2018年度春季(第38回)情報通信学会大会 発表資料です。
大小さまざまな「地域」を対象とする独立系のSocial Networking Serviceである「地域SNS」は、2004年12月に熊本県八代市で誕生し、2010年に519事例を数えるまでに増加した後、急速に衰退し2018年現在は157事例まで減少しました。筆者は、地域SNS誕生直後の2005年から2018年まで、ほぼ1年おきに国内の事例数を悉皆的に計測する調査を継続して行ってきました。本発表では、その調査方法と結果を報告するとともに、こうした独立系の地域SNSの14年あまりにわたる栄枯盛衰の中で現れた運営の方向性の違いに基づく類型、および事例数の増加と減少の原因についての考察を報告しました。また近年、地域SNSが減少傾向にある中で新規に開設する都市型の事例が複数登場しているので、それらの特徴と背景についても考察しました。