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Mais de Junichi Akita (19)
好きな活動から始めるイノベーションの種
- 3. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介(その1)
’70 名古屋生まれ
小4のころから、ハンダの煙で育つ
東京で大学→大学院
D論:低消費電力な4進木読み出しイメージセンサ
金沢大(’98~’00・’04~)
現:理工学域 電子情報通信学類
※融合学域(専任)に異動予定
公立はこだて未来大(’00~’04)
‘95-’00: 計画策定委員として、
大学の策定に関わる
(はこだて未来大のHPより)
- 4. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
研究内容(概要)
集積回路
特に(機能つき)イメージセンサ
+集積回路を使うデバイス・システム
ユーザインタフェース・インタラクティブシステム
(人間相手の機械)
集積回路(イメージセンサ)のレイアウト図
(プロッタ出力して目視チェック)
基板設計
研究室(実験室)
- 6. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介(その2)
Maker、ハンダテラピスト
好きな半田はPb:Sn=40:60
Maker(広い意味での「ものづくり」)
Makerイベントの運営などのコミュニティ活動
NT金沢の企画・運営(6月末頃@金沢駅地下広場)電子工作関連ガジェットの企画・設計・販売
- 9. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
半導体の研究者としての活動
本業(イメージセンサ)の研究(旧来型)
高速視線計測イメージセンサ
画素配置の不規則化による高精細イメージセンサ
半導体業界の研究者は・・・?
元秋葉原通いは、それなりに会う(昔話は長い)
でも、いまも通っている人は、ほとんどいない
自分が手がけたチップが、どう売られて、どう使わ
れているか、あまり関心がない(知らない)印象
Make?なにそれ?/あーそんなのあるみたいだね
(・・・話があわない・・・)
- 10. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
話があわない:実例
「最近の秋葉原は、メイドさんばっかりだよね。
元は電子部品の街だったのに
→いやいやいまでもありますよ。むしろそっちの
客も増えてるし、若い人や女性も多い
秋葉原に関する情報がupdateされていない
「無駄な抵抗コースター?なんでそんなもの
作るんです?(真顔)」
面白いから、以外に何が・・・
仕事は仕事、趣味とは別という感覚
(休日にはプログラミングをしない、など)
- 11. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
それ以外の分野の研究者として
もともと、「視覚」に興味があった
網膜・受光細胞の構造、視覚野の機能、・・・
はこだて未来大での研究歴(2000-2003年)
異分野との遭遇(認知科学、ヒューマンインタフェース、情報
デザイン、・・・)
「人間がつかう道具」の研究の比率が増える
- 12. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
研究者としての転換点?
(実は一時期、半導体の研究に魅力を感じなくなっ
て、足を洗おうと思った時期もあった)
すごいがんばって工夫して「性能0.1%アップ」
巨額投資で技術が進歩(大学の出番・役割は?)
平本俊郎「データ駆動社会の展望(中) 半導体、設計思想の変革を」
(日経新聞「経済教室」2019/7/18)
Si原子
10個分
- 13. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
趣味としてのMake(その1)
2000年ごろまで:電子工作=マニアック
(電子工作仲間(狭い世界)しかいなかった)
(ラジオ、真空管、アマチュア無線)
2006年ごろ:Arduinoが流行り始める
(新種のマイコンボード、ぐらいの認識)
2006年ごろ:Make:誌(日本語)が刊行
(米発のDIYが流行ってるらしい、
ぐらいの認識)
- 14. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
趣味としてのMake(その2)
2008年ごろ:MakerFaireという展示会が
あるらしい
→行ってみて、たまげた
老若男女問わずに
「ものづくり」
多様なジャンル、
独創的なアイディア
「理工系離れ、ものづくり離れ」って、どこの世界
の言葉だっけ?
最初は、あくまでも趣味として参加(出展・見学)
- 15. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
(補足)Makeの背景
技術の進歩→「つくる」ことの敷居が下がった
3Dプリンタ、レーザーカッター、プリント基板・・・
「ものは買うもの」から「なければ作る」への
転換(大量生産型社会からの転換)が可能に
ロングテールの具現化、ニーズの多様化
「技術で遊ぶ」ことの面白さに、みんな気づき、
それが可能になった
技術=難しいもの→楽しいもの
(小学校の工作を大きく超えるレベルの完成度)
STEM教育・イノベーションの種としての側面も
※Maker(メイカー)←→メーカー(製造業)
- 16. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Makeと研究のつながり
Make=趣味の電子工作、研究=半導体
実は半導体もMakeできるんじゃ?
半導体おける「技術至高主義」への反骨
枯れた技術でも、使い方はある(特に半導体は)
研究としてのユニーク性
(他にできる人はいない)
半導体がわかるMaker
Makeがわかる半導体研究者
「誰でもチップ設計・製造」
AI/IoT時代にこそ、「道具」に
- 17. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
コミュニティとしてのMake活動
FabCafeをつくる勉強会
マルツ(電子部品屋)でのイベント、集い
NT金沢(MakerFaire的なイベント)の運営
プログラミング教室的なイベント
仕事でやっている人、ばかりじゃない
共通項:好きだからやっている
- 18. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
非専門家がもつ可能性
裾野が広がる=イノベータの多様化
「アツい思い」を具現化する
道具がある
多様性=イノベーションの土壌
(L.Fleming, Harvard Business Review,
8(9), pp.22-24 (2004))
- 19. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
コミュニティ活動とMakeの親和性
自分だけで、できることは、限られている
=協業、仲間の大切さ
「世の中に出す」ことの熱意
=「誰得俺得」→みんなほしい
=Market-orientedでは生まれない
=売れるかどうかは神しかわからない
出力→フィードバック、を高速・ディープに
=改良・進化のルート
ソニーの「机の下研究」もそうだった?
「冷えミク」(冷蔵庫ガジェット)
- 21. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
大学教員だからこそできること
「直近の実用化」にとらわれない研究
中立の立場でのコミュニティ活動
良くも悪くも「先生」としての役割
小商いからのイノベーション実験
- 22. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「直近の実用化」にとらわれない研究
(たしかに最近は、二言目には「実用化いつ?」
な研究助成も多いが・・・)
とはいえ、多少は研究者としての「遊び」が
許されている(というか、それが役割のはず)
あるいは、採算度外視な立ち上げが必要な
プロジェクトもある(軌道に乗ったら事業になる)
研究分野としての多様性
→イノベーションの素地のはず
- 23. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「産」と「学」の関係:いろいろ
委託/共同研究=
「安価なアウトソース先」?
「学生の研究テーマが
ほしい」というのも、
わからなくもないが、
それでいいのか?
「ここまでやれば許して
もらえる」という甘えは
生まれそう
・・・お互い不幸じゃ・・
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00056/070900004/
- 24. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
中立の立場でのコミュニティ活動
民間企業どうしのコミュニティ(コンソーシアム)だと、
利害が対立して頓挫するケースも
大学=(利害において)中立な立場になれる
=コミュニティ活動を主導、または支援しやすい
もちろん、(意図的に)利害関係を持つこともできる
コミュニティ構成員の多様性は重要
=「興味を同じくする人たち」による
実質的・実働的なコミュニティを運営しやすい
Maker活動・MakerSpaceとの親和性も高い
例:金沢大のレーザーカッターを市内コワーキングの設置
例:NT金沢を通した、多様な分野のつながり(在野の研究者)
- 25. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
良くも悪くも「先生」としての役割
社会的な権威を求められる場合もある
=それが自分のやりたいことにつながるなら
積極的に活用できる
専門知識・助言を求められる場合もある
(それほど気が乗らない)単なる助言もある
自分の分野にひきこむ助言もできる
(プレス機メーカーに、自家用プレス機の世界を
アツく語る、など)
- 26. 2020/7/17 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
小商いからのイノベーション実験
技術の進歩で、小商いを実践する敷居が
下がった
少ない投資で始められる
スケールするかもしれないし、しないかもしれない
=やってみるしかない
失敗してもシャレで済む(本業=教育研究がある)
晝田浩一郎氏「公務員は身分が保証されているからこそ、
一番アグレッシブにいける」
学生に同じ目線で
背中を見せられる
(一応、口だけじゃない)
https://otonamie.jp/?p=66821