私的プロジェクトの勧め 思考実験の訓練

1. 思考実験の訓練の為の私的プロジェクトの奨め
堀米 毅
国際社会、エレクトロニクス業界の変化に適応するために、会社の業務のあらゆるシー
ンで、より良く思考することが、求められています。思考実験は、訓練を必要とし、目的
意識を持たなくてはなりません。自分が強く関心を持てる領域での私的プロジェクトを通
じて、思考実験を訓練出来ると思います。私的プロジェクトの強化版は、在野研究と言わ
れています。私的プロジェクトは、皆様も学生時代に自由研究という宿題で体験している
と思います。
自分自身の学生時代の私的プロジェクトについて振り返ってみます。小学生時代には、2
件、自主的に活動していました。1 つ目は、小学校の敷地を週 1 回巡回し、雑草の勢力図を
調査していました。また 2 つ目は、友人と市内に存在する道祖神の分布と歴史を調べてい
ました。なぜ、道祖神に関心があったのかは、記憶にありません。中学生時代は、陸上部
で郊外のランニング途中で民家の畑で土器の発掘を行い、郷土史を調べていました。大学
生時代は、ヨット部だったので、ヨットの設計について国内外の資料を集め、学習してい
ました。
社会人になると、自然とテーマが、業務の延長線上になることが多いです。今の私のテ
ーマは、UAV になっています。長男は、社会人で日々の日常に追われ、長女は、大学生で
課題に追われています。次男は高校生なので、私的プロジェクトを勧めました。テーマは、
人類は、本当に月に行ったのか？です。歴史的には、50 年前に月面着陸をしたと言われて
います。50 年前と比較すると科学技術は圧倒的に進歩していますが、再び、人類は月面着
陸を実現していません。SPACE X をはじめとする宇宙ベンチャーも周回軌道が限界です。
そこで、アポロコンピュータで本当に月に行けるのかを検証します。その中で、かなりの
思考実験が必要になります。そのような訓練で常に考える習慣をつけ、少し知的要素を日
常生活に取り入れると人生が豊かになると思います。