップ・マネジメント 5
  • 6. 3つの基本戦略(ポーター) 戦略の優位性 顧客から特異性 低コスト地位 が認められる 戦 コスト・ 略 業界全体 差別化 リーダーシップ タ ー ゲ ット 特定セグメント 集 中 のみ 出所:マイケル・E ・ポーター (1995) 『競争の戦略』(新版)ダイヤモンド社. 11 プログラムの作成と実行 7S:戦略はマネジメントの優れた企業が示す7つの要素のひとつに過 ぎない ハード:Strategy, Structure, and Systems gy, , y ソフト Style:従業員が同じ考え方と行動様式を共有している Skill: 従業員が企業の戦略を実行するのに必要な専門技術を持っている Staff: 企業が優れた人材を採用し、十分に訓練し、適した仕事を任せている Shared Value: 従業員の道標となる価値観を共有している 12 出所:トム・ピーターズ, ロバート・ウォーターマン (2003)『エクセレント・カンパニー』 英知出版. 6
  • 7. フィードバックとコントロール ひとつだけ確かなこと:市場は変化する 市場の変化は7Sの変化よりも早い → 環境と企業の適合性が低下 → 効率性は維持しているが有効性が低下 効率性(Efficiency):物事を適切に進める 有効性(Effectiveness):正しいことを行う 13 企業レベル ■ 製品計画: 事業部 事業部 マーケティング 事業 事業 事業 事業 計画の性質と内容 単位 単位 単位 単位 製 製 製 製 製 製 製 製 品 品 品 品 品 品 品 品 マーケティング計画:マーケターが市場を研究した 結果を要約し、企業がマーケティング目的に到達す るための計画を記した文書 戦略レ ル:標的市場と提供する価値提案を設定する 戦略レベル:標的市場と提供する価値提案を設定する 戦術レベル:マーケティング・プログラムと計画対象 機関の資金配分を具体的に述べる 14 7
  • 8. マーケティングの成果測定 4つの方法 1. 1 売上分析 2. 市場シェア分析 3. 売上高マーケティング比率分析 4. 財務分析 15 売上分析 売上差異分析(Sales‐Variance Analysis):売上目標と実 績のギャップから生じるに至った様々な要因を比較する 分析 例 目標:単価1ドル×4,000個=4,000ドル 実績:単価0.8ドル×3,000個= 2,400ドル この違いは価格引き下げのせい?販売数量不審によるせい? 価格引き下げによる差異=(1ドルー0.8ドル)×3,000個 価格引き下げによる差異=( ドル 0 8ドル)×3 000個 = 600ドル 37.5% 37 5% 数量不審による差異=1ドル×(4,000個ー3,000個)= 1,000ドル 62.5% 1,600ドル 100.0% →3分の2が数量目標を達成できないことに起因 →販売目標を達成できなかった理由を検討 16 8
  • 9. 市場シェア分析 3つの市場シェア 1. 1 全体市場シェア(Overall Market Share) =自社の売上/市場全体の売上 2. 対象市場シェア(Served Market Share) =自社の売上/対象市場全体の売上 対象市場(Served Market):自社の製品を購入する能力と意思のある消費者 3. 相対的市場シェア(Relative Market Share) =自社の売上/リーダー企業の売上 17 市場シェア分析の注意点 外的要因がすべの企業へ同様に影響するとは限らない 例:喫煙の有害な影響に関するアメリカ公衆衛生局局長の報告はたば この総売上だけを低下させたが、各社への影響の程度は異なった 企業の業績は、全企業の業績の平均との比較で判断すべきであ るとは限らない 競合企業の業績との比較で判断すべき 新規参入があると、既存の全企業の市場シェアが低下する場合 がある 例えば市場シェアが低下しても、他社よりも事業内容の質が悪いとは 限らない 新規参入企業が自社固有の市場にどこまでだけ期を与えたかを見るべ き 市場シェアの原因が利益を伸ばすために意図的に仕組まれる場 合もある 例えば、経営者が利益を上げるために、収益性の低い顧客や製品を見 限る場合 18 市場シェアは、小さな原因で変動する場合にある 例:大口の取引が月の最終日に発生するか、翌月の初日に発生するか 9
  • 10. 売上高マーケティング費比率分析 (MARKETING EXPENSE‐TO‐SALES ANALYSIS) 無駄遣いを防ぐ上での重要な尺度 例:ある企業における同比率=30% セールス・フォース人件費比率 15% 広告費比率 5% 販売促進費比率 6% マーケティング・リサーチ比率 1% 販売管理費比率 3% 19 売上高マーケティング費比率分析の例 14 12 上限 売 10 望ましいレベル 上 高 下限 広 8 告 6 費 比 4 率 2 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 6 期間 15期に変動幅の上限を超えた! 8期から14期にかけて6 (1)偶発的な現象? 期連続同比率が上昇。そ (2)広告費をコントロールできなくなっている? の確率は1/64(=1/2の6 20 乗)。15期をまたず原因 を調査すべき 10
  • 11. 財務分析 図2‐6:純資産利益率の財務モデル(P. 45) 純利益 純利益 総資産 = × 純資産 総資産 純資産 純資産 総資産 財務 利益率 利益率 レバレッジ (ROE) (ROA) 純利益 純売上高 総資産 = × × 純売上高 総資産 純資産 売上高 総資産 財務 利益率 回転率 レバレッジ (ROS) 売上高↑ 売上高↑ 21 コスト↓ 資産(在庫、売掛金)↓ 各マーケ マーケティ 収益性分析 職能別経費の明確化 ティング要 ング要素別 素への職能 の損益計算 例:芝刈り機事業 別経費配分 書の作成 ■単純化された損益計算書(ドル) 売上高 60,000  売上原価 39,000  39,000 粗利益 21,000  経費 給与 9,300  賃借料 3,000  消耗品費 3,500  15,800  純利益 5,200  , ■通常経費の職能別経費への配分(ドル) 通常経費 合計 販売 広告 梱包・配送 請求・集金 給与 9,300  5,100  1,200  1,400  1,600  賃借料 3,000  400  2,000  600  22 消耗品費 3,500  400  1,500  1,400  200  15,800  5,500  3,100  4,800  2,400  11
  • 12. 各マーケ マーケティ 収益性分析 職能別経費の明確化 ティング要 ング要素別 素への職能 の損益計算 例:芝刈り機事業 別経費配分 書の作成 ■ 職能別経費を各チャネルに配分する根拠(ドル) 職能 経費 各 配分 根 ( ) チャネルタイプ 販売 広告 梱包・配送 請求・集金 金物店 200  50  50  50  園芸用品店 65  20  21  21  百貨店 10  30  9  9  275  100  80  80  職能別経費 職能 経費 5,500  3,100  4,800  2,400  ÷単位数 275  100  80  80  単位当たり経費 20  31  60  30  23 各マーケ マーケティ 収益性分析 職能別経費の明確化 ティング要 ング要素別 素への職能 の損益計算 例:芝刈り機事業 別経費配分 書の作成 ■ チャネル別の損益計算書(ドル) 金物店 園芸用品店 百貨店 企業全体 売上高 30,000  , 10,000  20,000  , , 60,000  , 売上原価 19,500  6,500  13,000  39,000  粗利益 10,500  3,500  7,000  21,000  経費 販売(訪問1回当たり20ドル) 4,000  1,300  200  5,500  広告(1回当たり31ドル) 1,550  620  930  3,100  梱包・配送(注文1回当たり60ドル) 3,000  1,260  540  4,800  請求(注文1回当たり30ドル) 1,500  630  270  2,400  総経費 10,050  3,810  1,940  5,800  純利益または損失 450  (310) 5,060  5,200  24 12
  • 13. 収益性分析に基づく改善 園芸用品店を切る前に考える問題 消費者はどの程度、ブランドよりも小売店のタイプによって購入 を決めているのか? 3チャネルの重要性について市場の動向はどうなっているのか? 3チャネルに向けた自社のマーケティング戦略はどの程度有効な のか? 5つの代替案 1. 小口注文の処理に特別料金を請求 2. 園芸用品店と金物店に対して、これまで以上にプロモーション支 援を行う 3. 園芸用品店と金物店に対する訪問回数と広告量を削減する 4. チャネルそのものを切るのではなく、各チャネル内の最も収益性 の低い小売店との取引をやめる 5. 何もしない 25 13