SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 22
Baixar para ler offline
施設トマト研究会資料


        平成24年10月16日(金)
                  R. Ito
昨今の気象経過
           40                                               300
                今年度        昨年度      平年値
           35
                                                            250




                                                                  日照時間 (10日合計時間 )
           30
           25                             最高気温
                                                            200
   気温(℃)




           20
           15                                               150
           10                最低気温
                                                            100
            5
            0
                                                            50
           -5                                   日照時間 平年値
                                                日照時間 昨年度
      -10                                                   0
                                                日照時間 今年度
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                上旬
                中旬
                下旬
                 7月   8月     9月     10月   11月    12月   1月


 • 7月下旬以降高温、晴天が続いています。
※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。
                                                                                    2
1ヶ月予報(10/13~11/9)
                    1ヶ月の気象確率
    気温        20%               40%                 40%


  降水量          30%                    40%            30%


 日照時間          30%                    40%            30%
                                                                        • 特徴的な予報は出て
        0% 20%
       低い(少ない)
                                40%
                                  平年並
                                     60%           80% 100%
                                                  高い(多い)
                                                                          いません。
               1ヶ月の気温経過確率
                                                                        • 気温が高くなる確率
10/13~10/19         20%               40%                 40%
                                                                          が若干高くなってい
10/20~10/26          30%                    40%            30%
                                                                          ます。
 10/27~11/9          30%               30%                40%


              0%          20%     40%         60%         80%    100%
                   低い           平年並           高い


※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。
                                                                                  3
3ヶ月予報(10月~12月)
                  3ヶ月の気温経過確率

 10月        30%           30%         40%            • 特徴的な予報は出て
 11月          40%               30%     30%
                                                       いません
 12月        30%           30%         40%
                                                       (※「平年並」という意
       0%     20%        40%   60%    80%     100%
                                                       味ではありません)
                    低い     平年並     高い

                     降水経過確率
                                                     • エルニーニョ現象が
 10月        30%           30%         40%              発生していますが、
 11月        30%             40%         30%            冬の間も持続する可
 12月        30%           30%         40%
                                                       能性は半々となりま
       0%     20%     40% 60%   80%           100%
                                                       した。
                    少ない 平年並   多い


※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。
                                                                 4
「インプレッション水和剤」の効果
                                 「インプレッション」使用率とうどんこ病発病葉率の関係




        (うどんこ病薬剤に対する割合%)
          インプレッション使用割合
                           100
                            75
                            50
                            25




                                                                     うどんこ病発病葉率(%)
                             0                                  50


                                                                25


                                                                0
                                  育苗期    9月中旬   10月中旬   11月中旬



• 初期から高頻度で使用すると予防効果大
• 後半に少し使用してもダメ(治療効果は無い)
※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より。キュウリ抑制栽培での試験結果です。
                                                                                    5
室内気温と防虫ネットの関係
                     9月の温室内気温と防虫ネット設置状況の関係
      平均気温(℃)   29

                26       25.7                  26.2
                                    25.6
                                                         24.15
                23

                20
                     天窓: 0.4    天窓: 無し     天窓: 無し      屋外
                     側窓: 0.4    側窓: 0.4    側窓: 0.8    (小田原)
                     出入: 0.4    出入: 0.8    出入: 0.8

• 目合の細かいネットでも気温は上昇しない。
• 風や湿度の関係で体感温度は上がる。

※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より                                     6
防虫ネットと害虫進入数の関係




                     天窓         側窓        出入り口
           A         0.4mm      0.4mm     0.4mm
           B          なし        0.4mm     0.8mm
           C                    0.8mm     0.8mm
                                                  7
                      なし
※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より。キュウリ抑制栽培での試験結果です。
省エネ対策(暖房機の保守点検)




• 缶体の清掃
• バーナーノズルの交換、掃除
  (1シーズン、10kL、1000時間を目安に)
                            8
省エネ対策(被覆資材の隙間チェック)

           被覆資材の種類、内張の層数などによる




                         暖房熱量の0~2割は
                         隙間換気で失われる




 昼間は下向き(蓄熱)、夜間は上向き(放熱)

                                  9
隙間の補修が放熱量抑制に繋がった事例




• 全カーテン面積の0.6%の隙間を補修するこ
  とで放熱量を12%抑制
※ 施設園芸省エネルギー対策(JA全農)より http://www.agri.zennoh.or.jp/syoene/index.asp
                                                                       10
注意すべき隙間ポイント




        カーテン肩部に仕切りフィルムを入れると
        更に有効(冷気を横に下ろさない)

                        11
天候に合わせた栽培管理(循環扇・送風機の利用)

• 結露の防止
 – 湿度が高くても、空気が動けば結露は減少。トマ
   トの事例では早朝の結露量を70%抑制。
• 温湿度むらの解消
 – 上下の空気がかき混ぜられることで、株元で1℃
   程度の温度上昇効果。
• 循環扇の代わりに暖房機の送風も効果有り
 – 1時間の送風で約12.6円の電気代(750Wとして)
 – ダクトの設置は早めに


                            12
天候に合わせた栽培管理(循環扇・送風機の利用)

• 循環扇の使い方
 – 連続運転が適する:灰色かび病の発生初期や、
   曇天・雨天が続いて病気が蔓延しそうなとき。
 – 断続運転が適する:病気などの発生が見られず、
   温湿度のむら解消が目的の時は、日没から日の
   出まで断続運転とし、日の出前後は結露解消の
   ため連続運転する。
 – 日中も連続運転が適する:曇天・雨天が連続して
   おり、ほとんど換気ができないときは日中も連続
   稼働させる。


                          13
空気が流動することの効果(結露防止)
• 蒸発速度を決めるものは何か?
 1. 空気の乾燥度合い
 2. 境界層の厚さ(右図)


• 境界層が半分なら蒸発速度は倍
• 送風は境界層を薄くする

• 夜間・曇天時は循環扇、暖房機の
  送風の利用を
(※矢吹萬壽「風と光合成」より)
                     14
空気が流動することの効果(光合成促進)
• 毎秒30cm程度の風
  でも光合成速度は大
  きく上昇
• なぜか?
  – 気孔が開き、境界層
    も薄くなり、CO2を取り
    込みやすくなる
  – 気孔を開かせるには
    湿度も重要→夏は散
    水など加湿も併用

(※矢吹萬壽「風と光合成」より)
                   15
トマト斑点細菌病について




               16
トマト斑点細菌病(原因菌と特徴)
• 原因菌:Xanthomonas campestris pv.
  vesicatoria(ザントモナス・キャンペストリス)
• 鞭毛を持ち運動性があるので、顕微鏡下で
  は動いている様子を観察できる。




                                                                                                 17
http://sian.inia.gob.ve/repositorio/revistas_ci/Agronomia%20Tropical/at3446/arti/guevara_y.htm
http://biowiki.kenyon.edu/index.php/Xanthomonas_campestris
トマト斑点細菌病(その他の症状)




 初期:下葉からそうか状の小斑点を      後期:落葉、茎だけが残る
 形成、黄化

※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より         18
トマト斑点細菌病(その他の症状)




 果梗の病斑:多少隆起する。         果実の病徴(初期):コルク化した点
                       が隆起。点の周囲は白く縁取られる。



※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より         19
トマト斑点細菌病(発生と伝染)
• 高温多湿条件が続くと、黄色の縁取り(ハ
  ロー)を伴った黒褐色の斑点が急激に発生
• 主に下葉から発生、上葉まで進展する。
• 梅雨期の露地で多いが、施設でも4月以降に
  多湿条件が続くと発生しやすい。
• 窒素過多、排水不良、被害茎葉の土中残留
  は発生し易い条件を作る。
• 一次伝染源は種子または土壌、二次伝染は
  水滴や風による分散

※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より   20
トマト斑点細菌病(対策)

• 排水対策と適正な栽培管理
• 発生後の薬剤散布は効果が劣るので、予防
  散布を主体とする
• 発生した場合は、登録薬剤である銅水和剤
  (コサイド3000等)か、カスガマイシン・銅水和
  剤(カッパーシン、カスミンボルドー)により防
  除を行う。


※ 農薬の使用にあたってはラベルに記載の使用法・登録を確認して下さい。   21
カスガマイシンについて
    • 1960年代、奈良の春日大社土壌から発見さ
      れた放線菌から産生される抗生物質
    • 菌のタンパク質合成を阻害することで殺菌作
      用を示す
    • 動物に対しての安全性が極めて高い
    • 稲いもち病(糸状菌病)に卓効を示すが、
      細菌病にも有効
    • 耐性菌は発生しやすいが、耐性菌の自然環
      境への適応性が低く、放っておくと淘汰される
      のであまり問題になっていない
※ 農薬科学の進歩(殺菌剤)-カスガマイシンの開発 -http://homepage2.nifty.com/~tjinfom/agmini064.html
                                                                                22

Mais conteúdo relacionado

Destaque

5.2光による反応
5.2光による反応5.2光による反応
5.2光による反応nozma
 
遺伝子(勉強会)
遺伝子(勉強会)遺伝子(勉強会)
遺伝子(勉強会)nozma
 
130701勉強会「農業白書概要版の概要」
130701勉強会「農業白書概要版の概要」130701勉強会「農業白書概要版の概要」
130701勉強会「農業白書概要版の概要」nozma
 
統計学2回目 1
統計学2回目 1統計学2回目 1
統計学2回目 1nozma
 
土壌学勉強会#7
土壌学勉強会#7土壌学勉強会#7
土壌学勉強会#7nozma
 
植物生理学 3 3
植物生理学 3 3植物生理学 3 3
植物生理学 3 3nozma
 
農薬学勉強会#1
農薬学勉強会#1農薬学勉強会#1
農薬学勉強会#1nozma
 
土壌‐12章
土壌‐12章土壌‐12章
土壌‐12章nozma
 
土壌学勉強会#6
土壌学勉強会#6土壌学勉強会#6
土壌学勉強会#6nozma
 
運営指針
運営指針運営指針
運営指針nozma
 
分かりやすい文章の書き方
分かりやすい文章の書き方分かりやすい文章の書き方
分かりやすい文章の書き方nozma
 

Destaque (11)

5.2光による反応
5.2光による反応5.2光による反応
5.2光による反応
 
遺伝子(勉強会)
遺伝子(勉強会)遺伝子(勉強会)
遺伝子(勉強会)
 
130701勉強会「農業白書概要版の概要」
130701勉強会「農業白書概要版の概要」130701勉強会「農業白書概要版の概要」
130701勉強会「農業白書概要版の概要」
 
統計学2回目 1
統計学2回目 1統計学2回目 1
統計学2回目 1
 
土壌学勉強会#7
土壌学勉強会#7土壌学勉強会#7
土壌学勉強会#7
 
植物生理学 3 3
植物生理学 3 3植物生理学 3 3
植物生理学 3 3
 
農薬学勉強会#1
農薬学勉強会#1農薬学勉強会#1
農薬学勉強会#1
 
土壌‐12章
土壌‐12章土壌‐12章
土壌‐12章
 
土壌学勉強会#6
土壌学勉強会#6土壌学勉強会#6
土壌学勉強会#6
 
運営指針
運営指針運営指針
運営指針
 
分かりやすい文章の書き方
分かりやすい文章の書き方分かりやすい文章の書き方
分かりやすい文章の書き方
 

121017勉強会

  • 1. 施設トマト研究会資料 平成24年10月16日(金) R. Ito
  • 2. 昨今の気象経過 40 300 今年度 昨年度 平年値 35 250 日照時間 (10日合計時間 ) 30 25 最高気温 200 気温(℃) 20 15 150 10 最低気温 100 5 0 50 -5 日照時間 平年値 日照時間 昨年度 -10 0 日照時間 今年度 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 • 7月下旬以降高温、晴天が続いています。 ※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。 2
  • 3. 1ヶ月予報(10/13~11/9) 1ヶ月の気象確率 気温 20% 40% 40% 降水量 30% 40% 30% 日照時間 30% 40% 30% • 特徴的な予報は出て 0% 20% 低い(少ない) 40% 平年並 60% 80% 100% 高い(多い) いません。 1ヶ月の気温経過確率 • 気温が高くなる確率 10/13~10/19 20% 40% 40% が若干高くなってい 10/20~10/26 30% 40% 30% ます。 10/27~11/9 30% 30% 40% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 低い 平年並 高い ※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。 3
  • 4. 3ヶ月予報(10月~12月) 3ヶ月の気温経過確率 10月 30% 30% 40% • 特徴的な予報は出て 11月 40% 30% 30% いません 12月 30% 30% 40% (※「平年並」という意 0% 20% 40% 60% 80% 100% 味ではありません) 低い 平年並 高い 降水経過確率 • エルニーニョ現象が 10月 30% 30% 40% 発生していますが、 11月 30% 40% 30% 冬の間も持続する可 12月 30% 30% 40% 能性は半々となりま 0% 20% 40% 60% 80% 100% した。 少ない 平年並 多い ※ 10/16時点の気象庁発表データを元に作成。 4
  • 5. 「インプレッション水和剤」の効果 「インプレッション」使用率とうどんこ病発病葉率の関係 (うどんこ病薬剤に対する割合%) インプレッション使用割合 100 75 50 25 うどんこ病発病葉率(%) 0 50 25 0 育苗期 9月中旬 10月中旬 11月中旬 • 初期から高頻度で使用すると予防効果大 • 後半に少し使用してもダメ(治療効果は無い) ※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より。キュウリ抑制栽培での試験結果です。 5
  • 6. 室内気温と防虫ネットの関係 9月の温室内気温と防虫ネット設置状況の関係 平均気温(℃) 29 26 25.7 26.2 25.6 24.15 23 20 天窓: 0.4 天窓: 無し 天窓: 無し 屋外 側窓: 0.4 側窓: 0.4 側窓: 0.8 (小田原) 出入: 0.4 出入: 0.8 出入: 0.8 • 目合の細かいネットでも気温は上昇しない。 • 風や湿度の関係で体感温度は上がる。 ※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より 6
  • 7. 防虫ネットと害虫進入数の関係 天窓 側窓 出入り口 A 0.4mm 0.4mm 0.4mm B なし 0.4mm 0.8mm C 0.8mm 0.8mm 7 なし ※ グリーンレポートNo.519(2012年9月号)より。キュウリ抑制栽培での試験結果です。
  • 9. 省エネ対策(被覆資材の隙間チェック) 被覆資材の種類、内張の層数などによる 暖房熱量の0~2割は 隙間換気で失われる 昼間は下向き(蓄熱)、夜間は上向き(放熱) 9
  • 10. 隙間の補修が放熱量抑制に繋がった事例 • 全カーテン面積の0.6%の隙間を補修するこ とで放熱量を12%抑制 ※ 施設園芸省エネルギー対策(JA全農)より http://www.agri.zennoh.or.jp/syoene/index.asp 10
  • 11. 注意すべき隙間ポイント カーテン肩部に仕切りフィルムを入れると 更に有効(冷気を横に下ろさない) 11
  • 12. 天候に合わせた栽培管理(循環扇・送風機の利用) • 結露の防止 – 湿度が高くても、空気が動けば結露は減少。トマ トの事例では早朝の結露量を70%抑制。 • 温湿度むらの解消 – 上下の空気がかき混ぜられることで、株元で1℃ 程度の温度上昇効果。 • 循環扇の代わりに暖房機の送風も効果有り – 1時間の送風で約12.6円の電気代(750Wとして) – ダクトの設置は早めに 12
  • 13. 天候に合わせた栽培管理(循環扇・送風機の利用) • 循環扇の使い方 – 連続運転が適する:灰色かび病の発生初期や、 曇天・雨天が続いて病気が蔓延しそうなとき。 – 断続運転が適する:病気などの発生が見られず、 温湿度のむら解消が目的の時は、日没から日の 出まで断続運転とし、日の出前後は結露解消の ため連続運転する。 – 日中も連続運転が適する:曇天・雨天が連続して おり、ほとんど換気ができないときは日中も連続 稼働させる。 13
  • 14. 空気が流動することの効果(結露防止) • 蒸発速度を決めるものは何か? 1. 空気の乾燥度合い 2. 境界層の厚さ(右図) • 境界層が半分なら蒸発速度は倍 • 送風は境界層を薄くする • 夜間・曇天時は循環扇、暖房機の 送風の利用を (※矢吹萬壽「風と光合成」より) 14
  • 15. 空気が流動することの効果(光合成促進) • 毎秒30cm程度の風 でも光合成速度は大 きく上昇 • なぜか? – 気孔が開き、境界層 も薄くなり、CO2を取り 込みやすくなる – 気孔を開かせるには 湿度も重要→夏は散 水など加湿も併用 (※矢吹萬壽「風と光合成」より) 15
  • 17. トマト斑点細菌病(原因菌と特徴) • 原因菌:Xanthomonas campestris pv. vesicatoria(ザントモナス・キャンペストリス) • 鞭毛を持ち運動性があるので、顕微鏡下で は動いている様子を観察できる。 17 http://sian.inia.gob.ve/repositorio/revistas_ci/Agronomia%20Tropical/at3446/arti/guevara_y.htm http://biowiki.kenyon.edu/index.php/Xanthomonas_campestris
  • 18. トマト斑点細菌病(その他の症状) 初期:下葉からそうか状の小斑点を 後期:落葉、茎だけが残る 形成、黄化 ※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より 18
  • 19. トマト斑点細菌病(その他の症状) 果梗の病斑:多少隆起する。 果実の病徴(初期):コルク化した点 が隆起。点の周囲は白く縁取られる。 ※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より 19
  • 20. トマト斑点細菌病(発生と伝染) • 高温多湿条件が続くと、黄色の縁取り(ハ ロー)を伴った黒褐色の斑点が急激に発生 • 主に下葉から発生、上葉まで進展する。 • 梅雨期の露地で多いが、施設でも4月以降に 多湿条件が続くと発生しやすい。 • 窒素過多、排水不良、被害茎葉の土中残留 は発生し易い条件を作る。 • 一次伝染源は種子または土壌、二次伝染は 水滴や風による分散 ※ 「原色野菜病害虫百科 トマト・ナス・ピーマン他」 より 20
  • 21. トマト斑点細菌病(対策) • 排水対策と適正な栽培管理 • 発生後の薬剤散布は効果が劣るので、予防 散布を主体とする • 発生した場合は、登録薬剤である銅水和剤 (コサイド3000等)か、カスガマイシン・銅水和 剤(カッパーシン、カスミンボルドー)により防 除を行う。 ※ 農薬の使用にあたってはラベルに記載の使用法・登録を確認して下さい。 21
  • 22. カスガマイシンについて • 1960年代、奈良の春日大社土壌から発見さ れた放線菌から産生される抗生物質 • 菌のタンパク質合成を阻害することで殺菌作 用を示す • 動物に対しての安全性が極めて高い • 稲いもち病(糸状菌病)に卓効を示すが、 細菌病にも有効 • 耐性菌は発生しやすいが、耐性菌の自然環 境への適応性が低く、放っておくと淘汰される のであまり問題になっていない ※ 農薬科学の進歩(殺菌剤)-カスガマイシンの開発 -http://homepage2.nifty.com/~tjinfom/agmini064.html 22