8. 小領域中の細胞外領域が占めている部分についてガウスの発散定理の式をつくると、
表面積については と の両方を考慮する必要があるから、
よって、
が成り立つ。これはつまり、小領域内の細胞内から を通して細胞外へ流れ出る電
流(=膜電流)は、小領域内の細胞外領域から を通して小領域外へ流れ出る電流(=
細胞外電流)と等しい。
左辺と右辺を変形する
まず上記の式(Nicholson1)の左辺を変形する。この目的のため、あるベクトル場
について、ガウスの発散定理の式を作る。 の表面について と に分けると、
が成り立つ。ここで において で、 において にあるとす
る。(細胞外領域のみから領域 の外に が出てくる。細胞内領域からは出てこ
ない。) このとき上の式は
これで(Nicholson1)の左辺を置き換えると、
さらに(Nicholson1)の右辺も体積の積分に変換してやる。膜を通って細胞外へ流出し
てくる電流源の密度を(領域 ではなくて)領域 内で平均した定数のvolume
source current density として定義する。
左辺と右辺で の中身は同じだから、
Sext M
∇ ⋅ dV = ⋅ n dS = ⋅ n dS + ⋅ n dS = 0
∫
Vext
Jtotal
∫
+MSext
Jtotal
∫
Sext
Jtotal
∫
M
Jtotal
⋅ n dS = − ⋅ n dS
∫
Sext
Jtotal
∫
M
Jtotal (Nicholson1)
M
Sext
P
V Sext N
∇ ⋅ P dV = P ⋅ n dS = P ⋅ n dS + P ⋅ n dS
∫
V
∫
S
∫
Sext
∫
N
Sext P = Jtotal N P = 0
V Jtotal
∇ ⋅ P dV = P ⋅ n dS = ⋅ n dS
∫
V
∫
S
∫
Sext
Jtotal
∇ ⋅ P dV = − ⋅ n dS
∫
V
∫
M
Jtotal
L V
Im
⋅ n dS = ∇ ⋅ dV = dV
∫
M
Jtotal
∫
L
Jtotal
∫
V
Im
∫
V
9. ここでいま注目しているのは細胞外領域が の外にどう影響を及ぼしているかだか
ら、 とみなしてよい。よって
ここで を分解してオームの法則および電場と電位の式を当てはめると、
より、
もし容量成分を無視できるのなら、
さらに が場所に依存しない定数なら
となる。これは左辺に二回微分が来る方程式なのでこれもポアソン方程式の一種にな
る。
しかし、電荷と電位を関係づけるポアソン方程式
とは別ものなので注意。
CSD解析をするときの基本的な方針
(Nunez & Srinvasan 2006 p.169, Figure 4‒8)
∇ ⋅ P dV = dV
∫
V
∫
V
Im
∇ ⋅ P = Im
V
P = Jtotal
∇ ⋅ =Jtotal Im
Jtotal
= + = σE + = −σ∇Φ +Jtotal Jf ree
∂D
∂t
∂D
∂t
∂D
∂t
∇ ⋅ (σ∇Φ + ) = −
∂D
∂t
Im
∇ ⋅ σ∇Φ = −Im
σ
σ Φ = −∇
2
Im
−σ Φ = ρ/∇
2
ε0