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LODによるオープンガバメント入門
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LODによるオープンガバメント入門
1.
Web標準: LODによる オープンデータ・オーブンガバメント
の効果と始めかた (updated) 2012年5月17日 W3C/Keio 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教 深見嘉明 @rhys_no1 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
2.
1
W3Cの概要 • 世界中の企業・研究機関・団体によって構成 される、ウェブ標準規格を策定する団体 • 加入企業・研究機関・団体の数は300以上。 – http://www.w3.org/Consortium/Member/List • 加入企業・団体から参加するエンジニアに よって議論が進められ、標準規格が策定され る。 • 今この瞬間も、電話会議で、メールで、 仕様に関する議論が進められています。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
3.
2 「オープンガバメント」 「オープンデータ」 という用語を よく耳にするように なりました
These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
4.
3 はじめに考えるべきこと •何のための オープン? •誰のための オープン?
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5.
4 これまでの「オープン」 • 議会や審議会、研究会といった政策形成
プロセスの公開 – 動画配信や議事録のウェブ公開等 • 施策立案担当者や議員、首長との、 直接的な意見交換 – TwitterやFacebookといったソーシャル メディアを介した交流 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
6.
「オープン」に期待されているこ
5 と • 行政執行や施策立案に透明性 が確保できる • 公開されたデータを民間が活 用することによる効率性の向 上と経済の活性化 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
7.
6 今までの「オープン」はどこ まで有効だったのか? • 平日昼間やっている議会や審議会、
誰が見るの? • 長時間の審議、議論を全部聞くの? • 議事録などの全文採録を読んで、価値のある 情報を容易に取り出せるのか? • 特定の個人間のやりとりを一般化して、政策 形成や施策立案に落としこむことは、本当に 効率的なのか? These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
8.
7 今までの「オープン」はどこ まで有効だったのか? • 似たようなデータが各省庁・部局・外郭
団体・自治体等からバラバラに開示され ていて、活用したいデータがすぐに見つ からない。 • PDFにデータが記載されていると、それ を入力し直さなければ分析・活用できな い。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
9.
8 必要とされる「オープン」のかたち • 議論の中身だけではなく、議論の前提と
なるデータが開示されること。 • データの活用が効率的に進むよう、 – 探しやすく、重複がないような体制でデータ が開示されること。 – 最初から分析プログラムやアプリケーション で活用可能なデータ形式・粒度で開示される こと。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
10.
9
具体的にどうするか • 分析・加工する前の生データ (raw data)、もしくはそれに近い データを公開する。 • コンピュータ/プログラムで 扱いやすい形式・フォーマットで 公開する。 • 適切な著作権・情報保護の設定の元、 公開する。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
11.
10
回答:Linked Data • データ公開時のルール – IDはURI – RDF (Resource Description Framework)に 従った要素を含む – データフォーマットは標準的な計算機可読な ものであればよい。 具体的には、RDF/XML、JSONなど。 – 分類項目や項目の定義=データ構造は、 既存の標準があればそれを用いる。無けれ ば、 自由に定義してよいが、その定義も公開し、 標準化に向けて提案することが理想。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
12.
11
ID=URI • URI – Uniform Resource Identifier – URLとほぼ同義。 「http://」ではじまるアドレス(注)。 • なぜURI? – ウェブ上の公開に適している – どこからでも、誰でもアクセス可能 – IDのつけ方に自由度が高い – 固有性を維持するのが容易 注:厳密には、ウェブサイトのアドレスはURIの一種© 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). These slides are copyright Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
13.
12 RDF: Resource Description
Framework • 主語・述語・目的語という 単純な組み合わせ=triple/三つ組 • 他のURI(データリソース)と リンクする http://www.w3. 述語:名前 World Wide Web org Consortium 主語 目的語 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
14.
13
Linked Dataの記述のしかた • 例:Turtleでの記述 <http://d.hatena.ne.jp/yofukami/about> rdf:type foaf:Person . <http://d.hatena.ne.jp/yofukami/about> foaf:name "深見嘉明" . <http://d.hatena.ne.jp/yofukami/about> foaf:gender "mail" . <http://d.hatena.ne.jp/yofukami/about> foaf:knows <http://www-kasm.nii.ac.jp/~takeda#me> <foaf:Person> rdfs:type <http://d.hatena.ne. jp/yofukami/about> foaf:knows <http://www- kasm.nii.ac.jp/~t foaf:name foaf:gender akeda#me> “深見嘉明” “male” These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
15.
14 データフォーマットと構造 • コンピュータが処理できれば(machine
readable)、何でも良い、が、RDF/XMLや JSONが推奨される。 • 構造を示すのは前スライドの “foaf:Person” などの部分。 • foaf、dc (Dublin Core)等、既存の標準的な フォーマットがあれば、それに従う。 • Google、Yahoo!、Microsoftが提唱する schema.orgなど、大手企業も積極的に標準を 提唱・実装。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
16.
15
Linked DataとLOD • LOD= Linked Open Data • 標準に従って生成・公開されたデータで あれば、マッシュアップして活用するこ とが可能 • だから、フォーマットも、データ構造 も、標準ベースで • 多様な形態での利用が前提なので、適切 な著作権処理(例えば、CC-BY)がなされる ことが望ましい。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
17.
16 データ共有プラットフォームとしてのLOD •
既に各分野でリンクされたデータセットが多数 生成されています (http://www4.wiwiss.fu- – 203のデータセット berlin.de/lodcloud/state/) – 2500万の RDF triples – 3億9500万の RDF links These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
18.
17
Linked Dataの本質 • 世界共通の識別子(Identifier) • 世界共通の標準フォーマット・ 構造の採用 Web全体を データリソースとして アプリケーションが 作れる These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
19.
18 エコシステムの構造
3) サービスを創る 2) アプリケーションを創る 1) データを提供する 標準仕様に則っていること により、より広い層からの 利用を見込むことができる These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
20.
19 情報開示とオープンデータの差 • 既存の「情報開示」 –
開示までにかかるコスト が大きい データ収集 – 特定の分析視点に 加工 された 分析 基づいてデータが データ 提示される プレゼン – 「データそのもの」が テーション 必要な場合、それを 取り出すコストがかかる These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
21.
20 情報開示とオープンデータの差 • LODによるオープンデータ
データ データ データ データ ニーズ ニーズ ニーズ ニーズ These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
22.
21 情報開示とオープンデータの差 • LODによるオープンデータ –
データ生成・公開/利用の分離 – データ利用に伴う負担の分散化 – 必要なデータを各所から収集して用いる (マッシュアップ)が容易 – ニーズがある場所で、効率的に アプリケーションやサービスが 開発される These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
23.
22 LODによるオープンガバメントの意義 • 負荷分散効果による、データ提供側・利
用者側の負荷低減 • アプリケーションやサービスの DIY・地産地消を実現 • スケーラビリティ効果 – 効率的な情報発信、サービス提供範囲拡大 – 他所の成功事例を簡単に導入 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
24.
23 標準という観点から見たLOD •
W3CはRDFという基本 コンセプトと、 ユーザ RDF/XMLなどのデータ データ構造 からの フォーマットの一部のみ データ 提案 を標準として策定 フォーマッ • データ構造はユーザや ト W3C 企業からの提案が RDF (&others) デファクトスタンダード になるのが普通。 These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
25.
24 標準という観点から見たLOD • 車輪の再発明は避けるべし • 自身の使い勝手のよいデータ構造
を、どんどん世界標準にするため の提案をすべき These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/
26.
ありがとうございました。 Keio-contact@w3.org http://www.w3.org @rhys_no1
These slides are copyright © 2012 W3C (MIT, ERCIM & Keio). Stata Center photo by See-Ming Lee available under a Creative Commons Attribution Share-Alike 2.0 License http://www.flickr.com/photos/seeminglee/3791607622/