23. 成長戦略タスクフォース白書 !"
総論:新成長戦略のすゝめ
!"
設立された独立系企業(帝国データバンクの
デ ータから抽出した5 万 社 )に関する詳 細な
分析である。
深尾・権レポートの結果と同様に、この分析は
会社法や労働法、産業の規制撤廃、大学の知
的 財 産 保 有や共同研 究に関する近 年の広 範
な改 革が、日本における起 業にプラスの影 響
をもたらしていることを示唆している。以下は
その事例のいくつかである。
日本の新興企業のうち目覚ましい割合の企
業が、今や急速に高いレベルの成功を収めて
いる。ごく最近の2006年の時点までに設立
され生き残った、データ内全企業の5%以上
が、2008年末時点でそれぞれの業界の売
上高ランキングで90パーセンタイル以内に
入っている。また、1999年に設立された企
業の9%近くが、2008年までに同水準に到
達している。(図11参照)
注目すべきは、このトレンドが2、3の業界に
とどまらず、実 際に相当広 範 囲に広がりを
見せていることである。
I C Tを活用する産 業において、より大きな
投資をすることにより生産性を高めるICT投
資と関連の無形資産を増加させる。
経済成長を加速するうえで起きる課題と障害
には下記の事柄があるであろう。
低 い 生 産 性 を 持 つ 旧 態 依 然 の 競 争 者 が
収縮し、市場退出に時間がかかる。
超過貯蓄と、多くの大企業に見られるように、
現 金を投 資や配当に回さず負債の返 済に
あてることなど、機能不全に陥った企業統
治が 、最 適な利 用のための資 源の再 配 分
を阻害する。
労働市場の不全と流動性不足が、労働資源
の最適化を遅らせる。
Eberhart-Gucwaレポート:進展の兆し
S t a n f o r d P r o g r a m o n R e g i o n s o f
Innovation and Entrepreneurshipの
助成で書かれたEberhart-Gucwaレポートは、
1999年から2008年にかけて日本で新たに
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出所 +,,-./012,3/0145126,-0705184,90::.;6,<=->36スタンフォード大学
国内新興企業の業界売上高ランキング
業界ランキングで90パーセンタイル以内の%(設立された年別)
図11