会社法を開設しながら、会社の設立を検討する、というのを主題としたセミナー資料です

1. 東京横浜会計事務所 公認会計士・税理士 森 哲哉 会社の設立

2. そもそも、会社って何？ 会社法 3条 「会社は法人とする」 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 2

3. じゃあ、「法人」ってどういう意味？ 法人とは、自然人以外で権利・義務の主体となりうるもの copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 3

4. 法人の特質って何？ ①法律関係の処理の便宜 ②法人財産の個人財産からの独立性 ③個人財産の法人財産からの独立性 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 4

5. ①法律関係の処理の便宜とは？ 会社が、権利を有し、義務を負う copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 5

6. ②法人財産の個人財産からの独立性とは？ 個人の財産とは別個独立の団体のみに帰属し、団体に対する債権者が排他的に差し押さえうる財産を法律的に作り出すこと copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 6

7. ③個人財産の法人財産からの独立性とは？ 法人に対する債権者は、法人の財産を差し押さえただけでは、十分な弁済が得られない場合であっても、構成員個人の財産を差し押さえることが出来ないこと copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 7

8. ところで会社って種類があるの？ ・株式会社 ・合名会社 ・合資会社 ・合同会社 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 8 何が違うのか？

9. それぞれの会社の違いって何？ ③個人財産の法人財産からの独立性 この点が違う！ 株式会社・合同会社は、株主または出資者が、間接有限責任 ! copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 9

10. 有限責任とは？ 株主または出資者は、出資額を限度とした出資義務を負うのみで、会社債権者に対して何らの責任も負わない （故意又は重過失がある場合を除く） copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 10

11. 株式会社と合同会社の違いって何？ 出資の方法が異なる 株式会社・・・・ 株式の発行という形態による出資 合同会社・・・・ 株式を発行できない通常の出資 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 11

12. 株式会社の設立方法は？ 発起設立 発起人のみが資金等を出資する方法 募集設立 発起人のみならず、他の出資者も一定の方法により募って設立する方法 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 12

13. 株式会社を発起設立で設立する ①出資方法の決定 ・金銭による出資 一般的な方法 ・金銭以外の出資 価値ある有形無形の財産 による出資も一定の手続 の下、認められている copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 13

14. 株式会社を発起設立で設立する ②機関の設計 機関とは、会社法で定められている取締役会、監査役、監査役会、会計参与、会計監査人等をいう 会社は実情に応じた機関を設計しなければならない copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 14

15. 株式会社を発起設立で設立する ②機関の設計 例 機関の組み合わせ copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 15

16. 株式会社を発起設立で設立する ②機関の説明 (1) 取締役会とは・・・・ 取締役によって構成され、その会議による決議によって、業務執行に関する会社の意思を決定し、かつ、取締役の職務執行を監督する機関 代表取締役とは・・・・ 会社を代表し、かつ、業務執行をなす機関 原則、取締役会が選任し、解任も出来る 取締役とは・・・・ 取締役会の構成員 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 16

17. 株式会社を発起設立で設立する ②機関の説明 (2) 監査役とは・・・・ 取締役の職務執行を監査する機関 監査役会とは・・・・ 3名以上の監査役による合議体 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 17

18. 株式会社を発起設立で設立する ②中小企業の機関設計のあり方 取締役のみで、取締役の員数も、1名から数名、というのが最も実利に適っていると考える しかし、将来、規模を大きくしたい会社は、社会的信用を上げるため、監査役等を具備する必要有 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 18

19. 株式会社を発起設立で設立する ③定款を作成する 定款とは・・・・ 会社の組織・活動を定める根本規則 全ての会社が作成しなければならないもの copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 19

20. 株式会社を発起設立で設立する ④定款の記載内容 ・絶対的記載事項 目的、商号、本店の所在地等 ・相対的記載事項 現物出資等 ・任意的記載事項 定款に記載されることによって、形 式的効力を増すもの copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 20

21. 株式会社を発起設立で設立する ⑤定款の認証 ある行為又は文書が、正当な手続・方式に従っていることを公の機関が証明することを認証といい、定款についても設立時において、必ず認証が求められている copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 21

22. 株式会社を発起設立で設立する ⑥定款の認証にかかる費用 ・収入印紙 4万円 但し、電子定款の場合 ０円 ・定款認証料 5万円 ・謄本手数料 1千円～ copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 22

23. 株式会社を発起設立で設立する ⑦登記 会社は、設立登記により成立する 設立申請日が会社設立日になる copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 23

24. 株式会社を発起設立で設立する ⑧登記とは？何のために？ 登記とは、 登記所に備える登記簿に記載すること その目的は、 登記は会社に関する情報を、公衆に広く知らしめること copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 24

25. 株式会社を発起設立で設立する ⑨登記にかかる費用 ・登録免許税 15万円 あるいは、資本金の 7/1000 どちらか高い金額を払う copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 25

26. 株式会社を発起設立で設立する ⑩必要な書類 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 26

27. 株式会社を発起設立で設立する ⑪設立後の届け 税務署や社会保険事務所に、開業届や新規適用届等を提出する copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 27

28. 会社を設立する前にやらなければばらないこと 未来の計画を立てること copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 28

29. 未来の計画＝事業計画 事業計画とは、自分の未来を言葉や数値で語るもの 経緯、理念、商品・サービスの概要、市場等の分析、販売計画、設備投資計画、損益計画、人員計画、資金計画等々 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 29

30. 事業計画に決まった様式はあるの？ 事業計画に決まった様式はない 計画書は厚ければ良いものでもない 現状を把握し、リスクを勘案しながら、将来の姿を論理的・合理的に示すものであるべき copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 30

31. 事業計画を策定しなければならない理由 ・事業計画を作ることによって、起業 家自身の考えが深まる ・実現可能性を計ることが可能となる ・賛同する仲間を得ることが出来る ・VCや金融機関から資金を拠出してもらう ため copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 31

32. 事業計画を立ててみよう 何故、その事業をやろうと思ったのか？ 経営理念・事業理念は？ 商品・サービスの概要は？ どうやって儲けるつもり？ 市場および競合の分析 成長戦略 販売計画 仕入計画 人員計画 損益計画 資金計画 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 32

33. 事業計画を立案する期間は？ 3-5年の中期計画が主流 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 33

34. 事業計画を作り方が分からない もしも、あなたがユニクロの社長だったら もしも、あなたが楽天の社長だったら もしも、あなたがGREEの社長だったら copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 34

35. 事業計画から算出する事業価値 事業計画から、当該事業の事業価値を算出する もちろん数値の客観性・合理性がある程度担保されたうえでの話 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 35

36. 事業価値をどうやって算出する？ 事業から得られる将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて、初期投資をネットしたものが、その事業の価値 正味現在価値 (NET PRESENT VALUE) copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 36

37. 正味現在価値（NPV）で考える事業 正味現在価値が大きければ大きいほど、その事業の価値は高い 逆にマイナスの値になってしまうようだと事業の継続すら困難 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 37

38. 開業資金はどうする？ Debt or Equity ? Debt : 他人からの借入金 Equity : 自己資金 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 38

39. 開業時の自己資金の目安日本政策金融公庫総合研究所調査 2009年度「新規開業実態調査」より引用 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 39

40. 開業資金の考え方 借入金と自己資金の特質を正確に把握したうえで、どのように資金を用意するか考えなければならない copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 40

41. 借入金とは？ 借入利率と返済期限が決められた他人資本である 一般的に毎月元本と利息を返済する必要がある copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 41

42. 自己資金とは？ 利子率や返済期限が決められていない自己資本である 定期的な資金の流出がない copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 42

43. 開業後の資金負担を考えると、絶対に自己資本を増やすべき 事業を始めて、すぐに軌道に、順調にいくことなんてほとんどない！ そのため、定期的な資金の流出がない 自己資本で開業すべき copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 43

44. 自己資金が無い人は、開業できないのか？ VC（ベンチャーキャピタル）やエンジェルと呼ばれるような資金の担い 手から出資を受ける この資金は、自己資本となる copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 44

45. VC等から資金提供を受けられない場合は？ 助成金制度の活用を考える 国や県や市などが行っている助成金 制度を活用出来ないか検討する copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 45

46. 借入金を検討する場合の重要ポイント ・社長の連帯保証を出来るだけ外して もらう ・返済据置期間を設けてもらう ・無担保無保証の条件を優先する copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 46

47. 助成金制度一例 試行雇用（トライアル雇用）奨励金 業務遂行に当たっての適性や能力などを見極め、その後の常用雇用への移行や雇用のきっかけとするため、経験不足等により就職が困難な求職者を試行的に短期間雇用（原則３か月）する場合に奨励金が支給されます。 実習型雇用支援事業十分な技能及び経験を有しない求職者（緊急人材育成支援事業による職業訓練修了後、一定期間経過しても就職が決まっていない者）を原則６ヶ月間の有期雇用で受け入れ、実習・座学を通じて企業のニーズに合った人材に育成し、その後、常用雇用として雇い入れた事業主に奨励金等が支給されます。（各種様式はこちら） 特定求職者雇用開発助成金 高年齢者、障害者等の就職が特に困難な者等を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して、賃金の一部が支給されます。 派遣労働者雇用安定化特別奨励金(PDF:437KB) (平成24年3月31日までの暫定措置)受け入れている派遣労働者を直接雇い入れた事業主に対して奨励金が支給されます。（様式はこちら(PDF:211KB) copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 47

48. 借入金の制度一例 copyright(c)2010 東京横浜会計事務所 48