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Mariko Hayashi ( @hysmrk )
組織の「分業化」を⾒直す
90分でワークショップ
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
「90分でワークショップ」の基本フレーム
90分でできる“とっかかり”ワークショップの基本フレーム&スライド
をシェアします。アレンジしてご活⽤いただければ幸いです。
[時間割]
5分 はじめに
10分 前提知識を共有
20分 ⽰唆を得る
10分 問いを⽴てる
40分 話し合う
5分 振り返る
[⼿引き]
• 「はじめに」(5分) は、冒頭挨拶や趣旨確認、会場
案内などの諸連絡、ワークショップの流れ確認など
に使ってください。
• ファシリテーターを1名⽴てて進⾏、参加者が5〜6
名を超える場合は、グループ分けして話し合うと良
いでしょう。
• グループ分けした場合は、グループ内の話を全体で
シェアする時間を加えたり、参加者同⼠が初対⾯の
場合は⾃⼰紹介タイムを設けたり、話し合いたい内
容・実施ゴールに照らして内容を厚くするなど、時
間割をアレンジして活⽤しましょう。
たかが90分、されど90分
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
組織の「分業化」を⾒直す
このワークショップは、同じ組織で働く⼈たちが集まり、今の
分業体制を⾒直す時間をもつための“とっかかり”ツールです。
たかが90分、されど90分。何かを変えて出てくることはでき
なくても、何かに気づき、何かを始めるとっかかりを築いて、
ワークショップの場を後にすることはできるかもしれません。
今の分業体制に問題はないかを⽴ち⽌まって確認し、あるとす
ればどんな問題が起こっているのか具体的な事実をみんなで
シェアしたり、どう⾃分たちの仕事を役割分担して階層化・分
業化するのがよいか知恵をしぼったり、そんな話し合いを始め
るための “とっかかり” に、ご活⽤いただければ幸いです。
ワークショップテーマ
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

「アイヒマン実験」について、ファシリテーターが解説 or 個々にスライドに⽬
を通して理解し、参加者みんなで前提知識を共有します。
2. ⽰唆を得る (20分)

この実験から得られる⽰唆や、思ったこと、思い出したこと、考えたことなど

みんなで⾃由に話し合います。
3. 問いを⽴てる (10分)

今回得られた⽰唆をもって、集まったメンバーで何を話し合いたいかを話し合っ
て決めます。
4. 話し合う (40分)

3で⽴てた問いについて話し合います。ファシリテーターは話し合いが深まるよ
う促進・⽀援します。
5. 振り返る (5分)

ワークショップを通じて気づいたこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒を
整理します。
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

「アイヒマン実験」について、ファシリテーターが解説 or 個々にスライドに⽬
を通して理解し、参加者みんなで前提知識を共有します。
2. ⽰唆を得る (20分)

3. 問いを⽴てる (10分)

4. 話し合う (40分)

5. 振り返る (5分)

Mariko Hayashi ( @hysmrk )
アイヒマン実験
アメリカの社会⼼理学者

スタンレー・ミルグラム (1933-1984)
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
私たちは本当に、⾃分の意志に

基づいて⾏動しているのか?
ミルグラムの問い
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
被験者を募集
Olivier Hammam “Milgram Experiment advertising”
https://en.wikipedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment_advertising.gif
ミルグラムは新聞広告を出し、
「学習と記憶に関する実験」に
協⼒してくれる被験者を募集
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
2⼈の被験者
2⼈の被験者と、⽩⾐を着た実
験者 (ミルグラムの助⼿) が実験
に参加
3⼈の実験参加者
実験者
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
先⽣役
被験者2⼈にクジ引きしてもらい
1⼈が先⽣役、もう1⼈が⽣徒役
⽣徒役
単語の組合せを暗記し、テスト
を受ける
先⽣役
⽣徒が回答を間違えたら、電気
ショックの罰を与える
クジで役割決め
実験者
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
全員で実験室に⼊る。⽣徒役を
固定し、先⽣役と実験者は退室
⽣徒役
電気椅⼦に縛りつけられ、両⼿
を電極に固定される
先⽣役
電気ショック発⽣装置の前に着
席する
持ち場へ移動
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
• ボタンが30個
• 15ボルトずつ⾼い電圧を発⽣させる
• 最⾼で450ボルトまで到達
電気ショック発⽣装置
公益社団法⼈ ⽇本⼼理学会「ミルグラムの電気ショック実験」
https://psych.or.jp/interest/mm-01/
衝撃の度合い
15v 軽い
75v 中程度
135v 強い
195v かなり強い
255v 激しい
315v 甚だしく激しい
375v 危険で苛烈
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒と先⽣は、インターフォン
を通じて会話する
先⽣役
⽣徒が誤答する度に15vずつ電
圧を上げるように、実験者から
指⽰される
⽣徒役
時々間違えるため、徐々に電気
ショックの電圧が上がっていく
暗記テスト開始
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
それまでは平然としていたが、
うめき声をもらし始める
75vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
「痛い、ショックが強すぎる」
と訴え始める
120vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
「もうダメだ、出してくれ、実
験はやめる、これ以上続けられ
ない、実験を拒否する、助けて
ください」という叫びを発する
150vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
断末魔の叫びを発し始める
270vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
「質問されてももう答えない!
とにかく早く出してくれ!⼼臓
がもうダメだ!」と叫ぶだけで
質問に返答しなくなる
実験者
平然と「数秒間待って返答がな
い場合、誤答と判断してショッ
クを与えろ」と先⽣役に指⽰
300vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
⽣徒役
声を発さず、反応がなくなる
実験者
容赦なく、さらに⾼い電圧
ショックを与えるよう、先⽣役
に指⽰する
345vに達すると
先⽣役
実験者
⽣徒役
Expiring frog “Milgram Experiment.png”
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
さて、この実験とは何だったのか?
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
実は、「⽣徒役」はサクラだった
* 新聞広告で応募してきた⼀般の⼈が「先⽣役」になるよう
に、クジには仕掛けがしてあった
* 電気ショックは実際には発⽣しておらず、あらかじめ録⾳
しておいた演技がインターフォンから聞こえる仕掛けに
真の被験者は
「先⽣役」だけ
被験者
仕掛け⼈
先⽣役
⽣徒役
実験者
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
どこで実験への協⼒を拒否したか?
⾃分が「先⽣役」だったら
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
被験者の 65%(40⼈中26⼈) が
⽣徒役に最⾼450vまで電気ショックを与え続けた
ミルグラムの実験結果
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
どう考えても⾮⼈道的な営みに、⽣命の
危機が懸念されるレベルまで実験を続け
てしまったのか
なぜ、これだけ多くの⼈が…
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
命令を下す実験者への責任転嫁
ミルグラムの仮説
“⾃分は単なる命令執⾏者に
すぎない”
* 実際に、多くの先⽣役の被験者は、実験途中で逡巡や葛藤を⽰すものの、何か問題が発⽣すれ
ば責任は全て⼤学側でとるという⾔質を実験者から得ると、納得したように実験を継続した。
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
「⾃らが権限を有し、⾃分の意思で⼿を下して
いる感覚」の強度は、⾮⼈道的な⾏動への関わ
りにおいて決定的な影響を与えるのではないか
ミルグラムの問い
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
強度を下げてみた
⽣徒役
被験者
仕掛け⼈
実験者
先⽣役B
回答の正誤を判断し、
電圧の数字を読み上げる係
先⽣役A
ボタンを押す係
「先⽣役」を2⼈にして、Aは “ボタンを押
す係”、Bは“回答の正誤を判断し、電圧の
数字を読み上げる係”に、役割を分けた
Aは実はサクラ、真の被験者はBのみ
━
最初の実験より、「⾃らが権限を有し、⾃
分の意思で⼿を下している感覚」をさらに
弱めると、どうなるか
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ミルグラムの実験結果
被験者の 93%(40⼈中37⼈) が
⽣徒役に最⾼450vまで電気ショックを与え続けた
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
強度を上げてみた
被験者
仕掛け⼈
先⽣役
実験者A
(意⾒が⾷い違う)
実験者B
⽣徒役
「実験者」を2⼈にして、150v到達時点か
ら、それぞれが異なった指⽰をするよう
にする
実験者A
「⽣徒が苦しんでいる、これ以上は危険
だ、中⽌しよう」と⾔い出す
実験者B
「⼤丈夫ですよ、続けましょう」と促す
━
最初の実験より、「⾃らが権限を有し、⾃
分の意思で⼿を下している感覚」を強めて
みたら、どうなるか
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
150v以上の電圧に進んだ被験者は
1⼈もいなかった
ミルグラムの実験結果
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
弱
ミルグラムの実験結果 [まとめ]
強[⾃⼰裁量]
93%が

最後まで
⽌めない
⾮⼈道的な⾏動に直⾯したとき
65%が

最後まで
⽌めない
全員が
早々に

⽌めた
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
• 1960年代前半、アメリカでミルグラムが実験
• その後1980年代中頃まで様々な国で追試が⾏われる
• そのほとんどがミルグラムによる実験結果以上の⾼い服従
率を⽰した
実験は、他国でも展開された
アメリカ固有の国⺠性や、ある時代に特有の
社会状況に依存せず、⼈間の普遍的性質を反
映していると考えられる
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
‒Adolf Otto Eichmann
“良⼼の呵責に苛まれることがないよう、

できる限り責任が曖昧な分断化された

オペレーションを構築することを⼼がけた”
アドルフ・アイヒマンの述懐
* アドルフ・アイヒマンは、ナチスによるホロコーストのオペレーション構築に主導的役割を果たした⼈
物。名簿作成、検挙、拘留、移送、処刑などの「過度な分業体制」を構築し、⼀般市⺠に分担させた。
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

2. ⽰唆を得る (20分)

この実験から得られる⽰唆や、思ったこと、思い出したこと、考えたことなど
みんなで⾃由に話し合います。
3. 問いを⽴てる (10分)

4. 話し合う (40分)

5. 振り返る (5分)

Mariko Hayashi ( @hysmrk )
[話し合いメモ]この実験から得られる⽰唆、
思ったこと、思い出したこと、考えたことなど
•
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
• 責任の所在が曖昧で、責任転嫁しやすい状況では、⾃制
⼼や良⼼の働きは弱くなる
• 意思決定が⾃分に⼤きくのしかかっており、責任転嫁が
難しい状況では、⾃制⼼や良⼼に基づいた⾏動がとれる
• ⾃分の良⼼や⾃制⼼を後押ししてくれるアシスト(周囲
の意⾒や態度表明)があれば、⼈は「権威への服従」を
留まることができる
得られる⽰唆 (例)
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

2. ⽰唆を得る (20分)

3. 問いを⽴てる (10分)

今回得られた⽰唆をもって、集まったメンバーで何を話し合いたいかを話し
合って決めます。
4. 話し合う (40分)

5. 振り返る (5分)

Mariko Hayashi ( @hysmrk )
[問いの決定]今回得られた⽰唆をもって、集まっ
たメンバーで何を話し合いたいか
[スタンダードな例]
• 我が社で類似の問題は起こっていないか(どこで、どんな問題が)
• 今回得られた⽰唆から、⾃社で何を⾒直すべきか
• ⾒直した場合どのような混乱・リスクが⽣じるか、そのための善後策は?
[我が社オリジナル]
※具体的な部署名を出して考える、アクションプランまで落とし込むなど
・
・
・
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

2. ⽰唆を得る (20分)

3. 問いを⽴てる (10分)

4. 話し合う (40分)

3で⽴てた問いについて話し合います。ファシリテーターは話し合いが深まるよ
う促進・⽀援します。
5. 振り返る (5分)

Mariko Hayashi ( @hysmrk )
[話し合いメモ]問いについて話し合った内容
•
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
ワークショップの流れ
1. 前提知識を共有 (10分)

2. ⽰唆を得る (20分)

3. 問いを⽴てる (10分)

4. 話し合う (40分)

5. 振り返る (5分)

ワークショップを通じて気づいたこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒を整
理します。
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
[振り返りメモ]ワークショップを通じて気づい
たこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒など
•
Mariko Hayashi ( @hysmrk )
謝辞
このワークショップは、⼭⼝周さんの著作「武器になる
哲学 ⼈⽣を⽣き抜くための哲学・思想のキーコンセプト
50」(KADOKAWA)を読んでいて思いついたものです。
アイヒマン実験について知識共有した上で、⾃社の分業
化について社内で話し合う場をもってみるのは有意義な
のではないかという、けっこう⼤雑把な考えのもと、
ワークショップのプロトタイプをスライド化しました。
スライド内で使っている被験者のセリフなどは、⼭⼝周
さんが12章に書かれた「権威への服従」から多くを引⽤
しており、このスライドは、書籍の内容を取り出して、
ワークショップとしてみんなが集まり⾃分ごと化して考
えやすいよう、いくらか流れを加えただけのものです。
「武器になる哲学〜」は、⾮常に⽰唆にとんだ書籍で、
このワークショップに関⼼をもたれた⽅には、12章以外
の49のキーコンセプトも興味をもって読まれるものと思
いますので、ぜひお⼿にとってみてください。
…とお薦めする形で、⼭⼝周さんのお話を存分に使わせ
ていただいたお礼とお詫びに返させていただきます。

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90分でワークショップ:アイヒマン実験をトリガーに、組織の「分業化」を見直す

  • 1. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 組織の「分業化」を⾒直す 90分でワークショップ
  • 2. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 「90分でワークショップ」の基本フレーム 90分でできる“とっかかり”ワークショップの基本フレーム&スライド をシェアします。アレンジしてご活⽤いただければ幸いです。 [時間割] 5分 はじめに 10分 前提知識を共有 20分 ⽰唆を得る 10分 問いを⽴てる 40分 話し合う 5分 振り返る [⼿引き] • 「はじめに」(5分) は、冒頭挨拶や趣旨確認、会場 案内などの諸連絡、ワークショップの流れ確認など に使ってください。 • ファシリテーターを1名⽴てて進⾏、参加者が5〜6 名を超える場合は、グループ分けして話し合うと良 いでしょう。 • グループ分けした場合は、グループ内の話を全体で シェアする時間を加えたり、参加者同⼠が初対⾯の 場合は⾃⼰紹介タイムを設けたり、話し合いたい内 容・実施ゴールに照らして内容を厚くするなど、時 間割をアレンジして活⽤しましょう。 たかが90分、されど90分
  • 3. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 組織の「分業化」を⾒直す このワークショップは、同じ組織で働く⼈たちが集まり、今の 分業体制を⾒直す時間をもつための“とっかかり”ツールです。 たかが90分、されど90分。何かを変えて出てくることはでき なくても、何かに気づき、何かを始めるとっかかりを築いて、 ワークショップの場を後にすることはできるかもしれません。 今の分業体制に問題はないかを⽴ち⽌まって確認し、あるとす ればどんな問題が起こっているのか具体的な事実をみんなで シェアしたり、どう⾃分たちの仕事を役割分担して階層化・分 業化するのがよいか知恵をしぼったり、そんな話し合いを始め るための “とっかかり” に、ご活⽤いただければ幸いです。 ワークショップテーマ
  • 4. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 「アイヒマン実験」について、ファシリテーターが解説 or 個々にスライドに⽬ を通して理解し、参加者みんなで前提知識を共有します。 2. ⽰唆を得る (20分)
 この実験から得られる⽰唆や、思ったこと、思い出したこと、考えたことなど
 みんなで⾃由に話し合います。 3. 問いを⽴てる (10分)
 今回得られた⽰唆をもって、集まったメンバーで何を話し合いたいかを話し合っ て決めます。 4. 話し合う (40分)
 3で⽴てた問いについて話し合います。ファシリテーターは話し合いが深まるよ う促進・⽀援します。 5. 振り返る (5分)
 ワークショップを通じて気づいたこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒を 整理します。
  • 5. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 「アイヒマン実験」について、ファシリテーターが解説 or 個々にスライドに⽬ を通して理解し、参加者みんなで前提知識を共有します。 2. ⽰唆を得る (20分)
 3. 問いを⽴てる (10分)
 4. 話し合う (40分)
 5. 振り返る (5分)

  • 6. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) アイヒマン実験 アメリカの社会⼼理学者
 スタンレー・ミルグラム (1933-1984)
  • 7. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 私たちは本当に、⾃分の意志に
 基づいて⾏動しているのか? ミルグラムの問い
  • 8. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 被験者を募集 Olivier Hammam “Milgram Experiment advertising” https://en.wikipedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment_advertising.gif ミルグラムは新聞広告を出し、 「学習と記憶に関する実験」に 協⼒してくれる被験者を募集
  • 9. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 2⼈の被験者 2⼈の被験者と、⽩⾐を着た実 験者 (ミルグラムの助⼿) が実験 に参加 3⼈の実験参加者 実験者
  • 10. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 先⽣役 被験者2⼈にクジ引きしてもらい 1⼈が先⽣役、もう1⼈が⽣徒役 ⽣徒役 単語の組合せを暗記し、テスト を受ける 先⽣役 ⽣徒が回答を間違えたら、電気 ショックの罰を与える クジで役割決め 実験者
  • 11. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 全員で実験室に⼊る。⽣徒役を 固定し、先⽣役と実験者は退室 ⽣徒役 電気椅⼦に縛りつけられ、両⼿ を電極に固定される 先⽣役 電気ショック発⽣装置の前に着 席する 持ち場へ移動 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 12. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) • ボタンが30個 • 15ボルトずつ⾼い電圧を発⽣させる • 最⾼で450ボルトまで到達 電気ショック発⽣装置 公益社団法⼈ ⽇本⼼理学会「ミルグラムの電気ショック実験」 https://psych.or.jp/interest/mm-01/ 衝撃の度合い 15v 軽い 75v 中程度 135v 強い 195v かなり強い 255v 激しい 315v 甚だしく激しい 375v 危険で苛烈
  • 13. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒と先⽣は、インターフォン を通じて会話する 先⽣役 ⽣徒が誤答する度に15vずつ電 圧を上げるように、実験者から 指⽰される ⽣徒役 時々間違えるため、徐々に電気 ショックの電圧が上がっていく 暗記テスト開始 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 14. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 それまでは平然としていたが、 うめき声をもらし始める 75vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 15. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 「痛い、ショックが強すぎる」 と訴え始める 120vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 16. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 「もうダメだ、出してくれ、実 験はやめる、これ以上続けられ ない、実験を拒否する、助けて ください」という叫びを発する 150vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 17. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 断末魔の叫びを発し始める 270vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 18. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 「質問されてももう答えない! とにかく早く出してくれ!⼼臓 がもうダメだ!」と叫ぶだけで 質問に返答しなくなる 実験者 平然と「数秒間待って返答がな い場合、誤答と判断してショッ クを与えろ」と先⽣役に指⽰ 300vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 19. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ⽣徒役 声を発さず、反応がなくなる 実験者 容赦なく、さらに⾼い電圧 ショックを与えるよう、先⽣役 に指⽰する 345vに達すると 先⽣役 実験者 ⽣徒役 Expiring frog “Milgram Experiment.png” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Milgram_Experiment.png
  • 20. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) さて、この実験とは何だったのか?
  • 21. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 実は、「⽣徒役」はサクラだった * 新聞広告で応募してきた⼀般の⼈が「先⽣役」になるよう に、クジには仕掛けがしてあった * 電気ショックは実際には発⽣しておらず、あらかじめ録⾳ しておいた演技がインターフォンから聞こえる仕掛けに 真の被験者は 「先⽣役」だけ 被験者 仕掛け⼈ 先⽣役 ⽣徒役 実験者
  • 22. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) どこで実験への協⼒を拒否したか? ⾃分が「先⽣役」だったら
  • 23. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 被験者の 65%(40⼈中26⼈) が ⽣徒役に最⾼450vまで電気ショックを与え続けた ミルグラムの実験結果
  • 24. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) どう考えても⾮⼈道的な営みに、⽣命の 危機が懸念されるレベルまで実験を続け てしまったのか なぜ、これだけ多くの⼈が…
  • 25. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 命令を下す実験者への責任転嫁 ミルグラムの仮説 “⾃分は単なる命令執⾏者に すぎない” * 実際に、多くの先⽣役の被験者は、実験途中で逡巡や葛藤を⽰すものの、何か問題が発⽣すれ ば責任は全て⼤学側でとるという⾔質を実験者から得ると、納得したように実験を継続した。
  • 26. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 「⾃らが権限を有し、⾃分の意思で⼿を下して いる感覚」の強度は、⾮⼈道的な⾏動への関わ りにおいて決定的な影響を与えるのではないか ミルグラムの問い
  • 27. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 強度を下げてみた ⽣徒役 被験者 仕掛け⼈ 実験者 先⽣役B 回答の正誤を判断し、 電圧の数字を読み上げる係 先⽣役A ボタンを押す係 「先⽣役」を2⼈にして、Aは “ボタンを押 す係”、Bは“回答の正誤を判断し、電圧の 数字を読み上げる係”に、役割を分けた Aは実はサクラ、真の被験者はBのみ ━ 最初の実験より、「⾃らが権限を有し、⾃ 分の意思で⼿を下している感覚」をさらに 弱めると、どうなるか
  • 28. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ミルグラムの実験結果 被験者の 93%(40⼈中37⼈) が ⽣徒役に最⾼450vまで電気ショックを与え続けた
  • 29. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 強度を上げてみた 被験者 仕掛け⼈ 先⽣役 実験者A (意⾒が⾷い違う) 実験者B ⽣徒役 「実験者」を2⼈にして、150v到達時点か ら、それぞれが異なった指⽰をするよう にする 実験者A 「⽣徒が苦しんでいる、これ以上は危険 だ、中⽌しよう」と⾔い出す 実験者B 「⼤丈夫ですよ、続けましょう」と促す ━ 最初の実験より、「⾃らが権限を有し、⾃ 分の意思で⼿を下している感覚」を強めて みたら、どうなるか
  • 30. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 150v以上の電圧に進んだ被験者は 1⼈もいなかった ミルグラムの実験結果
  • 31. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 弱 ミルグラムの実験結果 [まとめ] 強[⾃⼰裁量] 93%が
 最後まで ⽌めない ⾮⼈道的な⾏動に直⾯したとき 65%が
 最後まで ⽌めない 全員が 早々に
 ⽌めた
  • 32. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) • 1960年代前半、アメリカでミルグラムが実験 • その後1980年代中頃まで様々な国で追試が⾏われる • そのほとんどがミルグラムによる実験結果以上の⾼い服従 率を⽰した 実験は、他国でも展開された アメリカ固有の国⺠性や、ある時代に特有の 社会状況に依存せず、⼈間の普遍的性質を反 映していると考えられる
  • 33. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ‒Adolf Otto Eichmann “良⼼の呵責に苛まれることがないよう、
 できる限り責任が曖昧な分断化された
 オペレーションを構築することを⼼がけた” アドルフ・アイヒマンの述懐 * アドルフ・アイヒマンは、ナチスによるホロコーストのオペレーション構築に主導的役割を果たした⼈ 物。名簿作成、検挙、拘留、移送、処刑などの「過度な分業体制」を構築し、⼀般市⺠に分担させた。
  • 34. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 2. ⽰唆を得る (20分)
 この実験から得られる⽰唆や、思ったこと、思い出したこと、考えたことなど みんなで⾃由に話し合います。 3. 問いを⽴てる (10分)
 4. 話し合う (40分)
 5. 振り返る (5分)

  • 35. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) [話し合いメモ]この実験から得られる⽰唆、 思ったこと、思い出したこと、考えたことなど •
  • 36. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) • 責任の所在が曖昧で、責任転嫁しやすい状況では、⾃制 ⼼や良⼼の働きは弱くなる • 意思決定が⾃分に⼤きくのしかかっており、責任転嫁が 難しい状況では、⾃制⼼や良⼼に基づいた⾏動がとれる • ⾃分の良⼼や⾃制⼼を後押ししてくれるアシスト(周囲 の意⾒や態度表明)があれば、⼈は「権威への服従」を 留まることができる 得られる⽰唆 (例)
  • 37. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 2. ⽰唆を得る (20分)
 3. 問いを⽴てる (10分)
 今回得られた⽰唆をもって、集まったメンバーで何を話し合いたいかを話し 合って決めます。 4. 話し合う (40分)
 5. 振り返る (5分)

  • 38. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) [問いの決定]今回得られた⽰唆をもって、集まっ たメンバーで何を話し合いたいか [スタンダードな例] • 我が社で類似の問題は起こっていないか(どこで、どんな問題が) • 今回得られた⽰唆から、⾃社で何を⾒直すべきか • ⾒直した場合どのような混乱・リスクが⽣じるか、そのための善後策は? [我が社オリジナル] ※具体的な部署名を出して考える、アクションプランまで落とし込むなど ・ ・ ・
  • 39. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 2. ⽰唆を得る (20分)
 3. 問いを⽴てる (10分)
 4. 話し合う (40分)
 3で⽴てた問いについて話し合います。ファシリテーターは話し合いが深まるよ う促進・⽀援します。 5. 振り返る (5分)

  • 40. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) [話し合いメモ]問いについて話し合った内容 •
  • 41. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) ワークショップの流れ 1. 前提知識を共有 (10分)
 2. ⽰唆を得る (20分)
 3. 問いを⽴てる (10分)
 4. 話し合う (40分)
 5. 振り返る (5分)
 ワークショップを通じて気づいたこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒を整 理します。
  • 42. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) [振り返りメモ]ワークショップを通じて気づい たこと、学んだこと、決めたこと、感想・意⾒など •
  • 43. Mariko Hayashi ( @hysmrk ) 謝辞 このワークショップは、⼭⼝周さんの著作「武器になる 哲学 ⼈⽣を⽣き抜くための哲学・思想のキーコンセプト 50」(KADOKAWA)を読んでいて思いついたものです。 アイヒマン実験について知識共有した上で、⾃社の分業 化について社内で話し合う場をもってみるのは有意義な のではないかという、けっこう⼤雑把な考えのもと、 ワークショップのプロトタイプをスライド化しました。 スライド内で使っている被験者のセリフなどは、⼭⼝周 さんが12章に書かれた「権威への服従」から多くを引⽤ しており、このスライドは、書籍の内容を取り出して、 ワークショップとしてみんなが集まり⾃分ごと化して考 えやすいよう、いくらか流れを加えただけのものです。 「武器になる哲学〜」は、⾮常に⽰唆にとんだ書籍で、 このワークショップに関⼼をもたれた⽅には、12章以外 の49のキーコンセプトも興味をもって読まれるものと思 いますので、ぜひお⼿にとってみてください。 …とお薦めする形で、⼭⼝周さんのお話を存分に使わせ ていただいたお礼とお詫びに返させていただきます。