ユトレヒト芸術大学におけるシリアスゲーム教育と新IT産業分野出現の流れ
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2018年8月29日に開催されたオランダシリアスゲーム視察報告会のスライド資料です（講師：古市）
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ユトレヒト芸術大学におけるシリアスゲーム教育と新IT産業分野出現の流れ
- 1. ユトレヒト芸術大学(HKU)における シリアスゲーム教育と 新IT産業分野出現の流れ 2018年8月29日(水) 日本大学生産工学部 数理情報工学科 古市 昌一 1 ※ オランダではシリアスゲームをアプライドゲームと呼称する ア プ ラ イ ド
- 2. 目次 • はじめに • オランダ新IT産業分野出現の流れ • ユトレヒト芸術大学(HKU)の紹介 • ゲーム＆インタラクション学科のPBL –シリアスゲーム開発プロジェクト –グローバルアプライドゲームジャム • まとめ 2
- 3. はじめに • 2015/10～2016/1，日本大学海外派遣研究員制度で オランダ・ユトレヒト芸術大学（HKU）で“オランダにおけ るシリアスゲーム教育状況”の調査を実施 • 2016, 2017, 2018に，オランダ・韓国・日本合同により， 韓国POSTECHで実施する“グローバル・アプライド・ ゲームジャム”(GAGJ)にスタッフとして参加 3 本日の報告内容は，上記２つの調査結果に基づく
- 4. オランダ新IT産業分野出現の流れ • オランダ –人口：1,697万人(2015/12現在)日本の13% –国土：九州と同程度 –ゲームソフト開発会社の数が近年急増 • 2008年 約120社 • 2011年 320社 • 2015年 455社 （2011年比42%増） 4 出典：外務省HP 出典：Game Monitor 2015(http://www.dutchgamegarden.nl/news/nieuwsdetail/the-games-monitor- 2015-the-full-report-284/)
- 5. オランダ新IT産業分野出現の流れ（続） • 455社の内訳 –119社：アプライドゲーム専業 –160社：エンタテインメントゲーム専業 – 36社：デュアル – 37社：素材だけを制作 （参考）我が国の東証一部，二部，マザーズ，JASDAQ情報・通信産業は337社， ゲームソフト制作会社数は不明 （参考）好まれるゲームジャンルの違い 日本：アクション（スーパーマリオ等），RPG（ドラクエ等） 欧米：リアル性の高いFPS，リアルタイムストラレジ，MMORPG，サッカー等 5
- 6. オランダ新IT産業分野出現の流れ（続） • 急増したきっかけ –Mayor Game, 2011 (市長ゲーム， ジレンマゲームと も呼ばれる)のオラ ン ダ 国 内 全 市 長 (360市,342人)が 意思決定訓練の ため現在も利用 6 出典：開発者 Micah Hrehovcsik氏 （HKU）より
- 8. オランダ新IT産業分野出現の流れ（続） • 急増したきっかけ – 国の支援（“産業育成”及び“大学の国際化”） • GATE (Game Research for Training and Entertainment) , NWO（科学技術省）の支援 • Nuffic（教育省）によるアプライド・ゲームジャムの支援 – 地方自治体の支援（“産業育成”） • ベンチャーキャピタル，インキュベーション – （壁も上下もない）産官学連携の推進 • 医療・福祉費軽減，教育の質向上と国際化強化，安全・ 安心 – ユトレヒト芸術大学のPBL型授業とアプライド・ゲーム ジャム 8
- 9. ユトレヒト芸術大学（HKU） • 欧州最大の芸術単科大学 – 英語名称：HKU University of the Arts Utrecht – 学生数約4,000人 （生産工は約6,000人） – オランダ語で実施されているコース • Bachelor – Creative Media and Game Technologies(滞在先)，Art & Economics, Design , Theatre, Education – 英語で実施されているコース • Bachelor – Fine Art, Music • Master – Arts in Fine Art, Scenography, Music – Music Design, Music – Performance, – Master of Creative Technology 9
- 10. HKU Game & Interaction (滞在先の略称) 10 Hilversumキャンパス ユトレヒト市内キャンパス(2016年夏に移転)
- 11. HKU Game & Interaction 11
- 12. HKU Game & Interaction 教員（一部） 12
- 13. HKU Game & Interaction • 1学年140名 (数理情報工学科とほぼ同じ) • 2学期制→4学期制移行準備中 – 秋学期：9月～1月 – 春学期：2月～6月 – 1年：専門基礎 – 2年：応用基礎 – 3年：通年PBL／グローバル・アプライド・ゲームジャム – 4年：通年研究／通年インターン（海外も含む） • 近年卒業生の多数がゲーム会社を起業または就職 13
- 14. 3年生通年Project実施風景 14 １年間“company”スペースを 借り，企業または病院等組織 のアドバイスをもらいながら， アプライドまたはエンタテイン メ ン ト ゲ ー ム を 開 発 す る
- 15. 3年生通年Project実施風景 15 2015年度いくつかの賞を受賞，HKU 内 の 学 期 末 コ ン テ ス ト で も 優 勝
- 17. 3年生グローバル・アプライドゲームジャム(GAGJ) • オランダ教育省は，大学の国際化（グ ローバル化）推進を義務付け • その一環としてHKUでは2012年に韓 国の複数大学と協定を締結，2014年 からグローバル・アプライド・ゲームジャ ムを開始，2018年に第6回目を実施 –2016, 2017, 2018は日本からも参加 17
- 26. まとめ • 新IT産業分野としての “アプライド・ゲーム産業”出現の流れを紹介 – 我が国でも新産業創出の可能性があるが，Mayor Gameのようなシリアス ゲームが必要 • オランダにおけるシリアスゲーム教育の一例を紹介 – ユトレヒト芸術大学（HKU）における • 3年生対象の通年PBL • 3年生対象に韓国等と合同で実施しているグローバル・アプライド・ゲー ムジャム(GAGJ) • 4年生対象の通年インターンシップ • オランダでは，このような教育を通してシリアスゲーム開発を経験したゲーム開 発者が増大中 – その結果，ユーザニーズ主導型ゲーム開発者が増加，ビジネス機会向上 – 新産業としてのアプライドゲーム産業が育成，経済力が更に強化 26