SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 17
第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
NPO 版 SIB 専用ファンド
-ソーシャル・ファイナンスの新しいスキーム-
(大学・学部名) (氏名)
東京経済大学・経営学部3年 荒木貫治
東京経済大学・経済学部3年 籾山真貴志
東京経済大学・経営学部3年 関口裕貴
東京経済大学・経営学部2年 海老澤陸
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
1
現在、我が国では 様々な社会 問題が生じ ている。そうし た中で、近年 では NPO
や社会企業家 といった ソーシャル セクター が注目さ れており、 中でも震 災復興
の担 い 手と して NPO が 活躍 し た。 そ の他 の 社会 問 題解 決 の担 い 手と し ても
NPO 法人 が期待され ている。そ のためには 資金調達手 段を拡充さ せ、 NPO 法
人の資金的な援 助が必要で あると私た ちは考え ている。し かし、NPO 法 人の資
金調達の現状は、社会問題の解決に十分であるとは言えな い。
NPO 法人 の資金調達 手段は、主に寄附金 や借入金に 依存してお り、事業 を行
うのに必要な 資金調達 が難しい環 境にある 。また、 借入金にお いて、少 額であ
る個人からの借 入が大多数 を占めてい る。この 意味で NPO の資金調達 の基盤
は不安定であ るといえ よう。加え て、銀行 などの金 融機関から の借入を 受けて
いる NPO 法人は 、その規模 が大きく 、総収入別 でみると一 億円以上と なって
いる。また 、NPO の設 立時や運営 に際し 、資金調達 で苦労して いる現状が あり、
企業などから の資金提 供による共 同事業や 行政から 積極的に事 業を受託 したい
法人も多い。
そこで私たちは 、NPO 法人が 事業を行 うのに必要 な資金調達 が難しいと いう
現状を踏まえ 、ソーシ ャル・インパク ト・ボンド( 以下 SIB と称 する)を用い
て、NPO 法人にいわ ゆる投資マ ネーを供給 することで 、NPO 法人の資 金調達
手段を増やすことを目的とした「NPO 版 SIB 専用ファン ド」を提案 したい。
「NPO 版 SIB 専用ファ ンド」とは 、NPO 法人の 資金調達手 段を増やす ため
に民間の資金 を NPO 法人 に流入させ るものであ る。SIB を 用いた、報 酬額の
支払い主体が 財団法人 になるケー スと報酬 額の支払 い主体が政 府になる ケース
の二通りのスキ ームにより 、NPO 法人の 資金調達手 段を増やす 提案を行う 。こ
の二つのスキー ムでは、SIB を利用し 投資家から 資金を調達 し、仲介組 織であ
るファンドが資 金を管理し 、NPO 法人が その資金を もとに事業 を行い、その成
果に応じて財 団法人や 政府からフ ァンドを 通じて投 資家に配当 を支払う システ
ムを考えている。ま た、NPO 法人が報酬 額の支払い 主体に「成果報 告書」を提
出する。さらに 、ファンド は投資家が 投資対象 となる NPO 法人の情報 を取得
できるように、各 NPO 法人の「事業報 告書」及び「成果 報告書」を完備 する。
また、ファンドの運営は中間支援組織が行うことを想定し ている。
本提案により、 財団法人( 政府) は NPO 法人の 活動を合理 的に支援す るこ
とができ、NPO 法 人にも積極 的に事業が 展開できる ようになり 、投資家 にとっ
ては投資対象の裾野が広がるなどのメリットが考えられる 。
私たちが提案す る「NPO 版 SIB 専 用ファンド 」が定着 し、NPO 法人が 事業
を進めていく 上での資 金面の手助 けとなり 、社会問 題の改善に 貢献でき るよう
になることを願う。
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
2
1章 はじめに
現 在 、 我 が国 で は様 々 な 社会 問 題が 生 じ てい る 。そ う し た中 で 、近 年 で は
NPO や社 会企業家と いったソー シャルセ クターが注 目されてお り、中 でも震災
復興の担い手と して NPO が活躍し た。その他 の社会問題 解決の担い 手として
も NPO が 期待されて いる 。そのため には資金調 達手段を拡 充させ 、NPO の資
金的な援助が必 要であると 私たちは考 えている。し かし、NPO の資金 調達の現
状は、社会問題の解決に十分であるとは言えない。
そこで、本稿の目的 は、ソー シャル・インパク ト・ボンド(以 下 SIB と称す
る)を用いて、 NPO 法人 にいわゆる 投資マネー を供給する ことで、 NPO 法人
の資金調達手段の拡充を図ることである。
NPO 法人の主 な資金調達 手段は寄附 金や借入金 であるが、 これらだけ では、
NPO 法人は十分な資金調達をすることが難しいと考 えられる。
なお、本稿にお ける長所は 、財団法人 (政府)が NPO 法 人の活動を 合理的
に支援すること ができ、 NPO 法人に も積極的に 事業が展開 できるよう になり、
投資家にとって は投資対象 の裾野が広 がること が考えられ る。一方、短 所では、
NPO 法人 に対する投 資家の信頼 度が低い こと、政府 が NPO 法人の事 業を評価
する基準が不明確なことが考えられる。
本稿 の構成 は以下 の通 りであ る。2 章で は、NPO 法人の 必要性 を確 認し、
NPO 法人の 資金 調達手 段の現 状な どを概 観する 。以 上を意 識し、 3章 では、
NPO 法人 の資金調達 手段として 、SIB を提案す る。そして 、4章で終 わりにと
し、結びとする。
2章 現状分析
本稿では 、NPO の定義 は、団 体として社 会活動を 行っている NPO 法人とす
る。
日本では 1990 年代以降、阪神淡路 大震災時に おける政府 よりも早く 迅速な
対応や、アフガ ニスタンの 復興支援な どの NPO のボランテ ィア活動を 契機に、
1998 年に特定非営利活 動促進法( 以下 NPO 法 と称する) が制定され 、現在、
NPO は市民の多種多様なニーズに応える受け皿とし て期待され ている。
NPO 法 制定後 、NPO は年々注 目されるよ うになった(図1 参照)。図1は日
経テレコン 21 1と毎索2で「NPO」のワード で検索した 際のヒット 件数の推移 で
ある。図1より、1998 年から「NPO」が注目されていることが 分かる。
ここで、 NPO の必要性 について確 認しておき たい。 NPO の必要性 を合理的
1 日経テレコン 21 と は、日本 経済新聞デ ジタルメデ ィア社が提 供する日 本経済
新聞などのデータベースである。
2毎索とは、毎日新聞社が提供する毎日新聞のデータベース である。
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
3
に説明する際に 用いられる 代表的な 議論が二つ ある。それ は「市場の 失敗」と
「政府の失敗」である。
第一に「市場 の失敗」で ある。市 場の失敗と は、例えば 、物的商品 とサービ
ス商品で「情報 の非対称性 」 3が発生し、NPO には 非営利活動 の性質上 「非分
配制約」4というもの があり、これ により利用 者は営利組 織よりも NPO に信頼
を寄せる傾向がある。
第二に「政府 の失敗」で ある。政 府の役割に は公共財の 提供がある 。だが、
政府が公共財を 提供するこ とには限 界がある。 加えて政府 は公平に財 を提供す
るという性質上、市民の多種 多様なニー ズに対応す ることは 難しい。だが、NPO
法人では独自に 多様なニー ズに応え るサービス を提供する ことができ るため、
その存在が必要とされているのである。
しかし、NPO 法 人が活動し たくても 資金調達手 段が十分で ないという 課題が
生じている。内 閣府による 「平成 2 5 年度特定 非営利活動 法人に関す る実態調
査」によると 、借入先 は個人から の比率が 75%と 最も多く 、借入先が 偏ってい
ることがわかる(図2 参照)。加えて 、銀行など の金融機関 からの借入 を受けて
いる NPO 法人 は、その規 模が大き く、総収入 別でみると 一億円以上 となって
いる。また、NPO 法人の資 金需要につ いて、事業の 拡大を望ん でいる NPO 法
人が過半数を占 めている( 図3参照)。NPO 法人の設立時 や運営に際 し、資金
調達で苦労した と答えてい る NPO 法人が非常 に多いこと が判明した (図4参
照)。加えて、企 業などから の資金提 供による共 同事業や行 政から積極 的に事業
を受託し たい NPO 法 人も多 いこと が分かっ た(図 5参照)。以上 より、 NPO
法人の資金源の基盤が不安定であることがわかる。
3章 提案「NPO 版 SIB による NPO 法人への資金提供 」の内容
前章までで、 現行の資金 調達方法で は、NPO 法人の資金 調達手段が 少なく、
それらの手段に よって調達 できる金額 にも限界 が生じてお り、NPO 法 人の資金
需要に応えきれていないという課題を明らかにした。
そこで、本稿 では、「NPO 版 SIB」を 提案する。「 NPO 版 SIB 」とは、NPO
の資金調達手段 を増やすた めに、民間 の資金を NPO 法人 に流入させ るもので
ある。一般的には NPO 法人が非営 利組織で あることか ら、「非分配性」が生じ、
投資家へのリタ ーンは支払 えないが、 SI B の導 入により投 資家にリタ ーンを支
払うことができ るようにな り、NPO 法人でも一 般投資家か ら広く資金 を集めら
3 市場取引における買い手と売り手の当事者同士が保有する 情報が不均 衡であ
ること。(金融・経済用語辞典より引用)
4 NPO法人は得た利益を役員や社員(構成員)に分配する ことはでき ない制
約のこと。(さむらいディクショナリより引用)
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
4
れるようになる。そこで、本提 案では、SIB を用 いた二通り のスキーム により、
NPO 法人 の資金調達 手段を増加 させる。基 本的な構造 は同じであ るが、SIB に
よる報酬額の提 供主体が財 団法人の 場合と政府 の場合で異 なる仕様と なってい
る。以下では、 提案の内容 を説明し ていき、最 後に本提案 の長所と短 所を整理
する。
3-1 NPO 版 SIB の内容 -報酬額の支払い主体が財団法人のケース-
まず SIB とは、イ ギリス生ま れの債券 であり、行政が運営 している施 設に民
間のいわゆる投 資マネーを 流入させ 、行政の運 営コストを 削減すると ともに、
社会問題を解決するというものである。
報酬額を財団 法人が支払 うケース における本 提案の一 連 の流れは以 下のよう
になっている(図6参照)。
①財団法人はフ ァンドにど ういう NPO 法人に出 資してほし いか(例え ば、震
災復興の事業を行っている NPO 法人に出資など)を 指図する。
②投資家がファンドに出資する。
③ファンドが NPO 法人に出資する。
④事業が終了したら、NPO 法人が成果を財団法人に 報告する。
⑤財団法人がファンドに報酬を支払う。
⑥ファンドが投資家にリターンを支払う。
④について、成 果を報告す る際に NPO 法人は 財団に「成 果報告書」 を提出
するものとする 。この際の リターン の内訳は、 元本と報酬 額の分配金 を想定し
ている。⑤につ いて、財団 法人は、三 重県の NPO 室が作 成した事業 評価シス
テムを用いて評価する。
3-2 NPO 版 SIB の内容 -報酬額の支払い主体が政府のケース-
本節では、政府 が報酬額を 支払うス キームにつ いて説明し ていく。こ のスキ
ームの一連の順序は以下のようになっている(図7参照)。
①政府がファンドに出資先の NPO 法人を指図する。
②ファンドが投資家から出資を募る。
③そのお金をファンドが NPO 法人に出資を行う。
④出資を受け た NPO 法人は その資金 を元に特定 の事業を行 う。現在考 えてい
る特定の事業とは、社会的に問題が多くある介護分野と保 育分野であ る。
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
5
⑤事業を行った NPO は「成果報告書」をファンドに 提出する。
⑥ファンドは「成果報告書」を回収して政府に提出し、報 酬の請求を する。
⑦ファンドは政府から報酬額を受け取り投資家に「リター ン」5を支払 う。
この際、政 府から支払 われる成功 報酬は、「成果報告 書」を もとに政府 の予算
からどれだけ費 用を削減で きたか、 もしくは、 問題となっ ていること の解決に
どれだけ貢献できたかで判断する。
二章で述べたよ うに「政府 の失敗」 の理論上、 政府が直接 公共財の供 給を行
うことは望まし くないが、やは り、政府によ る NPO の支援は 必要であり、NPO
を経由すること による間接 的な公共 財の供給は 、政府にと っては効率 よく市民
のニーズに応え ることがで きる、千 載一遇の機 会となるの ではないか と考えら
れる。
この二つのス キームで NPO 法人 が報酬額の 支払い主体 に「成果報 告書」を
提出する。「成 果報告書 」とは、一プロジェ クトごと に NPO 法人が財 団法人に
提出する報告書 で、具体的 には、い つ、どこで 、どういう プロジェク トを実施
したのかなどを 記載する報 告書である(サン プル1参照 )。さら に、フ ァンドは
投資家が投資対 象となる NPO 法人の情報 を取得でき るように、各 NPO 法人の
「事業報告書」及び「成果報告書」を完備する。
また、ファンド の運営は中 間支援組 織が行うこ とを想定し ている。中 間支援
組織とは明確な 定義がない が、北野 NPO サポ ートセンタ ーによれば 、中間支
援組織とは、行 政と地域の 間にたっ て様々な活 動を支援す る組織のこ とを指し
ており、多くは NPO への支 援などを 主目的とし て発足して いるケース が多い、
ということであ る。この NPO への 支援が多い という点で ファンドの 運営者と
して考えている。
3-3 本提案の長所
本提案では、 現状では難 しかった民 間から NPO 法人へ の資金の流 れを作る
ことができる。 この仕組み ができるこ とにより 、今後 NPO 法人の活 動が活発
になることが見 込まれる。 本提案での NPO 法 人、投資家 、政府の三 部門それ
ぞれ の 利点 は 以 下の と おり で ある 。 ま ず政 府 だけ は 、対 応 し きれ な い問 題を
NPO 法人 が請け負う ことで政府 の負担を 軽減できる 。また 、本提 案により NPO
法人の活動が活 発化されれ ば、社会問 題解決の追 い風になる ことが期待 できる。
さらに、政府に とって不確 実性が高 い事業でも 低コストで 改善への一 歩を踏み
5本稿では、「リターン」を事業のリスクに対するリターンで はなく、 政 府の予
算の削減率に対するリターンとして扱う。
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
6
出せる。次に投資 家は、投資を 通して社会 貢献の意識 をもつこと ができる。NPO
法人は、資金調達手段が増えることにより、事業の幅を広 げることが できる。
3-4 本提案の今後の課題
本提案に関す る課題は二 つある。一 つ目は NPO 法人に 対する投資 家の信頼
度が低いことで ある。NPO 法人が 事業で成果 を出せなけ れば、投資家 への財団
法人からのリタ ーンや政府 からの「 リターン」 がなくなる リスクがあ る。その
ため、NPO 法人 は「成 果報告書 」を正確 に作成し 、投資家 へきちんと 説明しな
ければならない 。二つ目は 、政府が NPO 法人 の事業を評 価する基準 が不明確
なことである。 NPO 法人 の評価をす る明確な指 標はまだ確 立されてい ないが、
本稿では、三重 県の NPO 室が作成 した事業の 評価手段を 指標として 取り入れ
る(図8参照)。この指標 はいわゆる PDCA サイ クル 6をもとに5段階 で評価
するものである 。これをも とに財団法 人(もし くは政府)が NPO 法 人の事業
を評価し、ファ ンドがこの 評価を監 査すること で評価の健 全性を高め ることを
考えている。また、NPO 法人には金 銭面での リスクはな く、たとえ事 業を失敗
したとしても 、失う ものは NPO 法人 への信頼だ けになるた め、NPO 法人の事
業へのモチベー ションが向 上しない可 能性があ る。しかし、債券という 性質上、
本提案によって 調達した金 額には償還 の義務が 生じるため 、NPO 法人 が資金調
達額の償還に必 要な事業は 行われる と考えてい る。さらに 、本提案で は、事業
に失敗した NPO 法人に対 して1年 間財団法人 や政府、当 ファンドか らの出資
及び助成金の受 理を無効と するペナ ルティを課 すこととす る。加えて 、このペ
ナルティに遡及 効果を持た せること により、よ りペナルテ ィを強化す ることに
する。
4章 終わりに
本稿では、SIB を利用し投資家から資金を調達し、仲介組織で あるファン ド
が資金を管理し、NPO 法人がその 資金をもと に事業を行 い、その成果 に応じて
財団法人や政府からファンドを通じて投資家にリターン7を 支払うシス テムを
提案した。今後の 展望として 資金面での 援助を受け、NPO 法人の更な る事業活
動の幅が広がることを期待している。
6業務プロセスの 管理手法の 一つで、計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善
(act)という 4 段階 の活動を繰 り返し行な うことで 、継続的 にプロセス を改善し
ていく手法。(e-Words より引用)
7 このリターンは、財団法人からのリターンと政府からの「 リターン」 の両方
の意で使用している。
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
7
【参考文献】
●島田恒 2013 年 「非営利組織研究-その本質と管理-」文眞堂
●塚本一郎 他 2004 年 「NPO と新しい社会デザイン」同文館
●後藤和子 他 2005 年 「市民活 動論:持続 可能で創造 的な社会に 向けて」
有斐閣
●日本経済新聞 2013 年 1 月 16 日 「社会貢献に投資呼び 込め、ウォ ール街、
新金融像探る(地球回覧)」13 ページ
●日本経済新聞 2014 年 1 月 4 日 「NP O法人の6 割、「資金環境整 備を」、
内閣府調査。」3 ページ
●エコノミスト 2013 年 8 月 6 日 42〜44 ページ
●「NPO など新 たな事業・雇 用の担い手 に関する研 究会 第 2回資金面」 2014
年 6 月 中小企業庁
●松尾順介 「 ソーシャル インパク ト債と社会 貢献型投資 の評価手段 」 証券
経済研究 第 84 号 2013 年 12 月
●マクシミリア ン・マーチ ン 「社 会的インパ クトを投資 可能にする 」 笹川
平和財団 インパクト・エコノミー・ワーキング・ペーパーズ Vol.4
●山口高弘 他 「ソーシ ャルイノベ ーションの 加速に向 けた SROI と SIB の
ススメ」 株式会社野村総合研究所 公共経営戦略コンサルティング部
●藤井辰紀 「 NPO 法 人の存在意 義と経営課 題」 日本政 策金融公庫 総合研究
所主任研究員
●「NPO 法人の経営 状況に関す る実態調査 」 2012 年 2 月 16 日 日 本政策金
融公庫総合研究所
●「改正特定非営利活動促進法(NPO 法)について 」 内閣府 NPO
●「NPO 事業ニーズに関する資料」 全国労働金庫協会
●「ソーシャル・ファイ ナンスにつ いて」 2013 年 2 月 28 日 大和 総研環境
調査部・金融調査部
●五十嵐香織 「NPO/NGO への資 金支援拡大 に向けたイ ンターミデ ィアリ設
立の可能性と課 題~企業・ 労働組合 との連健に よる取り組 みを事例と して~」
21 世紀社会デザイン研究 2005 No.4
●「特定非営利 活動法人ニ ーズ把握 調査」 2005 年 3 月 東京都生活 文化局都
民生活部
●「特定非営利 活動促進法 のあらま し」 2012 年 2 月 内 閣府大臣官 肩 市民
活動促進化
●「特定非営利 活動法人制 度のしく み」 2012 年 2 月 内 閣府大臣官 肩 市民
活動促進化
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
8
●「平成 25 年度 特 定非営利活 動法人に関 する実態調 査」 2013 年 12 月 内
閣府
●「資金面の課 題の解決に 向けて」 2013 年 12 月 24 日 資金面の 課題に関
する WG
●羽生正宗 「 社会的課題 への取り組 み社会起 業 NPO 法人」 2008 年 11 月
大蔵財務協会
「NPO の資金循環システムの構築」 2004 年 9 月 総合研究開発機構
【参考 HP】
● slide share
http://www.slideshare.net/takukumazawa/sib -15359664
● 北野嘉哉事務所
http://www.kitanooffice.co.jp/
● 北野 NPO サポートセンター
http://www9.plala.or.jp/kitami-npo/index.html
● 九 州 大 学 産 学 連 携 セ ミ ナ ー 地 域 政 策 デ ザ イ ナ ー 養 成 講 座
http://planqd.kyushu-u.ac.jp/blog/
● NPO を 元気 にする 課題解 決ノ ウハウ バンク 困 ったと きのゲ ンバ の知恵
袋
http://www.shimin-sector.jp/knowhow/
● NPO 法人設立・運営ガイド
http://npoacchi.com/p10-4.html
● DRIVE
http://www.etic.or.jp/drive/
● はじめての NPO・NGO ガイド
http://www.npo-ngo.com/
● NPO 法人データベース NPO ヒロバ
http://www.npo-hiroba.or.jp/
● 日本 NPO センターの Q&A
http://www.jnpoc.ne.jp/
● 株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ HP
http://www.slideshare.net/takukumazawa/sib -20130107
● 内閣府 NPO HP
https://www.npo-homepage.go.jp/
● NPO 設立支援プログラム
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
9
http://npo.ii-support.jp/seturitu-qa/page072.html
● 日立環境財団 HP
http://www.hitachi-zaidan.org/kankyo/works/work03.html
● ファーストウェイ HP
http://www.fastway.jp/what/2.php
● 日本 NPO センター HP
http://www.jnpoc.ne.jp/
● NPOWEB HP
http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?cat_id=6
● NPO 法人の経営に関する実態調査
www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_120216_3.pdf
● 最近の特定非営利活動法人の資金調達に関する実態・課題 の把握
www.npo-homepage.go.jp/pdf/h21kihonchousa-4.pdf
● NPO 法人の資金調達の動向
www.biztop.jp/open/nagoya/br4825.pdf
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
10
図1 日経テレコン 21 と毎索における「NPO」のヒット件数の推移
出所:日経テレコン 21 と毎索を参考に筆者作成
図1は日経テレ コン 21 と毎索 で、「NPO」のワ ードで検索 した際にヒ ットし
た記事数の推移 を表してい る。1998 年から急激 にヒット件 数が上昇し ているこ
とがわかる。ま た、毎索で は、日経 テレコンと 比べると件 数が多いま ま維持し
ていることがわかる。
図2 NPO 法人の借入先
出所:「平成 25 年度特定非営 利活動法人 に関する 実態調査 」を参考に 筆者作成
図2は NPO 法 人の借入先 の内訳を 示している 。図3から 、個人から の借入
が圧倒的に多いことがわかる。
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012
件
数
年度
日経テレコン21 毎索
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
11
図3 NPO 法人の今後の活動内容の調査結果
出所:独立 行政法人中 小企業基盤 整備機構「事業型 NPO 法人・支援型 NPO 法
人の現状と課題」平成 21 年3月 より筆者作成
図3は NPO 法人の今後 の事業活 動の内容に 関する調査 結果である 。図3よ
り、56%の法人が事業を拡大したいとしていることがわかる。
図4 NPO 法人の設立時・運営時にうまくいったことと苦労
出所:「平成 25 年度特定非営利活動法人に関する実態調査」を 参考に筆者 作
図4は NPO 法 人が設立時 と運営時 にうまくい ったことと 苦労したこ とをまと
めた表である。表より、資金調達で苦労していることがわ かる。
図5 NPO 法人の資金調達に対する考え方
男(N=1747) 女(N=1371) 男(N=1781) 女(N=1416) 男(N=1811) 女(N=1428) 男(N=1837) 女(N=1395)
事業シーズの発掘、市場開拓 41.9 45.5 40.7 38.7 42.7 46.5 41.4 38.6
資金調達 34.2 35.2 61.1 61.6 33.7 35.7 64.5 63.7
組織づくり、マネジメント 50.1 47.8 45.2 48.5 47.6 44.2 45.4 51.5
人材の発掘・確保 48.9 52.5 44.7 43.9 42.2 43.2 51.9 54.8
人材の育成 29.1 35.4 52.7 51.6 32.4 38.3 56.4 58.1
法務、会計など専門的手続き 38.4 35.9 56.4 63.8 49.3 51.4 43.6 46.1
地域内での理解、賛同、支援 49.8 53.4 38.8 39.9 57.5 65.3 31.4 28.5
社会的な認知 38.7 39.1 50.8 54.2 55.2 63.6 37.6 31.5
情報発信 32.8 39.5 49.1 47.5 44.9 50.8 42.5 39.1
情報収集 40.9 42.5 39.8 43.7 49.9 54.4 33 33.3
地域内外とのネットワークづくり 32.4 39.4 47.7 46.1 44.6 54.8 40 35.3
家族の理解、賛同、支援 61.6 75.1 21.2 18.8 66.2 77.9 17 13
家庭生活との両立 54 62.1 25.8 29.1 57.8 63.3 23.4 27.1
収入を得るための仕事との両立 35.3 33 37.3 38.3 39.4 37.7 35.2 34.5
設立時うまくいったこと 設立時に苦労したこと 運営がうまくいっていること 運営で苦労していること
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
12
出所:「平成 25 年度特定非営利活動法人に関する実態調査」を 参考に筆者 作
図5は NPO 法人の資金 調達に対 する考え方 を示してお り、ホーム ページ上
や広報誌などの メディアを 通じて法 人運営状況 の透明化を 行いたい法 人が最も
多く、第一・第 二セクター からの資 金提供によ る共同事業 や行政から 積極的に
事業を受託したい法人も多いことがわかる。
図6 提案内容(財団法人が報酬額の支払い主体のケース)のイメー ジ図
出所:筆者作成
図6は報酬額の 支払い主体 が財団法 人になる場 合のイメー ジ図である 。①か
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
13
ら⑥の手順で投資が行われることを想定している。
図7 提案内容(政府が報酬額の支払い主体のケース)のイメージ図
出所:筆者作成
図7は報酬額の 支払い主体 が政府の 場合のイメ ージ図であ る。①から ⑦の手
順で投資が行われることを想定している。
図8 「市民による事業評価システム 99」の評価項目
分 類 評 価 項 目 設 問 項 目 得 点
予 算、企
画 力
1-
1
事 業 の 公
共性
この事業は、市民 活動団体が 行う事業と して
ふさわしい公共性をそなえていますか。
5、4、
3、2、
1
1-
2
事 業 の 効
果 予 測 と
事 業 計 画
書
この事業のもた らす効果を 予想した上 で、適
切な事業計画書は作成されましたか。
5、4、
3、2、
1
1-
3
費 用 対 効
果 と 事 業
規模
事 業 は 、 費 用 対 効 果 に 配慮 し た 上 で 企 画 さ
れ、予算及び人的 資源の面か ら見ても適 正で
したか。
5、4、
3、2、
1
1-
4
企 画 の 際
の 情 報 収
集
事業を企画す る際に過 去の事例(2-5の 設問
で作 成さ れた 改善 計画 書)及 び 、内 外の 事例
について情報収 集を行った 上で、事業計 画立
案が行われましたか。
5、4、
3、2、
1
1-
5
企 画 内 容
の妥当性
事業の行われた 場所、実施 時期、方法は 適切
に企画され、 対象とな る人々の事 情(ニーズ)
5、4、
3、2、
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
14
に即したものでしたか。 1
実 施、運
営 力
2-
1
業 務 実 施
時 期 と 役
割分担
事業実施過程で 発生する業 務について、事業
全体の中での実 行の時期や、担当者が明 確に
きめられていましたか。
5、4、
3、2、
1
2-
2
情 報 の 共
有
事 業 実 施 過 程 で 発 生 す る業 務 の 進 捗 状 況 に
関する情報や、業務内で発 生した問題 点、有
益な情報につい て、担当者間 で譲歩共有 が行
われていましたか。
5、4、
3、2、
1
2-
3
人材養成
こ の 事 業 を 遂 行 す る 上 で求 め ら れ る 人 材 養
成のための教育 、訓練、研修 機会が設け られ
ましたか。
5、4、
3、2、
1
2-
4
問 題 点 の
吸 上 げ と
業務改善
事業を行う際に 発生した問 題や苦情、意 見を
受け付ける体制 があり、適切 な対応及び 業務
改善が行われましたか。
5、4、
3、2、
1
2-
5
事 業 実 施
後 の 振 り
返り
事業の行われた 後、企画内容、事業 内容、及
びその結果に関 する反省が 行われ、改善 計画
書が作成されましたか。
5、4、
3、2、
1
市 民 参
加 度、公
開 性
3-
1
企 画 段 階
で の 公 開
性
事業計画の段階 で、この企画 に情報が公 開さ
れ、企画に関して 市民参画の 体制はあり まし
たか。
5、4、
3、2、
1
3-
2
事 業 実 施
の 際 の パ
ー ト ナ ー
シップ
事業実施の段階 で、実施に関 する情報が 公開
され、市民や、外 部団体との 協力体制は あり
ましたか。
5、4、
3、2、
1
3-
3
広 報 の 方
法
広 報 は 事 業 の 対 象 者 に 周知 さ れ る よ う な 形
で適切に行われましたか。
5、4、
3、2、
1
3-
4
広 報 の わ
か り や す
さ
広 報 の 内 容 は 誰 が 読 ん でも わ か り や す い も
のでしたか。
5、4、
3、2、
1
3-
5
事 業 後 の
情報公開
事業終了後報告 書及び決算 書が作成さ れ、一
般市民が閲覧することができますか。
5、4、
3、2、
1
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
15
市 民 社
会 へ の
貢 献 度
4-
1
企 画 意 図
の達成度
この 事業 は1- 2の 設問 で予 想 され た効 果は
ありましたか。
5、4、
3、2、
1
4-
2
市 民 の 主
体性
事業によって、 市民が自ら の役割を認 識し、
主体性をもって 考え、行動で きるように なり
ましたか。
5、4、
3、2、
1
4-
3
ネ ッ ト ワ
ー ク の 構
築
事業によって「 市民相互」の 関係は深ま りま
したか。
5、4、
3、2、
1
4-
4
事 業 対 象
者 の 満 足
度
事 業 対 象 者 は こ の 事 業 を通 じ て 十 分 に 満 足
を得ることができましたか。
5、4、
3、2、
1
4-
5
事 業 後 の
情報公開
事業終了後報告 書及び決算 書が作成さ れ、一
般市民が閲覧することができますか。
5、4、
3、2、
1
出所:内閣府 NPO より引用
図8は財団法人や政府が NPO 法人の事業の成果を評 価する際に 参考にする
ことを想定した 一覧表であ る。この一 覧表をもとに NPO 法 人の事業を 評価し、
報酬額を決める。
サンプル1
応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行)
(35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿
16
成果報告書
H26 年 9 月 27 日 第一号
荒木法人
待機児童減少プラン事業
事 業 内容
都内における待機児童数は、H26 年 4 月現在 8,672 人と昨年
に引き続き増加している。そこで、待機児童を減らすため、
都内の待機児童が多い地域で保育所運営を行った。
ス ケ ジュール
・ H23 年 4 月 世 田谷区で空き家のリフォームを開始。
・ H23 年 11 月 保育所完成
・ H24 年 5 月 保 育所運営開始
必 要 なコスト
初 期
リ フ ォーム費 1500 万
初 年 度
家 賃 年 240 万
人 件 費 年 100 万 ×5 人=500 万
食 費 年 50 万
光 熱 費 年 30 万
計 820 万
収 入
・ 保 育料 25 年度
3 万 ×12 か月×30 人=1080 万
諸 注 意、備考
・ 予 算の関係上遊具が足りない
・ 保 護者から保育士の人数を増やしてほしいとの要望があっ
た 。

Mais conteúdo relacionado

Mais procurados (6)

ソーシャルベンチャーへの投資を考える
ソーシャルベンチャーへの投資を考えるソーシャルベンチャーへの投資を考える
ソーシャルベンチャーへの投資を考える
 
平成24年度岡山県新しい公共支援事業担い手育成支援事業提案
平成24年度岡山県新しい公共支援事業担い手育成支援事業提案平成24年度岡山県新しい公共支援事業担い手育成支援事業提案
平成24年度岡山県新しい公共支援事業担い手育成支援事業提案
 
新型コロナウイルス対応支援助成2021年度提案書
新型コロナウイルス対応支援助成2021年度提案書新型コロナウイルス対応支援助成2021年度提案書
新型コロナウイルス対応支援助成2021年度提案書
 
休眠預金等活用事業実行団体向け説明資料
休眠預金等活用事業実行団体向け説明資料休眠預金等活用事業実行団体向け説明資料
休眠預金等活用事業実行団体向け説明資料
 
130222対話フォーラム onc
130222対話フォーラム onc130222対話フォーラム onc
130222対話フォーラム onc
 
2006-23
2006-232006-23
2006-23
 

Semelhante a Npo版sib専用ファンド-ソーシャル・ファイナンスの新しいスキーム-

Seedx haruta 1201019
Seedx haruta 1201019Seedx haruta 1201019
Seedx haruta 1201019SEEDx
 
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~休眠口座国民会議
 
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)10
 
何でも勉強会(協働)201301302010
何でも勉強会(協働)201301302010何でも勉強会(協働)201301302010
何でも勉強会(協働)201301302010嶋津 幸男
 
Financial accounting for public interest corporation
Financial accounting for public interest corporationFinancial accounting for public interest corporation
Financial accounting for public interest corporationNPOサポートセンター
 
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-千葉まちづくりアーカイブズ協議会
 
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411Tomoyuki Hashimoto
 
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0PMeducaiton
 
20120922 svs6用梅木講演資料
20120922 svs6用梅木講演資料20120922 svs6用梅木講演資料
20120922 svs6用梅木講演資料Yuhei Umeki
 

Semelhante a Npo版sib専用ファンド-ソーシャル・ファイナンスの新しいスキーム- (20)

Seedx haruta 1201019
Seedx haruta 1201019Seedx haruta 1201019
Seedx haruta 1201019
 
第4回実施報告書
第4回実施報告書第4回実施報告書
第4回実施報告書
 
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~
日本とイギリスにおける休眠預金活用の最前線~Big Society Capitalのすべて~
 
1102ソーシャルベンチャー プレゼンテーション
1102ソーシャルベンチャー プレゼンテーション1102ソーシャルベンチャー プレゼンテーション
1102ソーシャルベンチャー プレゼンテーション
 
Sib説明資料 20130107
Sib説明資料 20130107Sib説明資料 20130107
Sib説明資料 20130107
 
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)
2012-12-13 eco japan cup 「日本再生プロジェクト『抜擢』国民投票」(AKB総選挙式政策クラウドファンディング)
 
何でも勉強会(協働)201301302010
何でも勉強会(協働)201301302010何でも勉強会(協働)201301302010
何でも勉強会(協働)201301302010
 
Financial accounting for public interest corporation
Financial accounting for public interest corporationFinancial accounting for public interest corporation
Financial accounting for public interest corporation
 
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-
市民活動基盤整備とは?-千葉県版「新しい公共」支援事業視点-
 
証券大会論文
証券大会論文証券大会論文
証券大会論文
 
ふるさと起業家育成事業 概要
ふるさと起業家育成事業 概要ふるさと起業家育成事業 概要
ふるさと起業家育成事業 概要
 
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411
Canpanフォーラム 講義レジュメ 東京_荻上_20130411
 
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
 
Sib開発と傾向 social finance
Sib開発と傾向 social finance Sib開発と傾向 social finance
Sib開発と傾向 social finance
 
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
Sib開発と傾向 social finance 日本語訳 最終
 
日本型ソーシャルインパクトボンド導入可能性
日本型ソーシャルインパクトボンド導入可能性日本型ソーシャルインパクトボンド導入可能性
日本型ソーシャルインパクトボンド導入可能性
 
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0
【説明資料】ミッション型協働プログラムR1.0
 
20120922 svs6用梅木講演資料
20120922 svs6用梅木講演資料20120922 svs6用梅木講演資料
20120922 svs6用梅木講演資料
 
Social media for public interest corporation
Social media for public interest corporationSocial media for public interest corporation
Social media for public interest corporation
 
【ミニグランプリ】Jebda紹介プレゼン資料r1.0
【ミニグランプリ】Jebda紹介プレゼン資料r1.0【ミニグランプリ】Jebda紹介プレゼン資料r1.0
【ミニグランプリ】Jebda紹介プレゼン資料r1.0
 

Último

世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム
世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム
世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラムKochi Eng Camp
 
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024The_Five_Books_Overview_Presentation_2024
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024koheioishi1
 
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学ssusere0a682
 
TokyoTechGraduateExaminationPresentation
TokyoTechGraduateExaminationPresentationTokyoTechGraduateExaminationPresentation
TokyoTechGraduateExaminationPresentationYukiTerazawa
 
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~Kochi Eng Camp
 
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2Tokyo Institute of Technology
 
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料Tokyo Institute of Technology
 
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料Takayuki Itoh
 

Último (8)

世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム
世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム
世界を変えるクレーンを生み出そう! 高知エンジニアリングキャンプ2024プログラム
 
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024The_Five_Books_Overview_Presentation_2024
The_Five_Books_Overview_Presentation_2024
 
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学
ゲーム理論 BASIC 演習106 -価格の交渉ゲーム-#ゲーム理論 #gametheory #数学
 
TokyoTechGraduateExaminationPresentation
TokyoTechGraduateExaminationPresentationTokyoTechGraduateExaminationPresentation
TokyoTechGraduateExaminationPresentation
 
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~
次世代機の製品コンセプトを描く ~未来の機械を創造してみよう~
 
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2
東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 大学院入学入試・進学説明会2024_v2
 
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
2024年度 東京工業大学 工学院 機械系 大学院 修士課程 入試 説明会 資料
 
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料
生成AIの回答内容の修正を課題としたレポートについて:お茶の水女子大学「授業・研究における生成系AIの活用事例」での講演資料
 

Npo版sib専用ファンド-ソーシャル・ファイナンスの新しいスキーム-

  • 1. 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 NPO 版 SIB 専用ファンド -ソーシャル・ファイナンスの新しいスキーム- (大学・学部名) (氏名) 東京経済大学・経営学部3年 荒木貫治 東京経済大学・経済学部3年 籾山真貴志 東京経済大学・経営学部3年 関口裕貴 東京経済大学・経営学部2年 海老澤陸
  • 2. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 1 現在、我が国では 様々な社会 問題が生じ ている。そうし た中で、近年 では NPO や社会企業家 といった ソーシャル セクター が注目さ れており、 中でも震 災復興 の担 い 手と して NPO が 活躍 し た。 そ の他 の 社会 問 題解 決 の担 い 手と し ても NPO 法人 が期待され ている。そ のためには 資金調達手 段を拡充さ せ、 NPO 法 人の資金的な援 助が必要で あると私た ちは考え ている。し かし、NPO 法 人の資 金調達の現状は、社会問題の解決に十分であるとは言えな い。 NPO 法人 の資金調達 手段は、主に寄附金 や借入金に 依存してお り、事業 を行 うのに必要な 資金調達 が難しい環 境にある 。また、 借入金にお いて、少 額であ る個人からの借 入が大多数 を占めてい る。この 意味で NPO の資金調達 の基盤 は不安定であ るといえ よう。加え て、銀行 などの金 融機関から の借入を 受けて いる NPO 法人は 、その規模 が大きく 、総収入別 でみると一 億円以上と なって いる。また 、NPO の設 立時や運営 に際し 、資金調達 で苦労して いる現状が あり、 企業などから の資金提 供による共 同事業や 行政から 積極的に事 業を受託 したい 法人も多い。 そこで私たちは 、NPO 法人が 事業を行 うのに必要 な資金調達 が難しいと いう 現状を踏まえ 、ソーシ ャル・インパク ト・ボンド( 以下 SIB と称 する)を用い て、NPO 法人にいわ ゆる投資マ ネーを供給 することで 、NPO 法人の資 金調達 手段を増やすことを目的とした「NPO 版 SIB 専用ファン ド」を提案 したい。 「NPO 版 SIB 専用ファ ンド」とは 、NPO 法人の 資金調達手 段を増やす ため に民間の資金 を NPO 法人 に流入させ るものであ る。SIB を 用いた、報 酬額の 支払い主体が 財団法人 になるケー スと報酬 額の支払 い主体が政 府になる ケース の二通りのスキ ームにより 、NPO 法人の 資金調達手 段を増やす 提案を行う 。こ の二つのスキー ムでは、SIB を利用し 投資家から 資金を調達 し、仲介組 織であ るファンドが資 金を管理し 、NPO 法人が その資金を もとに事業 を行い、その成 果に応じて財 団法人や 政府からフ ァンドを 通じて投 資家に配当 を支払う システ ムを考えている。ま た、NPO 法人が報酬 額の支払い 主体に「成果報 告書」を提 出する。さらに 、ファンド は投資家が 投資対象 となる NPO 法人の情報 を取得 できるように、各 NPO 法人の「事業報 告書」及び「成果 報告書」を完備 する。 また、ファンドの運営は中間支援組織が行うことを想定し ている。 本提案により、 財団法人( 政府) は NPO 法人の 活動を合理 的に支援す るこ とができ、NPO 法 人にも積極 的に事業が 展開できる ようになり 、投資家 にとっ ては投資対象の裾野が広がるなどのメリットが考えられる 。 私たちが提案す る「NPO 版 SIB 専 用ファンド 」が定着 し、NPO 法人が 事業 を進めていく 上での資 金面の手助 けとなり 、社会問 題の改善に 貢献でき るよう になることを願う。
  • 3. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 2 1章 はじめに 現 在 、 我 が国 で は様 々 な 社会 問 題が 生 じ てい る 。そ う し た中 で 、近 年 で は NPO や社 会企業家と いったソー シャルセ クターが注 目されてお り、中 でも震災 復興の担い手と して NPO が活躍し た。その他 の社会問題 解決の担い 手として も NPO が 期待されて いる 。そのため には資金調 達手段を拡 充させ 、NPO の資 金的な援助が必 要であると 私たちは考 えている。し かし、NPO の資金 調達の現 状は、社会問題の解決に十分であるとは言えない。 そこで、本稿の目的 は、ソー シャル・インパク ト・ボンド(以 下 SIB と称す る)を用いて、 NPO 法人 にいわゆる 投資マネー を供給する ことで、 NPO 法人 の資金調達手段の拡充を図ることである。 NPO 法人の主 な資金調達 手段は寄附 金や借入金 であるが、 これらだけ では、 NPO 法人は十分な資金調達をすることが難しいと考 えられる。 なお、本稿にお ける長所は 、財団法人 (政府)が NPO 法 人の活動を 合理的 に支援すること ができ、 NPO 法人に も積極的に 事業が展開 できるよう になり、 投資家にとって は投資対象 の裾野が広 がること が考えられ る。一方、短 所では、 NPO 法人 に対する投 資家の信頼 度が低い こと、政府 が NPO 法人の事 業を評価 する基準が不明確なことが考えられる。 本稿 の構成 は以下 の通 りであ る。2 章で は、NPO 法人の 必要性 を確 認し、 NPO 法人の 資金 調達手 段の現 状な どを概 観する 。以 上を意 識し、 3章 では、 NPO 法人 の資金調達 手段として 、SIB を提案す る。そして 、4章で終 わりにと し、結びとする。 2章 現状分析 本稿では 、NPO の定義 は、団 体として社 会活動を 行っている NPO 法人とす る。 日本では 1990 年代以降、阪神淡路 大震災時に おける政府 よりも早く 迅速な 対応や、アフガ ニスタンの 復興支援な どの NPO のボランテ ィア活動を 契機に、 1998 年に特定非営利活 動促進法( 以下 NPO 法 と称する) が制定され 、現在、 NPO は市民の多種多様なニーズに応える受け皿とし て期待され ている。 NPO 法 制定後 、NPO は年々注 目されるよ うになった(図1 参照)。図1は日 経テレコン 21 1と毎索2で「NPO」のワード で検索した 際のヒット 件数の推移 で ある。図1より、1998 年から「NPO」が注目されていることが 分かる。 ここで、 NPO の必要性 について確 認しておき たい。 NPO の必要性 を合理的 1 日経テレコン 21 と は、日本 経済新聞デ ジタルメデ ィア社が提 供する日 本経済 新聞などのデータベースである。 2毎索とは、毎日新聞社が提供する毎日新聞のデータベース である。
  • 4. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 3 に説明する際に 用いられる 代表的な 議論が二つ ある。それ は「市場の 失敗」と 「政府の失敗」である。 第一に「市場 の失敗」で ある。市 場の失敗と は、例えば 、物的商品 とサービ ス商品で「情報 の非対称性 」 3が発生し、NPO には 非営利活動 の性質上 「非分 配制約」4というもの があり、これ により利用 者は営利組 織よりも NPO に信頼 を寄せる傾向がある。 第二に「政府 の失敗」で ある。政 府の役割に は公共財の 提供がある 。だが、 政府が公共財を 提供するこ とには限 界がある。 加えて政府 は公平に財 を提供す るという性質上、市民の多種 多様なニー ズに対応す ることは 難しい。だが、NPO 法人では独自に 多様なニー ズに応え るサービス を提供する ことができ るため、 その存在が必要とされているのである。 しかし、NPO 法 人が活動し たくても 資金調達手 段が十分で ないという 課題が 生じている。内 閣府による 「平成 2 5 年度特定 非営利活動 法人に関す る実態調 査」によると 、借入先 は個人から の比率が 75%と 最も多く 、借入先が 偏ってい ることがわかる(図2 参照)。加えて 、銀行など の金融機関 からの借入 を受けて いる NPO 法人 は、その規 模が大き く、総収入 別でみると 一億円以上 となって いる。また、NPO 法人の資 金需要につ いて、事業の 拡大を望ん でいる NPO 法 人が過半数を占 めている( 図3参照)。NPO 法人の設立時 や運営に際 し、資金 調達で苦労した と答えてい る NPO 法人が非常 に多いこと が判明した (図4参 照)。加えて、企 業などから の資金提 供による共 同事業や行 政から積極 的に事業 を受託し たい NPO 法 人も多 いこと が分かっ た(図 5参照)。以上 より、 NPO 法人の資金源の基盤が不安定であることがわかる。 3章 提案「NPO 版 SIB による NPO 法人への資金提供 」の内容 前章までで、 現行の資金 調達方法で は、NPO 法人の資金 調達手段が 少なく、 それらの手段に よって調達 できる金額 にも限界 が生じてお り、NPO 法 人の資金 需要に応えきれていないという課題を明らかにした。 そこで、本稿 では、「NPO 版 SIB」を 提案する。「 NPO 版 SIB 」とは、NPO の資金調達手段 を増やすた めに、民間 の資金を NPO 法人 に流入させ るもので ある。一般的には NPO 法人が非営 利組織で あることか ら、「非分配性」が生じ、 投資家へのリタ ーンは支払 えないが、 SI B の導 入により投 資家にリタ ーンを支 払うことができ るようにな り、NPO 法人でも一 般投資家か ら広く資金 を集めら 3 市場取引における買い手と売り手の当事者同士が保有する 情報が不均 衡であ ること。(金融・経済用語辞典より引用) 4 NPO法人は得た利益を役員や社員(構成員)に分配する ことはでき ない制 約のこと。(さむらいディクショナリより引用)
  • 5. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 4 れるようになる。そこで、本提 案では、SIB を用 いた二通り のスキーム により、 NPO 法人 の資金調達 手段を増加 させる。基 本的な構造 は同じであ るが、SIB に よる報酬額の提 供主体が財 団法人の 場合と政府 の場合で異 なる仕様と なってい る。以下では、 提案の内容 を説明し ていき、最 後に本提案 の長所と短 所を整理 する。 3-1 NPO 版 SIB の内容 -報酬額の支払い主体が財団法人のケース- まず SIB とは、イ ギリス生ま れの債券 であり、行政が運営 している施 設に民 間のいわゆる投 資マネーを 流入させ 、行政の運 営コストを 削減すると ともに、 社会問題を解決するというものである。 報酬額を財団 法人が支払 うケース における本 提案の一 連 の流れは以 下のよう になっている(図6参照)。 ①財団法人はフ ァンドにど ういう NPO 法人に出 資してほし いか(例え ば、震 災復興の事業を行っている NPO 法人に出資など)を 指図する。 ②投資家がファンドに出資する。 ③ファンドが NPO 法人に出資する。 ④事業が終了したら、NPO 法人が成果を財団法人に 報告する。 ⑤財団法人がファンドに報酬を支払う。 ⑥ファンドが投資家にリターンを支払う。 ④について、成 果を報告す る際に NPO 法人は 財団に「成 果報告書」 を提出 するものとする 。この際の リターン の内訳は、 元本と報酬 額の分配金 を想定し ている。⑤につ いて、財団 法人は、三 重県の NPO 室が作 成した事業 評価シス テムを用いて評価する。 3-2 NPO 版 SIB の内容 -報酬額の支払い主体が政府のケース- 本節では、政府 が報酬額を 支払うス キームにつ いて説明し ていく。こ のスキ ームの一連の順序は以下のようになっている(図7参照)。 ①政府がファンドに出資先の NPO 法人を指図する。 ②ファンドが投資家から出資を募る。 ③そのお金をファンドが NPO 法人に出資を行う。 ④出資を受け た NPO 法人は その資金 を元に特定 の事業を行 う。現在考 えてい る特定の事業とは、社会的に問題が多くある介護分野と保 育分野であ る。
  • 6. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 5 ⑤事業を行った NPO は「成果報告書」をファンドに 提出する。 ⑥ファンドは「成果報告書」を回収して政府に提出し、報 酬の請求を する。 ⑦ファンドは政府から報酬額を受け取り投資家に「リター ン」5を支払 う。 この際、政 府から支払 われる成功 報酬は、「成果報告 書」を もとに政府 の予算 からどれだけ費 用を削減で きたか、 もしくは、 問題となっ ていること の解決に どれだけ貢献できたかで判断する。 二章で述べたよ うに「政府 の失敗」 の理論上、 政府が直接 公共財の供 給を行 うことは望まし くないが、やは り、政府によ る NPO の支援は 必要であり、NPO を経由すること による間接 的な公共 財の供給は 、政府にと っては効率 よく市民 のニーズに応え ることがで きる、千 載一遇の機 会となるの ではないか と考えら れる。 この二つのス キームで NPO 法人 が報酬額の 支払い主体 に「成果報 告書」を 提出する。「成 果報告書 」とは、一プロジェ クトごと に NPO 法人が財 団法人に 提出する報告書 で、具体的 には、い つ、どこで 、どういう プロジェク トを実施 したのかなどを 記載する報 告書である(サン プル1参照 )。さら に、フ ァンドは 投資家が投資対 象となる NPO 法人の情報 を取得でき るように、各 NPO 法人の 「事業報告書」及び「成果報告書」を完備する。 また、ファンド の運営は中 間支援組 織が行うこ とを想定し ている。中 間支援 組織とは明確な 定義がない が、北野 NPO サポ ートセンタ ーによれば 、中間支 援組織とは、行 政と地域の 間にたっ て様々な活 動を支援す る組織のこ とを指し ており、多くは NPO への支 援などを 主目的とし て発足して いるケース が多い、 ということであ る。この NPO への 支援が多い という点で ファンドの 運営者と して考えている。 3-3 本提案の長所 本提案では、 現状では難 しかった民 間から NPO 法人へ の資金の流 れを作る ことができる。 この仕組み ができるこ とにより 、今後 NPO 法人の活 動が活発 になることが見 込まれる。 本提案での NPO 法 人、投資家 、政府の三 部門それ ぞれ の 利点 は 以 下の と おり で ある 。 ま ず政 府 だけ は 、対 応 し きれ な い問 題を NPO 法人 が請け負う ことで政府 の負担を 軽減できる 。また 、本提 案により NPO 法人の活動が活 発化されれ ば、社会問 題解決の追 い風になる ことが期待 できる。 さらに、政府に とって不確 実性が高 い事業でも 低コストで 改善への一 歩を踏み 5本稿では、「リターン」を事業のリスクに対するリターンで はなく、 政 府の予 算の削減率に対するリターンとして扱う。
  • 7. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 6 出せる。次に投資 家は、投資を 通して社会 貢献の意識 をもつこと ができる。NPO 法人は、資金調達手段が増えることにより、事業の幅を広 げることが できる。 3-4 本提案の今後の課題 本提案に関す る課題は二 つある。一 つ目は NPO 法人に 対する投資 家の信頼 度が低いことで ある。NPO 法人が 事業で成果 を出せなけ れば、投資家 への財団 法人からのリタ ーンや政府 からの「 リターン」 がなくなる リスクがあ る。その ため、NPO 法人 は「成 果報告書 」を正確 に作成し 、投資家 へきちんと 説明しな ければならない 。二つ目は 、政府が NPO 法人 の事業を評 価する基準 が不明確 なことである。 NPO 法人 の評価をす る明確な指 標はまだ確 立されてい ないが、 本稿では、三重 県の NPO 室が作成 した事業の 評価手段を 指標として 取り入れ る(図8参照)。この指標 はいわゆる PDCA サイ クル 6をもとに5段階 で評価 するものである 。これをも とに財団法 人(もし くは政府)が NPO 法 人の事業 を評価し、ファ ンドがこの 評価を監 査すること で評価の健 全性を高め ることを 考えている。また、NPO 法人には金 銭面での リスクはな く、たとえ事 業を失敗 したとしても 、失う ものは NPO 法人 への信頼だ けになるた め、NPO 法人の事 業へのモチベー ションが向 上しない可 能性があ る。しかし、債券という 性質上、 本提案によって 調達した金 額には償還 の義務が 生じるため 、NPO 法人 が資金調 達額の償還に必 要な事業は 行われる と考えてい る。さらに 、本提案で は、事業 に失敗した NPO 法人に対 して1年 間財団法人 や政府、当 ファンドか らの出資 及び助成金の受 理を無効と するペナ ルティを課 すこととす る。加えて 、このペ ナルティに遡及 効果を持た せること により、よ りペナルテ ィを強化す ることに する。 4章 終わりに 本稿では、SIB を利用し投資家から資金を調達し、仲介組織で あるファン ド が資金を管理し、NPO 法人がその 資金をもと に事業を行 い、その成果 に応じて 財団法人や政府からファンドを通じて投資家にリターン7を 支払うシス テムを 提案した。今後の 展望として 資金面での 援助を受け、NPO 法人の更な る事業活 動の幅が広がることを期待している。 6業務プロセスの 管理手法の 一つで、計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善 (act)という 4 段階 の活動を繰 り返し行な うことで 、継続的 にプロセス を改善し ていく手法。(e-Words より引用) 7 このリターンは、財団法人からのリターンと政府からの「 リターン」 の両方 の意で使用している。
  • 8. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 7 【参考文献】 ●島田恒 2013 年 「非営利組織研究-その本質と管理-」文眞堂 ●塚本一郎 他 2004 年 「NPO と新しい社会デザイン」同文館 ●後藤和子 他 2005 年 「市民活 動論:持続 可能で創造 的な社会に 向けて」 有斐閣 ●日本経済新聞 2013 年 1 月 16 日 「社会貢献に投資呼び 込め、ウォ ール街、 新金融像探る(地球回覧)」13 ページ ●日本経済新聞 2014 年 1 月 4 日 「NP O法人の6 割、「資金環境整 備を」、 内閣府調査。」3 ページ ●エコノミスト 2013 年 8 月 6 日 42〜44 ページ ●「NPO など新 たな事業・雇 用の担い手 に関する研 究会 第 2回資金面」 2014 年 6 月 中小企業庁 ●松尾順介 「 ソーシャル インパク ト債と社会 貢献型投資 の評価手段 」 証券 経済研究 第 84 号 2013 年 12 月 ●マクシミリア ン・マーチ ン 「社 会的インパ クトを投資 可能にする 」 笹川 平和財団 インパクト・エコノミー・ワーキング・ペーパーズ Vol.4 ●山口高弘 他 「ソーシ ャルイノベ ーションの 加速に向 けた SROI と SIB の ススメ」 株式会社野村総合研究所 公共経営戦略コンサルティング部 ●藤井辰紀 「 NPO 法 人の存在意 義と経営課 題」 日本政 策金融公庫 総合研究 所主任研究員 ●「NPO 法人の経営 状況に関す る実態調査 」 2012 年 2 月 16 日 日 本政策金 融公庫総合研究所 ●「改正特定非営利活動促進法(NPO 法)について 」 内閣府 NPO ●「NPO 事業ニーズに関する資料」 全国労働金庫協会 ●「ソーシャル・ファイ ナンスにつ いて」 2013 年 2 月 28 日 大和 総研環境 調査部・金融調査部 ●五十嵐香織 「NPO/NGO への資 金支援拡大 に向けたイ ンターミデ ィアリ設 立の可能性と課 題~企業・ 労働組合 との連健に よる取り組 みを事例と して~」 21 世紀社会デザイン研究 2005 No.4 ●「特定非営利 活動法人ニ ーズ把握 調査」 2005 年 3 月 東京都生活 文化局都 民生活部 ●「特定非営利 活動促進法 のあらま し」 2012 年 2 月 内 閣府大臣官 肩 市民 活動促進化 ●「特定非営利 活動法人制 度のしく み」 2012 年 2 月 内 閣府大臣官 肩 市民 活動促進化
  • 9. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 8 ●「平成 25 年度 特 定非営利活 動法人に関 する実態調 査」 2013 年 12 月 内 閣府 ●「資金面の課 題の解決に 向けて」 2013 年 12 月 24 日 資金面の 課題に関 する WG ●羽生正宗 「 社会的課題 への取り組 み社会起 業 NPO 法人」 2008 年 11 月 大蔵財務協会 「NPO の資金循環システムの構築」 2004 年 9 月 総合研究開発機構 【参考 HP】 ● slide share http://www.slideshare.net/takukumazawa/sib -15359664 ● 北野嘉哉事務所 http://www.kitanooffice.co.jp/ ● 北野 NPO サポートセンター http://www9.plala.or.jp/kitami-npo/index.html ● 九 州 大 学 産 学 連 携 セ ミ ナ ー 地 域 政 策 デ ザ イ ナ ー 養 成 講 座 http://planqd.kyushu-u.ac.jp/blog/ ● NPO を 元気 にする 課題解 決ノ ウハウ バンク 困 ったと きのゲ ンバ の知恵 袋 http://www.shimin-sector.jp/knowhow/ ● NPO 法人設立・運営ガイド http://npoacchi.com/p10-4.html ● DRIVE http://www.etic.or.jp/drive/ ● はじめての NPO・NGO ガイド http://www.npo-ngo.com/ ● NPO 法人データベース NPO ヒロバ http://www.npo-hiroba.or.jp/ ● 日本 NPO センターの Q&A http://www.jnpoc.ne.jp/ ● 株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ HP http://www.slideshare.net/takukumazawa/sib -20130107 ● 内閣府 NPO HP https://www.npo-homepage.go.jp/ ● NPO 設立支援プログラム
  • 10. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 9 http://npo.ii-support.jp/seturitu-qa/page072.html ● 日立環境財団 HP http://www.hitachi-zaidan.org/kankyo/works/work03.html ● ファーストウェイ HP http://www.fastway.jp/what/2.php ● 日本 NPO センター HP http://www.jnpoc.ne.jp/ ● NPOWEB HP http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?cat_id=6 ● NPO 法人の経営に関する実態調査 www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_120216_3.pdf ● 最近の特定非営利活動法人の資金調達に関する実態・課題 の把握 www.npo-homepage.go.jp/pdf/h21kihonchousa-4.pdf ● NPO 法人の資金調達の動向 www.biztop.jp/open/nagoya/br4825.pdf
  • 11. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 10 図1 日経テレコン 21 と毎索における「NPO」のヒット件数の推移 出所:日経テレコン 21 と毎索を参考に筆者作成 図1は日経テレ コン 21 と毎索 で、「NPO」のワ ードで検索 した際にヒ ットし た記事数の推移 を表してい る。1998 年から急激 にヒット件 数が上昇し ているこ とがわかる。ま た、毎索で は、日経 テレコンと 比べると件 数が多いま ま維持し ていることがわかる。 図2 NPO 法人の借入先 出所:「平成 25 年度特定非営 利活動法人 に関する 実態調査 」を参考に 筆者作成 図2は NPO 法 人の借入先 の内訳を 示している 。図3から 、個人から の借入 が圧倒的に多いことがわかる。 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 件 数 年度 日経テレコン21 毎索
  • 12. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 11 図3 NPO 法人の今後の活動内容の調査結果 出所:独立 行政法人中 小企業基盤 整備機構「事業型 NPO 法人・支援型 NPO 法 人の現状と課題」平成 21 年3月 より筆者作成 図3は NPO 法人の今後 の事業活 動の内容に 関する調査 結果である 。図3よ り、56%の法人が事業を拡大したいとしていることがわかる。 図4 NPO 法人の設立時・運営時にうまくいったことと苦労 出所:「平成 25 年度特定非営利活動法人に関する実態調査」を 参考に筆者 作 図4は NPO 法 人が設立時 と運営時 にうまくい ったことと 苦労したこ とをまと めた表である。表より、資金調達で苦労していることがわ かる。 図5 NPO 法人の資金調達に対する考え方 男(N=1747) 女(N=1371) 男(N=1781) 女(N=1416) 男(N=1811) 女(N=1428) 男(N=1837) 女(N=1395) 事業シーズの発掘、市場開拓 41.9 45.5 40.7 38.7 42.7 46.5 41.4 38.6 資金調達 34.2 35.2 61.1 61.6 33.7 35.7 64.5 63.7 組織づくり、マネジメント 50.1 47.8 45.2 48.5 47.6 44.2 45.4 51.5 人材の発掘・確保 48.9 52.5 44.7 43.9 42.2 43.2 51.9 54.8 人材の育成 29.1 35.4 52.7 51.6 32.4 38.3 56.4 58.1 法務、会計など専門的手続き 38.4 35.9 56.4 63.8 49.3 51.4 43.6 46.1 地域内での理解、賛同、支援 49.8 53.4 38.8 39.9 57.5 65.3 31.4 28.5 社会的な認知 38.7 39.1 50.8 54.2 55.2 63.6 37.6 31.5 情報発信 32.8 39.5 49.1 47.5 44.9 50.8 42.5 39.1 情報収集 40.9 42.5 39.8 43.7 49.9 54.4 33 33.3 地域内外とのネットワークづくり 32.4 39.4 47.7 46.1 44.6 54.8 40 35.3 家族の理解、賛同、支援 61.6 75.1 21.2 18.8 66.2 77.9 17 13 家庭生活との両立 54 62.1 25.8 29.1 57.8 63.3 23.4 27.1 収入を得るための仕事との両立 35.3 33 37.3 38.3 39.4 37.7 35.2 34.5 設立時うまくいったこと 設立時に苦労したこと 運営がうまくいっていること 運営で苦労していること
  • 13. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 12 出所:「平成 25 年度特定非営利活動法人に関する実態調査」を 参考に筆者 作 図5は NPO 法人の資金 調達に対 する考え方 を示してお り、ホーム ページ上 や広報誌などの メディアを 通じて法 人運営状況 の透明化を 行いたい法 人が最も 多く、第一・第 二セクター からの資 金提供によ る共同事業 や行政から 積極的に 事業を受託したい法人も多いことがわかる。 図6 提案内容(財団法人が報酬額の支払い主体のケース)のイメー ジ図 出所:筆者作成 図6は報酬額の 支払い主体 が財団法 人になる場 合のイメー ジ図である 。①か
  • 14. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 13 ら⑥の手順で投資が行われることを想定している。 図7 提案内容(政府が報酬額の支払い主体のケース)のイメージ図 出所:筆者作成 図7は報酬額の 支払い主体 が政府の 場合のイメ ージ図であ る。①から ⑦の手 順で投資が行われることを想定している。 図8 「市民による事業評価システム 99」の評価項目 分 類 評 価 項 目 設 問 項 目 得 点 予 算、企 画 力 1- 1 事 業 の 公 共性 この事業は、市民 活動団体が 行う事業と して ふさわしい公共性をそなえていますか。 5、4、 3、2、 1 1- 2 事 業 の 効 果 予 測 と 事 業 計 画 書 この事業のもた らす効果を 予想した上 で、適 切な事業計画書は作成されましたか。 5、4、 3、2、 1 1- 3 費 用 対 効 果 と 事 業 規模 事 業 は 、 費 用 対 効 果 に 配慮 し た 上 で 企 画 さ れ、予算及び人的 資源の面か ら見ても適 正で したか。 5、4、 3、2、 1 1- 4 企 画 の 際 の 情 報 収 集 事業を企画す る際に過 去の事例(2-5の 設問 で作 成さ れた 改善 計画 書)及 び 、内 外の 事例 について情報収 集を行った 上で、事業計 画立 案が行われましたか。 5、4、 3、2、 1 1- 5 企 画 内 容 の妥当性 事業の行われた 場所、実施 時期、方法は 適切 に企画され、 対象とな る人々の事 情(ニーズ) 5、4、 3、2、
  • 15. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 14 に即したものでしたか。 1 実 施、運 営 力 2- 1 業 務 実 施 時 期 と 役 割分担 事業実施過程で 発生する業 務について、事業 全体の中での実 行の時期や、担当者が明 確に きめられていましたか。 5、4、 3、2、 1 2- 2 情 報 の 共 有 事 業 実 施 過 程 で 発 生 す る業 務 の 進 捗 状 況 に 関する情報や、業務内で発 生した問題 点、有 益な情報につい て、担当者間 で譲歩共有 が行 われていましたか。 5、4、 3、2、 1 2- 3 人材養成 こ の 事 業 を 遂 行 す る 上 で求 め ら れ る 人 材 養 成のための教育 、訓練、研修 機会が設け られ ましたか。 5、4、 3、2、 1 2- 4 問 題 点 の 吸 上 げ と 業務改善 事業を行う際に 発生した問 題や苦情、意 見を 受け付ける体制 があり、適切 な対応及び 業務 改善が行われましたか。 5、4、 3、2、 1 2- 5 事 業 実 施 後 の 振 り 返り 事業の行われた 後、企画内容、事業 内容、及 びその結果に関 する反省が 行われ、改善 計画 書が作成されましたか。 5、4、 3、2、 1 市 民 参 加 度、公 開 性 3- 1 企 画 段 階 で の 公 開 性 事業計画の段階 で、この企画 に情報が公 開さ れ、企画に関して 市民参画の 体制はあり まし たか。 5、4、 3、2、 1 3- 2 事 業 実 施 の 際 の パ ー ト ナ ー シップ 事業実施の段階 で、実施に関 する情報が 公開 され、市民や、外 部団体との 協力体制は あり ましたか。 5、4、 3、2、 1 3- 3 広 報 の 方 法 広 報 は 事 業 の 対 象 者 に 周知 さ れ る よ う な 形 で適切に行われましたか。 5、4、 3、2、 1 3- 4 広 報 の わ か り や す さ 広 報 の 内 容 は 誰 が 読 ん でも わ か り や す い も のでしたか。 5、4、 3、2、 1 3- 5 事 業 後 の 情報公開 事業終了後報告 書及び決算 書が作成さ れ、一 般市民が閲覧することができますか。 5、4、 3、2、 1
  • 16. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 15 市 民 社 会 へ の 貢 献 度 4- 1 企 画 意 図 の達成度 この 事業 は1- 2の 設問 で予 想 され た効 果は ありましたか。 5、4、 3、2、 1 4- 2 市 民 の 主 体性 事業によって、 市民が自ら の役割を認 識し、 主体性をもって 考え、行動で きるように なり ましたか。 5、4、 3、2、 1 4- 3 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 事業によって「 市民相互」の 関係は深ま りま したか。 5、4、 3、2、 1 4- 4 事 業 対 象 者 の 満 足 度 事 業 対 象 者 は こ の 事 業 を通 じ て 十 分 に 満 足 を得ることができましたか。 5、4、 3、2、 1 4- 5 事 業 後 の 情報公開 事業終了後報告 書及び決算 書が作成さ れ、一 般市民が閲覧することができますか。 5、4、 3、2、 1 出所:内閣府 NPO より引用 図8は財団法人や政府が NPO 法人の事業の成果を評 価する際に 参考にする ことを想定した 一覧表であ る。この一 覧表をもとに NPO 法 人の事業を 評価し、 報酬額を決める。 サンプル1
  • 17. 応募論文の本文<5枚以内>(1枚:35字×35行) (35 字×35 行) 第 10 回 日銀グランプリ応募原稿 16 成果報告書 H26 年 9 月 27 日 第一号 荒木法人 待機児童減少プラン事業 事 業 内容 都内における待機児童数は、H26 年 4 月現在 8,672 人と昨年 に引き続き増加している。そこで、待機児童を減らすため、 都内の待機児童が多い地域で保育所運営を行った。 ス ケ ジュール ・ H23 年 4 月 世 田谷区で空き家のリフォームを開始。 ・ H23 年 11 月 保育所完成 ・ H24 年 5 月 保 育所運営開始 必 要 なコスト 初 期 リ フ ォーム費 1500 万 初 年 度 家 賃 年 240 万 人 件 費 年 100 万 ×5 人=500 万 食 費 年 50 万 光 熱 費 年 30 万 計 820 万 収 入 ・ 保 育料 25 年度 3 万 ×12 か月×30 人=1080 万 諸 注 意、備考 ・ 予 算の関係上遊具が足りない ・ 保 護者から保育士の人数を増やしてほしいとの要望があっ た 。