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Semelhante a Sports NFT and Japanese Law (July 28 2021 version)
Semelhante a Sports NFT and Japanese Law (July 28 2021 version) (20)
Sports NFT and Japanese Law (July 28 2021 version)
- 2. 自己紹介 西村あさひ法律事務所にて弁護士として16年間、証券化、デリバティブ、ファンドなどの金融を中心に従事。 2013年夏にBitcoinにであう。2015年に独立、現在ブロックチェーン・FinTech・スタートアップ等を専門としている • 弁護士 / NY州弁護士 • 東京大学法学部卒業 / NY大学ロースクール卒 • 西村あさひ法律事務所 / NYのローファーム勤務 • 日本ブロックチェーン協会 顧問 • 日本STO協会監事 • FinTech協会キャピタルマーケッツ分科会事務局 • 三菱地所物流リート投資法人 監督役員 • 元bitFlyer 社外取締役 • Chambers and Partners、FinTech弁護士、 Best LawyersのFinTech、金融機関規制弁護士として3年間ランクイン 2
- 3. NFTとは 3 • Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略 • ブロックチェーン上で移転できるデジタルデータだが、NFT 同士で代替可能性がない、又は数が大幅に限られている。 ファンジブル(代替可能) 1万円札 ＝ 他の1万円札で代替可能 1ビットコイン ＝ 他の1ビットコインで代替可能 ノンファンジブル(非代替) 美術の絵画 ＝ 他の美術品では代替不可能 NFTアート ＝他のNFTアートでは代替不可能
- 4. NFTとは(続) 4 • NFT＝必ず1点物という訳ではない • 例えば100枚しか存在しないトークンもNFTと考える ことが多い(比較：100枚しか印刷していない版画) • 何枚ならNFTであるという基準は特にない。 • 社会通念で決まる？
- 5. NFTとは(続) 5 • デジタルデータで数量を限定できる • 本物であることを証明できる • デジタル所有権の証明およびトレース • スマートコントラクト(例えば二次流通の際に当初発行者に 自動でリワードを分配する仕組みなど） • グローバルに販売可能
- 7. NFTを作るメリット 7 - 新しい資金調達手段 (TopShotでNBAには多額のロイヤリティー) - ｢真正な」デジタルコピーであるかを判別可能に - 売り切りではなく、流通する度に、発行者に一定のリワードが入 る仕組みも多い
- 8. NFTの事例の分類 8 ゲームNFT - ゲームで使える。一番分かりやすい イベントチケット、記念品(コレクション・ファントークン) - 分かりやすい - ブロックチェーンにする必要がある？(譲渡可能性がメリット？) アートNFT、音楽NFT、ツイートNFT - わかりにくい - 本当に価値があるか疑問視されることも
- 9. スポーツNFTで考えられる種類 9 • コレクション (例：NBA Topshot 一種のトレーディングカード • ファンの記念品(例：ウォリアーズの6度の優勝を記念したデジタルNFT） • ブロックチェーンゲーム (sorare、選手の実名NFTが登場するサッカーゲーム) • イベントチケット (入場券のNFT化など） • IPマネジメント (著作権や放映権など何らかの権利のNFT化？） 複数の性質を持つNFTも当然ある (コレクションでありゲームでもある。記念品だがイベント参加券にもなる等）
- 12. Top Shotの購入 12 • 販売方法はトレーディングカー ドのようなパック販売 • レアリティにLegendary、Rare、 Commonがあり、例えば、 Rare1枚Common3枚のパック 149ドル等 • 価格はハイライトの品質、プ レーヤーのスター性、カードの 希少性により決定
- 13. TopShotのイベント 13 • 運営側提示のカードをすべて収集すると新たなカードが獲得でき るイベントが不定期に開催されている(カード集めのインセン ティブ) (TopShotについては下記を参考に記載) 公式サイトhttps://nbatopshot.com/ Masaya Wantani氏 ｢NFT×巨大コミュニティの注目事例：NBA Top Shotとは？」 https://baasinfo.net/?p=5877
- 14. Sorareとは 14 ファンタジーフットボールゲーム 実際に行われる試合の結果がゲーム内と連動するトレー ディングカードゲーム。 クラブチームと提携し、欧州やJリーグクラブなど実在 の選手のカード
- 15. Sorareの遊び方 15 • FW/MID/DIF/GK/Anyの5人のカードをチームにセット • 同週の実際の試合でのゴール・アシスト・セーブなどの活躍 度合いで各選手のPlayers Scoreが決定 • Player ScoreにCard Power(レア度が高いほど高い)をかけ てScoreを決定 • セットした5人の総スコアでプレイヤーランキング
- 16. Sorareの売買 16 • カードはETHやクレジットカードで1枚ずつ購入可能 • 1シーズンに1枚のUnique、10枚のSuper Rare、100枚のRareなど • 販売方法はカードによりオークション方式、又は運営が定めた価格に よる定額方式 • カードは売却可能、自分で定めた価格で出品可能 • プレイヤーランキングにより別のカード(売却可能)やETHが得られる ので、投資額以上のリターンがある可能性
- 17. NFTと裏付データ 17 • ブロックチェーンに全データを載せることはコスト増 • 通常、NFTの全てのデータがブロックチェーンに載せられる訳ではない • 外部サイトへのリンク情報とシリアル番号がNFTに記載されていることが多い • 例：TopShotのデータはIPFS（Inter Planetary File System、分散型のファ イルシステム）に記録され、誰でもアクセスしてダウンロード可能 • そもそも類似の動画がYouTube等で見られる場合も多い
- 18. NFTと著作権等のIP Right 18 • NFTの購入は、通常、著作権、画像の商用利用権などの権利 をNFT保有者に与えるものではない • 現物のコレクターズカードを買ってもそのような権利が与え られる訳ではないのと同様 • (著作権などの詳細については後述)
- 20. ブロックチェーンゲーム • これまでも多数のスポーツゲームがあったが、スポーツとゲームは馴染みやす い • ブロックチェーンゲームのNFTは転売可能。(ゲームで費やした時間がユー ザーの資産に） • 購入→プレイ→成長→転売 • サッカーゲーム、F1ゲーム、eSportなども 20
- 23. スポーツNFTと賭博罪 日本で、スポーツNFTを販売する場合、賭博罪の問題を避けては通れない 賭博罪の構成要件 (i) 偶然の勝敗により (ii) 財産上の利益の (iii) 得喪を争うこと (iv) 但し、得喪対象の財産上の利益が｢一時の娯楽に供するもの｣の場合には除外 23
- 24. スポーツNFTと賭博罪 • 有償ガチャでNFTを発行する場合、日本では賭博罪リスクが大きい → 日本のNFTでガチャ販売をしている例はないはず • そのため、ガチャは利用せずダッチオークション(後述)で販売がなされる等、 工夫が必要 24
- 26. © 2021 double jump.tokyo inc. All Rights Reserved 26 プレセールと在庫連動型ダッチオークション 初期0.1ETH ラスト5ETH以上に ・2018/9/21〜10/1 ヒーローNFTプレセール（売上694ETH） ・在庫連動型ダッチオークション（double jump社特許取得済） - 時間とともに価格が落ちる - 購入時に在庫数に応じて価格が上がる（少ない在庫でより上がる） - いわゆるAMM (Automated Market Maker) ナイチンゲール100体完売 出典：double jump.tokyo セミナー資料
- 30. 景表法 30
- 31. スポーツNFTの組成と著作権 • スポーツNFTの組成時には、裏付けとなる映像や画像(アー ト)の著作権、プレイヤーの肖像権の処理が必要 • NBA TopShot(プロスポーツの中継映像を使用)の場合、中継映像は一 般に「映画の著作物」(著作権法10条1項7号)となる • 写真の場合、｢写真の著作物」(著作権法同8号)となる • 使用には著作権者(テレビ局や写真家)の承諾が必要 31
- 32. スポーツNFTと著作権 なお、著作権は、創作者に以下のような権利・保護を与えている。 - 著作者人格権 - 複製権 - 二次的著作物の利用に関する権利 - 頒布権、譲渡権および貸与権等 - 公衆送信権等 著作者人格権は譲渡不可 著作権は、明示的に別段の合意がない限り、創作者に帰属。譲渡可能 32
- 35. スポーツNFTのユーザーの権利(著作権) • デジタル所有権(トークン)を買ったとしても、明示又は黙示の合意が ない限り、ユーザーは著作権を譲りうける訳ではない • 現物のコレクターズカードを買っても、絵をコピーして売り出す権利 が認められる訳ではない • 次のTopShot規約はその点を明確化 35
- 38. TopShot規約 4(v) アートに対するユーザーライセンス。 お客様が本規約を継続して遵守することを条件に、 当社は、お客様が購入したモーメントのアートを、以下の目的に限り、使用、コピー、および表 示するための世界的、非独占的、譲渡不能なロイヤルティフリーのライセンスをお客様に付与し ます。 (a)お客様の個人的な、非商業的な目的、 (b) 購入したモーメントの売買を可能にするマーケットプレイス内での使用。ただし、マーケッ トプレイスは、各モーメントの所有者が購入したモーメントのアートを表示する権利を実際に有 するかを、暗号的方法で確認し、実際の所有者のみがアートを表示できることを確認します。 (c) 購入したモーメントの掲載、関与、参加を許可する第三者のウェブサイトまたはアプリケー ションの一部として使用する場合。ただし、ウェブサイト/アプリケーションは、各モーメントの 所有者が購入したモーメントのアートを表示する権利を有するかを暗号的方法で確認し、実際の 所有者のみがアートを表示できるようにし、購入したモーメントの所有者がウェブサイト/アプリ ケーションから離れるとアートは表示されなくなります。 TopShot規約より 38
- 39. Hashmasks規約(Art NFT販売サイト) "買い手は NFT を所有することになります。各 Hashmask はイーサリアムブロックチェー ン上の NFT です。NFT を購入すると、基礎となる Hashmask（アート作品）を完全に所有 することになります。NFT の所有権は、スマートコントラクトとイーサリアムネットワ ークによって完全に取り次がれます。” Hashmasks、利用規約第 3 条 A.i. "当社は、お客様が本規約を継続して遵守することを条件に、購入したアート作品を、そ れに基づく二次的著作物を作成する目的で、使用、複製、展示するための無制限、全世界 的、独占的なライセンスをお客様に許諾します（以下「商用利用」といいます）。このよ うな商用利用の例としては、アート作品のコピーを表示した商品（T シャツなど）を製 造・販売するためにアート作品を使用することなどが挙げられます。” Hashmask、利用規約第 3 条 A.iii. 39
- 41. まとめ スポーツNFTといっても様々なものがあり、それに応じて検討が必要 • 暗号資産規制や金融規制・・・原則なし • 賭博罪・・・適用ないように組成する • 景表法・・・遵守する • 著作権・・・発行時に許諾をとる。ユーザーにいかなる権利与えるか は要検討 • 肖像権・・・発行時に許諾をとる。 41
- 42. 最後に 創・佐藤法律事務所のHPでは、他にもNFTに関する資料(和・英)を提供しています。 https://innovationlaw.jp/articles/ 斎藤 創 住所 〒107-0052 東京都港区赤坂7-9-4 Akasaka Vetoro 4F 電話 03-5545-1820 E-mail s.saito@innovationlaw.jp 42 本件に関してご質問、ご相談がある場合は、以下までご連絡下さい。