FreeBSD 11.2 new features about zfs and intel graphics

1. FreeBSD 11.2 RELEASE !
2018 年 6 月 29 日
（株）創夢 内藤 祐一郎

2. FreeBSD 11.2-R
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FreeBSD 11.2 がリリースされました。
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新機能など多数の変更があります。
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その中で気になるものを試してみた感じを
紹介したいと思います。

3. グラフィックサポート
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Intel, radeon 系のグラフィックドライバが新しくなりました。
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正確にはドライバ本体は Linux 4.11 からの移植で、
FreeBSD 側は Linux 互換レイヤ (LinuxKPI) が更新されま
した。
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Intel Graphics に着目すると今まで Haswell 世代までのサ
ポートだったのが Broadwell, Skylake, Kabylake 世代まで拡
大されました。（ Coffeelake は情報不足により不明）

4. Intel グラフィックドライバの使い方
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FreeBSD 11.2 で drm-next-kmod をインストールします。
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`/boot/modules/i915kms.ko` をロードします。
➔ `/boot/kernel/i915kms.ko` ではないことに注意！
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同名のモジュールが /boot/kernel と /boot/modules に
あります。
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loader.conf は /boot/kernel を優先しますので、
i915kms_load=”YES”
では /boot/modules の方が読み込まれません。

5. Intel グラフィックドライバのロード方法
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/etc/rc.conf に以下を書きます
– kld_list=”/boot/modules/i915kms.ko”
– 複数のカーネルモジュールをリスト指定でき
ます
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手動で読み込むならば
– kldload /boot/modules/i915kms.ko
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もちろん、 /etc/rc.local に書いても良いです。

6. Intel グラフィックドライバの使い方
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あとは、 Xorg を起動するとドライバが自動認識されます。
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どうしても Xorg.conf を書きたい人は “ modesetting” ドラ
イバを使用してください。

7. Intel グラフィックドライバの動作
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個人で試した範囲では Skylake で動作しました。
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HDMI 出力で Full HD 出力することができました。
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HDMI 出力でサウンドを鳴らすこともできました。
➔しかし、ディスプレイサスペンド後のレジューム
で画面表示は戻りますがサウンドのみ復帰しませ
ん。。。
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マルチディスプレイも動作しました。
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Ivybridge でも同じドライバで動作しました。

8. ZFS
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新しい機能として以下の２つが入りました。
1.Checkpoint
2.Device removal (mirror のみ )
• そのため zpool-features が更新されています。
• 古いプールはアップグレードすると新機能が使えます。
• アップグレードしても新機能を使わなければ、古い OS で読み
書きすることができます。

9. ZFS Checkpoint
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プールに対するスナップショットのようなもの。
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ただし、一つしか取れない。
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プール全体に対して行った操作を取り消せる。
例えば以下のようなことができる。
1. チェックポイント開始
2.ファイルシステム削除
3.チェックポイント終了（削除を残す）または
ロールバック（チェックポイントに戻る）

10. ZFS Checkpoint
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チェックポイント中はプールの構成を変えるようなことはでき
ない。（コマンドがエラーになる）
– attach detach remove など
– mirror の分割
– guid の変更

11. ZFS Checkpoint
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チェックポイント作成
– zpool checkpoint <pool name>
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チェックポイントの終了
– zpool checkpoint -d <pool name>
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チェックポイントのロールバック
– zpool export <pool name>
– zpool import --rewind-to-checkpoint <pool name>

12. ZFS Checkpoint
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基本的には一旦サービスを止めた上でプールに対する破壊的な
変更を行うときの保険として使えます。
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ロールバックには export が必要なため、運用中のディスクに
対して行うことはできません。
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もちろん、チェックポイント後に書き込まれたデータも全て
ロールバックされます。

13. ZFS device removal
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プールの中のミラーで構成されたトップレベルの vdev を削
除することができます。
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例えば、下のようなプールのうち mirror-0 または mirror-1
を削除することができます。
testpool
mirror-0
/dev/da0p1
/dev/da1p1
mirror-1
/dev/da2p1
/dev/da3p1

14. ZFS device removal
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今のところ mirror 以外 (raidz,raidz2,raidz3) はサポートして
いません。
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ディスク使用量が残されたデバイスで賄える必要があります。
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削除対象のデバイスの上にあるデータは全て残されたデバイス
にコピーされます。
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そのため、 device removal はバックグラウンドで動作しま
す。

15. ZFS device removal
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使い方は先ほどの例だと次のようになります。
zpool remove testpool mirror-1
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remove 中は zpool status で確認できます。
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remove を取り消したければ、
zpool remove -s testpool

16. ZPOOL のテンポラリ名
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zpool import 時にテンポラリ名を指定できるようになりまし
た。
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zpool import -t ＜既存のプール名 > < テンポラリ名 >
で既にあるプールを別な名前でインポートできます。
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例えば、別マシンで作成した tank というプールをインポート
したいんだけど、自分のマシンにも tank というプールが既に
あるんだよ、という場合に別マシンで作成した tank という
プールを一時的に別名で import できます。
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テンポラリ名はディスクに保存されません。

17. 小ネタ
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vt(4) コンソールのカラーパレットが編集可能になりました。
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“/boot/loader.conf” に以下を設定します。
kern.vt.color.0 〜 15.rgb=”#f0f0f0” または” 255,255,255”
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0: 黒 1: 暗赤 2: 暗緑 3: 暗黄 4: 暗青 5: 暗紫 6: 暗水 7: 明灰
8: 暗灰 9: 赤 10: 緑 11: 黄 12: 青 13: 紫 14: 水色 15: 白

18. 小ネタ
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em(4) ドライバアップデート
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Icelake/Cannonlake 世代までの Wake Up On LAN がサポー
トされました。
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今までは ifconfig で設定しても、電源を落とすと NIC の電源も
落ちていました。
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個人的にはとっても助かりました。

19. トラブルシュート
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カーネル ABI の変更があったらしく、以下のモジュールのリコ
ンパイルが必要でした。
– virtualbox-ose-kmod
– nvidia-driver-340 （おそらく 304,390 も）
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11.2-R のソースを展開した上で、該当 ports をリビルドして
入れ直します。
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予め ports ツリー（ quarterly の pkg を使っている人は
ports/branches/2018Q2 ）をチェックアウトしておくと便利
です。

20. 最後に
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まだまだいろいろな変更があります。
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詳しくはリリースノートを見てみてください。
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FreeBSD プロジェクトのみなさまありがとうございます！