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Semelhante a FinTech と分散システム 〜またの名を仮面ライダーフィンテック〜 (20)
FinTech と分散システム 〜またの名を仮面ライダーフィンテック〜
- 3. ところでお前は誰だっけ
斉藤 賢爾 (さいとう けんじ) <ks91@sfc.wide.ad.jp>
慶應義塾大学 SFC 研究所 上席所員 (村井純 研究室)
一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事
株式会社 Orb チーフサイエンティストコンサルタント (論文は書いてます)
経歴
1993 年、コーネル大学より M.Eng 取得
(コンピュータサイエンス)
2006 年、慶應義塾大学より博士号取得 (政策・メディア)
慶應義塾大学にてインターネットと社会の研究に従事
福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施
「仮面ライダー」第 1 話 放送時 (1971 年 4 月 3 日) 6 歳
⇒ つながってるね!
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.3/33
- 9. 仮面ライダー (1971) より
「およばずながら、私も全力を尽くして人間の自由の
ために戦います」
— 本郷猛, 仮面ライダー 第 1 話「怪奇蜘蛛男」(1971)
「仮面ライダー 本郷猛は改造人間である
彼を改造したショッカーは、世界制覇を企む悪の
秘密結社である
仮面ライダーは人間の自由のために、ショッカーと
闘うのだ」
— 「仮面ライダー」オープニングナレーション (1971-1973)
忘れていた . . . (ナレーションの最初の 1 行以外)
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.9/33
- 12. 敵のテクノロジーで変身する
仮面ライダーは敵のテクノロジーで変身する
例証
ショッカーの改造人間 (1 号・2 号)
... 時は流れて . . .
ユグドラシルの科学者 戦極凌馬による戦極ドライバー (鎧武)
最終的に主人公は「ヘルへイムの森の実」を食し
オーバーロード化 ← どの演算子を?って思っちゃいますよね
ロイミュードを生んだのと同型のテクノロジー (ドライブ)
眼魔を生んだのと同型のテクノロジーと推察される (ゴースト)
敵は何らかのかたちで人間の自由を否定
例 : マイナンバー (番号そのもの) にされる (ドライブ)
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.12/33
- 15. FinTech の評価軸として持ちたいもの
人間の自由のために戦っているか?
おそらく金融機関が FinTech に注力する理由は
既得権益の維持
ビットコインを利用した海外送金等が変化のため
の強烈な外圧に
「100 年後、銀行はあると思いますか?」がマジな質問に
生き残るためには「人間の自由のために戦う」
という方向に向かわざるを得ない (サービスの低コスト化)
⇒ 金融貨幣経済を瓦解させていく方向
結果として「人間の自由のために戦う」ことになる
勢力とは一緒にやっていきたい
(金融関係のみなさまにも大変お世話になっております < (_ _) > )
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.15/33
- 17. 用語体系 (FinTech と仮面ライダーの世界観を同時に説明する暴挙)
ユグドラシル - 金融貨幣経済
R3 とか HyperLedger Project はどちらかというとこっちかな
ダンスチーム - 銀行などの金融機関や法曹関係 (LegalTech)
実は踊らされている?
ヘルへイムの森 - 分散システムの研究フィールド
ヘルへイムの森の実 - 分散システム研究の成果 (果実)
分散タイムスタンプサーバとか Paxos とか
インベス (ヘルへイムの森の野生動物) - 野生の P2P システム
ビットコインとか
ロックシード (変身アイテム) - 技術シード
ブロックチェーンとかの分散レッジャー (台帳)
知恵の実 - イデ (IDE : Integrated Distributed Environment)
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.17/33
- 21. ブロックチェーンの概要 (ビットコインの場合)
1. 各マイナーは、過去 10 分ほどの間に収集した取引データを
ブロックに格納し、マイニング (くじ引き) を行う
2. 成功したらネットワーク内にブロードキャストする
3. 各マイナーは、それをチェーンの新しい末尾と認めるなら、
その後ろにブロックを繋げるべく 1 に戻る
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.21/33
- 24. Consistency (一貫性)
Strong consistency (強い一貫性)
更新が完了した後、すべてのアクセスは更新
された値を返す (safety)
Eventual consistency (結果整合性)
更なる更新が行われない限り、いずれすべての
アクセスは最後に更新された値を返す (liveness)
↑ 強化
Weak consistency (弱い一貫性)
すべてのアクセスが更新された値を返すことは
保証しない ← ブロックチェーンはコレ (エクリプス状態を想定)
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.24/33
- 25. コンセンサス
CS1 : 提案された値だけが選択される
CS2 : ひとつの値だけが選択される
CS3 : 正しい参加者は選択された値だけを学ぶ
CL1 : 提案された値のどれかがいずれ選択される
CL2 : 値が選択されるなら、正しい参加者はいずれ
その値を学ぶ
障害の種類
メッセージが届かない、停止する → ビナイン/良性 (benign)
前提を置かない → ビザンチン (Byzantine)
ブロックチェーンはコンセンサスを実現しない
ビナインな障害を前提とする場合でさえ
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.25/33
- 26. 斉藤-山田 不可能性(仮)
ノードの総数 n が定まらない状況下ではコンセンサス
を満たすプロトコルは存在しない
(すでに他の人が証明していたら教えてください)
6 月下旬に論文発表予定
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.26/33
- 27. ブロックチェーンの課題
n : 参加者の総数
f : ビザンチン障害下の参加者の数
R : 投入される資源 (e.g. 計算力) の総和
F : ビザンチン障害下の参加者が投入する資源の総和
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.27/33
- 29. ブロックチェーンとByzantine Paxos
ブロックチェーン
資源の総和 R を利用する (不完全な) コンセンサス
動作条件 : R > 2F (R は未知)
n が大きく、f は未知、確率的な動作が許容されるとき採用可
エクリプス攻撃への対策が必要
Byzantine Paxos
参加者の総数 n を利用するコンセンサス
動作条件 : n > 3f (n は既知)
f の上限を決められるとき採用可
メンバシップの精緻な管理が必要
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.29/33
- 32. 技術の整理と課題
ブロックチェーンの技術は 3 層に分けて考えられる
1. デジタル署名によるデータ構造
誰もが制御を持て、自己充足構造で誰もが検証可能
⇒ 有益
2. ダイジェストを格納するブロックの連鎖の構造
相対時刻を定義する、証明の基盤
⇒ 想定されていたほど強固ではない
3. コンセンサスのプロトコル
TX としての確定に向けたトライアル
⇒ 現実と同期して動く上で問題がある
課題の解決と、課題が解決されたことを前提とする
応用の探究を同時に進める必要がある
人間の自由のために
FinTech と分散システム – 2016-03-23 – p.32/33