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いつ,イデオロギーは「活性化」するのか?
- 4. 先行研究の検討
● イデオロギーのもつ機能
● 信念の体系(belief system) (Campbell et al., 1960)
p 争点態度を束ねる「態度の一貫性」(Converse 1964)
p ただし,必ずしも政治的洗練を意味するわけでない(Jacoby 1986ほか)
p ヒューリスティックス機能(Lupia & McCubbins 1998=2005)
→ イデオロギーそのものが,政治行動を規定するわけではない
● イデオロギーと政治参加
● 政治参加のメカニズム:資源・動員・心理
p 資源:金銭的・時間的余裕や市民的技能(Verba et al., 1995)
p 動員:組織ネットワークからの勧誘(Rosenstone & Hansen 1993)
p 心理:政治的関与にもとづく(Levi & Stoker 2000)
→ 日本では,イデオロギーと参加の明確な関連はみられない(山田 2004)
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- 5. 先行研究の課題
● 実証的課題
l イデオロギー尺度は連続変数として処理してよいのか?
● 理論的課題:参加メカニズムの相互作用
l イデオロギーは心理要因のみ? → 資源や動員との相互作用
l イデオロギーを先有傾向として仮定
:どういう条件下(刺激)で,イデオロギーは 活性化 するか?
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1.2
1.4
1.6
1.8
2
1
2
3
4
5
6
7
参
加
数
平
均
値
革新的 ← 中立 → 保守的
R2=1e-‐06
連続変数的に捉えると
効果は見えない
→ カテゴリカル変数
として扱うべき!
- 6. 理論と仮説
● イデオロギー強度における政治参加の特徴
● 極端なイデオロギー層(極右/左)
p 明確な政策選好をもち,それ自体が政治参加に対するモチベーション
であるために,行動を引き起こす手がかり(cue)として機能
p 争点への態度保有そのものが,参加のための「資源」(resource)
● 中道的なイデオロギー層(中道右派/左派)
p 明確な政策選好はもたないものの,社会運動を支える人的資源として
の役割を果たす(Verba et al., 1995)
p 組織やネットワークからの「動員圧力」(mobilizaiton)によって参加
● 本稿の仮説
① 極端イデオロギー層は,政策意見を多く有するほど,活発に参加する
② 中道イデオロギー層は,ネットワーク内の動員圧力が強いほど,活発に参加する
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- 9. 分析結果
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0.12 (0.10) -0.03 0.13 0.02 0.12
0.05 (0.10) -0.02 0.10 -0.01 0.12
0.11 (0.09) 0.11 0.09 0.10 0.10
0.13 (0.09) 0.17† 0.10 0.11 0.10
0.35** (0.03) 0.35** 0.03 0.30** 0.05
0.04 (0.04) -0.05 0.06 0.04 0.04
0.39* 0.17
0.26* 0.11
0.05 0.11
-0.01 0.12
0.15† 0.08
0.09 0.07
0.03 0.07
0.05 0.07
-0.10 (0.08) -0.11 0.08 -0.10 0.08
0.01* (0.00) 0.01* 0.00 0.01* 0.00
0.06 (0.05) 0.06 0.05 0.06 0.05
No significance
: イデオロギーその
ものに規定力はない
- 11. 0
1
2
3
0
1
2
3
0
1
2
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1
2
3
0
1
2
3
-2 -1 0 1 2 -2 -1 0 1 2 -2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2 -2 -1 0 1 2
中立 極端:左派 中道:左派
中道:右派 極端:右派
予測される参加数の限界効果
動員圧力の強さ
※ 域内は95%信頼区間を示す
仮説2の検証:動員圧力に関する限界効果
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中道カテゴリは有意
であるが,他も有意
→ 仮説2を一部支持
- 13. 結論と含意
● 仮説1は概ね支持されるが,仮説2は全面的には支持されない
● 極端イデオロギー層:争点への意見保有量が多いほど参加促進
● 中道イデオロギー層:動員圧力が高いほど参加促進,ただし中道イデオ
ロギー層に限らず,全カテゴリで動員は効果あり
→ ① 中道イデオロギー層は,意見保有を高めても投票外参加を促さない
② 極端なイデオロギー層による先鋭的な意見が顕在化しやすい?
● 本稿の課題
● 従属変数の精緻化:Dalton(1996)による参加形態の分化
→ 中道イデオロギー層と動員の関係をより明確できる?
● 意見保有とイデオロギーの内生性:潜在変数としての因果仮定の妥当性
→ より現実妥当性の高い理論構築をめざす
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