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リサーチからコミュニティへ
株式会社インデックス・アイ 山崎 晴生 (2014/02/04)
1
最近、多々目にする、
リサーチ不要論!

2
Henry Ford
もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう
3
Steve Jobs

多くの場合、人は形にして見せてもらうまで
自分は何が欲しいのかわからないものだ
4
高岡 浩三

私は、マーケットリサーチをほとんど信用していない。
「意見を言ってくださいと」言われても、
本心を明かさないと考えるほうが自然だと思う。
5
リサーチは
力を失ってしまったのか?

6
YESでもあり、NOでもある。
7
調査業界売上推計(億円)

アドホック調査におけるネットリサーチ比率(%)

リサーチ市場規模の推移
(日本マーケティング・リサーチ協会 経営業務統計実態調査より)
8
環境の変化によって、リサーチに求められる役割が
変わり始めている。
9
~1999

2000~

新たな潮流

主流の調査方法

郵送/電話調査
訪問面接調査

ネットリサーチ

傾聴・観察・対話

母集団

住民基本台帳

アクセスパネル

ファン

サンプリング手法

無作為抽出

作為抽出

自発的参加

重視する考え

代表性

ターゲティング

エンゲージメント

主たる目的

論証

実態把握

探索
アイディア開発

難易度

リサーチ手法の変遷
10
WANTS
能動的で個人的な潜在欲求

NEEDS
受動的で集団的な欲求

これからの時代、もはやニーズの発想から革新的なプロダクト
やサービスは生まれず、意思のあるウォンツこそがビジネスの
起点となる。
慶應義塾大学大学院特任教授 水口哲也
11
顧客を深く知ることなしに行われる
マーケティング施策は、無力なものである。
12
顧客の声を聞こう!

13
Philip Kotler

現在の日本企業の低迷は、マーケティングの4P
(Product、Price、Place、Promotion)のうち
Promotionに偏重し過ぎた結果です。
14
リサーチの売上げと広告費の割合
ESOMAR(ヨーロッパ世論・市場調査協会)より
15
Alan Lafley

Consumer is BOSS.
16
消費者が最終のデシジョン・メーカーであること
17
消費者の潜在意識まで、
消費者自身以上に理解すること
18
Jeff Bezos

会議の際、一番の上座に必ず空席を用意する
19
この席は、ほかの誰でもないアマゾンにとって
最も大切な顧客のものである。
常に顧客視点に立った意思決定がなされている
20
David Meerman Scott

フォーチュン500の上位100社にメールでアンケートを依頼。
返信があったのは、定型文の自動メールを含めて28社のみ。
返信があった企業の株価は1年で平均して65%が上昇して
おり、返信がなかった企業は39%にとどまっていた。
21
実施中:
44%
50%

Clients

検討中:
38%
32%

Suppliers

The GRIT Report for Winter 2014
22
共創コミュニティとは?
23
共創コミュニティとは、経営の中枢に顧客の声を
取り込む仕組みである。
24
Jim Stengel

ブランドの構築とは、消費者とのリレーションシップを
より強化することにほかならない。
25
Jim Stengel

人と人が関係を築くとき、まずその人の話に
耳を傾け、立ち居振る舞いを観察し、対話をする。
こうして「共感」が高まってゆき、さらに関係を深めるためには、約束を必ず守ること。
「愛情」と「信頼」を育んで、初めて良好な関係が築ける。
26
地図を捨てて、コンパスを頼りに進め。
イノベーションが急速に進むいまの世の中では、むしろ地図などはじめから持たず、
市場の変化を敏感に感じ取るコンパスを手に、しなやかにプロダクトの方向性を
変えていった方がよい。
「リーン・スタートアップ」より MITメディアラボ所長 伊藤穣一
27
顧客の声システム
28
コミュニティパネル

アクセス
パネル

(顧客の声)

(市場の声)
MROC

評価に進む

検証に進む

探索に戻る

仮説探索
検証に進む

アンケート

アンケート

アンケート

仮説評価

仮説評価

仮説検証

MROC

再探索に進む
再探索に戻る

再評価に進む

仮説探索
29
いろいろ考えた結果、
結局、行きついたのはここ。

30
Peter Drucker

ドラッカー式 市場調査の実践法
31
ドラッカーは何より顧客を理解することに
細心の注意を払いながら、マーケターの念頭に
あるモノを顧客に見せることを提唱していた。
市場調査においては、定量分析を過度に重視するより、この点を大事にした。
ドラッカーは定量分析に反対していたわけではない。
ただ、定量分析が人間の思考や直感の代理になってはならず、最終判断を下すのは、
コンピューターではなくマーケターでなければならないと考えていた。
32
① 製品がまだ市場に出ていないのであれば、
市場調査をするな。
モノを見たり、触ったりできないと、人はよく理解できない。
そうなると、製品が市場に投入され、人が目で見て、使ってみる前の段階で、
どう受け入れられる可能性が高いか判断するのは難しい。
33
② 専門家の意見には限られた価値しかない。
「専門家の評価が正しいか間違っているかは、後になって初めて分かる」
「意見調査は恐らく、役に立たないだけでなく、害を及ぼす可能性が高い」
と結論付けた。
34
③ リスクおよび現実のテストの重要性を
重視しなければならない。
ドラッカーが最も好んだのが「現実テスト」。
実際に市場にモノを出してみて、どうなるか見てみるのだ。
テストマーケティングは、必ずしも高度なものでなくていい。
35
④ 製品(あるいはサービス)を定義するのは
顧客である。
ドラッカーは、製品やサービスを定義するのは常に顧客であって、
マーケターではないことに気付いていた。
36
⑤ 顧客調査は市場調査以上に重要である。
ドラッカーが重視したのは、潜在顧客が何を買うかを知ることであって、
企業が自社製品について調査することは、あまり重視しなかった。
ドラッカーは、顧客と顧客が買うものに関する調査ではなく、
自社製品に関する調査を過度に重視する姿勢は嘆かわしいと思っていた。
37
⑥ 顧客が重視する価値を知れ。
ドラッカーは、恐らく何より重要な質問を重視するマーケターがほとんどいないことを
発見した。すなわち、顧客と潜在顧客は何を評価しているか、という質問だ。
38
共創コミュニティの作り方、使い方は本書にて。
39
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