Learning Issue

1. 便潜血反応
化学的方法と免疫学的方法

2. 便潜血反応fecal occult blood test
便の中にある微量の血液（潜血）を検出する検査
化学的方法
免疫学的方法
の２種類が広く使われています

3. 化学的方法
ヘモグロビンのペルオキシダーゼ様活性を利用した方法
H2O2
H2O2 +[O]
ヘモグロビン
酸化
呈色物質発色

4. 化学的方法
【特徴】
感度は極めて高い
ヒトヘモグロビン以外の物質でも反応してしまう
肉や魚に含まれる血液、鉄剤、ミオグロビン、緑黄色野菜など
検査前３日間の食事制限が必要
【種類】
オルトトリジン法
歯肉からの出血でも陽性になるくらい感度高い。偽陽性出やすい。
グアヤック法
オルトトリジン法より感度は劣るが、より特異的

5. 免疫学的方法
ヒトHbAに対する抗原抗体反応を利用
【特徴】
ヒトヘモグロビンに特異的に反応。偽陽性少ない。
検査前の食事制限は必要ない
感度では化学的方法に劣る
上部消化管出血は検出できない
胃酸や膵液による変性のため

6. 化学的方法と免疫学的方法の比較
特徴化学的方法免疫学的方法
価格安い高い
技術容易である繁雑なものもある
検査時間短いやや長い～長い
食事制限必要である必要ない
適中度低い比較的高い
出血部位全消化管主として下部消化管
使用目的集団検診
入院患者
外来診療
健康診断
確認試験

7. 免疫学的方法を利用した迅速診断キットも市販されています
株式会社ミズホメディー
http://www.mizuho-m.co.jp/product/obt/obt_top.html

8. 【参考文献】
河合忠: 便潜血反応と糞便中ヘモグロビン, 異常値の出るメカニズム第6版,
pp.58-60, 医学書院, 2013
高木康: 学ぼう!!検査の使い分け第6回便潜血反応, 週刊医学界新聞, 2011
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02940_05