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もう10年近く前のことになるけど、以前ブログのエントリで細胞外電極はなにを見て
いるかそれから細胞外電極はなにを見ているか リニューアル版というのを書いた。こ
のときのコメント欄を見てもらうと分かるのだけど、私の理解が正しくなくて
「volume current source density」と表示しないといけないところを「電流」と書
いているために混乱しているところがあった。
それからあとOKさんから指摘をいただいたけど、PDFファイルのp.9の注釈10 「あ
る小領域に流入出する電流   が電場   を引き起こす。これはどんな環境でも成り 立
つ。  」ここは完全に間違っている。
これらを直したいのだけど、部分的に直すのではなんともなりそうにないので、別の
文書を作成して、基本からひととおり説明を作ることにした。目標としては、二つの
式、(1) 電流源密度CSD解析の式
そして(2) ある一つの小領域での電流源   が   離れた部分に置いた細胞外電極に作
る電位の式
をマクロなスケールでのマクスウェルの法則と準静的条件から導く、ということをし
たい。
実のところ長年なんとかしなくてはと思ってはいたのだけど、さいきん『ニューロン
の生物物理』第2版を読んで第9章に非常に詳しい説明があるのを知った。それでそこ
を起点にしていろいろ勉強したので、そのノートをアップするという次第。
今回利用した参考文献は以下の通り:
Klas H Pettersen, Henrik Lindén, Anders M Dale, Gaute T Einevoll.
Extracellular spikes and current‒source density. in Handbook of neural
activity measurements, Cambridge University Press, Cambridge, UK,
2010
宮川博義,井上雅司:『ニューロンの生物物理』第2版(丸善出版,2013)のう
ち第9章
Nicholson C. Theoretical analysis of field potentials in anisotropic
ensembles of neuronal elements. IEEE Trans Biomed Eng. 1973
Jul;20(4):278‒88.
I E
σ∇E = −I
σ Φ = −∇
2
Im
Im r
Φ(r) = −
Im
4πr
Nunez PL, Srinivasan R. Electric Fields of the Brain: The Neurophysics of
EEG. 2nd Edition. Oxford University Press; New York: 2006.のうち第3章と
第4章
マクロなスケールでのマクスウェルの方程式
マクロなスケールでのマクスウェルの方程式のうち、電場に関連するものは以下の三
つ。
ガウスの法則の積分形
自由電荷   ( )が球の中に入っているとして、その球の表面 から出てくる電束密
度     を微小面積   で足し合わせると   と等しくなる(図左)。
同様にして、その球を分割した微小体積   ごとに定義される自由電荷の電荷密度 
   を足し合わせると   と等しくなる(図右)。
ここでの電荷   はこの球の中のすべての自由電荷free charge(後述)についての
ものなので、もしこの球の中にプラス電荷   を置くことで周りにあったマイナス
∇ ⋅ D = ρf ree
(ガウスの法則)
∇ × E = −
∂B
∂t
(ファラデーの法則)
∇ × H = = +Jtotal Jf ree
∂D
∂t
(アンペールの法則)
D ⋅ n dS = =  dV
∫
S
Qf ree
∫
V
ρf ree
Qf ree C S
D (C/ )m
2
dS Qf ree
dV
ρf ree (C/ )m
3
Qf ree
Qf ree
Qf ree
の自由電荷   が集まってきたとしたら、この式は両方の電荷を加味した表現にな
らないといけない。(デバイ遮蔽の項にて後述。)
誘電体における構成式
電荷を置くとその周りに電束密度(electric displacement)   というベクトル場が生
じる。電束密度   と電場   との関係は真空では以下が成り立つ。
 は真空での誘電率(permittivity)で単位は   。誘電体の中にある場合には電
束密度を打ち消すように誘電分極がおこり、分極電場  が起こるから
となる。
 は物性によって決まる誘電率。真空での誘電率   との比率を比誘電率   という。
たとえば細胞内液、外液では比誘電率   で水と同じくらい。
 は電場で、freeな電荷   および分極に依るboundな電荷   の両方の影響
を受ける。  は電気分極という電場で、分極に依るboundな電荷   を反映して
いる。よって   はfreeな電荷   のみを反映している。
式9.7をガウスの法則に代入すると
となっている。つまり
−Q
′
D
D E
D = Eε0
ε0 sec/mΩ
PC
D ≡ E +ε0 PC
(9.7)
ε ε0 κ
κ ≈ 80
E ρf ree ρbound
PC ρbound
D ρf ree
∇ ⋅ ( E + ) =ε0 PC ρf ree
∇ ⋅ E = − ∇ ⋅ε0 ρf ree PC
= +ρtotal ρf ree ρbound
= ∇ ⋅ Eρtotal ε0
= ∇ ⋅ Dρf ree
= −∇ ⋅ρbound PC
上記のとおり、  は   と   の両方に関連し、  は   のみ、   は 
 のみを反映していることが確認できた。
誘電分極による分極電場   の種類
(Nunez & Srinvasan 2006, p.116より)
これらは原子、分子としては繋がったままなので、"bound charge"と呼ばれる。<=>
電子やNa+イオンなどの電荷は移動できるので"free charge"と呼ばれる。
1. 電子分極 electronic polarization
電場   によって原子核と電子の位置がほんの少しずれることによって小さなdipoleと
して働く。
(http://www.farmingdale.edu/faculty/peter‒nolan/pdf/E&MCh07̲2Ed.pdf の
Fig.7.2を元に)
2. 分子分極 molecular polarization
(http://www.farmingdale.edu/faculty/peter‒nolan/pdf/E&MCh07̲2Ed.pdf の
Fig.7.3を元に)
水においては分子分極のほうが電子分極よりもずっと大きい。水の比誘電率は80 (真
空と比べて)。神経膜の比誘電率は∼7。
3. マクロなスケールでの分極 (Nunez & Srinvasan 2006, p.119)
E ρf ree ρbound D ρf ree PC
ρbound
PC
E
まだ充分には理解されていないが、マクロなスケールでは以上の二つとはべつの分極
として、外からの電場によって膜の電荷の再配置によって分極電場ができていると考
えている。生体の誘電率はマスで   (10Hzで)もあることを示されてい
る。(より高い周波数では誘電率はもっと低くなる)
誘電体内の電場 
誘電体(a)は、外界から与えた電場   によって分極を起こす(b)。これによってでき
た分極電場   は   を打ち消すように働く。
このようにしてできた誘電体内の電場   はfree chargeもbound chargeも含んでい
る。
デバイ遮蔽に関する議論
(Nunez & Srinvasan 2006, p.119‒121)
生体の細胞外液に+の電荷   を一つおいたとしても、導電体である細胞外液では‒の電
荷がそれを打ち消すように集まる。このようなデバイ遮蔽   のサイズは 
 程度。このような電荷   が   離れた部分に引き起こす電位は
となる。 たとえば単一細胞のsinkと電極の距離で 、デバ
イ遮蔽が  とすると、
 なのでほとんど寄与していないことがわかる。
つまり電荷そのものは脳内で記録する電位には寄与しない。電荷の移動=電流源こそ
がEEGの主な電位の原因となっている。
κ ≈ −10
6
10
7
E
Eext
PC Eext
E = −Eext PC
E
q
RD
0.3nm(3 ∗ mm)10
−7
q R
Φ(r) =
q
4π κRε0
e
−R/RD
R = 30μm = 3 ∗ mm10
−2
= 0.3nm = 3 ∗ mmRD 10
−7
= = ≪ 1e
−R/RD
e
−10
5
10
−4300
電流の保存則
アンペールの法則の両辺のdivergenceをとると、電流の保存則が導かれる。
この式にガウスの法則を代入して   を消去すると
これは電荷の保存則の式になっている。
つまり、ある小領域からの自由電流の流出が起こっているとき、その小領域にある自
由電荷の密度は減少する。
準静的条件では電位が定義できる
準静的条件では
が成り立つため、ある点   での電場   からある点   での電場   までの移動に
よる仕事は経路に依存しなくなる。これは場所   から   に移動する際に   の線積
分
が移動経路に依存しないことを意味している。
このとき、電場   に対してスカラーのポテンシャル=電位   を定義することができ
て、
となる。
∇ ⋅ (∇ × H) = 0 = ∇ ⋅ = ∇ ⋅ ( + )Jtotal Jf ree
∂D
∂t
D
∇ ⋅ + ∇ ⋅ = ∇ ⋅ + (∇ ⋅ D) = ∇ ⋅ + = 0Jf ree
∂D
∂t
Jf ree
∂
∂t
Jf ree
∂ρf ree
∂t
∇ ⋅ = −Jf ree
∂ρf ree
∂t
∇ × E = − ⇒= 0
∂B
∂t
r1 E1 r2 E2
r1 r2 E
Edr
∫
r2
r1
E Φ
E = −∇Φ
 に誘電体での構成式およびガウスの法則を代入すると
これはポアソン方程式。しかし上述のデバイ遮蔽に関する議論のとおり、脳のマクロ
な環境では(止まっている)電荷による電位の影響は無視できる。電位と電流源との関
係を描写する式が必要になる。それを行うのが電流源密度(CSD)解析。
電流源密度(CSD)解析
(『ニューロンの生物物理』第2版 および Nicholson C. 1973 を元に作成)
ガウスの発散定理 + 電流の保存則
ガウスの発散定理(<=>ガウスの法則)を用いて体積の積分を面の積分に変換してやる。
電流の保存則より、  なので両辺ともゼロになる。
これはある小領域からの電流の流入と流出が釣り合っているという意味。
では、この小領域の体積   の中をニューロンが通っているとして、ニューロンが占め
ている体積を  とすると、この小領域のうちで細胞外領域の体積は  。
表面積に関しては 小領域の表面積   に対して、ニューロン部分が表面で締めている部
分(周りの領域と接している部分)の面積を   とすると   。これにニュー
ロン部分が小領域の内部で細胞外領域と接している部分を   とする。
E
1/ε∇ ⋅ D = −∇ ⋅ ∇Φ
Φ = − /ε∇
2
ρf ree
∇ ⋅ = 0Jtotal
∇ ⋅  dV = ⋅ n dS = 0
∫
V
Jtotal
∫
S
Jtotal
V
L ≡ V − LVext
S
N ≡ S − NSext
M
小領域中の細胞外領域が占めている部分についてガウスの発散定理の式をつくると、
表面積については   と   の両方を考慮する必要があるから、
よって、
が成り立つ。これはつまり、小領域内の細胞内から   を通して細胞外へ流れ出る電
流(=膜電流)は、小領域内の細胞外領域から   を通して小領域外へ流れ出る電流(=
細胞外電流)と等しい。
左辺と右辺を変形する
まず上記の式(Nicholson1)の左辺を変形する。この目的のため、あるベクトル場 
について、ガウスの発散定理の式を作る。   の表面について   と   に分けると、
が成り立つ。ここで   において   で、   において   にあるとす
る。(細胞外領域のみから領域   の外に   が出てくる。細胞内領域からは出てこ
ない。) このとき上の式は
これで(Nicholson1)の左辺を置き換えると、
さらに(Nicholson1)の右辺も体積の積分に変換してやる。膜を通って細胞外へ流出し
てくる電流源の密度を(領域   ではなくて)領域   内で平均した定数のvolume
source current density   として定義する。
左辺と右辺で  の中身は同じだから、
Sext M
∇ ⋅  dV = ⋅ n dS = ⋅ n dS + ⋅ n dS = 0
∫
Vext
Jtotal
∫
+MSext
Jtotal
∫
Sext
Jtotal
∫
M
Jtotal
⋅ n dS = − ⋅ n dS
∫
Sext
Jtotal
∫
M
Jtotal (Nicholson1)
M
Sext
P
V Sext N
∇ ⋅ P dV = P ⋅ n dS = P ⋅ n dS + P ⋅ n dS
∫
V
∫
S
∫
Sext
∫
N
Sext P = Jtotal N P = 0
V Jtotal
∇ ⋅ P dV = P ⋅ n dS = ⋅ n dS
∫
V
∫
S
∫
Sext
Jtotal
∇ ⋅ P dV = − ⋅ n dS
∫
V
∫
M
Jtotal
L V
Im
⋅ n dS = ∇ ⋅  dV =  dV
∫
M
Jtotal
∫
L
Jtotal
∫
V
Im
∫
V
ここでいま注目しているのは細胞外領域が   の外にどう影響を及ぼしているかだか
ら、   とみなしてよい。よって
ここで   を分解してオームの法則および電場と電位の式を当てはめると、
より、
もし容量成分を無視できるのなら、
さらに   が場所に依存しない定数なら
となる。これは左辺に二回微分が来る方程式なのでこれもポアソン方程式の一種にな
る。
しかし、電荷と電位を関係づけるポアソン方程式
とは別ものなので注意。
CSD解析をするときの基本的な方針
(Nunez & Srinvasan 2006 p.169, Figure 4‒8)
∇ ⋅ P dV =  dV
∫
V
∫
V
Im
∇ ⋅ P = Im
V
P = Jtotal
∇ ⋅ =Jtotal Im
Jtotal
= + = σE + = −σ∇Φ +Jtotal Jf ree
∂D
∂t
∂D
∂t
∂D
∂t
∇ ⋅ (σ∇Φ + ) = −
∂D
∂t
Im
∇ ⋅ σ∇Φ = −Im
σ
σ Φ = −∇
2
Im
−σ Φ = ρ/∇
2
ε0
(4‒15)および(4‒12)の式はシナプスで起きている電流源(active load)と電流保存のた
めにリモートで起きている電流源(passive load)とを区別しない。
脳波の議論で出てくるsourceおよびsinkという言葉は、必要に応じて定義された小領
域の境界から電流が出入りすることを指すのであって、神経膜からの出入りがあるか
考慮する必要はない。
Fig.4‒8のまとめ:
1. Medium(細胞間隙)の化学的変化(イオン濃度の変化とか)または他のニューロンや
グリアとの作用(シナプス入力やそれ以外)によって、膜の内外の電位に時間的変
化が起きる。この「膜電位の時間的変化」がmediumに電流のsourceとsinkを生
み出す。
2‒1) 膜の容量性、伝導性の(線形的な)特性によって起こるelectrotonusな(passiveに
拡がる)膜電位変化
2‒2) 活動電位や脳波の同期による、膜の非線形的な特性によって起こるtraveling
wave
3. 上記2‒1), 2‒2)両方ともがmediumにvolume conductionによって電場を引き起
こす。電流のsourceとsinkが既知としてマクロなスケールでの電位を計算する。
4. もしmediumの線形性を仮定できるなら、脳の各領域でconductivity ( ) と誘電
率 ( )とを定義することができる。
5‒1) もしmediumが容量性かつ伝導性である場合は、電流源と電場は位相が異なる。
5‒2) もしmediumが容量性ではなく純粋に伝導性である場合は、conductivity ( ) に
よって脳の特性を完全に記述することができる。
6. 上記5‒2)の場合にはconductivity ( )が均一である場合は、conductivity ( )が
場所の関数である場合とでべつべつに取り扱う。
7. conductivity ( )が等方性であるか異方性(向きによって異なる)であるか次第で
conductivity ( )がスカラーかテンソルかが決まる。
電位と電流源と距離の式
σ
ε
σ
σ σ
σ
σ
電位と電流源の関係についてのポアソン方程式
から電位と電流源と距離の式を作るためにはグリーン関数を使う。グリーンの定理よ
り、ポアソン方程式の解は以下のようになる。(力尽きたので途中計算省略)
これに境界条件:   にて   を加えると、
となる。ここで   は電位を記録している電極と電流源   との距離。
たとえば電流源   が電極から1cm離れたところにあって、組織の伝導率 
 であったとしたら、
となる。(Nunez & Srinvasan 2006, p.168)
電荷と電位を関係づけるポアソン方程式のときにはクーロンの法則から導かれるよう
に書いてあるものが多いが、電流源と電位を関係づけるポアソン方程式の場合にはそ
の方法は使えないので、上記のようなグリーン関数を使った導出法が必要になる。
伝導性成分と容量性成分の大きさの比較
(Nunez & Srinvasan 2006 p.536‒538)
マクロなスケールでの伝導性成分と容量性成分を比較する。
アンペール・マックスウェルの法則の両辺に   をかけると
ここで電場として でオシレーションするものを考えると
σ Φ = −∇
2
Im
Φ( ) = − drr
′
1
4π ∫
∞
r
′
(r)Im
| − r|r
′
r = ∞ Φ = 0
Φ( ) = −r
′
1
4π
(r)Im
| − r|r
′
| − r|r
′
(r)Im
4π(μA)
σ = 0.33 = 1/3 (S/m)
Φ = 3(Ωm) ∗ (A)/ (m) = 3 ∗ (V ) = 0.0003V = 300μA10
−6
10
−2
10
−4
∇
∇ ⋅ (J + ) = 0
∂D
∂t
f
前半は自由電荷(free, unbound)による伝導性成分なのでオームの法則より 
、後半は分極電荷による容量性成分なので誘電率の式より   によって
置き換えると
よって   と   の大きさを比較すればよい。  と   を周波数に依存しない定数と
して、
を計算すると   にて   となる。
静電場 staticな条件とは
電気生理で扱うのは準静電場quasi‒staticだが、その手前で静電場、つまりstaticな条
件でマックスウェルの方程式を考える。
静電場、つまりstaticな条件とは、時間変化の影響を考えないということ。つまり 
の入った項を0と捉える。
よってマックスウェルの方程式は
ガウスの法則
ファラデーの法則
磁束保存の式
E(r, t) = (r)exp[j2πf t]E1
J = σE D = εE
∇ ⋅ (σE + j2πf εE) = 0
σ j2πf ε σ ε
Ratio =
j2πf ε
σ
f = 100Hz Ratio = 0.02
∂
∂t
∇ ⋅ D = ρf ree
∇ × E = − ⇒ 0
∂B
∂t
∇ ⋅ B = 0
∇ × H = −J + ⇒ −J
∂D
∂t
アンペールの法則となる。
静電場では電磁誘導は起こらないので、電場と磁場とがデカップルしている。よっ
て、電場のことを考えるときに磁場のことを考慮しなくて済む。
静電場ということは止まっている世界だから、電荷が置かれている状態でそれがどう
電場を作るかと行ったことを考えるときには使える。
準静電場 quasi‒staticな条件とは
二種類のquasi‒staicがあって、電場に磁場が影響しない、というelectro‒quasi‒staic
EQS ではファラデーの法則が近似される。
磁場に電場が影響しない、というmagnetic‒quasi‒staic MQS ではアンペールの法則
が近似される。
の法則となる。(https://ocw.mit.edu/courses/electrical‒engineering‒and‒
computer‒science/6‒007‒electromagnetic‒energy‒from‒motors‒to‒lasers‒
spring‒2011/lecture‒notes/MIT6̲007S11̲lec17.pdf より)
細胞外電極で扱うような条件では電場に磁場が影響しない方だけ考えればよい。
 を見ている現象の周波数として
であれば電磁誘導の影響は無視できる。
計算してみるとこの値は   で  、  で   とな
る。よって、LFPのような100Hzのオーダーを見るときにはquasi‒staticな条件を満
たしていると考えてよい。(Nunez & Srinvasan 2006 p.538‒540)
∇ × E = − ⇒ 0
∂B
∂t
∇ × H = −J + ⇒ −J
∂D
∂t
f
2 × f ≪ 110
−7
1 + 3 × 10
−5
f
2‾ ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
√
f = 100Hz 2.2 ∗ 10
−5
f = 10KHz 0.10

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細胞外電極はなにを見ているか2017年5月版