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米国におけるコールセンター米国におけるコールセンター米国におけるコールセンター米国におけるコールセンターソリューションソリューションソリューションソリューションの動向の動向の動向の動向
-2005 Annual Call Center Exhibition 参加レポートから-
場所:Washington State Convention & Trade Center, Seattle, WA
日時:2005 年 9 月 20 日
1.1.1.1.米国におけるコールセンター米国におけるコールセンター米国におけるコールセンター米国におけるコールセンターソリューションソリューションソリューションソリューションの取組状況の取組状況の取組状況の取組状況
1-1.コンファレンス全体の概要
■ブースへの出展は大きく分けて 2 種類あった。①コールセンターの基本パッケージを含めた基盤シ
ステムを提供する もの(主に大手企業 )と、②Performance Management とか Work Force
Management などと呼ばれ、オペレーターのモニタリング・評価、サポート、適正配置・スケジューリン
グ、教育等など、オペレーターの質を高め効率的な運用をサポートするシステムや、付加機能を提
供するシステムを提供するもの(中堅企業、ベンチャーなど)、に分かれた。
■①の基盤システムを提供する企業としては、NEC、シスコ、Nortel、Telephony@Work、Interactive
Intelligence などが参加していた。シスコは、主に通信ソフトを提供し、その他の業務アプリケーショ
ンは提携企業から提供しているということであったので、基盤システムを提供する企業からの出展
はあまり多くなかった。全体で約 90 社出展あったうち、大半が②の付加機能をアップするシステム
であった。
■セミナーは、4つのテーマが提供されており、①People Management、②Work Force & Operations
Management、③Strategy & Leadership というマネジメント系のテーマと、④Technology Management
という技術系のセッションに分かれた。①~③のヒューマンリソースに関わるテーマは、全体 54 コマ
あるうちに、実に 47 コマと大半を占めた。このことから、米国における経営者及びコールセンターの
運営責任者の関心が、インフラである基盤システムの投資から、Agent(日本でいうオペレーター)の
マネジメント・能力開発に移行しており、より人の問題にフォーカスしていることが伺えた。これは、
単にシステム投資するだけでは投資効果が見えなくなっており、コールセンターで働くオペレーター
の質を高め、定着率を上げる方がより重要であると考えるようになったためと思われる。
■この Conference で新製品を発表している企業は 21 社あったが、①People Management、②Work
Force & Operations Management を支援するソフトが大半で、上記のトレンドを反映しているものと思
われた。大手プロバイダーから提供される基盤システムは一応の完成を見せており、目新しいもの
は少なく、多くのコールセンターで検討済み乃至は採用済みと思われる。また、基盤システムでは、
どのプロバイダーもほぼ同様な機能を持つシステムが提供されており、差別化できるポイントは少
ないと思われる。現在は、オペレーターの戦力アップをサポートするようなシステムが差別化のポイ
ントとなり、既存の投資を生かしながら、機能アップを目指していくようなシステムの開発・投資が主
体になっていると思われた。
■米国金融業界では、クロスセル(銀行、証券、保険など業界の垣根を越えた商品販売)が主流とな
っており、コールセンターによるアウトバウンド機能が、販売戦力として大きく期待されている。その
ため、大手金融機関の多くが、すでに、上記のオペレーターの戦力アップを支援するシステムへの
取り組みに着手しており、積極的に投資を行っていると思われる。今後は、CRM ソフトとの融合、ナ
レッジシステムなどとの融合が更に進み、商品開発へのサポートなどもテーマになってくるのではな
いかと思われる。
1-2.米国におけるコールセンターシステムの機能と発展状況
出展:出展企業 Telephony@work の HP による
■前世代のコールセンターは、着信呼自動分配装置(ACD)、電話機(Voice)、簡単なワークフォース
マネジメント(WFM)で構成されていた。インターネットの普及によって現在のコールセンターシステ
ムは各種新たな機能が追加され、各プロバイダーから、基盤システムから最新システムまで、以下
のような機能が提供されている。また、業界・企業によってその取り組み度合いは異なるものの、業
界別に特有のアプリケーションというものがほとんど存在しない。どの業界においても、同じソフトで
構築されており、同様の機能が提供されているものと思われる。
1段階:着信呼自動分配装置
2段階:マルチチャネル対応(音声のみならずファックス、Email、WEB も対応)
3段階:着信呼自動分配システム、ボイスメール対応、キューイング、VoIP 対応
4段階:スキルベーストルーティング、ユニファイドメッセジング、チャット
5段階:コールモニタリング/コーチング、プリディクティブダイアリング、ウエブコラボレーション(CRM
ソフトや各種データベースなどとの Web 統合)
6段階:レコーディング・ロギング
■また、コンファレンスで説明あった各社システムを、各機能別に整理してみると、以下のような流れ
で発展してきたことがわかった。
電話の音声の管理については、かつては、かかってきた電話に対し、空いているオペレーターに、
順次割り振っていくだけであったが、音声応答を導入することで、担当業務・チームごとに振り分け
ることが可能となった。次に、各オペレーターの有するスキルを細かく設定することができるようにな
り、問い合わせ内容に合わせ最適な担当者につなぐスキルベーストルーティングに発展したり、重
要クライアントの対応をよくするようなことも可能となってきた。更に、管理者による通話モニタリング
機能がアップし、トラブルが発生している通話を探し出し、スキルの高いものが代わりにサポートす
ることが可能となったり、また、録音した通話を解析することで、オペレーターを評価し、教育するこ
とを行うことも可能となってきた。インターネットの技術を用いることで、VoIP を導入することで通話
料のコストダウンが可能になったり、チャットによる会話を可能となったり、また、Web 統合技術の進
展により、CRM ソフトなどとの連携へと進化していった。音声以外のチャネルも取り込んで、ファック
ス、E メール、Web 上での交信記録を統合し、クライアントとの過去の取引履歴を一体的に管理する
ことができるようになった。更に、過去の取引データを元に、見込み客を洗い出し、自動的に電話を
発信していくプリディクティブ・ダイアリングへと発展していった。
■1~3 段階の下層システムは、コールセンターの基盤システムとも呼べるもので、現在は、プロバイ
ダー各社から基本機能として提供されている。提供される機能は各社ともほとんど変わらないもの
と思われる。今回の展示を見ると、音声応答、ボイスメール、VoIP 対応など日本で話題になってい
るような機能をアピールする会社はほとんどなく、すでに多くのコールセンターで採用済みの機能で
はないかと思われる。実際に、プロバイダーの中には、クライアントに対し、基本機能を含めた全面
的な更改を提案するよりも、既存システムを生かしながら、機能の追加、一部変更を提案していくと
いう戦略を取っているという意見があった(NEC)。
■そのため、現在は、4~6 段階の上層の追加機能による差別化の時代になっていると思われる。今
回の Conference においては、新製品として取り上げられていたのが、4~6 段階のものに集中して
おり、これからは、オペレーターの質の向上を狙って、コールセンターの品質を上げていくようなサポ
ートシステムが、差別化のポイントなると思われる。これら上層システムを取り扱うプロバイダーへ
のヒアリングでは、クライアントとして大手金融機関をまっさきに上げており、大手金融機関のコール
センターにおいては、これら上層のシステムを導入済みというところが少なくないのではないかと思
われる。今後、システムの普及にともなって販売価格が低下していくと思われ、中小の金融機関や
他業界などへと、ユーザーの裾野が広がっていくものと思われる。
■近年、コンプライアンス対応が経営課題の上位を占めるようになっており、特に金融機関では非常
に意識が強くなっている。そのため、音声録音、オペレーターのデータアクセス状況のモニタリング
が一般的になっているが、単に記録を残すということだけなく、その交信履歴を解析し、オペレータ
ーの評価・教育に生かすというようなシステムに発展しており、各社からさまざまなものが提案され
ている。
■日本でも、コンプライアンス対応強化の動きがあり、近い将来、Work Force Application の導入の動
きが活発化する可能性がある。
2.2.2.2.出展出展出展出展企業とケーススタディ企業とケーススタディ企業とケーススタディ企業とケーススタディ
2-1. NEC Unified Solutions, Inc
6525 N.State Highway 161, Irving, TX,75039
http://www.necunifiedsolutions.com
Assistant General Manager, Product management
Mr. Yoshi Miyamoto
■会社概要
NEC の米国子会社で、通信関連機器の販売を担っている。通信関連事業はテキサス州ダラスが中
心である。NEC は古くから、北米市場での通信機器ビジネスを展開しており、クライアントには、金
融業界も含まれる。
■技術
1~6 段階までフル対応。基本的には、自社の通信関連のシステムを中心に、ACD、Call Routing
System、Multimedia Routing Software、IP Telephony などを提供。クライアントのニーズに合わせ、
様々なサードパーティーと組み合わせて上層のシステムを提供する。
■コールセンター業界全体のトレンドと NEC の戦略について
米国でのコールセンターの取り組みは早く、現在は第 2 世代、第 3 世代の時代に入っている。大半
の金融機関が自前、アウトソーシングを含め、コールセンターを設置しており、何がしかのシステム
を採用している。2000 年の IT バブルの崩壊で、企業の IT 投資額が落ち込んだが、2003 年を境に、
再び投資を見直す動きになってきた。ただし、企業側に以前ほどの予算が組まれないため、大きな
投資案件は受け入れられない。そのため、既存の設備を生かし、マイナーチェンジによる機能アッ
プを提案するような戦略をとっている。
■テクノロジーのトレンド
コールセンターの基本機能である、電話を受ける、かける、クライアントデータを読む、データに登
録する、などに関しては、いずれのコールセンターも取り組みずみである。また、自動音声応答、マ
ルチチャネル対応、クライアントデータベースとの連動などもかなり進んでいる。たとえば、ナンバー
ディスプレイなどを活用して、クライアント ID を特定して、取引履歴を自動的にスクリーンに映し出す
のは、一般的となっている。また、リモートエージェント対応も一般的である。米国では個人のアウト
ソーサー、インドやフィリピンへのアウトソーシングが活発であるためである。金融業界では少ない
と思うが、通話料に偏りのある業種では、アウトソーサーを使ってケースが多いため、そのためのシ
ステム対応が必要であった。たとえばピザ屋では、金曜日と土曜日の夜に電話が集中する。ブロー
ドバンド接続のパソコンで、パソコン電話を使うことで、あたかも一つのコールセンターで運営してい
るかのように対応することが可能である。
最近の流れとして、電話料金の削減を狙って VoIP 化を志向する流れはある。これにも、従来の設
備を生かす工夫を行っている。PBX をそのまま活用するケース、従来の電話機を生かしアダプター
を設置することで、IP化に対応するケースなど。いきなり大きな投資を行うのではなく、すこしずつ投
資を行いながら、機能を順次高めるよう提案するようにしている。IP 電話の音質については多少不
満があるにせよ、内線電話であれば、クライアントを介さないものであり、多少の品質には目をつむ
って導入するケースが増えている。特に、金融機関の場合、支店が数多くあり、本支店間を結ぶ回
線は、電話の専用線が複数本、更にはコンピューター用の専用線もあり、何本も電話線が引かれ
ているためコストがばかにならない。IP 化することで、回線を集約することが可能となり、コストダウ
ン効果は大きい。
現在の注目のトレンドは、ワークフォースアプリケーションとよばれる、オペレーターを管理し質の向
上を高めるシステムである。シスコ、ルーセント、アルカテル、ノーテルなど電話機器メーカー大手
10 数社がコールセンターの基本ソフトを提供しているが、オペレーターのスケジュール管理、音声
録音、モニタリング、スーパーバイザーによる評価、オペレーターの教育、などを行う、ワークフォー
スアプリケーションは、中小も含めた多くのプロバイダーから提供されている。NEC も基本ソフトは
自社で開発しながら、他の中小のプロバイダーと提携し、クライアントのニーズに合わせた提案を行
っている。個人的には、出展社の一社である Envision 社と親しい。
■コストダウン効果について
自動音声応答、マルチチャネル化、データベースの統合、ワークフォースアプリケーションの導入が、
さほどコストダウンにつながっていないという指摘があるが、人の再配置を同時に手がけていない
ために、無駄な投資になっていると思われる。よりオペレーションを重視した対応が必要と思われ
る。
■セキュリティについて
また、個人のアウトソーサーが会社のクライアントデータベースにアクセスできるため、情報漏洩の
リスクがある。セキュリティ、クライアント情報保護については、特に新しいことを手がけていない。
日本では、クライアントリストの漏洩、ウイルス感染が問題になっていると思うが、コールセンターで
は、いわゆるシン・クライアントが一般的で、クライアント側にデータを蓄積することはできなく、あま
り問題になっていない。個人の SOHO が対応する際には、かかってきた電話の相手だけの情報を
提供するようにしてあり、問題にはならない。Envision では、オペレーターの通話ログばかりでなく、
参照した画面まで録画するシステムを提供しており、どんなデータにアクセスしたかまで記録される。
そのため、オペレーターに、常時モニタリングされていることを意識させることになり、内部犯行の防
止につながる。
■本人認証について
認証は、いくつかの質問を投げかけることで対応。声紋などの技術があることは聞いているが、録
音することで盗むことが可能で、技術的に対応できたとしても疑問。米人のセキュリティ担当者は、
最近のフィッシング詐欺のことはあまり知らなかった。
■ケーススタディ
金融業界での取り組みは多数あるということだが、手元資料は用意されていなかった。
2-2. Nortel Networks
1120 112th
Ave NE Suite500, Bellevue, WA 98004
http://www.nortel.com
Solution Architect-Multimedia Apps
Mr. Glenn Thomas
■会社概要
カナダ本社の通信機器会社。北米のみならず全世界に展開。コールセンターへの取り組みは長
い。
■技術
1 層から 6 層までフル対応。サードパーティーとの連携状況については不明。
Nortel は基本ソフト以外にも、あらゆる機能を提供していると思われる。
■特徴
大手から中小まで、数多くのクライアントを有するため、そのニーズに合わせたシステムを用意して
おり、今回のプレゼン先の中では、もっとも多くの機能を提供できるプロバイダーであると思われ
た。
新商品の発表はなかったものの、ワークフォースマネジメントシステムのデモについてプレゼンを受
けたため、他社と同様、最近の流れを受けて、力を入れている分野と思われる。
■デモンストレーション
会場では、金融業界向けの事例は紹介されたものはなかったが、自社のアトランタのコールセンタ
ーに実際にアクセスして、管理の状況を紹介していた。各人のスキルセットを詳細に記載して、言語、
サービス内容などに従って、管理者が各人の能力を評価し、設定しておくことが可能である。そして、
電話による問い合わせの内容に従って、最も適するオペレーターにつなげるように、スキル別に優
先順位を変えることができる。メールなど各種取引履歴を一括して情報を管理し、オペレーターに提
供することができるため、迅速な対応が可能となる。また、一台のパソコンで電話としても使用する
ことができ、このシステムをパソコンに落とすと、アウトソーシングが可能となる。
各種金融向けの経験あり、以下の事例が後日入手できた。
■ケーススタディ
〔韓国国民銀行〕―IP コールセンターの構築事例
国民銀行は、2001 年終わりに HCB 銀行と合併し、韓国最大の銀行になった。合併後、業務の統合
と、貸出業務の効率化を実現することが必要で、そのためには、新しいコールセンターの構築は最
も重要な課題の一つであった。合併前、HCB が先進的なコールセンターを持つ一方、国民銀行は、
国内メーカーの PBX を使った旧式の小規模のコールセンターを運営していた。国民銀行は、世界
の大手銀行のサービスと業務プロセスを調査し、HCB の先例に従い、最新式の Nortel Networks の
技術を採用した。
ソウルとデジョンにあったコールセンターを統合して、オペレーター1,200 席を配置した。全国各地の
支店にかかってきたクライアントからの電話を IP 化して、本部とつながっている ADSL 回線を通じて、
コールセンターに送る。センターに集まった電話は、エージェント毎に割り当てられる。同時に、クラ
イアントからの情報は、銀行内部のネットワークを通って支店にリアルタイムに送られる。コールセ
ンターと支店が情報を共有することで、支店はカスタマーサービスを向上させることができようにな
った。入手されたクライアント情報を、テレマーケティングなどさまざまなキャンペーンと販売活動の
ために使うことができるため、コールセンターが情報マネジメントのハブとして活用されるようになっ
た。統計データも提供されるようになることになり、カスタマーサービスを改善して、組織を再配置す
るためにも役に立っている。国民銀行は Nortel Networks を採用し、最も確実なPBX を基盤とするこ
とで、従来の回線と同程度の音質を保ちながらも、高い信頼性とコスト削減を実現することが可能と
なった。
2-3. Telephony@Work,Inc.
4245 Executive Square Suite 600, La Jolla, CA 92037
http://www.telephonyatwork.com
Sales Engineer Mr. Donald M Blair
■会社概要
カリフォルニア拠点の CTI 専業ソフトウエアハウス。コールセンター、CRM などにおいて数々の賞を
受賞。MCI、Telus、Siebel などがプロバイダーとして Fotune100 の大手企業に提供。金融業界のク
ライアントは、フィデリティ投信、ウエルスファーゴ銀行など多数実績あり。
■技術
1 層から 6 層までフル対応。全て自社開発。IP ベースのコールセンターシステムを提供。ただし、オ
ペレーターのモニタリングは音声のみで、ワークフォースマネジメントは弱いと感じた。Call Routing
System, IP Telephony、Multimedia Routing Software、Remote Agent Platform など。
■特徴
98 年より、ブラウザーをベースにしたソフト群を提供。CallCenter@nywhereCallCenter@nywhereCallCenter@nywhereCallCenter@nywhere という名前の通り、プロ
グラミングが不要で、ユーザーがウエブ上(Windows、Apple、Solaris、Linax いずれも対応)で簡単に
セットアップできるのが強み。中小から大手まで対応が可能。ACD、CTI、Voice Recording、Chat、
Unified Messaging、Web Collaboration、IVR などあらゆる機能が、一社で提供できることから、可能
となっている。
また、標準的に、デュアルシステムを提供していることを強調しており、どのサーバーが倒れても、
すぐに回復できるようなシステム構成となっていて、信頼性が高い。そのため、日本で、東京、大阪
の 2 拠点による二重化ニーズにも、すぐに対応できるということであった。
ローカルリモート対応しており、IP 化によって、PC1 台しか持たない SOHO のオペレーターへも適用
が対応。また、シン・クライアント・サーバー・システムであり、クライアントデータは一回ごとに呼び
出して、データは PC にダウンロードさせずその都度消去するため、クライアントリストなど重要クラ
イアント情報の漏洩の心配はないということであった。パートナーであるシーベルの CRM システム
などとリンクすることが可能。
■デモンストレーション
会場では、金融業界向けの事例は紹介されたものはなかったが、自社のコールセンターにアクセス
して、デモンストレーションしていた。Expedia@com ,orbitz という有力旅行サイトのシステムを使った
デモを行っており、これらもクライアントであると思われる。
ローカルリモートのデモを受けたため、IP 化によって実現できたもので、当社が、力を入れている機
能であると感じた。
■ケーススタディ
金融業界での具体的なケーススタディは入手できなかったが、プレゼンを受けた内容については金
融業界でも多くのところに導入されているとのことである。
2-4. IEX Corporation
2425 North Central Expressway, Richardson, Texas 75080-2736
http://www.iex.com
Product Marketing Mr. Jose R. Martinez, Jr.
■会社概要
テキサス拠点のワークフォースマネジメント専業ソフトウエアハウス。1988 年よりサービスを提供し
ており、金融のクライアントとしては、フィデリティ投信、ウエルスファーゴ銀行、バンク・オブ・アメリカ、
バンク・オブ・ブラデスコ(ブラジル)、サントラストバンク、モルガンギャランティ、American Express、
ダウジョーンズなど大手を持つ。世界 34 カ国、2,600 箇所のコールセンター(72 万 5 千人のオペレ
ーター)をクライアントとしており、シェア No.1 である。アクセンチュア、IBM などを通じて日本にも提
供。
■技術
TotalView Workforce Management システムという、上層の Performance Management、Workforce
Management Software を提供。オペレーターのプランニング、パフォーマンス向上、業務の支援、デ
ータの統合において、効果を発揮する。
技術パートナーとして、Bay Bridge Decision Technologies(What If 機能、2-12 参照)、Nortel
Networks(2-2 参照)、NEC Unified Solutions(2-1 参照), Verint(2-6 参照), etalk(2-11 参照)など
各分野の専門プロバイダーと提携。
■特徴
ウエブでのサービスを提供しており、自動的にオペレーターのプランニングなどを行いビジュアルに
状況把握を行うことができるのが強み。
■デモンストレーション
会場では、オペレーターのプランニングについての説明があった。各オペレーターのスキルセットと
業務の繁忙に合わせて、自動的に、出退勤及び休暇を含むスケジュール調整を行うことが可能と
なる。
■ケーススタディ
〔〔〔〔バンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカ〕〕〕〕―全米最大級のコールセンターの運営管理事例
バンカメのコールセンターは、全米 34 箇所、1 万人のオペレーターを有し、年間 7,800 万件の通話
がある巨大な規模の組織である。IEX 社のワークフォースマネジメントシステム TotalView のエンド
ユーザーは 1,900 人で、常時 600 件の接続がある。Total View を導入する以前は、別の自動ワーク
フォースマネジメントシステムを使っていたが、手動で行わなければならない作業があり、煩雑であ
った。本件導入後は、複雑な状況でも瞬時に自動的にオペレーターのスケジュール調整ができるよ
うになり、管理者の満足度、従業員のモラル向上につながり、クライアントサービス向上をもたらし
た。
〔〔〔〔GE Consumer FinanceGE Consumer FinanceGE Consumer FinanceGE Consumer Finance〕〕〕〕―豪州大手ノンバンクのクレジットカード部門買収の事例
GECF は、資産規模 770 億ドルのクレジットカード会社である。世界 35 カ国において、消費者、小売
業者、自動車販売業者に対し、プライベート・ブランド・クレジットカード、個人ローン、バンクカード、
自動ローン・リース、抵当権、企業向け旅行エージェントサービス、購買カードなど幅広い金融商品
を提供している。1995 年に、GE はオーストラリアにおける大手ノンバンクであるコールズマイヤーの
クレジットカード事業(現 GECFA)を買収した。オーストラリアおよびインドに、コールセンター23 箇所
を有し、およそ 900 人のオペレーターが所属。1 年間に、30 万枚のファックスと 120 万件の申込書、
700 万件の電話を受けつけている。
以前から使っている WorkForceManagement システムでは効率性が悪かったために IEX 社の
TotalView Workforce Management システムを選択した。7 つの異なるスキルと様々な複雑な要件に
対処するため、スキルを考慮したスケジューリングを実行した。またこのシステムは、種々のキャン
ペーンやエージェントの異なる知識レベルにも対応しながらスケジューリングすることが可能となっ
た。
TotalView の Real Time Adherence と呼ばれるモジュールにより、スケジュールの順守率は 30 パー
セント改善し、95 パーセントまで上昇した。幹部に毎月レポートが送られるだけでなく、電話以外の
活動を含む全てのオペレーターのスケジュールを、リアルタイムで視覚によって確認できる。そのた
め、マネージャーは現時点のパフォーマンスを見ながら、スタッフを予定されている活動から外して
もよいかどうか、データに基づいた決定が可能となった。また、全てのファックスに対し 30 分以内に
返事を書くという目標サービスレベルに対しても、スケジュール化されている。
TotalView の AgentWebStation は、マネージャーとオペレーターに対し大きな恩恵をもたらした。オ
ペレーターは自分のスケジュールを見て、勤務時間を交代することができるので、病気などによる
欠席を減少させ、従業員のモラルを改善した。また、チームリーダーにスケジュール管理の権限を
与えることが可能となったため、チームリーダーは効率的に時間を使えるようになった。
ワークフォースマネジメントチームは、有給休暇の日数を増やすことを検討したが、事前に
TotalView の『What If(もしも)』機能を利用することで、変化の影響を主要な関係者にモデル化して
示すことができた。有給休暇の延長は実行されたが、最終的に、コストの増加はスケジュールの順
守率の改善を通して十二分に吸収することができた。
GECFA は、既存のワークフォースマネジメントソリューションを取り替えることによって、パフォーマ
ンスを向上させながら、大幅にコストを下げることができた。
2-5. ENVISION
520 Pike Street Suite 1600, Seattle, WA 98101
http://www.envisioninc.com
Regional Sales Manager Mr. Jason Hughes
■会社概要
シアトル拠点のワークフォースマネジメント専業ソフトウエアハウス。94 年よりサービスを提供してお
り、金融のクライアントとしては、ワコビア、シティバンク、BOK ファイナンシャルコーポレーション、
Key バンクなどを有する。
■技術
5,6 層の Workforce Management システム。モニタリング、ロギング、eラーニングシステムを提供。技
術パートナーとして、Nortel Networks(2-2 参照)、Cisco Sytems, Aastra Intecom(2-7 参照)、
Dailogic, MicroSoft などと提携。
■特徴
特に、レコーディングにおいては、音声だけではなく、スクリーン上の画面も録画でき、様々な角度
から、オペレーターのパフォーマンス評価が可能となる。実際にクライアントとのやり取りを記録した
ものを使って、e ラーニングに活用することができるのが強み。
■デモンストレーション
会場では、スクリーン上での録画のやり方や、e ラーニングについてデモを受けた。オペレーターの
品質向上に、大いに貢献できることを強調していた。
■ケーススタディ(金融向け)
〔BOK Financial Corporation〕―モニタリングの高度化による効率化の事例
BOK Financial社は総資産109 億ドルの地域金融機関である。コマーシャルバンキング、リテールバ
ンキング、投資業務、信託銀行業務を行い、6 つの州で不動産金融と電子資金トランスファーネット
ワークを提供している。24 時間エクスプレスバンクと呼ばれるコールセンターは、グループ内のアル
バカーキ銀行、アーカンソー銀行、オクラホマ銀行、テキサス銀行に対し、毎日、およそ 5,000 件の
インバウンドサービスとセールスコールを行っている。
電話での質問の大半が、アカウント情報、金融商品の変更点、販促商品などの基本的なものであ
るが、税率、投資戦略、信用照会など、複雑な質問についても取り扱う。お金に関して、個人的な内
容について質問を行うため、クライアントは時には感情的になることがあるが、ENVISON を用いるこ
とで、センシティブな電話に対応する能力を習得させることが簡単になった。オペレーターの品質の
改善は、コールセンターの生産性を向上させ、ENVISON を使い始めた時から、コールセンターの品
質は 10%上がったが、マネージャー自身の、オペレーターを訓練する能力が向上したことが主たる
要因であった。
ENVISION は、オペレーターのモニタリング、トレーニング、モチベーション向上を実現するソリュー
ションである。一つの大きな特徴は、どんなアプリケーションに対しても、スクリーンの録画と音声録
音を同期させた、カスタムメイドのトレーニングビデオを作ることができることである。ビデオを作成
するのは非常に簡単で、2、3分間で編集され、該当するオペレーターに配布される。そのため、深
夜勤務のオペレーターにも、昼間勤務のオペレーターと同等のレベルのトレーニングを受けさせる
ことができるため、講師は深夜に出勤する必要はない。さらに、ビデオトレーニングの使用により、
これまで訓練にかかる時間を 75%減らすことができた。納税時期に発生する電話についても、オペ
レーターに、この情報にオンラインでアクセスするプロセスを丁寧に教えているビデオを作成したが、
必要に生じて、ビデオを再配布することができた。
以前は、オペレーターを評価する作業は、非常に時間がかかっていた。マネージャーは、一週間の
うち最高 16 時間を費やしていた上、ライブで聞かなければならなかった。さらに、評価は個人的な
判断または記憶に基づいたものであった。ENVISION によって、この問題を解決し、公平なフィード
バックを行うことができるようになった。ENBISION により電話を自動記録したことにより、一次評価
は品質評価の専門家に委託することができ、特にスコアが高いものと低いものだけをマネージャー
は受け取る。その結果、マネージャーは評価に関し、週に 2~4 時間だけを割くだけでよくなった。こ
こで生まれた余剰の時間で、マネージャーは一対一のコーチに集中することができるようになった。
クライアントとの実際のやり取りの事例を他のオペレーターに送信することは、クロスセルを促進す
ることにもなった。クライアントとの会話中に、他の製品を売る様々な機会が得られる。たとえば、資
金不足になっている口座に関する電話において、クライアントに当座貸越や、個人ローンを勧める
と、興味を示す可能性がある。他のオペレーターの記録を参照することは、クロスセルをコーチング
するよい方法である。ENVISION を用いることで、クロスセル紹介は、97%も増加した。ENVISON を使
うことで、銀行はクライアントニーズを確認して、適切な製品を提供するためにオペレーターをコーチ
ングすることができるようになった。
2-6. Verint Systems
330 South Service Road, Melville, NY 11747
http://www.verint.com
■会社概要
セキュリティと情報分析ソリューションのプロバイダー。Voice、ビデオ、テキストなどのデータマイニ
ングソリューションを提供する。50 カ国以上 1000 以上の組織において、日本を含む世界のさまざま
な市場で使われており、政府、輸送会社、金融機関、リテール、通信、プロバイダーなど。金融のク
ライアントはチャールズ・シュワブなど多数。
■技術および特徴
6層のRecording&Loggingシステムを提供。また、ULTRAソリューションは、コールセンターの音声を
録音するだけでなく、その解析も行うのが強み。録音した音声を全てテキスト化し、キーワードを抽
出したり、会話での特徴を取り上げて、オペレーターの評価や商品開発に資するデータを提供す
る。
■デモンストレーションおよび金融での事例
証券会社での活用事例をデモしていた。チャールズ・シュワブ証券というインターネット証券業務に
も力を入れているリテール証券大手においての実例。録音した音声を全てテキスト化して、オペレ
ーターのやりとりの問題点を分析したり、課題となっている事象を抽出するものである。これは、
SEC の規定により、証券会社は社外とのやりとりの記録を全て 3 年間保管する義務があるが、単に
記録するだけでなく、より積極的にマーケティングや、オペレーターの評価・教育に対応しているも
のである。日本では証券業協会の自主規定で、一定期間交信記録の保存が望ましいとあるだけで、
規制までにはなっておらず、まだ普及していないと思われる。ただし、本社のシステムは先進的なも
のと感じたが、実際にどれだけ効果のあるものかは、不明であった。
付属. その他情報入手企業
2-7. Aastra Intecom
2811 Internet Blvd., Frisco, Texas 75034-1851
http://www.aastraintecom.com
Product Manager Mr. William D.Bush
■会社概要
25 年の歴史を持つ電話設備の開発会社。50 回線から 4 万 5 千回線までの音声システムを構築。
クライアントは 80 カ国にわたり、米国内で 1,300 万回線、80 以上のコールセンターをサポート。
■技術および特徴
1~6 層全てを提供。Centergy Virtual Contact Center というサービスを提供。当社の持つサーバー
上で、全ての処理を行う。ウエブでアクセスしてサービスを行うので、クライアント側で大きな設備投
資が不要。IP および通常回線いずれも対応可能。1契約 100-200 ドル/月で提供。シンクライアント
サーバーシステムで、リモートコントロールも可能。アウトソーシングのオペレーターも活用可能。
非常に簡単にコールセンターが構築可能である。しかし、いかなるデータベースにもアクセスできる
ということであったが、本当に実際にどこまでできるのかは不明。特に、日本で多い自社開発のシ
ステムからデータを抽出する場合には、困難を伴う可能性があると感じた。
2-8. Davacord
2300 North 10th
Street, Enid, OK 73701
http://www.davacord.com
Regional Sales Manager Mr. Dan Hart
■会社概要
コールセンター、通信、金融向けシステム開発会社。
■技術および特徴
6 層の Recording & Logging システムを提供。モニタリング、レコーディング、トレーニングシステムを
提供。レコーディングでは、音声とスクリーン両方の記録を行うが、Envision などとの最大の違いは、
モノクロの画面の録画を行う点。モニタリングのために、カラーは不要でモノクロの画像で十分とい
うことで、他社と比べて録画データ量が10分の1に圧縮可能。そのためストレージコストを大幅に圧
縮できるということであった。技術的には他社も取り組み可能だが、特許を取得しているので当社
独自のシステムである点を強調。
技術パートナーは多数。
2-9. Halloo Communications
400 Oyster Point Blvd., Ste.228, South San Francisco, CA 94080
http://www.halloo.com
COO Mr.Daniel Joensen VP Mr.Peter Scakow
■会社概要
2002 年設立のベンチャー。
■技術および特徴
1-6 層に対応。5-40 回線のオペレーターを有するコールセンターに対し、ウエブベースのホストコー
ルセンターソリューションを提供。Aastra Intecom と同様のサービスだが、こちらは中小に対象を絞
ったものと思われる。サービスは、このコンファレンスで最初に発表したもので、まだクライアントは
いないものと思われる。
2-10. angel.com
1961 International Drive,McLean, VA 22102
http://www.angel.com
Business Development Manager Mr.Jason Hochman
■会社概要
1999 年設立のベンチャー。クライアントは、KBtoys, Borland, Husqvarna, Captain D Seafood, Kodak,
Reebok, Kellogg’s, US Army など 1,400 件。金融の実績は不明。
■技術および特徴
3 層の自動音声応答システム(IVR)を提供しており、1,400 件の実績を持つ。具体的な差別化要因
としては、音声認識に対応している点で、他社のコールセンターシステムの中に搭載されているも
のと思われる。
1-6 層にも対応しており、ウエブベースのホストコールセンターソリューションも提供している。
2-11. etalk
4040 W.Royal Lane, Suite 100, Irving, TX 75063
http://www.etalk.com
Territory Development Specialist Mr.Matt Stone
■会社概要
1983 年よりコールセンターシステムを提供。40 カ国 1,500 箇所のコールセンターを手がけており、米
国では Fortune100 企業のうち 35 社に対応。
■技術および特徴
5, 6 層の Recording, Monitoring, 評価、教育対応に特化した専業企業の一社。
2-11. etalk
4040 W.Royal Lane, Suite 100, Irving, TX 75063
http://www.etalk.com
Territory Development Specialist Mr.Matt Stone
■会社概要
1983 年よりコールセンターシステムを提供。40 カ国 1,500 箇所のコールセンターを手がけており、米
国では Fortune100 企業のうち 35 社に導入経験あり。2005 年 4 月に英国コールセンターシステム
大手の Autonomy 社に$70Mil で買収された。
■技術および特徴
5, 6 層の Recording, Monitoring, 評価、教育対応に特化した専業企業の一社。録音のみならず録画
にも対応している模様である。ENVISIO よりはるかに老舗で、同様のソリューションを提供するが、
どこが差別化要因か不明であった。老舗ではあるが、買収価格を見ると実績の割にはそれほど高
くなく、近年、収益性があまりよくなかったのではないかと思われる。録画と eLearning 技術で勢力を
伸ばした新興の ENVISION などに押されていた可能性がある。
2-12. Bay Bridge Decision Technologies
900 Bestgate Rode Suite 210, Annapolis, MD 21401
http://www.baybridgetech.com
Sates and Marketing Director Mr. Daniel Mahon
■会社概要
コールセンター向けの経営支援ソフトの専業。
■技術および特徴
5, 6 層の Work Force Management システムを提供。特に、プランニング、What If システムのリーダ
ー。インバウンド型コンタクトセンター向けに、最初に、Work Force のプランニングと分析システムを
提供した。Work Force Management の IEX Corporation 社と業務提携しており、IEX 社の What IF 機
能は当社が提供。
2-13. e-Glue Business Technologies
79 Hudson Street, Hoboken, NJ 07030
http://www.e-glue.com
■会社概要
コールセンターのモニタリングソフトの専業。
■技術および特徴
5, 6 層の Work Force Management システムを提供。モニタリングシステムを提供。
2-13. e-Glue Business Technologies
79 Hudson Street, Hoboken, NJ 07030
http://www.e-glue.com
■会社概要
コールセンターのモニタリングソフトの専業。
■技術および特徴
5, 6 層の Work Force Management システムを提供。モニタリングシステムを提供。オペレーターをリ
アルタイムでサポートする仕組みに特徴。
2-13. InVision Software
10 south Riverside Plaza, Suite 1800, Chicago, IL 60606
http://www.InVisionOnline.com
VP Mr.Andreas Bopp, Account Manager Mr. Chad Brace
■会社概要
1995 年にドイツで設立。2000 年に米国進出。欧州は、フランス、スカンジナビア、イタリア、オースト
リア、スペイン、ハンガリー、クロアチアなどに展開。クライアントは、ABN アムロ、アクサなど多数。
■技術および特徴
5, 6層のWork Force Managementシステムを提供。各国の言語に対応しているのが強みであるが、
現時点で 2 バイトには対応せず、アジアへの進出は考えていない。
2-14. FurstPerson
2580 Charles Street Rockford, IL 61108
http://www.furstperson.com
Solution Consultant Mr. John Rosenow
■会社概要
リクルート用ソフト、サービスのプロバイダー。
■技術および特徴
ウエブ上で、コールセンターで必要となるスキル、資質を持つ人材かどうか、多くの質問に答えさせ
ることで、適正を見分けるソフト。注意深さ、判断力、性格などを測定。適正な採用活動が重要であ
るとのことで、注目される。スクリーン上に、10 桁の数を 3 つづつ並べて、3 つとも同じかどうか瞬時
に判断させて、オペレーターとしての能力を測るなど。CTI との関連性はないが、コールセンターの
マネジメントに直結するもので、非常に興味深い。
2-15. Talent Keepers
218 King Richard Drive, McMurray, PA 15317
http://www.TalentKeepers.com
Senior Retention Manager Mr. Eric Untch
■会社概要
社員退職防止ソフト、サービスのプロバイダー。
■技術および特徴
社員が退職する理由の多くが、上司との関係を上げており、それにフォーカスしウエブ上で、コンサ
ルティングを行うもの。コールセンターの定着率が高くない現状、(あるクレジット会社の在籍日数は、
平均 9 ヶ月程度と言われる。)せっかく時間をかけてオペレーターを教育しても投資が無駄に終わっ
てしまうため、オペレーターの定着率を上げることがコールセンターの質向上に直結する。注目され
ているようであるが、デモを見ていないので、どれだけ効果あるものかは確認できず。
徳田徳田徳田徳田 浩司(トクダ浩司(トクダ浩司(トクダ浩司(トクダ コウジ)コウジ)コウジ)コウジ)
Fusion Reactor LLC(在米国シリコンバレー)社長
三和銀行、三和総研、三菱商事証券などで、システムコンサルティング、ベンチャー投
融資などに従事。2004 年に独立、米国シリコンバレーで、ベンチャーサポート、IT・金
融ビジネスのコンサルティング、ワイヤレス・ブロードバンド・ソリューションの開発・ベ
ンチャー経営、老舗スポーティング・グッズ・メーカの米国代表などに従事。
本件に関するご意見・お問い合わせ
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代表代表代表代表;;;; 徳田徳田徳田徳田 浩司浩司浩司浩司
電話電話電話電話 日本日本日本日本 050050050050----5534553455345534----1111111114141414 ((((国内電話で通じます国内電話で通じます国内電話で通じます国内電話で通じます))))
EEEE----mail: info@fusionmail: info@fusionmail: info@fusionmail: info@fusion----reactor.bizreactor.bizreactor.bizreactor.biz
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  • 3. ■前世代のコールセンターは、着信呼自動分配装置(ACD)、電話機(Voice)、簡単なワークフォース マネジメント(WFM)で構成されていた。インターネットの普及によって現在のコールセンターシステ ムは各種新たな機能が追加され、各プロバイダーから、基盤システムから最新システムまで、以下 のような機能が提供されている。また、業界・企業によってその取り組み度合いは異なるものの、業 界別に特有のアプリケーションというものがほとんど存在しない。どの業界においても、同じソフトで 構築されており、同様の機能が提供されているものと思われる。 1段階:着信呼自動分配装置 2段階:マルチチャネル対応(音声のみならずファックス、Email、WEB も対応) 3段階:着信呼自動分配システム、ボイスメール対応、キューイング、VoIP 対応 4段階:スキルベーストルーティング、ユニファイドメッセジング、チャット 5段階:コールモニタリング/コーチング、プリディクティブダイアリング、ウエブコラボレーション(CRM ソフトや各種データベースなどとの Web 統合) 6段階:レコーディング・ロギング ■また、コンファレンスで説明あった各社システムを、各機能別に整理してみると、以下のような流れ で発展してきたことがわかった。 電話の音声の管理については、かつては、かかってきた電話に対し、空いているオペレーターに、 順次割り振っていくだけであったが、音声応答を導入することで、担当業務・チームごとに振り分け ることが可能となった。次に、各オペレーターの有するスキルを細かく設定することができるようにな り、問い合わせ内容に合わせ最適な担当者につなぐスキルベーストルーティングに発展したり、重 要クライアントの対応をよくするようなことも可能となってきた。更に、管理者による通話モニタリング 機能がアップし、トラブルが発生している通話を探し出し、スキルの高いものが代わりにサポートす ることが可能となったり、また、録音した通話を解析することで、オペレーターを評価し、教育するこ とを行うことも可能となってきた。インターネットの技術を用いることで、VoIP を導入することで通話 料のコストダウンが可能になったり、チャットによる会話を可能となったり、また、Web 統合技術の進 展により、CRM ソフトなどとの連携へと進化していった。音声以外のチャネルも取り込んで、ファック ス、E メール、Web 上での交信記録を統合し、クライアントとの過去の取引履歴を一体的に管理する ことができるようになった。更に、過去の取引データを元に、見込み客を洗い出し、自動的に電話を 発信していくプリディクティブ・ダイアリングへと発展していった。 ■1~3 段階の下層システムは、コールセンターの基盤システムとも呼べるもので、現在は、プロバイ ダー各社から基本機能として提供されている。提供される機能は各社ともほとんど変わらないもの と思われる。今回の展示を見ると、音声応答、ボイスメール、VoIP 対応など日本で話題になってい るような機能をアピールする会社はほとんどなく、すでに多くのコールセンターで採用済みの機能で はないかと思われる。実際に、プロバイダーの中には、クライアントに対し、基本機能を含めた全面 的な更改を提案するよりも、既存システムを生かしながら、機能の追加、一部変更を提案していくと いう戦略を取っているという意見があった(NEC)。
  • 4. ■そのため、現在は、4~6 段階の上層の追加機能による差別化の時代になっていると思われる。今 回の Conference においては、新製品として取り上げられていたのが、4~6 段階のものに集中して おり、これからは、オペレーターの質の向上を狙って、コールセンターの品質を上げていくようなサポ ートシステムが、差別化のポイントなると思われる。これら上層システムを取り扱うプロバイダーへ のヒアリングでは、クライアントとして大手金融機関をまっさきに上げており、大手金融機関のコール センターにおいては、これら上層のシステムを導入済みというところが少なくないのではないかと思 われる。今後、システムの普及にともなって販売価格が低下していくと思われ、中小の金融機関や 他業界などへと、ユーザーの裾野が広がっていくものと思われる。 ■近年、コンプライアンス対応が経営課題の上位を占めるようになっており、特に金融機関では非常 に意識が強くなっている。そのため、音声録音、オペレーターのデータアクセス状況のモニタリング が一般的になっているが、単に記録を残すということだけなく、その交信履歴を解析し、オペレータ ーの評価・教育に生かすというようなシステムに発展しており、各社からさまざまなものが提案され ている。 ■日本でも、コンプライアンス対応強化の動きがあり、近い将来、Work Force Application の導入の動 きが活発化する可能性がある。 2.2.2.2.出展出展出展出展企業とケーススタディ企業とケーススタディ企業とケーススタディ企業とケーススタディ 2-1. NEC Unified Solutions, Inc 6525 N.State Highway 161, Irving, TX,75039 http://www.necunifiedsolutions.com Assistant General Manager, Product management Mr. Yoshi Miyamoto ■会社概要 NEC の米国子会社で、通信関連機器の販売を担っている。通信関連事業はテキサス州ダラスが中 心である。NEC は古くから、北米市場での通信機器ビジネスを展開しており、クライアントには、金 融業界も含まれる。 ■技術 1~6 段階までフル対応。基本的には、自社の通信関連のシステムを中心に、ACD、Call Routing System、Multimedia Routing Software、IP Telephony などを提供。クライアントのニーズに合わせ、 様々なサードパーティーと組み合わせて上層のシステムを提供する。 ■コールセンター業界全体のトレンドと NEC の戦略について 米国でのコールセンターの取り組みは早く、現在は第 2 世代、第 3 世代の時代に入っている。大半 の金融機関が自前、アウトソーシングを含め、コールセンターを設置しており、何がしかのシステム を採用している。2000 年の IT バブルの崩壊で、企業の IT 投資額が落ち込んだが、2003 年を境に、 再び投資を見直す動きになってきた。ただし、企業側に以前ほどの予算が組まれないため、大きな
  • 5. 投資案件は受け入れられない。そのため、既存の設備を生かし、マイナーチェンジによる機能アッ プを提案するような戦略をとっている。 ■テクノロジーのトレンド コールセンターの基本機能である、電話を受ける、かける、クライアントデータを読む、データに登 録する、などに関しては、いずれのコールセンターも取り組みずみである。また、自動音声応答、マ ルチチャネル対応、クライアントデータベースとの連動などもかなり進んでいる。たとえば、ナンバー ディスプレイなどを活用して、クライアント ID を特定して、取引履歴を自動的にスクリーンに映し出す のは、一般的となっている。また、リモートエージェント対応も一般的である。米国では個人のアウト ソーサー、インドやフィリピンへのアウトソーシングが活発であるためである。金融業界では少ない と思うが、通話料に偏りのある業種では、アウトソーサーを使ってケースが多いため、そのためのシ ステム対応が必要であった。たとえばピザ屋では、金曜日と土曜日の夜に電話が集中する。ブロー ドバンド接続のパソコンで、パソコン電話を使うことで、あたかも一つのコールセンターで運営してい るかのように対応することが可能である。 最近の流れとして、電話料金の削減を狙って VoIP 化を志向する流れはある。これにも、従来の設 備を生かす工夫を行っている。PBX をそのまま活用するケース、従来の電話機を生かしアダプター を設置することで、IP化に対応するケースなど。いきなり大きな投資を行うのではなく、すこしずつ投 資を行いながら、機能を順次高めるよう提案するようにしている。IP 電話の音質については多少不 満があるにせよ、内線電話であれば、クライアントを介さないものであり、多少の品質には目をつむ って導入するケースが増えている。特に、金融機関の場合、支店が数多くあり、本支店間を結ぶ回 線は、電話の専用線が複数本、更にはコンピューター用の専用線もあり、何本も電話線が引かれ ているためコストがばかにならない。IP 化することで、回線を集約することが可能となり、コストダウ ン効果は大きい。 現在の注目のトレンドは、ワークフォースアプリケーションとよばれる、オペレーターを管理し質の向 上を高めるシステムである。シスコ、ルーセント、アルカテル、ノーテルなど電話機器メーカー大手 10 数社がコールセンターの基本ソフトを提供しているが、オペレーターのスケジュール管理、音声 録音、モニタリング、スーパーバイザーによる評価、オペレーターの教育、などを行う、ワークフォー スアプリケーションは、中小も含めた多くのプロバイダーから提供されている。NEC も基本ソフトは 自社で開発しながら、他の中小のプロバイダーと提携し、クライアントのニーズに合わせた提案を行 っている。個人的には、出展社の一社である Envision 社と親しい。 ■コストダウン効果について 自動音声応答、マルチチャネル化、データベースの統合、ワークフォースアプリケーションの導入が、 さほどコストダウンにつながっていないという指摘があるが、人の再配置を同時に手がけていない ために、無駄な投資になっていると思われる。よりオペレーションを重視した対応が必要と思われ る。 ■セキュリティについて また、個人のアウトソーサーが会社のクライアントデータベースにアクセスできるため、情報漏洩の
  • 6. リスクがある。セキュリティ、クライアント情報保護については、特に新しいことを手がけていない。 日本では、クライアントリストの漏洩、ウイルス感染が問題になっていると思うが、コールセンターで は、いわゆるシン・クライアントが一般的で、クライアント側にデータを蓄積することはできなく、あま り問題になっていない。個人の SOHO が対応する際には、かかってきた電話の相手だけの情報を 提供するようにしてあり、問題にはならない。Envision では、オペレーターの通話ログばかりでなく、 参照した画面まで録画するシステムを提供しており、どんなデータにアクセスしたかまで記録される。 そのため、オペレーターに、常時モニタリングされていることを意識させることになり、内部犯行の防 止につながる。 ■本人認証について 認証は、いくつかの質問を投げかけることで対応。声紋などの技術があることは聞いているが、録 音することで盗むことが可能で、技術的に対応できたとしても疑問。米人のセキュリティ担当者は、 最近のフィッシング詐欺のことはあまり知らなかった。 ■ケーススタディ 金融業界での取り組みは多数あるということだが、手元資料は用意されていなかった。 2-2. Nortel Networks 1120 112th Ave NE Suite500, Bellevue, WA 98004 http://www.nortel.com Solution Architect-Multimedia Apps Mr. Glenn Thomas ■会社概要 カナダ本社の通信機器会社。北米のみならず全世界に展開。コールセンターへの取り組みは長 い。 ■技術 1 層から 6 層までフル対応。サードパーティーとの連携状況については不明。 Nortel は基本ソフト以外にも、あらゆる機能を提供していると思われる。 ■特徴 大手から中小まで、数多くのクライアントを有するため、そのニーズに合わせたシステムを用意して おり、今回のプレゼン先の中では、もっとも多くの機能を提供できるプロバイダーであると思われ た。 新商品の発表はなかったものの、ワークフォースマネジメントシステムのデモについてプレゼンを受 けたため、他社と同様、最近の流れを受けて、力を入れている分野と思われる。 ■デモンストレーション 会場では、金融業界向けの事例は紹介されたものはなかったが、自社のアトランタのコールセンタ ーに実際にアクセスして、管理の状況を紹介していた。各人のスキルセットを詳細に記載して、言語、 サービス内容などに従って、管理者が各人の能力を評価し、設定しておくことが可能である。そして、
  • 7. 電話による問い合わせの内容に従って、最も適するオペレーターにつなげるように、スキル別に優 先順位を変えることができる。メールなど各種取引履歴を一括して情報を管理し、オペレーターに提 供することができるため、迅速な対応が可能となる。また、一台のパソコンで電話としても使用する ことができ、このシステムをパソコンに落とすと、アウトソーシングが可能となる。 各種金融向けの経験あり、以下の事例が後日入手できた。 ■ケーススタディ 〔韓国国民銀行〕―IP コールセンターの構築事例 国民銀行は、2001 年終わりに HCB 銀行と合併し、韓国最大の銀行になった。合併後、業務の統合 と、貸出業務の効率化を実現することが必要で、そのためには、新しいコールセンターの構築は最 も重要な課題の一つであった。合併前、HCB が先進的なコールセンターを持つ一方、国民銀行は、 国内メーカーの PBX を使った旧式の小規模のコールセンターを運営していた。国民銀行は、世界 の大手銀行のサービスと業務プロセスを調査し、HCB の先例に従い、最新式の Nortel Networks の 技術を採用した。 ソウルとデジョンにあったコールセンターを統合して、オペレーター1,200 席を配置した。全国各地の 支店にかかってきたクライアントからの電話を IP 化して、本部とつながっている ADSL 回線を通じて、 コールセンターに送る。センターに集まった電話は、エージェント毎に割り当てられる。同時に、クラ イアントからの情報は、銀行内部のネットワークを通って支店にリアルタイムに送られる。コールセ ンターと支店が情報を共有することで、支店はカスタマーサービスを向上させることができようにな った。入手されたクライアント情報を、テレマーケティングなどさまざまなキャンペーンと販売活動の ために使うことができるため、コールセンターが情報マネジメントのハブとして活用されるようになっ
  • 8. た。統計データも提供されるようになることになり、カスタマーサービスを改善して、組織を再配置す るためにも役に立っている。国民銀行は Nortel Networks を採用し、最も確実なPBX を基盤とするこ とで、従来の回線と同程度の音質を保ちながらも、高い信頼性とコスト削減を実現することが可能と なった。 2-3. Telephony@Work,Inc. 4245 Executive Square Suite 600, La Jolla, CA 92037 http://www.telephonyatwork.com Sales Engineer Mr. Donald M Blair ■会社概要 カリフォルニア拠点の CTI 専業ソフトウエアハウス。コールセンター、CRM などにおいて数々の賞を 受賞。MCI、Telus、Siebel などがプロバイダーとして Fotune100 の大手企業に提供。金融業界のク ライアントは、フィデリティ投信、ウエルスファーゴ銀行など多数実績あり。 ■技術 1 層から 6 層までフル対応。全て自社開発。IP ベースのコールセンターシステムを提供。ただし、オ ペレーターのモニタリングは音声のみで、ワークフォースマネジメントは弱いと感じた。Call Routing System, IP Telephony、Multimedia Routing Software、Remote Agent Platform など。 ■特徴 98 年より、ブラウザーをベースにしたソフト群を提供。CallCenter@nywhereCallCenter@nywhereCallCenter@nywhereCallCenter@nywhere という名前の通り、プロ グラミングが不要で、ユーザーがウエブ上(Windows、Apple、Solaris、Linax いずれも対応)で簡単に セットアップできるのが強み。中小から大手まで対応が可能。ACD、CTI、Voice Recording、Chat、 Unified Messaging、Web Collaboration、IVR などあらゆる機能が、一社で提供できることから、可能 となっている。 また、標準的に、デュアルシステムを提供していることを強調しており、どのサーバーが倒れても、 すぐに回復できるようなシステム構成となっていて、信頼性が高い。そのため、日本で、東京、大阪 の 2 拠点による二重化ニーズにも、すぐに対応できるということであった。 ローカルリモート対応しており、IP 化によって、PC1 台しか持たない SOHO のオペレーターへも適用 が対応。また、シン・クライアント・サーバー・システムであり、クライアントデータは一回ごとに呼び 出して、データは PC にダウンロードさせずその都度消去するため、クライアントリストなど重要クラ イアント情報の漏洩の心配はないということであった。パートナーであるシーベルの CRM システム などとリンクすることが可能。 ■デモンストレーション 会場では、金融業界向けの事例は紹介されたものはなかったが、自社のコールセンターにアクセス して、デモンストレーションしていた。Expedia@com ,orbitz という有力旅行サイトのシステムを使った デモを行っており、これらもクライアントであると思われる。 ローカルリモートのデモを受けたため、IP 化によって実現できたもので、当社が、力を入れている機
  • 9. 能であると感じた。 ■ケーススタディ 金融業界での具体的なケーススタディは入手できなかったが、プレゼンを受けた内容については金 融業界でも多くのところに導入されているとのことである。 2-4. IEX Corporation 2425 North Central Expressway, Richardson, Texas 75080-2736 http://www.iex.com Product Marketing Mr. Jose R. Martinez, Jr. ■会社概要 テキサス拠点のワークフォースマネジメント専業ソフトウエアハウス。1988 年よりサービスを提供し ており、金融のクライアントとしては、フィデリティ投信、ウエルスファーゴ銀行、バンク・オブ・アメリカ、 バンク・オブ・ブラデスコ(ブラジル)、サントラストバンク、モルガンギャランティ、American Express、 ダウジョーンズなど大手を持つ。世界 34 カ国、2,600 箇所のコールセンター(72 万 5 千人のオペレ ーター)をクライアントとしており、シェア No.1 である。アクセンチュア、IBM などを通じて日本にも提 供。 ■技術 TotalView Workforce Management システムという、上層の Performance Management、Workforce Management Software を提供。オペレーターのプランニング、パフォーマンス向上、業務の支援、デ ータの統合において、効果を発揮する。 技術パートナーとして、Bay Bridge Decision Technologies(What If 機能、2-12 参照)、Nortel Networks(2-2 参照)、NEC Unified Solutions(2-1 参照), Verint(2-6 参照), etalk(2-11 参照)など 各分野の専門プロバイダーと提携。 ■特徴 ウエブでのサービスを提供しており、自動的にオペレーターのプランニングなどを行いビジュアルに 状況把握を行うことができるのが強み。 ■デモンストレーション 会場では、オペレーターのプランニングについての説明があった。各オペレーターのスキルセットと 業務の繁忙に合わせて、自動的に、出退勤及び休暇を含むスケジュール調整を行うことが可能と なる。 ■ケーススタディ 〔〔〔〔バンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカバンク・オブ・アメリカ〕〕〕〕―全米最大級のコールセンターの運営管理事例 バンカメのコールセンターは、全米 34 箇所、1 万人のオペレーターを有し、年間 7,800 万件の通話 がある巨大な規模の組織である。IEX 社のワークフォースマネジメントシステム TotalView のエンド ユーザーは 1,900 人で、常時 600 件の接続がある。Total View を導入する以前は、別の自動ワーク
  • 10. フォースマネジメントシステムを使っていたが、手動で行わなければならない作業があり、煩雑であ った。本件導入後は、複雑な状況でも瞬時に自動的にオペレーターのスケジュール調整ができるよ うになり、管理者の満足度、従業員のモラル向上につながり、クライアントサービス向上をもたらし た。 〔〔〔〔GE Consumer FinanceGE Consumer FinanceGE Consumer FinanceGE Consumer Finance〕〕〕〕―豪州大手ノンバンクのクレジットカード部門買収の事例 GECF は、資産規模 770 億ドルのクレジットカード会社である。世界 35 カ国において、消費者、小売 業者、自動車販売業者に対し、プライベート・ブランド・クレジットカード、個人ローン、バンクカード、 自動ローン・リース、抵当権、企業向け旅行エージェントサービス、購買カードなど幅広い金融商品 を提供している。1995 年に、GE はオーストラリアにおける大手ノンバンクであるコールズマイヤーの クレジットカード事業(現 GECFA)を買収した。オーストラリアおよびインドに、コールセンター23 箇所 を有し、およそ 900 人のオペレーターが所属。1 年間に、30 万枚のファックスと 120 万件の申込書、 700 万件の電話を受けつけている。 以前から使っている WorkForceManagement システムでは効率性が悪かったために IEX 社の TotalView Workforce Management システムを選択した。7 つの異なるスキルと様々な複雑な要件に 対処するため、スキルを考慮したスケジューリングを実行した。またこのシステムは、種々のキャン ペーンやエージェントの異なる知識レベルにも対応しながらスケジューリングすることが可能となっ た。 TotalView の Real Time Adherence と呼ばれるモジュールにより、スケジュールの順守率は 30 パー セント改善し、95 パーセントまで上昇した。幹部に毎月レポートが送られるだけでなく、電話以外の 活動を含む全てのオペレーターのスケジュールを、リアルタイムで視覚によって確認できる。そのた め、マネージャーは現時点のパフォーマンスを見ながら、スタッフを予定されている活動から外して もよいかどうか、データに基づいた決定が可能となった。また、全てのファックスに対し 30 分以内に 返事を書くという目標サービスレベルに対しても、スケジュール化されている。 TotalView の AgentWebStation は、マネージャーとオペレーターに対し大きな恩恵をもたらした。オ ペレーターは自分のスケジュールを見て、勤務時間を交代することができるので、病気などによる 欠席を減少させ、従業員のモラルを改善した。また、チームリーダーにスケジュール管理の権限を 与えることが可能となったため、チームリーダーは効率的に時間を使えるようになった。 ワークフォースマネジメントチームは、有給休暇の日数を増やすことを検討したが、事前に TotalView の『What If(もしも)』機能を利用することで、変化の影響を主要な関係者にモデル化して 示すことができた。有給休暇の延長は実行されたが、最終的に、コストの増加はスケジュールの順 守率の改善を通して十二分に吸収することができた。 GECFA は、既存のワークフォースマネジメントソリューションを取り替えることによって、パフォーマ ンスを向上させながら、大幅にコストを下げることができた。 2-5. ENVISION
  • 11. 520 Pike Street Suite 1600, Seattle, WA 98101 http://www.envisioninc.com Regional Sales Manager Mr. Jason Hughes ■会社概要 シアトル拠点のワークフォースマネジメント専業ソフトウエアハウス。94 年よりサービスを提供してお り、金融のクライアントとしては、ワコビア、シティバンク、BOK ファイナンシャルコーポレーション、 Key バンクなどを有する。 ■技術 5,6 層の Workforce Management システム。モニタリング、ロギング、eラーニングシステムを提供。技 術パートナーとして、Nortel Networks(2-2 参照)、Cisco Sytems, Aastra Intecom(2-7 参照)、 Dailogic, MicroSoft などと提携。 ■特徴 特に、レコーディングにおいては、音声だけではなく、スクリーン上の画面も録画でき、様々な角度 から、オペレーターのパフォーマンス評価が可能となる。実際にクライアントとのやり取りを記録した ものを使って、e ラーニングに活用することができるのが強み。 ■デモンストレーション 会場では、スクリーン上での録画のやり方や、e ラーニングについてデモを受けた。オペレーターの 品質向上に、大いに貢献できることを強調していた。 ■ケーススタディ(金融向け) 〔BOK Financial Corporation〕―モニタリングの高度化による効率化の事例 BOK Financial社は総資産109 億ドルの地域金融機関である。コマーシャルバンキング、リテールバ ンキング、投資業務、信託銀行業務を行い、6 つの州で不動産金融と電子資金トランスファーネット ワークを提供している。24 時間エクスプレスバンクと呼ばれるコールセンターは、グループ内のアル バカーキ銀行、アーカンソー銀行、オクラホマ銀行、テキサス銀行に対し、毎日、およそ 5,000 件の インバウンドサービスとセールスコールを行っている。 電話での質問の大半が、アカウント情報、金融商品の変更点、販促商品などの基本的なものであ るが、税率、投資戦略、信用照会など、複雑な質問についても取り扱う。お金に関して、個人的な内 容について質問を行うため、クライアントは時には感情的になることがあるが、ENVISON を用いるこ とで、センシティブな電話に対応する能力を習得させることが簡単になった。オペレーターの品質の 改善は、コールセンターの生産性を向上させ、ENVISON を使い始めた時から、コールセンターの品 質は 10%上がったが、マネージャー自身の、オペレーターを訓練する能力が向上したことが主たる 要因であった。 ENVISION は、オペレーターのモニタリング、トレーニング、モチベーション向上を実現するソリュー ションである。一つの大きな特徴は、どんなアプリケーションに対しても、スクリーンの録画と音声録
  • 12. 音を同期させた、カスタムメイドのトレーニングビデオを作ることができることである。ビデオを作成 するのは非常に簡単で、2、3分間で編集され、該当するオペレーターに配布される。そのため、深 夜勤務のオペレーターにも、昼間勤務のオペレーターと同等のレベルのトレーニングを受けさせる ことができるため、講師は深夜に出勤する必要はない。さらに、ビデオトレーニングの使用により、 これまで訓練にかかる時間を 75%減らすことができた。納税時期に発生する電話についても、オペ レーターに、この情報にオンラインでアクセスするプロセスを丁寧に教えているビデオを作成したが、 必要に生じて、ビデオを再配布することができた。 以前は、オペレーターを評価する作業は、非常に時間がかかっていた。マネージャーは、一週間の うち最高 16 時間を費やしていた上、ライブで聞かなければならなかった。さらに、評価は個人的な 判断または記憶に基づいたものであった。ENVISION によって、この問題を解決し、公平なフィード バックを行うことができるようになった。ENBISION により電話を自動記録したことにより、一次評価 は品質評価の専門家に委託することができ、特にスコアが高いものと低いものだけをマネージャー は受け取る。その結果、マネージャーは評価に関し、週に 2~4 時間だけを割くだけでよくなった。こ こで生まれた余剰の時間で、マネージャーは一対一のコーチに集中することができるようになった。 クライアントとの実際のやり取りの事例を他のオペレーターに送信することは、クロスセルを促進す ることにもなった。クライアントとの会話中に、他の製品を売る様々な機会が得られる。たとえば、資 金不足になっている口座に関する電話において、クライアントに当座貸越や、個人ローンを勧める と、興味を示す可能性がある。他のオペレーターの記録を参照することは、クロスセルをコーチング するよい方法である。ENVISION を用いることで、クロスセル紹介は、97%も増加した。ENVISON を使 うことで、銀行はクライアントニーズを確認して、適切な製品を提供するためにオペレーターをコーチ ングすることができるようになった。 2-6. Verint Systems 330 South Service Road, Melville, NY 11747 http://www.verint.com ■会社概要 セキュリティと情報分析ソリューションのプロバイダー。Voice、ビデオ、テキストなどのデータマイニ ングソリューションを提供する。50 カ国以上 1000 以上の組織において、日本を含む世界のさまざま な市場で使われており、政府、輸送会社、金融機関、リテール、通信、プロバイダーなど。金融のク ライアントはチャールズ・シュワブなど多数。 ■技術および特徴 6層のRecording&Loggingシステムを提供。また、ULTRAソリューションは、コールセンターの音声を 録音するだけでなく、その解析も行うのが強み。録音した音声を全てテキスト化し、キーワードを抽 出したり、会話での特徴を取り上げて、オペレーターの評価や商品開発に資するデータを提供す
  • 13. る。 ■デモンストレーションおよび金融での事例 証券会社での活用事例をデモしていた。チャールズ・シュワブ証券というインターネット証券業務に も力を入れているリテール証券大手においての実例。録音した音声を全てテキスト化して、オペレ ーターのやりとりの問題点を分析したり、課題となっている事象を抽出するものである。これは、 SEC の規定により、証券会社は社外とのやりとりの記録を全て 3 年間保管する義務があるが、単に 記録するだけでなく、より積極的にマーケティングや、オペレーターの評価・教育に対応しているも のである。日本では証券業協会の自主規定で、一定期間交信記録の保存が望ましいとあるだけで、 規制までにはなっておらず、まだ普及していないと思われる。ただし、本社のシステムは先進的なも のと感じたが、実際にどれだけ効果のあるものかは、不明であった。 付属. その他情報入手企業 2-7. Aastra Intecom 2811 Internet Blvd., Frisco, Texas 75034-1851 http://www.aastraintecom.com Product Manager Mr. William D.Bush ■会社概要 25 年の歴史を持つ電話設備の開発会社。50 回線から 4 万 5 千回線までの音声システムを構築。 クライアントは 80 カ国にわたり、米国内で 1,300 万回線、80 以上のコールセンターをサポート。 ■技術および特徴 1~6 層全てを提供。Centergy Virtual Contact Center というサービスを提供。当社の持つサーバー 上で、全ての処理を行う。ウエブでアクセスしてサービスを行うので、クライアント側で大きな設備投 資が不要。IP および通常回線いずれも対応可能。1契約 100-200 ドル/月で提供。シンクライアント サーバーシステムで、リモートコントロールも可能。アウトソーシングのオペレーターも活用可能。 非常に簡単にコールセンターが構築可能である。しかし、いかなるデータベースにもアクセスできる ということであったが、本当に実際にどこまでできるのかは不明。特に、日本で多い自社開発のシ ステムからデータを抽出する場合には、困難を伴う可能性があると感じた。 2-8. Davacord 2300 North 10th Street, Enid, OK 73701 http://www.davacord.com Regional Sales Manager Mr. Dan Hart ■会社概要 コールセンター、通信、金融向けシステム開発会社。 ■技術および特徴 6 層の Recording & Logging システムを提供。モニタリング、レコーディング、トレーニングシステムを
  • 14. 提供。レコーディングでは、音声とスクリーン両方の記録を行うが、Envision などとの最大の違いは、 モノクロの画面の録画を行う点。モニタリングのために、カラーは不要でモノクロの画像で十分とい うことで、他社と比べて録画データ量が10分の1に圧縮可能。そのためストレージコストを大幅に圧 縮できるということであった。技術的には他社も取り組み可能だが、特許を取得しているので当社 独自のシステムである点を強調。 技術パートナーは多数。 2-9. Halloo Communications 400 Oyster Point Blvd., Ste.228, South San Francisco, CA 94080 http://www.halloo.com COO Mr.Daniel Joensen VP Mr.Peter Scakow ■会社概要 2002 年設立のベンチャー。 ■技術および特徴 1-6 層に対応。5-40 回線のオペレーターを有するコールセンターに対し、ウエブベースのホストコー ルセンターソリューションを提供。Aastra Intecom と同様のサービスだが、こちらは中小に対象を絞 ったものと思われる。サービスは、このコンファレンスで最初に発表したもので、まだクライアントは いないものと思われる。 2-10. angel.com 1961 International Drive,McLean, VA 22102 http://www.angel.com Business Development Manager Mr.Jason Hochman ■会社概要 1999 年設立のベンチャー。クライアントは、KBtoys, Borland, Husqvarna, Captain D Seafood, Kodak, Reebok, Kellogg’s, US Army など 1,400 件。金融の実績は不明。 ■技術および特徴 3 層の自動音声応答システム(IVR)を提供しており、1,400 件の実績を持つ。具体的な差別化要因 としては、音声認識に対応している点で、他社のコールセンターシステムの中に搭載されているも のと思われる。 1-6 層にも対応しており、ウエブベースのホストコールセンターソリューションも提供している。 2-11. etalk 4040 W.Royal Lane, Suite 100, Irving, TX 75063 http://www.etalk.com Territory Development Specialist Mr.Matt Stone
  • 15. ■会社概要 1983 年よりコールセンターシステムを提供。40 カ国 1,500 箇所のコールセンターを手がけており、米 国では Fortune100 企業のうち 35 社に対応。 ■技術および特徴 5, 6 層の Recording, Monitoring, 評価、教育対応に特化した専業企業の一社。 2-11. etalk 4040 W.Royal Lane, Suite 100, Irving, TX 75063 http://www.etalk.com Territory Development Specialist Mr.Matt Stone ■会社概要 1983 年よりコールセンターシステムを提供。40 カ国 1,500 箇所のコールセンターを手がけており、米 国では Fortune100 企業のうち 35 社に導入経験あり。2005 年 4 月に英国コールセンターシステム 大手の Autonomy 社に$70Mil で買収された。 ■技術および特徴 5, 6 層の Recording, Monitoring, 評価、教育対応に特化した専業企業の一社。録音のみならず録画 にも対応している模様である。ENVISIO よりはるかに老舗で、同様のソリューションを提供するが、 どこが差別化要因か不明であった。老舗ではあるが、買収価格を見ると実績の割にはそれほど高 くなく、近年、収益性があまりよくなかったのではないかと思われる。録画と eLearning 技術で勢力を 伸ばした新興の ENVISION などに押されていた可能性がある。 2-12. Bay Bridge Decision Technologies 900 Bestgate Rode Suite 210, Annapolis, MD 21401 http://www.baybridgetech.com Sates and Marketing Director Mr. Daniel Mahon ■会社概要 コールセンター向けの経営支援ソフトの専業。 ■技術および特徴 5, 6 層の Work Force Management システムを提供。特に、プランニング、What If システムのリーダ ー。インバウンド型コンタクトセンター向けに、最初に、Work Force のプランニングと分析システムを 提供した。Work Force Management の IEX Corporation 社と業務提携しており、IEX 社の What IF 機 能は当社が提供。 2-13. e-Glue Business Technologies 79 Hudson Street, Hoboken, NJ 07030 http://www.e-glue.com
  • 16. ■会社概要 コールセンターのモニタリングソフトの専業。 ■技術および特徴 5, 6 層の Work Force Management システムを提供。モニタリングシステムを提供。 2-13. e-Glue Business Technologies 79 Hudson Street, Hoboken, NJ 07030 http://www.e-glue.com ■会社概要 コールセンターのモニタリングソフトの専業。 ■技術および特徴 5, 6 層の Work Force Management システムを提供。モニタリングシステムを提供。オペレーターをリ アルタイムでサポートする仕組みに特徴。 2-13. InVision Software 10 south Riverside Plaza, Suite 1800, Chicago, IL 60606 http://www.InVisionOnline.com VP Mr.Andreas Bopp, Account Manager Mr. Chad Brace ■会社概要 1995 年にドイツで設立。2000 年に米国進出。欧州は、フランス、スカンジナビア、イタリア、オースト リア、スペイン、ハンガリー、クロアチアなどに展開。クライアントは、ABN アムロ、アクサなど多数。 ■技術および特徴 5, 6層のWork Force Managementシステムを提供。各国の言語に対応しているのが強みであるが、 現時点で 2 バイトには対応せず、アジアへの進出は考えていない。 2-14. FurstPerson 2580 Charles Street Rockford, IL 61108 http://www.furstperson.com Solution Consultant Mr. John Rosenow ■会社概要 リクルート用ソフト、サービスのプロバイダー。 ■技術および特徴 ウエブ上で、コールセンターで必要となるスキル、資質を持つ人材かどうか、多くの質問に答えさせ ることで、適正を見分けるソフト。注意深さ、判断力、性格などを測定。適正な採用活動が重要であ るとのことで、注目される。スクリーン上に、10 桁の数を 3 つづつ並べて、3 つとも同じかどうか瞬時
  • 17. に判断させて、オペレーターとしての能力を測るなど。CTI との関連性はないが、コールセンターの マネジメントに直結するもので、非常に興味深い。 2-15. Talent Keepers 218 King Richard Drive, McMurray, PA 15317 http://www.TalentKeepers.com Senior Retention Manager Mr. Eric Untch ■会社概要 社員退職防止ソフト、サービスのプロバイダー。 ■技術および特徴 社員が退職する理由の多くが、上司との関係を上げており、それにフォーカスしウエブ上で、コンサ ルティングを行うもの。コールセンターの定着率が高くない現状、(あるクレジット会社の在籍日数は、 平均 9 ヶ月程度と言われる。)せっかく時間をかけてオペレーターを教育しても投資が無駄に終わっ てしまうため、オペレーターの定着率を上げることがコールセンターの質向上に直結する。注目され ているようであるが、デモを見ていないので、どれだけ効果あるものかは確認できず。 徳田徳田徳田徳田 浩司(トクダ浩司(トクダ浩司(トクダ浩司(トクダ コウジ)コウジ)コウジ)コウジ) Fusion Reactor LLC(在米国シリコンバレー)社長 三和銀行、三和総研、三菱商事証券などで、システムコンサルティング、ベンチャー投 融資などに従事。2004 年に独立、米国シリコンバレーで、ベンチャーサポート、IT・金 融ビジネスのコンサルティング、ワイヤレス・ブロードバンド・ソリューションの開発・ベ ンチャー経営、老舗スポーティング・グッズ・メーカの米国代表などに従事。 本件に関するご意見・お問い合わせ Fusion Reactor LLCFusion Reactor LLCFusion Reactor LLCFusion Reactor LLC 代表代表代表代表;;;; 徳田徳田徳田徳田 浩司浩司浩司浩司 電話電話電話電話 日本日本日本日本 050050050050----5534553455345534----1111111114141414 ((((国内電話で通じます国内電話で通じます国内電話で通じます国内電話で通じます)))) EEEE----mail: info@fusionmail: info@fusionmail: info@fusionmail: info@fusion----reactor.bizreactor.bizreactor.bizreactor.biz ホームページホームページホームページホームページ http://www.fusionhttp://www.fusionhttp://www.fusionhttp://www.fusion----reactor.biz/japanesereactor.biz/japanesereactor.biz/japanesereactor.biz/japanese