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UXDのための
ストーリーテリング


  元山和之(UX KYOTO, @kudakurage)
1.ストーリーテリングとは


2.ストーリーのつくりかた
ストーリーテリングとは?

出来事や経験を言葉やイメージを使って
伝える方法。
そもそもストーリーテリングとは何か?ということです
 ストーリーテリングとは?
が、要はストーリーを語って、ある人が体験したことな
どを共有する方法のことを言います。といっても、ただ
あった出来事を羅列したものでは意味がありません。そ
 出来事や経験を言葉やイメージを使って
こでストーリーの重要な効果として考えられるの
 伝える方法。
が、、、
共感を引き出す
ストーリー ≠ シナリオ


エモーショナル   タスクの羅列
ストーリーの似たようなものにUCDプロセスで「シナリ
  ストーリー ≠ シナリオ
オ」という言葉がありますが、それと大きく違う点は、
ストーリーには登場するキャラクターの感情など「エ
モーショナル」な要素が入っているということです。
キャラクターの「嬉しかった・辛かった・大変だった・
困った」などの感情が入ることによって、オーディエン
   エモーショナル      タスクの羅列
スが共感したり、想像しやすくなります。
プレゼンと似てる?
ここまでで、ストーリーテリングはオーディエンスに語
ることで、要はプレゼンテーション?と思うかもしれま
せんが、それとも違います。
合理, 理性, 実用




       ビジネス
    プレゼンテーション

                                     メッセージの暗示


メッセージの明示


                        ストーリーテリング




           情緒, 本能, 感性
合理, 理性, 実用




      ビジネス
   プレゼンテーション
いわゆるプレゼンテーションは相手に伝えたいメッセー
ジが明確にあって、それを論理的に提示して説得する方
                     メッセージの暗示
法です。ストーリーテリングはメッセージを暗示させ
メッセージの明示
て、聞き手自らに想像を促し、感情や情動に刺激して行
動を促すものです。               ストーリーテリング




           情緒, 本能, 感性
ストーリーを使う
では、ストーリーはどういったことに使われるのかにつ
いて考えてみたいと思います。
・出来事を詳しく説明する

・オーディエンスの想像力をかき立てる

・新しいアイディアの発想を刺激する

・共通の理解を生み出す

・オーディエンスを説得する
UXDのための...
ストーリーを使うシーンというものがいくつか登場して
きましたが、「UXDのためのストーリーテリング」とい
う内容でしたので、UXDについても触れておきたいと思
います。
人間中心設計プロセス
人間中心設計プロセス
   HCDの
  必要性の特定

                  利用状況の
                             ユーザーの要求を知る技術
                  把握と明示




                  システムが特定の
     要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                              ユーザーと組織の
      設計の評価       要求事項を満足      要求事項の明示

デザイン・設計案の                        ユーザー要求を
妥当性を評価する技術                       システム要求に
                                 変換する技術

                  設計による
                 解決策の作成

                デザインや設計案を
                作りこむための技術
人間中心設計プロセス
  HCDの
 必要性の特定

              利用状況の
                        ユーザーの要求を知る技術
              把握と明示
人間中心設計プロセスというのは、その必要性の特定か
ら始まり、ユーザーの要求を知って、それをもとにプロ
トタイピングなどを行なって、最終的にはその妥当性に
             システムが特定の
   要求事項に対する           ユーザーと組織の
ついて評価するというプロセスです。これは要求が満た
    設計の評価
            ユーザー及び組織の
             要求事項を満足   要求事項の明示
されるまで何度でも繰り返し行ないます。大抵の場合、
デザイン・設計案の            ユーザー要求を
 完璧に要求は満たされないので、このサイクルをひたす
妥当性を評価する技術           システム要求に
                     変換する技術
ら行なっていくことになると思います。
              設計による
             解決策の作成

            デザインや設計案を
            作りこむための技術
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                                  ・アンケート
                    利用状況の         ・インタビュー
                    把握と明示         ・フィールド調査
                                  ・ユーザー観察




                    システムが特定の
       要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                                   ユーザーと組織の
        設計の評価       要求事項を満足         要求事項の明示

・ユーザビリティテスト                            ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                           ・シナリオの作成
・認知的ウォークスルー                            ・カードソーティング
                                       ・UXジャーニーマップ


                     設計による
                    解決策の作成

                  ・ペーパープロトタイピング
                  ・ワイヤーフレーム
                  ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                               ・アンケート
                 利用状況の         ・インタビュー
                 把握と明示         ・フィールド調査
実際にやることを当てはめてみると、このような感じに      ・ユーザー観察


なると思います。インタビューや観察をして、ペルソ
ナ・シナリオを作成し、ワイヤーフレームやペーパープ
             システムが特定の
   要求事項に対する           ユーザーと組織の
ロトタイピングを通してデザインを作成、実際に触って
    設計の評価
            ユーザー及び組織の
             要求事項を満足   要求事項の明示
 もらってユーザビリティテストをするという流れです。
・ユーザビリティテスト          ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                        ・シナリオの作成
ストーリーテリングはこのすべてのプロセスに関わって
・認知的ウォークスルー                         ・カードソーティング
                                    ・UXジャーニーマップ
いて、、、
                  設計による
                 解決策の作成

               ・ペーパープロトタイピング
               ・ワイヤーフレーム
               ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                                  ・アンケート
                    利用状況の         ・インタビュー

ストーリーを              把握と明示         ・フィールド調査
                                  ・ユーザー観察
集める


                    システムが特定の
       要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                                   ユーザーと組織の
        設計の評価       要求事項を満足         要求事項の明示

・ユーザビリティテスト                            ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                           ・シナリオの作成
・認知的ウォークスルー                            ・カードソーティング
                                       ・UXジャーニーマップ


                     設計による
                    解決策の作成

                  ・ペーパープロトタイピング
                  ・ワイヤーフレーム
                  ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                                  ・アンケート
                    利用状況の         ・インタビュー
                    把握と明示         ・フィールド調査
                                  ・ユーザー観察    ストーリーを
                                                つくる

                    システムが特定の
       要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                                   ユーザーと組織の
        設計の評価       要求事項を満足         要求事項の明示

・ユーザビリティテスト                            ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                           ・シナリオの作成
・認知的ウォークスルー                            ・カードソーティング
                                       ・UXジャーニーマップ


                     設計による
                    解決策の作成

                  ・ペーパープロトタイピング
                  ・ワイヤーフレーム
                  ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                                  ・アンケート
                    利用状況の         ・インタビュー
                    把握と明示         ・フィールド調査
                                  ・ユーザー観察




                    システムが特定の
       要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                                   ユーザーと組織の
        設計の評価       要求事項を満足         要求事項の明示

・ユーザビリティテスト                            ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                           ・シナリオの作成
・認知的ウォークスルー                            ・カードソーティング
                                       ・UXジャーニーマップ


                     設計による
                    解決策の作成           ストーリーを
                  ・ペーパープロトタイピング      共有する
                  ・ワイヤーフレーム
                  ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
    HCDの
   必要性の特定
                                  ・アンケート
                    利用状況の         ・インタビュー
                    把握と明示         ・フィールド調査
                                  ・ユーザー観察




                    システムが特定の
       要求事項に対する    ユーザー及び組織の
                                   ユーザーと組織の
        設計の評価       要求事項を満足         要求事項の明示

・ユーザビリティテスト                            ・ペルソナの作成
・ヒューリスティック評価                           ・シナリオの作成
・認知的ウォークスルー                            ・カードソーティング
                                       ・UXジャーニーマップ


                     設計による
   ストーリーを           解決策の作成
       使う         ・ペーパープロトタイピング
                  ・ワイヤーフレーム
                  ・アクティングアウト
人間中心設計プロセス
  HCDの
 必要性の特定

               利用状況の
ストーリーを         把握と明示
                               ストーリーを
集める                               つくる

               システムが特定の
   要求事項に対する   ユーザー及び組織の
                           ユーザーと組織の
    設計の評価      要求事項を満足      要求事項の明示




               設計による
 ストーリーを       解決策の作成        ストーリーを
     使う                     共有する
ストーリーのつくりかた

ストーリーの作り方に関してですが、ストーリーを「集
める」ということと「作る」という2つに大きく分ける
ことができます。
ストーリーを集める
・ユーザーインタビュー

・行動観察

・Web上のユーザー行動ログ

・カスタマーサービスの記録

・セールストレーニング、セールスデモ

・マーケットリサーチ(量的調査)
・ユーザーインタビュー

・行動観察

・Web上のユーザー行動ログ
今回のワークショップでは、チームでお互いにインタ
・カスタマーサービスの記録
ビューするという形式で行いました。
・セールストレーニング、セールスデモ

・マーケットリサーチ(量的調査)
・構造化インタビュー

・半構造化インタビュー

・非構造化インタビュー

・グループインタビュー
インタビューは大きく分けると、構造化・半構造化・非
 ・構造化インタビュー
構造化・グループインタビューという4つに分けること
ができます。構造化インタビューというのは聞くことが
 ・半構造化インタビュー
すべて決まっていて一問一答のアンケートのようなもの
です。非構造化インタビューは質問内容を特に定めず
・非構造化インタビュー
に、会話の中から回答者が意識していない考えを引き出
 ・グループインタビュー
す方法です。いわゆる質的調査で、打ち解けて心を開い
てもらわないといけないので、時間がかかります。
半構造化インタビュー
事前に大まかな質問事項を決めておき、回答者の答えによって

さらに詳細にたずねて行く簡易な質的調査法。
ワークショップでは半構造化インタビューで行いまし
   半構造化インタビュー
た。半構造化インタビューは事前に大まかな質問事項を
決めておき、回答者の答えによってさらに詳細にたずね
て行く簡易な質的調査法。構造化インタビューより質的
   事前に大まかな質問事項を決めておき、回答者の答えによって

   さらに詳細にたずねて行く簡易な質的調査法。
な調査が行えて、非構造化インタビューより短時間で行
えます。
半構造化インタビューの構成 (例)

1.あなたが話したい活動について話題を築く質問

2.テーマが相手にどれだけ当てはまっているのか

3.特定の事例について考えてもらう

4.特定の出来事について繰り返し聞き、理解する
アクティブリスニング
アクティブリスニングの
  ための10のTIPS
・関心を受け入れる → うなずく
・復唱する → 繰り返し言う
・振り返る → 感じたことを振り返る
・解釈する → 内容を思い浮かべながら聞く
・要約する、統合する → ひとつにまとめる
・フィードバックする → 共感などを伝える
・支持する → ぬくもりや思いやりを示す
・聞いたことを確かめる → 解釈の確認
・黙っている → 相手に考える時間を与える
ストーリーを作る
オーディエンスへの配慮
ストーリー




ストーリーテラー           オーディエンス
ストーリー
ストーリーテリングは、ストーリーとそれを語るストー
リーテラーだけではなく、オーディエンスがいて初めて
出来上がるものです。ストーリーテラーによって語られ
たストーリーはオーディエンスたちのリアクションや想
像の中で変化して、それが新たな気づきや発想を生み出
すタネとなるからです。
ですからオーディエンスに適切に届くように、ストー
リーの内容や語り方に配慮が必要となります。


ストーリーテラー           オーディエンス
誰に向けて語るのか?

 年配の方? 若者?
ユーザー? 経営者?
オーディエンスに配慮するというのは、具体的に言えば
「誰に向けて語るのか?」ということです。

  誰に向けて語るのか?
例えば「日本がバブルまっただ中の頃に…」という出だ
しではじまるストーリーの場合、年配の方は「楽しかっ
たあの頃…」と感じるかもしれないし、若者は「日本経
済崩壊の予兆の頃…」と感じるかもしれません。
     年配の方? 若者?
ユーザーと経営者向けとでは、ユーザーは感情や共感に
訴えかけるような、よりイメージしやすい話がいいかも
    ユーザー? 経営者?
しれませんし、経営者・マネージャーは明確なゴールや
目標を示すような内容で、短く簡潔に、インパクトのあ
る部分だけをまとめて話すほうがいいかもしれません。
ストーリーの構成要素




  5
ストーリーの構成要素
・視点

・キャラクター

・コンテクスト

・心的イメージ

・言葉づかい
ストーリーの構成要素

      心的イメージ



・視点
・キャラクター    言葉づかい
・コンテクスト
ストーリーの構成要素
心的イメージというのは他の構成要素によって加えられ
          心的イメージ
たディテールによって作られます。
言葉遣いはメインとなるキャラクターに依存していると
いう感じです。
簡単にそれぞれの要素についてお話しします。
   ・視点
   ・キャラクター         言葉づかい
   ・コンテクスト
視点
まず視点についてですが、あるストーリーにはメインと
なるキャラクターとそれに関わるサブ的なキャラクター
が存在します。それは視点を変えることによって、1つ

        視点
のストーリーでも様々な見方をすることができ、新たな
発見につながったりします。
ただ重要なことはオーディエンスに正しく伝えることな
ので、それを踏まえた上で視点を選びましょう。
友達         家族


      患者


看護婦        医師
友達           家族
例えば、とある患者が病気になってからそれを完治する
までのストーリーであれば、患者の周りには医師や看護
婦、家族、友達など関わる人がいると思います。
メインとなるのは病気を治す患者となるかもしれません
           患者
が、医師や看護婦という視点で見れば医療現場に関する
気づきがあるかもしれませんし、家族や見舞いに来た友
達などの視点で見れば、また新たな気づきがあるかもし

   看護婦
れません。
                 医師
キャラクター
つぎにキャラクターについてです。キャラクターにはそ
の人の動機や好み、目的の理解をするための特徴づけが

 キャラクター
重要になります。
ただ単に、「ユーザー」といっても漠然としすぎてしま
うのでストーリーを想像しにくいですよね。
キャラクターの作り方

・意味を与えるディテールを選ぶ

・形容ではなく、行動を記述する

・伏線をはる
意味を与えるディテールを選ぶっていうのはさっきから
何度も言っていることだと思います。余分に付け加え過

   キャラクターの作り方
ぎないってことですね。
最後の伏線をはるというのは、ストーリーを作っていく
上でヒントになるものです。例えば、元がん患者のキャ
ラクターだったりしたら、あとあと「忍耐強さ・粘り強
   ・意味を与えるディテールを選ぶ
さ」といった特徴に触れることができるかもしれませ
ん。   ・形容ではなく、行動を記述する
2番目の「形容ではなく、行動を記述する」というのは
   ・伏線をはる
一つ良いヒントになるのではないかと思います。形容詞
だけで表現しようとすると抽象化されてしまって、具体
的なイメージが浮かびにくいのです。例を次にあげます
1. 節約上手な〇〇さん



2. 自分と2人の子供のために、週4日
 分の材料で7日分の夕食をやりくり

 しているシングルマザーの〇〇さん
言葉づかい
キャラクターが決まったら、言葉づかいにも注意する必
要があります。


   言葉づかい
例えば、とあるおばあちゃんがパソコンに向かって四苦
八苦するストーリーを語るとして、「URLバーが見つか
らない…」とか「検索ボックスをフォーカスして…」と
か言わないですよね。っていう話です。
コンテクスト
構成要素の最も大きなモノがこの「コンテクスト」だと


 コンテクスト
思います。コンテクストには5つの種類があると本書で
は書いてあるのですが、大きく分けると4つになるので
はないかと思います。
・物理的コンテクスト

・情緒的コンテクスト

・知覚的コンテクスト

・歴史的/記憶コンテクスト
最後の「歴史的/記憶コンテクスト」というのが似ていて、
本の中では別であつかれているのですが一緒にしています。
物理的コンテクスト

時刻・季節時期・物理的な場所
PM11時   12月・冬・大晦日   京都駅・新幹線のホーム


物理的コンテクストは「いつ・どこで・なにを」という具体的な
コンテクストです。
情緒的コンテクスト
キャラクターの感じている気持ち
    嬉しい・悲しい・怒っている・困った・心配している



情緒的コンテクストはキャラクターの感じている気持ちですね。キャラ
クターがそのときどんな気持ちなのかというのは、ストーリーのひとつ
大事なところだと思います。
知覚的コンテクスト
    五感を表すコンテクスト
        聞こえる音・臭い・触った時の質感



知覚的コンテクストは、五感を表すコンテクストです。これが入ってくる
とオーディエンスにもその場の雰囲気をイメージしやすいと思います。
歴史的・記憶コンテクスト

 歴史:世間一般の事実
 記憶:オーディエンスによる
歴史的・記憶コンテクストは、昔を振り返るときにつか
うコンテクストです。歴史的は世間一般の事実的なこと
歴史的・記憶コンテクスト
で、記憶コンテクストはもっとアバウトな表現になると
思います。
例えば、歴史的で言えば「iPhoneが発売したとき…」と
か「ケータイでウェブを見る人は少なかったころ…」と
   歴史:世間一般の事実
いう感じです。
    記憶:オーディエンスによる
記憶コンテクストだったら「まだ子供の頃…」とか「大
学に入学したときのこと…」という感じです。
ストーリーの構成要素

      心的イメージ



・視点
・キャラクター    言葉づかい
・コンテクスト
ストーリーの構造パターン




  6
ストーリーの構造パターン
ストーリーの構造パターンについて話したいと思いま
す。




      6
ジョージ・キャンベルっていう人が、世界中のあらゆる
時代のストーリーを研究した結果、ほぼ同じ構造化され
たパターンでできていると分かったそうです。ストー
リーの構造っていうのは昔からあまり変わっていないの
で、決まった馴染みの構造を使うことで聞き手にも理解
しやすくなるのではと言っています。
本書では6つのパターンが紹介されていました。
ストーリーの構造パターン
・規範的構造
・英雄的構造
・馴染みのあるものから見慣れないもの
・フレーム化
・階層化
・文脈的幕間
ストーリーの構造パターン
・規範的構造
紹介されている6つはこれらです。ただ今回は上2つの
・英雄的構造
規範的構造と英雄的構造がわかりやすくて、使いやすい
 ・馴染みのあるものから見慣れないもの
ので、この2つを詳しく紹介します。
・フレーム化
・階層化
・文脈的幕間
規範的構造(起承転結)
1.タイトル
2.前提(コンテクスト)
3.そして(追加のコンテクスト)
4.いつ(イベント)
5.それから(結果)
6.さらに(もうひとつの結果)
規範的構造(起承転結)
 1.タイトル
規範的構造というのはもっともベーシックなパターン
  2.前提(コンテクスト)
で、俗にいう起承転結だと解釈しています。シンプルな
穴埋め式アプローチでストーリーを作れるので、簡単に
  3.そして(追加のコンテクスト)
作ることができると思います。
 4.いつ(イベント)
 5.それから(結果)
 6.さらに(もうひとつの結果)
英雄的構造
次に英雄的構造というパターンなんですが、ワーク
ショップではコレを使ってストーリーを作りました。コ

      英雄的構造
レも起承転結と似ているんですが、困難があって、それ
を乗り越えて達成するというストーリーがこのパターン
じゃないかと思います。
日常の世界

4.日常世界への帰還            1.冒険へのきっかけ




             世界の境界線




   3.目的の達成            2.はじまりと試練




             冒険の世界
具体的にはこんな感じの図があって、4ステップに当てはめながらス
トーリーを作っていきます。ロード・オブ・ザ・リングみたいなファ
             日常の世界
ンタジーっぽい話とかは大抵このパターンになっていると思います。
実際にざっくりと当てはめてみると、
  4.日常世界への帰還            1.冒険へのきっかけ


1.UXについてもっと学びたい。UX KYOTOというイベントを開い
て勉強しようと思う
              世界の境界線
2.人集めやイベントの準備などやることや決めることがたくさんあっ
て大変
3.周りの人からの協力もあって無事イベントは成功したし、学び合う
仲間も増えた
    3.目的の達成             2.はじまりと試練
4.社内にもUXに関する理解や知見を深めようとする動きをもたらせ
た
              冒険の世界
といった感じです。
ストーリーの使い方についてもう一度


・出来事を詳しく説明する

・オーディエンスの想像力をかき立てる

・新しいアイディアの発想を刺激する

・チームなどで共通の理解を生み出す

・オーディエンスを説得する

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