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Semelhante a UXデザイン概論 (20)
UXデザイン概論
- 2. Copyright © Masaya Ando
安 藤 昌 也
千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授
早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。
NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ
ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学
研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千
葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年
より現職。博士(学術) .
専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験)
の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。
認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
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『UXデザインの教科書』は“教科書”である
UXデザインを学びたい人が、一通りの知識を習得するため
に独習できる教科書。
1章 概要
なぜUXデザインが必要なのか?
UXデザインの背景と歴史を学ぶ
2章 基礎知識
UXデザインの知識を新たに体系化
7つの要素で重要な知識を学ぶ
3章 プロセス
実践する際の包括的なプロセスを整理
各段階での知識とコツ・留意点を学ぶ
4章 手法
プロセスを実践する手法を整理
22の手法とコツを学ぶ
知
識
か
ら
実
践
へ
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UXデザインにおける安藤のポジション
20年間、UXデザインの実践・理論・教育の全てに携わる。
実践 理論
教育
NTTデータ通信
アライド・ブレインズ
UXの研究で博士号
国立情報学研究所
産業技術大学院大学
千葉工業大学
UX
UXD
千葉工業大学
履修証明プログラム
「人間中心デザイン」
産業技術大学院大学
- 6. Copyright © Masaya Ando
ユーザーがうれしいと感じる体験となるように
製品やサービスを企画の段階から
理想のユーザー体験(UX)を目標として
デザインしていく
取組み方とその方法論
- 10. Copyright © Masaya Ando
消費者は“体験”を買っている
バルミューダのWebサイトと他社のサイトを比較すると、
体験価値をいかに伝達するかに注力しているかに気づく。
美味しく炊ける機能は必要だが
それによってユーザーは美味しい食事のある生活価値を求めている
- 11. Copyright © Masaya Ando
UXデザインによるビジネス成功例の増加
国内においてもUXを考慮したアプリケーションが、これま
でにないビジネス展開のコアとなる事例も出ている。
- 14. Copyright © Masaya Ando
におけるUXの定義
注1:ユーザーエクスペリエンスは,使用前,使用中及び使用後に生じ
る,ユーザーの感情,信念,嗜好,知覚,身体的及び心理的反応,行動
など,その結果の全てを含む。
注2:ユーザーエクスペリエンスは,ブランドイメージ, 提示,機能,
システムの性能,インタラクティブシステムにおけるインタラクション
及び支援機能,事前の経験・態度・技能及び人格から生じるユーザーの
内的及び身体的な状態,並びに利用状況,これらの要因によって影響を
受ける。
注3:ユーザビリティは,ユーザーの個人的な目標の観点から解釈され
たとき,通常はユーザーエクスペリエンスと結び付いた知覚及び感情的
側面の類を含めることができる。ユーザビリティの基準は,ユーザーエ
クスペリエンスの幾つかの側面を評価するために使用できる。
(教科書 p.52、ただしJIS Z 8530原案の最新版に基づき変更)
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ユーザー体験(UX)とは?
ユーザー体験は、製品やサービスを実際の利用状況(利用文
脈)の中で利用する際の、ユーザーの中に生じるもの。
利用文脈
ユーザー体験
(体験価価値値) ユーザーと製品との関わり
ユ
ー
ザ
ー
ユーザビリティ
利用品質製品
ササービスス
(教科書 p.49)
モノ側ヒト側
- 21. Copyright © Masaya Ando
展示会の例~商工会議所からの依頼をUXDで解決
「ショッピングセンターでの企業展示を誰もみてくれない」
という依頼。“見てもらう体験”は、設計できる。
安藤研が関わる1年前の展示の様子
中小企業の製品は、部品だけだったり、専門的
なものが多すぎ、パネルだけではわからない
体験が仕込まれた展示
時間が限られていたため、企業
パネルはそのままで、人が見て
くれる仕掛けを埋め込んだ
- 22. Copyright © Masaya Ando
展示会の例~商工会議所からの依頼をUXDで解決
想定したエクスペリエンスは、多少姑息な手段だが。。。
体験を実現するために制作物を工夫してデザイン。
企業紹介補助パネル
従来のパネルだけでは、見ても分からない。そこで、地図
を載せることで、地元の人にはどこら辺かが伝わる。
また短いコピーで特徴を表現し「見る体験」に意味を付与。
似顔絵と塗り絵
顔のある絵に子供は
惹かれる。塗り絵は
単純だが、子供は惹
かれる。。。
- 23. Copyright © Masaya Ando
展示会の例~商工会議所からの依頼をUXDで解決
計画通りのエクスペリエンスが創出され、従来と比較になら
ないほど人が見てくれ、やたらに感謝された。
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展示会の例~AED・CPRのプロモーション
AEDと心肺蘇生法の認知を、千葉工大の学内で高めるための
プロモーション企画。伝えたいことは展示会で伝達。
学内のAEDの場所を告知する
キャラクターパネル
展示会までの1週間毎日
ソセイダーの様子を
Tweetして興味をひく
キャラクターパネルの掲示後、1週
間後に学内で啓発の展示会を実施
- 25. Copyright © Masaya Ando
展示会の例~AED・CPRのプロモーション
認知を高める体験もそうだが、通路での展示だからこそ、
ポスターの文字を制御して見る人が広がらないようにできた。
具体的に読みたくなる部分の文字を、あえて小
さい文字にすることで、一歩前に近寄らせ、
後ろに通路のスペースを確保する狙い。
- 28. Copyright © Masaya Ando
“新しい価値を感じる体験”をデザインからUXデザイン
人が何に興味を持ち、どんなモチベーションを抱き、行動に
つなげるか。心理学などの理論を理解した上で丁寧に理想の
行動を考え、小さなデザインに魂を入れる。
- 30. Copyright © Masaya Ando
UXデザインの大きな特徴
「ユーザーの主観的体験」という扱いにくい事象を、
ユーザーモデリングという技法を活用し、デザインの俎上に
載せる点が最大の特徴である。
ユーザー群のイメージ
ユーザーの主観的な体験のままでは
個別すぎて扱いにくい
パターンとして捉えてモデルを作ることで
操作可能になる
従来のマーケティング・セグメントと異なり
「体験」の本質を見極めてモデルを作らないと意味がない
特定の人だと思えば
“その人”のことを
考えてあげられるね
- 31. Copyright © Masaya Ando
ユーザーモデリングとUXデザインの考え方
ユーザーモデリングの三階層は、UXデザインの基本発想。
現実の
コンテクスト
属性層
行為層
価値層
想定ユーザー
提案するコンテクスト
(シナリオ/ストーリー)
新しいユーザーの行為
実現したい理想のUX
着目する価値
体験価値
(本質的ニーズ)
(p.132)
- 32. Copyright © Masaya Ando
様々な調査法や分析法は三階層で対応付けられる
ユーザーモデリグの三階層
エスノグラフィ
コンテクスチュアル
インクワイアリー
フォトエッセイ
デプスインタビュー
アンケート
ユーザー調査の代表的な手法
■価値・意味・理解の把握
■行為・文脈・流れの把握
■ユーザーの属性・目標の把握
行動観察
主なユーザーモデリング手法
ペルソナ法
インタビュー
問題シナリオ
ワークモデル分析
上位・下位関係分析
KA法
(価値分析法)
ジャーニーマップ
(現状モデル)
価値層
行為層
属性層
(p.134)
- 33. Copyright © Masaya Ando
UXデザインの基本ユーザーモデル「UX3点セット」
ユーザー調査結果は、少なくともこの3つにモデリングして
おく必要がある。
ペルソナ
ジャーニーマップ
価値マップ
ユーザー調査
属性層
行為層
価値層
(p.136)
- 38. Copyright © Masaya Ando
UXデザインのプロセス
①実現する体験価値の設定
②理想のUXと利用文脈の想定
④UXを実現する製品・
サービスを提供する仕組み
の設計
③理想のUXを実現する
製品・サービスをの制作
○既存UXの把握、利用文脈の把握
○製品・市場の把握
アイデアの発想とコンセプトの作成
利用文脈とユーザー体験の把握
プロトタイプの反復による
製品・サービスの詳細化
実装レベルの制作物による
ユーザー体験の評価
実現するユーザー体験と
利用文脈の視覚化
ユーザー体験のモデル化と
体験価値の探索
体験価値の伝達と保持のための
指針の作成
Analyze調
査
・
分
析
Design
コ
ン
セ
プ
ト
デ
ザ
イ
ン
Prototype
プ
ロ
ト
タ
イ
プ
Evaluation
評
価
Deliver
提
供
○ユーザーモデルの作成
- 40. Copyright © Masaya Ando
UXをデザインするための諸手法の位置づけ
アイデアの発想とコンセプトの作成
利用文脈とユーザー体験の把握
プロトタイプの反復による
製品・サービスの詳細化
実装レベルの制作物による
ユーザー体験の評価
実現するユーザー体験と
利用文脈の視覚化
ユーザー体験のモデル化と
体験価値の探索
体験価値の伝達と保持のための
指針の作成
ユーザー行為の観察/エスノグラフィ
インタビュー/フォトエッセイ/日記法/エクスペリエンス・
フィードバック法
KA法/上位下位分析法/KJ法/メンタルモデルダイアグラム
ペルソナ/エンパシーマップ
ジャーニーマップ(AS-ISモデル)
問題シナリオ
発想法/アイデアソン
バリューシナリオ/ストーリーテリング
UXコンセプトツリー
アクティビティシナリオ
ジャーニーマップ(TO-BEモデル)
9コマシナリオ/ストーリーボード
アクティングアウト(体験スケッチ)/体験ムービー
コンセプトテスト
ペーパープロトタイプ/オズの魔法使い
プロトタイプ/ウォークスルー評価
サービスブループリント
ビジネスモデルキャンバス/CVCA
専門家評価/ヒューリスティック評価/認知的ウォークスルー
ユーザビリティテスト
フィールドテスト
UX指標に基づく評価/UX評価尺度による評価
コンセプトブック/クレド
デザインガイドライン
アクセスログ解析/コールセンター問い合わせ情報解析
Analyze
調
査
・
分
析
Design
コ
ン
セ
プ
ト
デ
ザ
イ
ン
Prototype
プ
ロ
ト
タ
イ
プ
Evaluation
評
価
Deliver
提
供
- 43. Copyright © Masaya Ando
UXデザインの品質に影響する3要素
製品・サービス以外のユーザーとのタッチポイントも同様に
体験価値及び目標とするUX を尊重し一貫して計画・実施する