2020年5月27日に開催した「TIS×INTEC　BlockchainNight　～SIerからみたエンタープライズブロックチェーン」イベントのセッション4 SIerから見たCordaEnterprise　発表資料です

1. © 2020 TIS Inc.
SIer からみた Corda Enterprise
〜従来のシステム開発と⽐べて〜
2020.5.27
Blockchain推進室

2. © 2020 TIS Inc. 2
⾃⼰紹介
TIS株式会社 Blockchain推進室 エキスパート
中地 英樹（なかち ひでき）
1996年⼤学院前期課程修了（情報⼯学分野専攻）。
同年、TIS株式会社に⼊社。
⼊社当時に流⾏していたオブジェクト指向開発ブームを背景にオブジェクト指向データベース
や分散オブジェクト技術を利⽤したシステム開発などを多数経験。
現在はエンタープライズ向けブロックチェーン技術に注⽬しており、
実際にお客様と試⾏錯誤しながら各種PoC（実証実験）を推進中。

3. © 2020 TIS Inc. 3
Agenda
1. 「従来型システム」と「Cordaを活⽤したシステム」
2. 「Cordaを活⽤したシステム」をSIする時のポイント
1. ステークホルダーが多数ゆえの悩み
2. 1社＝1サーバゆえの悩み
3. プライバシーがあるゆえの悩み
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）

4. © 2020 TIS Inc. 4
1. 「従来型システム」と「Cordaを活⽤したシステム」

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1. 「従来型システム」と「Cordaを活⽤したシステム」
本発表では、⽐較対象を明確化するため、「従来型システム」を特定の1社が保有する基幹システムと
します。
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
A社
ERP
A社ノード
B社ノード
C社ノード D社ノード
E社ノード
管理サーバ

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1. 「従来型システム」と「Cordaを活⽤したシステム」
特徴
プロジェクト運営 開発時は、⾃社側で要件を決める 開発時は各社が共同でコンソーシアム
を形成して開発
運⽤体制 運⽤は、⾃社で運⽤ 運⽤は、ネットワーク全体での運⽤と
各社個別運⽤あり
データ管理 データを⼀元管理 Cordaの特徴である取引当事者間で情
報共有
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
「各社の基幹システム」と「Cordaを活⽤したシステム」の違いは、様々ありますが、⼤きなポイント
として、今回は以下の観点でお話しします。

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1. 「従来型システム」と「Cordaを活⽤したシステム」
特徴
プロジェクト運営 開発時は、⾃社側で要件を決める 開発時は各社が共同でコンソーシアム
を形成して開発
運⽤体制 運⽤は、⾃社で運⽤ 運⽤は、ネットワーク全体での運⽤と
各社個別運⽤あり
データ管理 データを⼀元管理 Cordaの特徴である取引当事者間で情
報共有
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
「各社の基幹システム」と「Cordaを活⽤したシステム」の違いは、様々ありますが、⼤きなポイント
として、今回は以下の観点でお話しします。
Point!!

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2. 「Cordaを活⽤したシステム」をSIする時のポイント

9. © 2020 TIS Inc. 9
特徴
プロジェクト運営 開発時は、⾃社側で要件を決め
る
開発時は各社が共同でコンソーシアムを形成
して開発
運⽤体制 運⽤は、⾃社で運⽤ 運⽤は、ネットワーク全体での運⽤と各社個
別運⽤あり
データ管理 データを⼀元管理 Cordaの特徴である取引当事者間で情報共有
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
「Cordaを活⽤したシステム」には特徴がありますが、それぞれ悩みでもあります。
2. 「Cordaを活⽤したシステム」をSIする時のポイント
ステークホルダーが多数ゆえの悩み

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2.1.ステークホルダーが多数ゆえの悩み
・対象とする業務・データの重要性は各社で異なる
・1社1社の各社独⾃仕様をすべて反映することは困難
【ポイント】
要件とりまとめが⾮常に重要。
各社業務フローを抽出し、改善ポイントを洗い出す。
業務の共通ルール作りを⾏い合意形成をすることがポイント。
ただし・・・
お互いの主張をして、進まないことが多数。
「そんなデータは出せない」等の意⾒もあり、担当者の意識の問題もある。

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2.1.ステークホルダーが多数ゆえの悩み
実態としてはコンソーシアムがそもそも⽴ち上がらない
「未来創造」ができる会社 「業界変⾰」の強い想いがある会社
影響⼒がある会社が引っ張ると周りがついてくる

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特徴
プロジェクト運営 開発時は、⾃社側で要件を決め
る
開発時は各社が共同でコンソーシアムを形成
して開発
運⽤体制 運⽤は、⾃社で運⽤ 運⽤は、ネットワーク全体での運⽤と各社個
別運⽤あり
データ管理 データを⼀元管理 Cordaの特徴である取引当事者間で情報共有
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
「Cordaを活⽤したシステム」には特徴がありますが、それぞれ悩みでもあります。
1社＝1サーバゆえの悩み
2.2. 1社＝1サーバゆえの悩み

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2.2. 1社＝1サーバゆえの悩み
各社の運⽤だけではなく、Corda特有のNotary等ネットワーク全体の運⽤もある
IM
Network
map
Trust
Root
A社Node
Notary
C社Node
B社Node
D社Node
E社Node
Cordaネットワーク
Identity
Manager

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2.2. 1社＝1サーバゆえの悩み
各社の運⽤だけではなく、Corda特有のNotary等ネットワーク全体の運⽤もある
【全体運⽤】
コンソーシアム全体で担うべきだが、特定の1社が運⽤すると、その会社にコスト
や負荷がかかり、且つ権限も強くなる

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2.2. 1社＝1サーバゆえの悩み
各社の運⽤だけではなく、Corda特有のNotary等ネットワーク全体の運⽤もある
【個別運⽤】
各社で運⽤を実施するが、各社それぞれで実施すると、作業負荷もかかり、
運⽤レベルがバラバラだとネットワーク全体に影響を与える

16. © 2020 TIS Inc. 16
特徴
プロジェクト運営 開発時は、⾃社側で要件を決め
る
開発時は各社が共同でコンソーシアムを形成
して開発
運⽤体制 運⽤は、⾃社で運⽤ 運⽤は、ネットワーク全体での運⽤と各社個
別運⽤あり
データ管理 データを⼀元管理 Cordaの特徴である取引当事者間で情報共有
各社の基幹システム Cordaを活⽤したシステム
「Cordaを活⽤したシステム」には特徴がありますが、それぞれ悩みでもあります。
プライバシーゆえの悩み
2.3.プライバシーゆえの悩み

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2.3.プライバシーゆえの悩み
Cordaはプライバシーを守るがゆえに個社間通信（P2P）である
相⼿の状況次第でトランザクション完了/未完了となる

18. © 2020 TIS Inc. 18
2.3.プライバシーゆえの悩み
Cordaはプライバシーを守るがゆえに個社間通信（P2P）である
持っている台帳がそれぞれでバラバラであるため、他社の台帳から
復元できない

19. © 2020 TIS Inc. 19
2.3.プライバシーゆえの悩み
Cordaはプライバシーを守るがゆえに個社間通信（P2P）である
持っている台帳がそれぞれでバラバラであるため、取引全体の把握が
できず、監査ができない。

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2.４.まとめ

21. © 2020 TIS Inc. 21
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）

22. © 2020 TIS Inc. 22
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
ブロックチェーンに関わる上で、無視できない多くの都市伝説（誤解）があります。
はたしてCordaの都市伝説は本当なのでしょうか︖
・Cordaは⾦融に特化したプラットフォーム
・ブロックチェーンを使うことで、安価に⾼可⽤性が実現できる
・単⼀障害点などなく、1ノードで障害は起こっても全然⼤丈夫。バックアップなんていらない
・ブロックチェーンを使うことで、トレーサビリティ情報が瞬時にわかる
・ブロックチェーンを使えば、耐改ざん性があるシステムが構築できる
・Cordaの各社の台帳には、当事者間の取引のみ記録され、プライバシーが守られる
・ブロックチェーンって、全員でデータ共有するのが基本だけどCordaはできる︖

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3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ Cordaは⾦融に特化したプラットフォーム
最近では、1つのノードに複数アカウントを有することが出来る機能や、トークン利⽤について
SDKが⽤意されたりと、企業ユースに柔軟に対応してきている。
B 社A 社
取引1
取引
フロントオフィス
バックオフィス 取引1
フロントオフィス
バックオフィス
⾦融業務の現場で発⽣している課題を解決するためのプラットフォームとして開発された

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3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ブロックチェーンを使うことで、安価に⾼可⽤性が実現できる
各ノードが停⽌するとトランザクションが停⽌する
本番運⽤するには各ノードでHA構成が必要

25. © 2020 TIS Inc. 25
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・単⼀障害点などなく、1ノードで障害は起こっても全然⼤丈夫。バックアップなんていらない
ノードA ノードB ノードC
トランザクション1 〇 〇
トランザクション2 〇 〇
トランザクション3 〇 〇 〇
トランザクション4 〇 〇
トランザクション5 〇 〇
トランザクション6 〇 〇
Disk
障害発⽣ 採⽤している「RDBMS」のバックアップリカバリ機能を利⽤
し、コミット直前までリカバリする。
全取引を記録している「オブザーバーノード」からの復旧は
不可。

26. © 2020 TIS Inc. 26
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・単⼀障害点などなく、1ノードで障害は起こっても全然⼤丈夫。バックアップなんていらない
すべてのOutputを
チェックする為、
単⼀障害点となる

27. © 2020 TIS Inc. 27
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ブロックチェーンを使うことで、トレーサビリティ情報が瞬時にわかる
前のブロック情報は
持っているが次のブ
ロック情報は持って
いない
トレースをする場合、全⾛
査が必要であり、RDBより
も時間がかかる

28. © 2020 TIS Inc. 28
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ブロックチェーンを使えば、耐改ざん性があるシステムが構築できる
改ざんされたデータの検知は、そのデータを他ノードに送信した時であり、他ノードを騙せない。
他ノードから騙されないが、⾃ノードのデータの改ざん検知については、別途対策が必要。
tx_id transaction_value State_machine_run_id
EB4AD268705E57E82ED3BAF8AAFBA4781406BE5C813D15005CECC
4EF195A19D7
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXX
NODE_A
CF15E1040CEE84BB5DCABBCE13C9148F1F99A8EF96C84B9170F9B
53A1CA4FB10
YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
YYYYYYYYYYYYY
NODE_A
52A298B164901B223EFE253145569753FCA2C3D993EF2EC68A61ED
2CACA8FB0C
ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ
ZZZZZZZZZZZZZZZZZ
NODE_A
5CEAB9CC146E2029BD3E2BAAF946D04AC1F0372957F747A97BA12
49E8D6E5EFE
WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
WWW
NODE_A
Cordaでは「Node_transactions」テーブルの「transaction_value」カラムに
トランザクションの中⾝が、JavaのObjectとしてシリアライズされた形で格納されている。
つまりtransaction_value値を変更することで「改ざん」となる

29. © 2020 TIS Inc. 29
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ Cordaの各社の台帳には、当事者間の取引のみ記録され、プライバシーが守られる
・データ共有状況:
Alice Bob CARL DEMI
Alice Bob CARL DEMI
⾃分と関連ある取引
ならこのイメージ…
Tx1 Tx2 Tx3
Tx1 Tx1
Tx2 Tx2
Tx3 Tx3

30. © 2020 TIS Inc. 30
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ Cordaの各社の台帳には、当事者間の取引のみ記録され、プライバシーが守られる
・データ共有状況:
Alice Bob CARL DEMI
Alice Bob CARL DEMI
Tx1 Tx2 Tx3
Tx1 Tx1
Tx2 Tx2
Tx3 Tx3
Tx1
Tx2
Tx1
実際は過去分含めて
関連するもの全て
共有される

31. © 2020 TIS Inc. 31
3. ブロックチェーン都市伝説（Corda編）
・ブロックチェーンって、全員でデータ共有するのが基本だけどCordaはできる︖
Alice
Bob
CARL
Notary
検証・署名
検証・署名
検証・署名
署名依頼
確認確認
署名依頼
トランザクション作成
確認確認
署名依頼
確認
シーケンシャルに署名依頼を⾏
う為、共有する参加者が多くな
るとその分処理が遅くなる

32. © 2020 TIS Inc. 32
エンタープライズサポートへの期待
⽇本語での24/365サポート期待しています︕
積極的な情報発信
バージョンアップが4半期に1度の早さ︕
⼀⽅で、ドキュメントや情報展開が追い付いてないと感じるので、
積極的に情報発信してください︕
⽇本でのコミュニティ形成
インタオペラビリティを持つ基盤なので、業界横断型での利⽤を誘発する
ためにもコミュニティ形成を⼀緒に頑張りましょう︕
（おまけ）⾃ノード改ざんチェックツール／APIは是⾮実装してください︕
最後に・・・SBI R３Japanさんに期待すること

33. ご清聴ありがとうございました