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がんゲノム医療について
1. がんゲノム医療に基づく個別化医療って何ですか?
2. がん遺伝子パネル検査とは何ですか?
3. がんゲノム医療の提供体制はどのようになっていますか?
4. がんゲノム医療は健康保険の対象となっていますか?
5. 治療薬へのアクセスはどのようになっていますか?
6. さらに学びたい方に
がんゲノムに基づく
個別化医療って、何ですか?
2018年12月 がん遺伝子パネル検査 製造販売承認
日本経済新聞 2018.12.29
2019年6月 がん遺伝子パネル検査 保険承認
毎日新聞 2019.5.30
国家レベルで始まった個別化医療 Precision Medicine
https://obamawhitehouse.archives.gov/precision-medicine, 2015
遺伝子、環境、ライフスタイルに関する
個人ごとの違いを考慮した予防や治療法を確立
 100万の研究コホートと研究基盤整備
 がんゲノム異常に応じた治療の開発
 ゲノムデータベースと個人情報保護の法整備
これらに2億ドル以上の国家予算を投入
2000年前後から分子標的薬の時代が花開く
日本内科学会誌 104巻3号 449-455より抜粋
同じ臓器のがんでも、遺伝子異常の種類は多彩
J Clin Oncol 2010, 1254-1261
▪ 同じ臓器のがんでも、遺伝子異常は個々人で異なる
▪ がん細胞の性質も、治療の効き具合も異なってくる
多様な遺伝子異常が次々と明らかにされている
Transl Lung Cancer Res 2015. 156-164 より改変
▪ 様々ながんのゲノム異常が次々と明らかにされる
▪ 対応する治療薬を選ぶことで高い治療効果を上げられる
EGFR阻害剤
ALK阻害剤
BRAF阻害剤
HER2抗体
RET阻害剤
ROS1/TRK阻害剤
がんゲノム医療は治療薬の費用対効果も改善する
▪ 薬価は高いが奏効率も高く、費用対効果は改善
▪ 社会全体では医療費抑制(≠個人の医療費負担減)
A STRATEGY FOR ENGLAND 2015-2020.
EGFR変異陽性肺癌への治療
分子標的治療
(タルセバ)
従来の化学療法
(ドセタキセル)
治療コスト £ 6854/人 治療コスト £ 5440/人
奏効率 80-90% 奏効率 20~40%
奏効例1例あたり
£ 7,617~8,568
奏効例1例あたり
£ 13,600~27,200
無効例に要するコスト
£ 68,544~137,088
無効例に要するコスト
£ 326,400~435,200
MSI-Hへの抗PD-1療法のような臓器横断的治療薬
▪ MSI-H陽性固形がんに対する抗PD-1療法は
臓器の種類を問わずに有効性を示し、
初の「臓器横断的承認」を受けた。
▪ 臓器に応じてではなく
ゲノム情報に応じた薬物療法が認められる
Science 2017, 409-413
臓器横断的ながんゲノム医療がさらに広がる
▪ NTRKなどの新しい治療標的への承認薬も相次ぐ
▪ がんゲノム検査の必要性が高まる
ESMO2017 LBA17
NTRK融合遺伝子陽性固形がんに
対するエヌトレクチニブ
臓器別から遺伝子タイプ別へ治療開発の方向転換
JAMA Oncol 2017. 423 より改変
アンブレラ(傘)型試験 バスケット(カゴ)型試験
1つの臓器の
異なる遺伝子異常
多くの臓器の
共通した遺伝子異常
プレシジョンメディシンにおける新薬開発
がんゲノム医療の有効性を発揮するためには
▪ がんゲノムに基づく個別化医療は
• 適切な治療標的を選べば治療効果が高い
• 有効例・無効例が予測/選別できるため費用対効果がよい
• 希少な遺伝子異常に対する新薬開発の臨床試験も促進される
▪ がんゲノムに基づく個別化医療が普及するためには
• 多数の遺伝子異常を効率よく検出する検査方法が必要となる
• 遺伝子異常に応じた分子標的薬の開発(発展途上)
• 未承認新薬と健康保険との制度上のジレンマの解決
がん遺伝子パネル検査とは
何ですか?
従来のコンパニオン検査などとの大きな違いは
▪ 以前からある薬物治療の適応を決めるための検査
• 肺癌(EGFR、ALK、他…)、大腸癌(RAS、BRAF)、
乳癌胃癌(HER2)、乳癌卵巣癌(BRCA)、固形がん全般(MSI)など
▪ 遺伝子異常を同時・大量に検出する技術が開発され、
がんに関連する数百の遺伝子を事前に選定し読み取る
ターゲットシークエンスという方法が普及した。
この事前に選ばれた遺伝子セットをパネルと呼んでいる。
• 2019年6月に2種類のがん遺伝子パネル検査が保険承認された
• 国立がん研究センターなど 「オンコガイド NCCオンコパネル」
• 中外製薬・FMIなど 「Foundation One CDx」
近隣で利用できる主ながん遺伝子パネル検査
検査の種類
オンコガイド
NCCオンコパネル
Foundation One
CDx
OncoPrime Guardant 360
診療形態
保険診療
先進医療
保険診療 自由診療 自由診療
費用 560,000円 560,000円 880,000円 420,000円(初回)
提出検体
腫瘍FFPE検体+
末梢血2mL
腫瘍FFPE検体 腫瘍FFPE検体
末梢血20mL
(Liquid biopsy)
対象遺伝子数 114遺伝子 324遺伝子 223遺伝子 73遺伝子
解析場所 日本国内 米国 米国 米国
所要時間 20営業日 14日間 1か月 10日間
二次的所見 ほぼ確定できる 再検査が必要 再検査が必要 再検査が必要
C-CAT登録 必要 必要 不要 不要
当院で実施可能 2020年保険承認?
※ 非小細胞肺癌用の「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステム」も検査の原理は同じだが
今回のがんゲノム医療と若干用途が異なるため、今回は割愛
NCCオンコパネルの検出遺伝子
Cancer Sci 2019. 1480–1490
がん遺伝子パネル検査の際に登録が必要なデータ
臨床情報収集の効率化案( 事務局案)
13
患者基本
情報
匿名化患者ID、中核拠点病院コード、連携病院コード、性別、年齢、生年月日、
同意情報、がん種区分、登録時転移の有無、登録ID
検体情報 検査種別、検査ID、採取日、採取方法、採取部位
患者背景 診断名、喫煙歴、飲酒歴、ECOG PS、多発がん( 有無/活動性) 、重複がん
( 有無/部位/活動性) 、家族歴( 有無/続柄/がん種/罹患年齢)
がん種情報 特定のがん種に対する遺伝子検査結果( EGFR, ALK, ROS1, HER2, KRAS,
NRAS, BRAF, gBRCA1/2など)
院内がん登録 転帰以外の情報
→ 診断日、診断根拠、診断施設、治療施設、症例区分、原発部位( 局在コー
ド、テキスト) 、臨床病期、病理病期、病理診断( 形態コード、テキスト) など
化学療法 治療ライン、実施目的、実施施設、レジメン名、用法用量、開始/終了日、最良
総合効果、判定日
有害事象 Grade3以上の有害事象有無、有害事象名、発現日、最悪Grade
病理 病理レポート
転帰 転帰、最終生存確認日、死亡日、死因
中止 検査中止日、中止理由
管理情報 ( 患者ID、医療等ID、) 前の登録ID、症例関係区分
※医師以外でも、カルテ等からの転記がやりやすいように、入力項目や方法( 青字の自動転記など) が工夫できないか引き続き検討中
検
体
発
送
ま
で
E
P
ま
で
E
P
後
電子カルテのテンプレート
機能を使って
担当医に埋めて
いただくフォームの
準備を検討中
パネル検査レポートの一例(NCCオンコパネル)
OncoGuide NCCオンコパネルシステム 資料より
パネル検査レポートの一例(NCCオンコパネル)
OncoGuide NCCオンコパネルシステム 資料より
検出された変異箇所
検出アレル頻度
遺伝子名
COSMIC登録の有無
融合遺伝子の有無
変異量
(mutation burden)
変異に対する臨床的意味づけ
(アノテーション)
・ ・
実際に治療につながる変異が見つかる頻度は?
▪ NCCオンコパネル、およびその他のパネルからも
遺伝子変異が見つかる可能性は決して低くないが
実際に治療につながる変異が検出できる割合は高くない
• MDアンダーソンがんセンター 30%程度
• 国立がんセンター中央病院(TOPGEAR-2) 187例中25例(13%)
• 京大病院 1%?
▪ 治療につながる変異が全く見つからないケースも
• 肺癌・大腸癌などは比較的見つかりやすい印象
• 腺癌に比べて扁平上皮癌や未分化癌は厳しいかもしれない
• 肉腫はさらに候補が見つかりにくい
パネル検査だけでは治療につなげることができない
▪ パネル検査は
変異を起こした遺伝子名とその部位しか教えてくれない。
▪ パネル検査の結果の臨床的な意味や、どのような治療が
適用可能かは、専門家による解釈が必要となる。
▪ がんゲノム医療中核拠点病院での
エキスパートパネル(専門家会議)で検討を行う。
連携病院はWebカンファレンスとして参加する。
がんゲノム医療の提供体制は
どのようになっていますか?
がんゲノム医療の検体と検査の流れ
検査前には
検査の意義や有用性
およびその限界に
ついて理解して
頂く必要があります 正確な検査のため
DNAを抽出する
手術・生検検体は
質・量ともに良好で
ある必要があります
中核拠点病院で開かれる
エキスパートパネルは
・主治医(担当医)
・がん薬物療法専門医
・臨床遺伝専門医
・病理医
・分子遺伝学の専門家
・バイオインフォマティシャン
(データ解析技術者)
の参加が必須要件です
当院が担う部分
がんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療連携病院の機能
患
者
説
明
(検
査
)
検
体
準
備
シ
ー
ク
エ
ン
ス
実
施
レ
ポ
ー
ト
作
成
エ
キ
ス
パ
ー
ト
パ
ネ
ル
患
者
説
明
(結
果
)
治
療
研
究
開
発
がんゲノム医療中核拠点病院
がんゲノム医療連携病院
患者説明
検体準備
シークエ
ンス実施
エキスパー
トパネル
レポート
作成
患者
説明
治療
研究
開発
中核
拠点
必須 外注可 必須 必須 必須 必須
連携 必須 外注可
中核拠点の会議等に
参加
必須 必須 協力
がんゲノム医療連携病院をがんゲノム中核拠点病院が申請※
以後、がんゲノム医療中核拠点病院からがんゲノム医療連携病院の追加を、6ヶ月ごとを目処として厚生労働大臣に申請する。
※がんゲノム医療中核拠点病院は、整備指針の要件を満たしていることを確認の上、自らが連携するがんゲノム医療連携病院
の候補となる医療機関を、厚生労働大臣に申請する。
9
第2回がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議(平成31年3月8日)資料1より抜粋・一部改変
エキスパートパネルとは
▪ パネル検査結果の「臨床的意義」、「エビデンスレベル」、
「治療薬の選択」、「二次的所見開示の必要性」などの検討
▪ ①担当医、②薬物療法の専門医、③病理医、④臨床遺伝専門医、
⑤遺伝カウンセラー、⑥分子遺伝学かがんゲノム医療の専門家、
⑦データ解析技術者の参加が要件 (中核拠点病院の要件でもある)
▪ 中核拠点病院で開催、連携病院はWeb会議システムで参加
毎週火曜日 17:30〜 @西館6階 研修室3
▪ 治験情報などはC-CAT(CKDB)や検査会社から取得
CKDB : cancer knowledge database
▪ 現在は11箇所の中核拠点病院が独自の方法で開催しているが、
今後は標準化ワーキンググループが内容の整備を行う
3学会合同ガイダンスによるエビデンス分類
基準 日本3学会 米国3学会 造血器 EPWG改定案
当該癌腫で国内承認薬あり 1A A A
当該癌腫でFDA承認薬あり 1B A A A
当該癌腫のガイドライン記載 1B A A A
当該癌腫で質の高い臨床試験とコンセンサス 2A B B B
異なる癌腫で国内またはFDA承認薬あり 2B C C C
異なる癌腫で質の高い臨床試験とコンセンサス C
癌腫を問わず小規模な臨床試験 C
臨床試験の選択基準に使用 C C
癌腫を問わず当該変異で症例報告 3A D D
In vitro・in vivo前臨床試験で治療効果あり 3B D D E
がんに関与することが知られている 4 F
耐性変異 R
国内3学会=日本臨床腫瘍学会(JSMO)、日本癌治療学会(JSCO)、日本癌学会(JCA)
米国3学会=米国分子病理学会(AMP)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、米国病理医協会(CAP)
EPWG=エキスパートパネル標準化ワーキンググループ
北海道大学病院
東北大学病院
慶應義塾大学病院
東京大学医学部附属病院
名古屋大学医学部附属病院
京都大学医学部附属病院
大阪大学医学部附属病院
岡山大学病院
九州大学病院
国立がんセンター東病院
国立がんセンター中央病院
がんゲノム医療連携病院(156カ所)
がんゲノム医療中核拠点病院(11カ所)
がんゲノム医療中核拠点病院及びがんゲノム医療連携病院(2019年4月時点)
色分けは地方厚生局の地域ブロックに基づく 7
がんゲノム医療連携病院(156か所) 平成31年4月時点
※ 平成31年4月時の新規連携病院を色付け8
都道府県 がんゲノム医療連携病院
北海道
札幌医科大学附属病院
北海道がんセンター
函館五稜郭病院
旭川医科大学病院
市立函館病院
恵佑会札幌病院
青森県
弘前大学医学部附属病院
青森県立中央病院
岩手県 岩手医科大学附属病院
宮城県 宮城県立がんセンター
秋田県 秋田大学医学部附属病院
山形県 山形大学医学部附属病院
福島県 福島県立医科大学附属病院
茨 城県
筑波大学附属病院
茨 城県立中央病院
栃木県
栃木県立がんセンター
獨協医科大学病院
自治医科大学附属病院
群馬県 群馬県立がんセンター
埼玉県
埼玉医科大学国際医療センター
埼玉医科大学総合医療センター
埼玉県立がんセンター
埼玉県立小児医療センター
獨協医科大学埼玉医療センター
千葉県
千葉県がんセンター
千葉大学医学部附属病院
亀田総合病院
東京都
杏林大学医学部付属病院
聖路加国際病院
帝京大学医学部附属病院
東京医科大学病院
東京医療センター
東邦大学医療センター大森病院
東京都立駒込病院
東京女子医科大学東医療センター
国立成育医療研究センター
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京医科歯科大学医学部附属病院
東京都
日本医科大学付属病院
東京慈恵会医科大学附属病院
NTT 東日本関東病院
虎の門病院
国立国際医療研究センター病院
日本大学医学部附属板橋病院
がん研究会有明病院
武蔵野赤十字病院
日本赤十字社医療センター
東京都立多摩総合医療センター
神奈川県
聖マリアンナ医科大学病院
北里大学病院
東海大学医学部付属病院
神奈川県立がんセンター
横浜市立大学附属病院
神奈川県立こども医療センター
横浜市立市民病院
新潟県
新潟大学医歯学総合病院
新潟県立がんセンター新潟病院
富山県
富山大学附属病院
富山県立中央病院
石川県
金沢大学医学部附属病院
金沢医科大学病院
福井県 福井大学医学部附属病院
山梨県
山梨県立中央病院
山梨大学医学部附属病院
長野県
信州大学医学部附属病院
長野赤十字病院
岐阜県
岐阜大学医学部附属病院
木沢記念病院
岐阜県総合医療センター
岐阜市民病院
大垣市民病院
岐阜県立多治見病院
静岡県
聖隷三方原病院
浜松医科大学医学部附属病院
静岡県立静岡がんセンター
総合病院聖隷浜松病院
浜松医療センター
静岡県立総合病院
愛知県
愛知県がんセンター中央病院
名古屋市立大学病院
安城更生病院
公立陶生病院
豊橋市民病院
名古屋第一赤十字病院
名古屋第二赤十字病院
藤田医科大学病院
名古屋医療センター
愛知医科大学病院
豊田厚生病院
三重県 三重大学医学部附属病院
滋賀県
滋賀医科大学医学部附属病院
滋賀県立総合病院
京都府
京都府立医科大学附属病院
京都第一赤十字病院
京都市立病院
京都医療センター
京都桂病院
京都第二赤十字病院
大阪府
関西医科大学附属病院
大阪医療センター
大阪医科大学附属病院
大阪市立総合医療センター
大阪赤十字病院
大阪急性期・総合医療センター
市立東大阪医療センター
大阪国際がんセンター
近畿大学医学部附属病院
大阪市立大学医学部附属病院
大阪労災病院
兵庫県
神戸市立医療センター中央市民病院
神戸大学医学部附属病院
兵庫医科大学病院
姫路赤十字病院
兵庫県立がんセンター
関西労災病院
奈良県
奈良県立医科大学附属病院
近畿大学医学部奈良病院
和歌山県
日本赤十字社和歌山医療センター
和歌山県立医科大学附属病院
鳥取県
鳥取大学医学部附属病院
鳥取県立中央病院
島根県
島根大学医学部附属病院
島根県立中央病院
岡山県
倉敷中央病院
川崎医科大学附属病院
広島県
広島市民病院
県立広島病院
広島大学病院
呉医療センター
安佐市民病院
福山市民病院
山口県
徳山中央病院
山口大学医学部附属病院
岩国医療センター
徳島県 徳島大学病院
香川県
香川県立中央病院
香川大学医学部附属病院
愛媛県
愛媛大学医学部附属病院
四国がんセンター
高知県
高知大学医学部附属病院
高知医療センター
福岡県
久留米大学病院
九州医療センター
福岡大学病院
北九州市立医療センター
九州がんセンター
産業医科大学病院
佐賀県
佐賀大学医学部附属病院
佐賀県医療センター好生館
長崎県 長崎大学病院
熊本県 熊本大学医学部附属病院
大分県 大分大学医学部附属病院
宮崎県 宮崎大学医学部附属病院
鹿児島県
相良病院
鹿児島大学病院
沖縄県 琉球大学医学部附属病院
当院は滋賀県のがんゲノム医療連携病院で、
がんゲノム医療中核拠点病院である京大病院と連携します
11か所指定
がんゲノム医療連携病院 がんゲノム医療連携病院
がんゲノム医療中核拠点病院 がんゲノム医療中核拠点病院
がんゲノム医療拠点病院(案)
将来像※
遺伝子パネル検査による
医療をがんゲノム医療中
核拠点病院等と連携して
行う。
156か所公表 がん診療連携拠点病院等+小児がん拠点病院
ゲノム医療を必要とするがん患者が、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられるよう
段階的に、全ての都道府県でがんゲノム医療の提供が可能となることを目指す
※遺伝子パネル検査の状況を踏まえ整備
平成30年度
遺伝子パネル検査の
医学的解釈が自施設で
完結できる。
・人材育成機能
・診療支援
・治験・先進医療主導
・研究開発
などが求められる。
がんゲノム医療の提供体制の将来像(案)
第1回がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議
(平成30年8月1日)資料1より抜粋・一部改変
12
今後は中核拠点病院と連携病院の間にがんゲノム医療拠点病院が
設けられるが、現在のところ滋賀県・京都府には無し
がんゲノム医療は
健康保険の対象と
なっていますか?
パネル検査が健康保険の適用となる範囲
固形がんで
治癒切除が不可能な転移・再発病変で
標準治療の終了後
検査後にも薬物療法に耐える全身状態
(PS 0-1で、数ヶ月以上の予後が期待できる)
原発不明がんや
標準治療のない希少がん
or
検査に3週間+エキスパートパネルに1週間
治験エントリーに1ヶ月、その効果判定に最低1ヶ月・・・
保険償還には、さらに細かい条件も
▪ 実施は がんゲノム医療中核拠点病院 や 連携病院 のみ
滋賀県では連携病院は 当院 と 滋賀医科大学附属病院 (2019年10月現在)
▪ 患者1人につき1回のみ
▪ 検査結果をエキスパートパネルで検討する必要あり
▪ 検査結果を書面で患者に説明すること
▪ 保険点数は56,000点 (検査実施料 8,000点+判断説明料 48,000点)
判断説明料は結果説明時に算定できる
=1ヶ月後の結果説明時に患者死亡の場合は算定不可 (DPCでの扱いは??)
検査会社に42万円+消費税、中核拠点病院に5万円
採血および病理検体処理コスト、相談支援センターや外来の人件費
パネル検査後の
治療薬へのアクセスは
どのようになっていますか?
その後の治療の流れ
未承認薬の治験に参加する(@治験実施施設)
• その遺伝子異常に対応する治療薬の治験が実施されている場合
• 実際に治験に参加できる割合はごく一部(国がんで10%、京大で1%?)
患者申出療養制度を利用する(@中核拠点病院)
• 未承認の薬剤を混合診療に近い形で利用できる制度
• がんゲノム医療の場合は、国がんセンターで実施された治療薬の
患者申出療養制度は中核拠点病院でも受けられるようになる見込み
保険適用外の自費診療で治療を受ける
• 高額の自己負担が生じる (薬剤により月100万円?)
• 国内で入手できる治療薬ならおおむね実施可
• 入院基本料、検査、副作用の対処まで含めて保険適用外になる
未承認薬治験の参加へのハードル
▪ 米国に比べて日本は治験が少なく、
日本の未承認薬治験の90%は首都圏で行われている
=関西圏で受けられる治験は少ない(東京へ通院できるか?)
国立がんセンターでは10%弱が治験参加しているが京大・九大は1%?
▪ 全身状態が良好であるだけでなく、対象臓器や前治療により
遺伝子変異があっても治験に参加できるとは限らない
▪ 治験参加までのタイムラグ
▪ 治療を受けられても有効であるとは限らない
• 遺伝子異常に応じて選んだ薬の奏効率が特別高いとは限らない。
• 治験に参加できても、Phase Iは有効性を期待する臨床試験ではないし
Phase Iの薬のうち有効と判定されて生き残るのは5%以下。
患者申出療養制度とは何ですか?
▪ 未承認薬などの先進的な医療を保険外併用療養として使用
▪ 混合診療の制約なく、健康保険内の診療は保険下で受けつつ
未承認薬部分だけ自己負担で受けることができる
▪ がんゲノム医療では、エキスパートパネルと担当医の推奨を
受けた場合に限って、国立がん研究センター中央病院で
実施した患者申出療養を中核拠点病院11施設で受けられる
(全身状態が基準を満たし、京大まで通院可能な方)
▪ 治療薬は自己負担 or 製薬会社無償提供(現在ノバルティスのみ)
自由診療 患者申出療養
入院基本料・その他の技術料 10割負担 健康保険適用
薬剤費 10割負担 10割負担
高額療養費制度
の対象にもなる
国立がん研究センターのTOPGEAR計画の場合
総参加数
解析症例数
解析成功症例は
全体の81.3%
DNA量が不足
DNA品質が不良
検体DNAコンタミネーション
カバレッジ不足(主に読み取り不良)
研究不適格患者
腫瘍検体が入手できず
Cancer Sci 2019. 1480-1490
国立がん研究センターのTOPGEAR計画の場合
Cancer Sci 2019. 1480-1490
▪ 非小細胞肺癌・大腸癌などでは
2B以上の薬剤候補が見つかりやすい
▪ 腺癌に比べて扁平上皮癌は厳しい
▪ 肉腫はさらに候補が見つかりにくい
▪ TOPGEAR第2期の187症例の内訳
 1つ以上の遺伝子異常 83.4%
 3学会ガイダンス3A以上 58.3%
 TMB-high(>10/Mb) 9.1%
 治療薬投与症例 25例(13%)
 そのうち治験 15例(8%)
 既承認薬 6例(3%)
 適用外自費診療 4例(2%)
▪ パネル検査が保険適用される対象は、基本的に標準治療終了後
▪ 遺伝子異常が見つからないケースが少なくない
▪ 見つかった遺伝子異常に治療薬があるとは限らない
▪ 治療薬へのアクセスは十分ではない(治験・患者申出療養・自費診療)
▪ 治療薬を投与できても有効とは限らない
パネル検査に、まだまだ残されている課題
▪ もう治療がない患者に新たな選択肢を提示することができる
▪ 遺伝子変異によっては劇的な治療効果が期待できる
▪ 個別化治療が普及し、遺伝子変異に応じた新薬の開発も進む
▪ (社会全体では)治療の無駄が減り医療費が抑制できる可能性も
がんゲノム医療によって促進される新たながん治療
さらに学びたい方に
さらに学びたい方に 〜参考になるWebサイト〜
▪ がんゲノム情報管理センター(C-CAT) 患者・一般向け資料
https://www.ncc.go.jp/jp/c_cat/index_kan_jya.html
患者・一般向けパンフレットや
解説動画(YouTube)・各種参考資料など
▪ がん情報サービス 「がんゲノム医療」
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/genmed02.html
がんゲノム医療に関する解説、受けられる医療機関、参考文献集
▪ 京大病院がんセンター がんゲノム医療
http://www.cancer.kuhp.kyoto-u.ac.jp/genome/
実際に受診される方の流れなど
さらに学びたい方に 〜参考書籍〜
Cancer Board Square 2019年7月号(医学書院)
特別企画 はじめてのがん遺伝子パネル検査 特別講義
臨床検査 2019年8月号(医学書院)
特集 知っておきたいがんゲノム医療用語集
さらに学びたい方に 〜参加できる会議など〜
▪ エキスパートパネル(専門家会議)
毎週火曜日 17:30〜 @西館6階 研修室3
京大病院および連携病院をWeb回線で接続してカンファレンスを行います。
当院職員であれば誰でも参加可能(名簿へ記名必要)
▪ がんゲノム医療連携病院Web会議
月1回 第2水曜日 16:00〜 @西館6階 研修室3
11月13日 16:00〜、12月11日 16:00〜
がんゲノム医療に関する制度の説明、中核拠点病院との事務連絡など。
当院職員であれば誰でも参加可能
▪ がん英語抄読会
第1・3木曜日 18:00〜 @新館1階 研修室
医師(研修医含む)・看護師・薬剤師・他 当院職員であれば誰でも参加可能
▪ そのほか各種勉強会・研修会あります

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Notas do Editor

  1. 1970年代に種をまいたがん研究は、今になって急速に実用化に至る薬剤が増えてきています。遺伝子工学や抗体製剤精製の手法の進歩がこれらを可能にした。 いまでは抗がん剤は150以上承認され、そのうち80程度が分子標的治療薬と言われています。そして臨床試験が実施されているものは、報告によると1000種類にも登るとか。
  2. 実はがん細胞の遺伝子異常を調べて治療に生かすというのは、すでに皆様の診療に生かされています。未来の技術のように思われているが、20年前からある