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- 17. 主人公 「ありがとう。大事にするね。」
主人公 「でも、姫百合の風鈴って珍しいよね?」
鷹司は顔を真っ赤にしてぶっきらぼうに言う。
鷹司 「知り合いに特別に描いてもらった」
(やっぱり、あの時の)
主人公「ありがとう鷹司。すごく嬉しい!」
そよ風に揺れる風鈴の音色に、耳を傾けながら鷹司を想う。
私の知らない所で廊下を直してくれたり、こっそり職人に頼んで風鈴を作ってくれたり---。
従者の言葉が思い出される。
『夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ』
『姫百合は1輪だけではないようですね』
(もしかして、相手の事を想って苦しいのは私だけじゃないのかも)
(伝わらない恋心…)
(でも言葉にしなくても、伝わる想いもきっとある)
(鷹司も同じ気持ちでいてくれたら、嬉しいな)
こうして、私のちょっと不思議で奇妙な、夏の日は終わっていったのだった。 17