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授業へのゲーミフィケーション援用のための考察:教師とゲームクリエイターの授業改善の観点比較
- 5. • 藤岡 (1989) による授業構成の4レベル(教育内容 教材 教授行為 学習者)を参考
にカテゴリを設定し、 意味のまとまりのある発話一文ずつ(教師303 クリエイ
ター186)を基本として分類した。複数にまたがる発話もある
4、
カテゴリ
具体的な要素
教育内容 教材 教授行為 学習者
教える内容や
その妥当性
掲示物、問題、ワーク
シート、教具
説明・指示・発問・応
答・板書の仕方、教授
の流れ、ふるまい、教
授のための環境づくり
子ども観、子どもが何
を考えているか(認
知)、教授行為の結果
(状態)、
• グループごとに、ある教育実習生の授業
(小2算数・たし算のひっ算・1コマ)の映
像を視聴してもらう。その後「この授業の
どこをどう改善するか」を話し合ってもら
う(60分)。話し合いの内容をICレコー
ダーで記録し、そこで得た発話データをも
とに考察する。
- 8. ゲームクリエイター グループ に 学習規律 の発言はない
教師グループ の 指示 応答 の発言をみると
•問題読ませて全員前向かせるとか…
•ふざけてる子たちへの指示が一切ないのが気になる
•こんな風だったら私は当てない
→ 学習規律のための指示 応答が多い
•前に出て問題ができた子全員で拍手をするというルールを設けるだけでも
違うのではないか
→ 次につなげるための演出としての指示 応答 がみられる
一方、
•教師が「聞いてる?」と言っても子どもが聞くはずがない
また、
規律ではなく、問題 構成 での対応が考えられている →
という価値観のもと、
- 9. ゲームクリエイター の 問題 構成 に関連する発言をみると…
•教師が「チョコボール2個買ってきて」と子どもたちにお題を与え、レジで教師が
電卓で計算ができる前にお金を払わせるようにすればいいのでは
•「けんたくん」などのキャラクターを出して「けんたくんを納得させられる人い
る?」とすると、茶番だけどコンテンツ感があるから子どもたちがやる気になる
•1∼6レベルまである問題すべてを皆でコンプリートするとゴールになる
•だんだんレベルを上げて間違ったところで初めて教師とみんなで考える
•子どもが間違えているところで教師が「なんで3なの?」と誘導してしまっている
が、あそこは間違えさせるべき
→ 学習規律の徹底でなく問題と構成で改善を図る
→ 演出的要素の強い具体的な代替案が多い
→ いかに間違わせるかを重視
教師 では、板書の仕方やノートの取り方などで
いかに間違せないか?という議論が多かった
←
→
ー
- 10. ゲームクリエイター の価値観は 認知・状態 に関連する発言にも…
•ゲームだと子どもたちのさまざまななやり方に合わせて分岐を用意するが、
授業では難しいが、個別で選択できればいいと思う。
•一人ずつ前で発表するのが、まわりからすれば飽きる
•問題が2∼3問しかやらないのに、自分がプレイヤーになっていない時の待ち時間
が耐えられない
•子どもが初めから「やりたい」と思って買っているゲームとは若干の違い
があると思う
→ 多様な子ども個々に応じる必要があるという発想
→ みんなが授業を受けたいわけではない
→ 必ずしも一斉に活動しなくてもいい
教師 にも個々に応じるという発言はあったが
学習規律の発言ように一斉的な行動をより重視
←
→
ー
- 13. 引用文献
• 井上明人『ゲーミフィケーション―〈ゲーム〉がビジネスを変える―』NHK出版、2012
• 佐藤学編『教室という場所』国土社、1995
• 藤岡信勝『授業づくりの発想』日本書籍、1989
• 藤川大祐『「個を育てる」授業づくり・学級づくり―築地久子学級を読み解く―』学事出
版、1993
• 藤本徹「効果的なデジタルゲーム利用教育のための考え方」コンピュータ&エデュケー
ション、31、pp.10-15、2011
• eラーニング戦略研究所「小・中・高校、大学におけるゲーミフィケーション活用の意識調
査報告書」 2012
謝辞
本研究においては、小学校教員3名の方々、ゲームクリエイター3名の方々に、長時間の調査
にご協力をいただきました。
また本研究は、公益財団法人科学技術融合振興財団の助成を受け、実施したものです。
この場を借りて、皆様に感謝申し上げます。