Mais conteúdo relacionado Semelhante a 米国の医療機関向けSaaS市場 - SaaS Solution for Hospitals (20) 米国の医療機関向けSaaS市場 - SaaS Solution for Hospitals5. ヘ ル ス ケ ア ス タ ー ト ア ッ プ へ の 投 資 額 の 推 移
オバマ前大統領による医療制度改革(医療費を削減、テクノロジーを活用し安価な民間保険を拡充させることで国民皆保険を目指した改
革)以降、ヘルスケアスタートアップへの投資件数・投資額ともに増加(ベンチャー業界全体では2011~2013年の調達額は低迷している
)。ここ数年は一件あたりの投資金額の増加傾向があり、よりレイトステージのスタートアップによる調達が増えている。
89
141
194
296 309 320
345
$1.1B
$1.5B
$2.1B
$4.4B $4.6B $4.4B
$5.8B
0.
1.3
2.5
3.8
5.
0.
80.
160.
240.
320.
400.
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
カテゴリ軸
タイトル
投資件数 投資総額
2011 2012 2013 2014 2015 2016 YTD 2017
2010年3月
オバマ前大統領
ACA法案に署名
2012年11月
オバマ前大統領
再選
2014年1月
ACAの大半が有効化
保険適応開始
出典:Rock Healthによる2017年の調査をもとに作成 https://rockhealth.com/reports/2017-year-end-funding-report-the-end-of-the-beginning-of-digital-health/
ベンチャー業界全体のディール数・調達額推移はPitchBook の数字を参照
6. ヘ ル ス ケ ア ス タ ー ト ア ッ プ の ビ ジ ネ ス モ デ ル
ヘルスケアスタートアップのうち、対B向け(B2BもしくはB2B2C)を提供しているのは全体の85%に及ぶ。さらに、現在B2Bを提供して
いる企業のうち、創業時はB2CでB2Bにピボットした企業は60%以上になり、B向けの比率が増加傾向にある。
出典:Rock Healthによる2017年の調査をもとに作成、対象企業数は85社 https://rockhealth.com/reports/streamlining-enterprise-sales-in-digital-health/
34%
14%
27%
32%
39%
54%
創業時
2017年時点
数値軸
カテゴリ軸
B2C B2B2C B2B
2017年時点のビジネスモデル
創業時点のビジネスモデル
7. B 向 け ヘ ル ス ケ ア ス タ ー ト ア ッ プ の 種 類
B向けのヘルスケアサービスの顧客には、医療機関、健康保険者やヘルスプラン、一般法人(雇用主)、医療機器・製薬メーカーなどがあ
り、それぞれ様々なサービスが提供されている。本日はその中でも複雑な医療機関向けのサービスについてお話しする。
医療機関 健康保険者、ヘルスプラン
一般法人
雇用主
医療
製薬系メーカー
B2B
・情報管理:EMR, EHR ・業務効率化:請求決済
系, バックオフィス支援, BI ・診療支援:診断支援,
治療支援
保険請求
支払い管理
保険請求 支払い管理
・医療データ:
研究開発支援
・マーケティン
グ支援
B2B2C
・CRM:患者とのコミュニケーション支援、患者
の通院支援 ・健康支援:健康増進プログラム、遠隔
医療
・健康支援:健康増進プログラム
・医療費抑制:遠隔医療、医療比
較
・健康支援:健康増進プログラム
・医療費抑制:遠隔医療、医療比較
8. 医 療 機 関 向 け サ ー ビ ス に お け る 、 ク ラ ウ ド の 普 及 状 況 と そ の 用 途
医療業界は他の業界よりも、オンプレを好む傾向がある。その一方で2016年のSADA Systemsによる調査によると、医療機関の89%が業
務において何かしらのクラウドサービス(SaaS)を利用し、医療機関の45%がメールや患者の情報共有などの業務に6〜10の複数のSaaS
を利用していることが明らかになった。クラウドでもっとも使われているのはメール(68%)、患者のケアアプリ(64%)、ファイル共
有(55%)の使途である。
出典: https://sadasystems.com/2016-healthcare-cloud-it-survey.pdf
6つ以
上利用
45%利用あ
り
44%
利用な
し
11%
医療機関におけるSaaSの利用率(2016)SaaSに対する懸念点
・セキュリティ(87.5%)
・信頼性、アバイラビリティ(83.3%)
・性能(82.9%)
・コスト面(81.0%)
・相互運用性(80.2%)
SaaSに感じる課題を、5段階(5が非常に懸念)で評価した結果。割合は3, 4, 5と
答えたユーザーの比率(IDC Enterpriseの2009年の調査 n=263 )
9. 医 療 機 関 向 け S A A S の 可 能 性
医療業界がクラウドに移行するベネフィットも大きく、コストや業務効率化の観点だけでなく、医療機関同士がデータを共有することで
医療の質そのものの改善や医療機関同士の連携が期待できる。
出典: https://www.slideshare.net/JFahrni/cloud-computing-and-health-care-facing-the-future
・導入・維持コストの削減
・常に最新のサービスを利用できる
・医療連携の促進
・患者コミュニケーションの改善
・データ活用による医療の質の向上
11. 医 療 情 報 の 電 子 管 理 の 発 展
これまで院内のみで利用されていた紙のカルテの電子化から、複数の医療機関をまたぐ診療記録の蓄積やその公衆衛生的な活用が米国で
は行われている(米医療機関の67.4%がEHR導入)。さらに消費者向けアプリのデータとEHRが連携するPHRも、フィットネス、ダイエ
ットやウーマンズヘルスを中心に普及しつつあり、Ford EWの2016年3月の論文ではベストシナリオで2020年までにPHRの普及率は75%
を超えると予想されている。一方で日本ではEMRの普及率でも未だ34.2%にすぎない
EMR (Electronic Medical Record)
EHR (Electronic Health Record)
PHR (Personal Health Record)
出典: https://www.practicefusion.com/blog/ska-largest-ambulatory-ehr-vendor/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27030105
12. E H R の ク ラ ウ ド 普 及 率
医療機関のうち、67.4%がEHRを導入している。さらにEHRを導入している医療機関を対象に、クラウド版とオンプレ版のニーズを調査
した結果、51%の医療機関がクラウドであるべきと考えていると答えた。
出典: https://www.practicefusion.com/blog/ska-largest-ambulatory-ehr-vendor/
導入
68%
未導入
32% クラウ
ドであ
るべき
51%
オンプ
レであ
るべき
9%
どちら
でも良
い
40%
EHR普及率
EHR導入済み医療機関における
クラウドへの意識調査
13. E H R の 主 要 プ レ イ ヤ ー
EHRの上位プレイヤーはEMRの大手メーカーが占める一方で新興系も増加しており、すでに米国内だけで1000以上のEHRメーカーが誕生
。SaaSに強いプレイヤーとしては、完全クラウドEHRを提供するPractice Fusionは外来診療を行うEHR導入済み医療機関のうち9%のシ
ェアを保有(2017)し、個人経営のクリニック(医師が1名のみのクリニック)においては同社のシェアが40%(2015)までに成長して
いる。
出典: https://blueehr.com/blogs/whats-in-store-for-practice-fusion-users/2015-ehr-market-share-copy/ https://www.prnewswire.com/news-releases/practice-fusion-is-the-market-share-leader-for-
solo-and-small-clinician-practices-300101205.html
Epic
20%
eClinicalW
orks
16%
Allscripts
11%
Practice
Fusion
9%
NextGen
8%
その他
36%
外来における
EHRのマーケットシェア
14. 大 手 E H R プ レ イ ヤ ー に よ る S A A S 買 収
もともとオンプレを得意としたEMR/EHRプロバイダーのAllscriptsは、複数のEMR企業やMcKessonのEHR部門、EHRとの機能統合ニーズ
の高い周辺領域のSaaSスタートアップを積極的に買収している。
Practice Fusion CarePort Health HealthGrid
事業概要 完全にクラウドベースのEHR 急性期患者の退院調整、医療連携SaaS 患者エンゲージメント管理SaaS
実績 外来におけるEHR業界のシェア第4位。11万2000人の医
療従事者が利用し(2018/5)、毎月500万人の患者のデー
タを管理している(2017/8、参照同社HP)
米国全土の1000以上の病院が利用(
2018/4)
米国内350以上の医療機関・15000
人以上の医療従事者に提供
会社概要 2005年創業、2007年サービス提供開始
米国のTop Tier VCとしてKPCBやFelicis Ventures、
Founders FundやSV Angelが出資している他、事業会社と
してはSalesforceやQualcomm、ORIXが出資。過去12回
の資金調達を実施し、総額1億5750万ドルを調達(参照
CrunchBase)
2012年創業、4回のシード調達で500
StartupsやTechstars、エンジェル投資家ら
から総額310万ドル調達
2013年創業、VCからの資金調達の
実施状況は不明
買収概要 2018/2にEHR業界シェア3位のAllScriptsに買収、金額は
1億ドルとダウンラウンドで、その背景にはコンプライア
ンス違反が明らかになったことがあるとされている(参照
FierceHealthcare)
2016年10月に金額非公開でAllscriptsが買
収、2018年4月に同社が提供しているCare
Managementプラットフォームとサービス
統合した
2018年3月に現金6000万ドル+アー
ンアウト5000万ドルの条件で
Allscriptsが買収。同社が提供する患者
エンゲージメントプラットフォーム
FollowMyHealthに組み込み予定
15. E H R と C R M の 統 合
Allscriptsが現在積極的に実施している、患者エンゲージメント向上SaaS(患者CRM)のEHR統合の背景として、医療機関におけるバリュ
ーベースドケアへの対応ニーズの高まりがあるとScienceSoftは分析している。患者の医療情報を管理するEHRだけでは、患者のエンゲー
ジメントの改善には不足しており、実際にオフライン・オンラインによる患者との継続的なコミュニケーションや個別化された医療情報
の提供を行う必要がある。情報の管理を行うEHRとコミュニケーション管理を行うCRMが統合されることで医療機関は効率よく患者を管
理できるようになる。
EHRによる患者の医療情報の管理 CRMによる継続的なコミュニケーション 退院調整SaaSによる次の医療への橋渡し
16. 患 者 C R M に よ る 医 療 連 携 の 事 例
医療機関が、自分の患者が退院後 or 通院時以外において、どのような健康状態にいるのか、経過はどうなっているのかを把握することは
困難である。患者が今どのような状態なのか自動で情報収集し、プッシュ通知がくる仕組みで既存のEHRでは実現しづらかった医療機関
連携を促進させているのがPatientPingである。
PatientPing
事業概要 ACO内の医療機関同士の情報連携をよりリアルタイムに安全
に行えるよう支援する病病連携支援のSaaS。医療機関は、自分
の患者がリハビリ施設やERなど他の医療機関にかかっている情
報を把握することで適切で継続的なケア計画の立案を可能にす
る患者管理SaaS。実際にACOの機能がワークするよう支援して
いる。
実績 およそ31,000もの診療所と1,000もの病院が加入(参照ACC
Exposition Management)
会社概要 2013年創業、米国のTop Tier VCであるAndreessen Horowitz
やSV Angel、First Round CapitalやGoogleのCVCも出資。過去2
回の資金調達を実施し、4120万ドルを調達(CrunchBase)
17. U X 改 善 + C R M に よ る 患 者 エ ン ゲ ー ジ メ ン ト 向 上 の 事 例
退院後のコミュニケーションツール(CRM)というアプローチ以外に、通院前・通院時・通院後の継続の患者体験を改善することで、医
療機関の収益を向上できるというアプローチを行なっている会社としてインドのPractoが目覚しい成長を遂げている。
Prato
事業概要 院内UX改善・コミュニケーションツールによる患者エンゲー
ジメント向上SaaS。病院向けには患者の予約から、来院後の受
付や順番管理、患者情報の管理、保険請求や支払い管理、自動
処方といった総合的な業務効率化SaaS「Insta」とBIツールの「
Querent」を提供。患者の継続率を3割増加でき、来院から帰宅
までの時間を半分にできる。
実績 Instaは5カ国で展開し、5万人以上の医師が利用、2500万人の
患者とのやりとりに使われている。患者のノーショウを最大7割
削減でき、患者の継続率も4割増加できる。Querentは、17カ国
1000以上の病院で利用されている(参照同社HP)
会社概要 2008年インドで創業、過去5回の資金調達で総額2億3400万ド
ル調達、GoogleのレイターステージファンドやSequoia Capital
、Thrive Capital、中国のTencentが出資している
18. E H R の 公 衆 衛 生 ・ 研 究 開 発 で の 活 用 の 事 例
腫瘍学(がんなど)の治療にあたる医療機関・医師向けのEHRを提供し、そこに記録される構造データ(検査データや診断、治療内容、
処方内容)と非構造的データ(医師の記録など)をもとに、医学研究に活用できるデータベースを構築。これまで医療機関ごとに分断さ
れていた臨床のデータを集めることで、治療や研究開発を促進させる。
Flatiron Health
事業概要 がん患者の治療にあたる医師向けに、EHRを提供。そこに記
録されるデータをもとに、製薬企業などに治療や研究開発に活
用できるデータプラットフォームを提供しマネタイズしている
。定量的データよりもむしろ非構造的なテキストデータの解析
に強いのが特徴。
実績 200万人のがん患者のアクティブデータを活用でき、すでに
265以上の医療機関が導入、2500人以上の医師が利用している
(参照同社HP)
会社概要 2012年創業、2018年2月スイスの製薬企業ロシュが19億ドル
で買収(参照CNBC)
3回の資金調達で、総額3億1300万ドルを調達している。GVや
First Round Capital、SV Angel、アーロン・レビィ等が出資。
ロシュもシリーズCのラウンドに参加している
20. 画 像 診 断 支 援 S A A S の 事 例
日本でも画像診断AIのスタートアップが複数誕生し、注目を集めているが米国では2010年前後から出てき始めている。すでにFDAを取得
している会社もあり、実際の医療現場で医師の診断を支援している。SaaSという形でのサービス提供を行なっている企業として、Arterys
がある。
Arterys
事業概要
クラウドベースの医療画像解析プラットフォームを提供。現
在は心臓・肝臓・肺の放射線画像に対応。人間が30分から1時間
かかる画像解析を、同社のプラットフォームでは15秒で行える
としている。
実績 クラウドベースのAI画像診断支援では最初のFDA承認を取得
(2017 Forbes)
会社概要
2011年にスタンフォードの機械学習の専門家により創業
スタンフォード大学のアーリーステージのファンドStartXが出
資している他、事業会社としてはGE等が出資。過去8回の資金
調達を実施し、4370万ドルを調達(CrunchBase)
21. メ ン タ ル ヘ ル ス リ ス ク の 判 定 支 援 S A A S の 事 例
すでに病院にかかっている患者の、併発する潜在的な問題を素早く検知し、対処できるソリューションも注目を集めている。特にメンタ
ルヘルスの領域において、身体疾患を専門とする医師では見逃してしまうような状態をデータによって早期発見するニーズが高まってい
る。Googleが出資するQuartetの他に、競合のLyra Healthもあり、同社はCastlight HealthやVenrock、Greylock Partnersらから3500万ドル
を調達している。
Quartet
事業概要
治療中の慢性疾患患者のメンタルヘルスに関する潜在的なニ
ーズを予測・解析し、精神疾患の専門医とつなげるプライマリ
ケアを提供する医療機関向けのリスク解析・連携支援SaaS。
構想
米国の成人の半数が慢性疾患を抱えており、そのうちの3分の
1が同時にメンタルヘルスに問題を抱えているが、適切な処置を
受けているのはうち4割に過ぎない。この残りの6割の患者を支
援できるよう目指している(参照同社HP)
会社概要
2014年創業
米国のGoogleのCVC(GV)が2回出資。過去3回の資金調達を
実施し、総額9200万ドルを調達(参照CrunchBase)
22. 慢 性 疾 患 の 治 療 支 援 の S A A S の 事 例
患者エンゲージメントが重要な生活習慣病領域に特化した、オンラインの慢性疾患管理プラットフォームをSaaSとして医療機関向けに提
供している会社としてLivingo Healthがある。スマート血糖測定器やスマート血圧計を患者に配ることで、オンラインでの介入が可能にな
り、治療成績を向上することができる。
Livingo Health
事業概要
糖尿病や高血圧といった慢性疾患の患者のための治療支援ソ
リューションを提供している。スマートデバイスやオンライン
プラットフォームといったテクノロジーと、医療従事者による
コーチングを組み合わせることで、アウトカムを向上し、かつ
医療費を削減(一人の患者あたり毎月83ドルを削減)できる(
参照同社HP)
実績 300以上の雇用主やヘルスプラン、医療機関が導入(参照同社
HP)
会社概要
2014年創業、MicrosoftやMerckのCVCや、Kleiner Perkins
Caufield & Byers等からこれまでに8回の資金調達を実施してお
り、調達金額は総額2億4800万ドルになる
23. 先 端 医 療 の 治 療 支 援 の S A A S の 事 例
遺伝医療の研究開発が進み、プレシジョンメディシンが注目を集めているが、実際に臨床現場で実用化するには様々な支援が必要である
。Syapseは医療機関がプレシジョンメディシンを提供するにあたり、患者との必要なコミュニケーションや意思決定支援を効率的に行え
るように支援するSaaSである。
Syapse
事業概要
プレシジョン・メディシン(細胞を遺伝子レベルで分析し、
その結果に合わせて適切な薬を投与し治療を行う、より個別化
されたオーダーメイドな治療方法)の臨床での実用化を支援す
る、医療機関向けクラウドサービスを提供。ゲノムデータの統
合や患者の意思決定支援、ケアコーディネートといった包括的
なサービスをプラットフォームとして利用可能にしている
実績 すでに12の医療システムで導入され、腫瘍の専門医1000人以
上が導入している(参照San Francisco Business Times)
会社概要
2008年創業
5回の資金調達で、総額約7000万ドルを調達している。mgen
Ventures(ロスの製薬企業)やGE Ventures(医療機器・航空
機等のメーカー)、Merck Global Health Innovation Fund(ニュ
ージャージー州の製薬企業)、Roche Venture Fund(スイスの
製薬企業)が出資している
Notas do Editor ・きてくださりありがとうございます
・今後、LP投資家や記者さん向けにマーケットの勉強会を開催してみようと思い、今回はその第一回目です
・テーマは医療機関向けのSaaS。弊社でも3社に投資をしており、本日は私から米国の市場の状況をお伝えした後に、実際にサービスを提供している起業家の立場からもお話いただきます
・ぜひフィードバックをください ・私から、先行事例として米国の医療機関向けSaaSの現状をお話します。
・まずはヘルスケアスタートアップにおけるSaaSの状況、その中での医療機関向けのSaaSの状況についてお話し
・そのあと、実際の事例として米国の医療機関向けSaaS企業を紹介します まずはマーケットの概要についてお話します ・オバマケア以降、ヘルスケアスタートアップへの投資額は右肩上がりに伸びている
・ベンチャー業界も成長傾向ですが、全体としては2011~2013年は低迷期、ヘルスケアはその中でも伸び続けている業界 ・ヘルスケアスタートアップのビジネスモデルを見てみると、現在では85%がB2BもしくはB2B2Cです
・もともとそうだったわけではなく、Rock Healthの調査では、創業期のビジネスモデルを聞くと、34%がB2Cで提供。B2Cで展開していた20%の企業がB向けにピボットしている
・これはC向けではマネタイズが難しいから ・B向けのヘルスケアサービスの顧客には、医療機関、健康保険者やヘルスプラン、一般法人(雇用主)、医療機器・製薬メーカーなどがあり、それぞれ様々なサービスが提供されている
・本日はその中でも複雑な医療機関向けのサービスについてお話しする。 ・医療業界はクラウドを嫌煙しがちな業界、未だに紙もある
・理由としてはやはりセキュリティの考え方がとくに重んじられているから
・その一方で2016年時点で、医療機関の89%が業務において何かしらのクラウドサービス(SaaS)を利用し、医療機関の45%がに6〜10の複数のSaaSを利用している
・多いのはメール、ケアアプリ、ファイル共有の順です ・医療機関がクラウドに移行することのメリットは、コスト削減や最新のサービスを利用できるといったことだけではなく
・医療機関同士の連携の促進や、患者コミュニケーションの改善、医療の質そのものの向上が期待できる それでは早速実際の医療機関向けSaaSの事例をご紹介します
まずは医療連携を促進するSaaSや、患者とのコミュニケーションを変えるようなSaaSの事例です。 ・現在、日本では医療情報は電子カルテで管理されています
・米国では、紙のカルテの電子化から、複数の医療機関をまたぐ診療記録の蓄積やその公衆衛生的な活用が米国では行われている(米医療機関の67.4%がEHR導入)
・さらに個人の記録とEHRが連携するPHRも、フィットネス、ダイエットやウーマンズヘルスを中心に普及しつつあり、2020年までにPHRの普及率は75%を超えると予想されている。
・一方で日本ではEMRの普及率でも未だ34.2%にすぎない ・医療機関の68%がEHRを導入
・EHRを導入している医療機関のうち、クラウドであるべきと答えたのは全体の51% ・EHRの上位プレイヤーはEMRの大手メーカーが占める
・一方で新興系も増加しており、すでに米国内だけで1000以上のEHRメーカーが誕生
・SaaSに強いプレイヤーとしては、完全クラウドEHRを提供するPractice Fusionは外来診療を行うEHR導入済み医療機関のうち9%のシェアを保有(2017)し、個人経営のクリニック(医師が1名のみのクリニック)においては同社のシェアが40%(2015)までに成長している。 ・もともとオンプレを得意としたEMR/EHRプロバイダーのAllscriptsは、複数のEMR企業やMcKessonのEHR部門、EHRとの機能統合ニーズの高い周辺領域のSaaSスタートアップを積極的に買収 ・なぜEHRの会社が、患者CRMや医療連携支援SaaSを買収しているかというと
・医療機関のバリューベースドケアへの対応ニーズの増加がある
・EHRメーカーは単なる情報連携だけでなく、実際に患者との継続的なコミュニケーションや退院後の支援の業務支援が求められるようになった 米国では政府の方針として、地域の医療機関同士の情報連携が重視されており、地域の様々な医療機関が一つの診療グループとして連携することで特別な保険支払いプログラムに参加することができるACOという仕組みがある→収益増 次に、医療そのものの質を改善する、診療支援のSaaSを紹介します。 ・電子カルテから、より連携を促すようなEHRが発展。さらにEHRと医療機関同士の連携を促すそのほかのSaaSが接続することで、医療機関同士の連携が加速
・患者の治療エンゲージメントを継続的に高めるようなCRMとEHRが連携することで、医療機関は治療成績を伸ばし、収益増を見込めるようになた
・データを活用したり、患者とのコミュニケーションを改善することで、提供する医療サービスそのものの質の向上も行われるようになりました