SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 9
最近感じる日本企業の
ITの問題と展望
〜「ソフトを他⼈に作らせる日本、
自分で作る米国」を読んで
2014/3/6
あきぴー@関⻄IT
copyright2014 akipii@XPJUG関西

1
• ハンドルネーム

自己紹介

• あきぴー(@akipii)

• 著書

• 「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」
• 「チケット駆動開発」
• 「Redmine超入門」(品川Redmineスタッフと共著)

• 本日の観点

• SIerのPMの⽴場から、SIerとユーザ企業を批評します

copyright2014 akipii@XPJUG関西

2
【問題1】日本企業はロールが多すぎる
• 最終決定者があいまい

• MANを持つ⼈が不明 or 分散している

• Money(予算)、Authority(仕様)、Needs(要求)を持つ⼈

• 最終決定者が判断できない場合が多い

• 例:事業部⻑、取締役は忙しくて、詳細が判らない
• 最終決定者の⼀つ下の管理職が最終判断している

• レポートラインを事前設計するのが重要(=根回し)
• 誰に承認してもらい、合意を取るか

• 決定できない会議が多すぎる

• 利害関係者が多いので、意⾒を集約しにくい
• 会議のプロセスを事前設計するのが重要
• ストーリーと落とし所を作る(=根回し)
• TOCの対⽴解消図から解決を図るのに似ている
copyright2014 akipii@XPJUG関西

3
【展望】IT化でロールは減る
Scrumは「SW開発は3つのロールで⼗分」と⾔い切っている
プロダクトオーナー(PO)
プロダクトオーナー

スクラムチーム
協調
協調

上司
干渉
協調

スクラムマスター(SM)
スクラムマスター
チーム
・ニワトリとブタ
・POがMANを持つ最終決定者
が
を持つ最終決定者
・イベントもプロセスもフレームワーク化
・リーダーが育ちやすい
・リーダーが育ちやすい
copyright2014 akipii@XPJUG関西

防御壁

顧客

4
【問題2】開発プロセスがIT化されていない
Excelによる管理作業がまだ残っている
WF型開発
型開発

設計

要件
定義

開発
テスト

課題

進捗 変更管理票

シス
テム
テス
ト

障害報告票 リリース
管理表

リリース

原価情報

要員表
・「WF型開発で管理しきれない作業」「内部プロセス」を
型開発で管理しきれない作業」「内部プロセス」をExcelで管理している
・「
型開発で管理しきれない作業」「内部プロセス」を
で管理している
・プロジェクトマネージャも労働集約的な作業が多い
copyright2014 akipii@XPJUG関西

5
【展望】今、ツール革命が起きている

(品川Redmine)

• 開発ツールと組合せた管理⼿法でアジャイル化

• チケット駆動開発(Ticket Driven Development)

• チケット駆動で変化に強いプロジェクト管理 (Redmine、Jira)

• Infrastructure as Code

• サーバー構築もプログラム化して自動化⇒並列処理+ビッグデータへ
• Chefが有名

• 継続的デリバリー(Continuous Delivery)

• ビルド作業だけでなくリリース作業も自動化 (Jenkins)

• Social Coding

• パッチのやり取りをSNS化して、開発者のコミュニケーションを活性化
• GitHubが有名

ただし、PMの観点はまだ弱い(例:EVM、原価管理、要員管理etc.)
copyright2014 akipii@XPJUG関西

6
【問題3】導入したERPが陳腐化しやすい
• 5年経つと必ずリプレース作業が発⽣する
• 最近は3年くらいでリプレース

• サーバー交換時にミドルウェアも⼀気にVerUpして、デスマーチ発⽣!

• 設計技法はリバース・エンジニアリングが多い

• 仕様凍結して開発する⼿法が取りづらい

• マーケットの変化に追随できない
• 設計⼯程直前に再⾒積り or 五月雨開発が多い

• システム提案書が書きにくい

• 新しい技術を使ったアーキテクチャ設計が難しい
• 例:クラウド、モバイル、データマイニング etc.

• プロジェクトマネージャの過去の経験が有効でない
• 汎用機+Cobolの成功体験に固執しすぎている
copyright2014 akipii@XPJUG関西

7
【展望】超上流⼯程のアジャイル化
ウォーター・スクラム・フォールから脱却できないか?
要件
定義
設計

設計

開発

開発

テスト

テスト

システム
テスト

WF型開発
型開発

スプリント1
スプリント

リリース

・・・スプリントN
・・・スプリント

アジャイルコミュニティから数多くの手法が試行されている
⇒要件定義も軽量かつ反復的なプロセスを志向している

WF型開発
型開発

例:リーン製品開発、リーンスタートアップ
copyright@akipii XPJUG関西

8
ご清聴
ありがとう
ございました
copyright2014 akipii@XPJUG関西

9

Mais conteúdo relacionado

Mais de akipii Oga

Mais de akipii Oga (20)

プロセスプログラミングとは
プロセスプログラミングとはプロセスプログラミングとは
プロセスプログラミングとは
 
SECIモデルの状態遷移図
SECIモデルの状態遷移図SECIモデルの状態遷移図
SECIモデルの状態遷移図
 
物理攻略の全体マップ
物理攻略の全体マップ物理攻略の全体マップ
物理攻略の全体マップ
 
初中級プロマネのための現場で活かせ!統計情報.pdf
初中級プロマネのための現場で活かせ!統計情報.pdf初中級プロマネのための現場で活かせ!統計情報.pdf
初中級プロマネのための現場で活かせ!統計情報.pdf
 
「ハリウッドリライティングバイブル」のマインドマップ
「ハリウッドリライティングバイブル」のマインドマップ「ハリウッドリライティングバイブル」のマインドマップ
「ハリウッドリライティングバイブル」のマインドマップ
 
GTDのワークフロー
GTDのワークフローGTDのワークフロー
GTDのワークフロー
 
プロマネの判断プロセス
プロマネの判断プロセスプロマネの判断プロセス
プロマネの判断プロセス
 
プロマネの意思決定プロセス
プロマネの意思決定プロセスプロマネの意思決定プロセス
プロマネの意思決定プロセス
 
世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書の概念図
世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書の概念図世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書の概念図
世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書の概念図
 
チケット駆動開発の解説~タスク管理からプロセス改善へ
チケット駆動開発の解説~タスク管理からプロセス改善へチケット駆動開発の解説~タスク管理からプロセス改善へ
チケット駆動開発の解説~タスク管理からプロセス改善へ
 
チケット管理の運⽤を⽀える体制
チケット管理の運⽤を⽀える体制チケット管理の運⽤を⽀える体制
チケット管理の運⽤を⽀える体制
 
ホールディング会社の役割とIt企画・構築プロセス
ホールディング会社の役割とIt企画・構築プロセスホールディング会社の役割とIt企画・構築プロセス
ホールディング会社の役割とIt企画・構築プロセス
 
Tiddの運用サイクルとチケット駆動開発のプロセスと開発基盤
Tiddの運用サイクルとチケット駆動開発のプロセスと開発基盤Tiddの運用サイクルとチケット駆動開発のプロセスと開発基盤
Tiddの運用サイクルとチケット駆動開発のプロセスと開発基盤
 
チケット駆動開発のプロセスとチケット管理システムの全体像
チケット駆動開発のプロセスとチケット管理システムの全体像チケット駆動開発のプロセスとチケット管理システムの全体像
チケット駆動開発のプロセスとチケット管理システムの全体像
 
The model 営業プロセスの分業化
The model 営業プロセスの分業化The model 営業プロセスの分業化
The model 営業プロセスの分業化
 
JIT改善による赤字悪化
JIT改善による赤字悪化JIT改善による赤字悪化
JIT改善による赤字悪化
 
思考力と注意力のトレードオフ
思考力と注意力のトレードオフ思考力と注意力のトレードオフ
思考力と注意力のトレードオフ
 
規模の経済と不経済
規模の経済と不経済規模の経済と不経済
規模の経済と不経済
 
移行要求の実現~組織文化の類型
移行要求の実現~組織文化の類型移行要求の実現~組織文化の類型
移行要求の実現~組織文化の類型
 
小説分析ツールyWriterの構造
小説分析ツールyWriterの構造小説分析ツールyWriterの構造
小説分析ツールyWriterの構造
 

最近感じる日本企業のITの問題と展望~「ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国」を読んで