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そのマネジメントの課題、TAにも解決できますよ。
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Manabu Murakami
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プロジェクトに潜むマネジメントの課題、 それを解決するためにTAが進行管理を兼務するという 選択肢を提示します。
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そのマネジメントの課題、TAにも解決できますよ。
1.
そのマネジメントの課題、 TAにも解決できますよ。 テクニカルアーティストが 進行管理を兼務するという選択肢について 2017.03.13
2.
Situation CG技術の発展に伴い、必要なスキルを備えたスタッフを 十分に用意することが難しくなってきている。 中でも、シェーダーやリギングといったスキルの不足、 効率化や技術検証といった箇所が特に問題となっていた。 近年、その問題を解決するテクニカルアーティストが誕生し、 多くの現場でTAが活躍している。(※) 2 ※ スマイルテクノロジーユナイテッド株式会社、株式会社TAといったTA集団も増えてきている。
3.
Complication ここ数年では、プロジェクトの在り方も複雑化してきており、 マネジメントの重要性がさらに高まってきている。 • アウトソーシング(言語やタイムゾーンの問題) • リモートワーク
(コミュニケーションの問題) • 人材の多様化 (パフォーマンスの問題) 実際には不向きなアーティストがマネジメントを兼務することがあり、 十分なマネジメントが出来てないケースも多い。 これはプロジェクトを成功させる上で大きな問題となる。 3
4.
Answer マネジメントの課題を解決する選択肢として、 TAが進行管理を兼務するという方法がある。 この方法が有効であるポイントは下記のとおりである。 • 必要とする知識や経験に共通点が多い • 技術的な課題をより早期に最適な方法で解決可能になる •
マネジメントの課題を技術的に解決しやすくなる • TAの必要性をマネジメント層やビジネス層に評価されやすくなる 4
5.
Breakdown 下記の流れでAnsewerを掘り下げていきます • テクニカルアーティストのおさらい • TAの業務は?必要な知識は?存在価値は? •
進行管理のおさらい • 進行管理の業務は?必要な知識は?存在価値は? • TAが進行管理を兼務する • 実際に兼務できるのか? 5
6.
テクニカルアーティストのおさらい TAとはどういった存在でしょうか? • TAが行う業務とは? • TAに必要な知識とは? •
TAの存在価値とは? 進行管理の兼務について説明する前に、 TAについて軽くおさらいをしていきます。 6
7.
テクニカルアーティストのおさらい TAが行う業務とは? • DCCツールやゲームエンジン向けのツール作成 • シェーダーやレンダリング関係の作業 •
リギングやシミュレーションの作業 • データやワークフローの最適化 • 技術やツールの検証 チームによっては専門職が存在している業務もありますが、 基本的にはこれらの作業がメイン業務となります。 7
8.
テクニカルアーティストのおさらい TAに必要な知識とは? • アセット作成とプログラミングの知識 • アセット作成とシェーダーの知識 •
アニメーションと数学/物理の知識 TAの業務には複数領域の知識が必要となります。 2つ以上の知識(視点や共感)を組み合わせることで、 その中間で発生する技術的な課題を解決していきます。 8
9.
テクニカルアーティストのおさらい TAの存在価値とは? 「短期間で高品質なものを低コストで作る」というのは、 モノ作りに要求される普遍的な課題です。 この課題に対して「個人のスキルアップ」という方法ではなく、 「システマティックな方法」で解決できるのがTAの強みになります。 足し算ではなく掛け算的な効果を発揮する存在で、 アーティスト全体の効率と品質を高めることが可能です。 9
10.
進行管理のおさらい 進行管理とはどういった存在でしょうか? • 進行管理が行う業務とは? • 進行管理に必要な知識とは? •
進行管理が存在価値とは? TAが兼務する進行管理について、 軽くおさらいをしていきます。 10
11.
進行管理のおさらい 進行管理が行う業務とは? • 進行管理ルールの策定と運用保守 • 会議の開催や議事進行 •
スケジュールの最適化 • 進行上の課題発見と改善指導 • 状況の見える化 • 曖昧さや齟齬の解消 進行管理専任がいる場合もありますが、 基本的にはリーダーの業務となることが多いです。 11
12.
進行管理のおさらい 進行管理に必要な知識は? • プロジェクトを構成する業務の知識 • プロジェクトマネジメントの知識 •
ファシリテーション • 論理的思考や情報分析 • ITリテラシー 開発手法の知識や、多言語能力も要求度合いとしては高い。(※) 開発技術と同様に難易度が高まっています。 12 ※ アジャイル、スクラム、チケット駆動などの開発手法。英語や中国語といった言語能力。
13.
進行管理のおさらい 進行管理の存在価値とは? チームとして素晴らしい成果をだすには、 優秀なスタッフだけでなく、優れたマネジメントが必要。 しかし、チームがマネジメントを得意としていないケースも多い。 目の前の作業に追われてマネジメントを疎かにすることもある。 客観的視点を持つ進行管理がチームをサポートすることで、 作業者では気づけないクリティカルな課題を解決できます。 13
14.
TAが進行管理を兼務する TAと進行管理のおさらいが終わりました。 ここから本題の「TAが進行管理を兼務する」に話を移します。 実際に兼務をさせるとなると疑問が浮かびます。 • TAに兼務のモチベーションはあるのか? • 2つ役割を合わせることは有効なのか? •
実際に兼務は可能なのか? これらの疑問に対する答えはすべて「YES」です。 ポイントは「TAのジレンマ」です。 14
15.
TAが進行管理を兼務する TAに兼務のモチベーションはあるか?(1) TAは下記のようなジレンマを感じる時があります。 プロジェクトの序盤から相談役になれていたら… • 問題が発生した時点で解決できたのに… • 問題が発生しないシステムにできたのに… •
よりシンプルで問題解決しやすい仕様にできたのに… • より効率の高い仕組みが用意できたのに… • よりクオリティを高められたのに… 15
16.
TAが進行管理を兼務する TAに兼務のモチベーションはあるか?(2) TAは改善の機会損失を感じることも多い。なぜ? TAの人数が不足しており、プロジェクトを掛け持ちしたり、 要望を聞いてから対処する体制になりがちだからです。 プロジェクトの状況がわからないので、 先手をとって対処することが難しくなります。 16
17.
TAが進行管理を兼務する TAに兼務のモチベーションはあるか?(3) さらに次のようなモヤモヤを抱えているかもしれません。 課題の根本的原因はマネジメントにあるのでは… • コミュニケーションの問題を解決すれば先手をとれるのでは? • マイルストーンを明確にすれば品質アップに時間を使えるのでは? •
ツールを作ることよりチームの問題を解決したほうがいいのでは? 17
18.
TAが進行管理を兼務する TAに兼務のモチベーションはあるか?(4) TAの抱えるジレンマを解消するには、 マネジメントの問題やチームに介入することが必要です。 そうすることでTAはさらにプロジェクトに貢献できる。 TAによって好き嫌いは分かれますが、 進行管理を兼務するモチベーションは十分にあると言えます。 18
19.
TAが進行管理を兼務する 2つ役割を合わせることは有効なのか? 以下の理由により組み合わせることは有効だと考えられます。 • どちらも改善指向の仕事である (仕事の方向性が同じ) •
どちらも客観的視点で仕事を行う (状況を判断して的確に行動する) • どちらも論理的思考で仕事を行う (プロセスやデータに着目する) • どちらもコミュニケーションが重要(情報を引き出し人を動かす) つまり、TAに必要な資質をそのまま活かすことができます。 特にCG制作においては深い理解があるので効果的に機能します。 19
20.
TAが進行管理を兼務する 実際に兼務は可能なのか? 兼務のモチベーションもあり、十分な能力を持っていた場合、 実務において本当に兼務ができるのでしょうか? この疑問には「実際に兼務している私」を例に答えていきます。 • 兼務に至るまでの経緯 • 具体的にどのような兼務をしているのか? 20
21.
TAが進行管理を兼務する 事例紹介:兼務者のイマ(1) 私はパイプライン構築と進行管理を兼務するTAです。 下記のような経緯を経て、今のスタンスで業務をするようになりました。 21 システム エンジニア モーション アーティスト リード アーティスト TA (リーダー) TA +進行管理
22.
TAが進行管理を兼務する 22 リーダー 業務 アーティスト 業務 プログラマー 業務 事例紹介:兼務者のイマ(2) これまでに蓄積した経験 • プログラマー経験(ソフトウェア開発経験) • アーティスト経験(モーション制作経験) •
リーダー経験 (チーム管理経験) 3つの視点でそれぞれのポジションと 会話が出来る。組織における横と縦の橋渡し。
23.
TAが進行管理を兼務する 23 TA業務 70% 進行管理 30% 事例紹介:兼務者のイマ(3) 現在の稼働割合 • 週前半の3.5日は TA業務 •
週後半の1.5日は 進行管理業務 できるだけ業務をまとめることで、 兼務の複雑度を下げる工夫をしています。(※) ※スイッチングコストを下げる。マルチタスクを無くす。
24.
TAが進行管理を兼務する 24 事例紹介:兼務者のイマ(4) 進行管理としての業務内容 • プロジェクト運営MTGの議事録作成 • アーティスト定例MTGの進行と運営 •
進行管理定例MTGの進行と運営 • 社員定例MTGの進行と運営 Projectリーダー、Artistリーダー、進行管理担当の3レイヤーと話す。 これにより担当者間のズレや曖昧さを発見&解消することが出来ます。 重要なのはチームの異変に気づくためのチェックポイントを設けること。 • アーティスト進捗の見える化 • チームレビューの運用 • ハードウェア管理(機材/電源) • ソフトウェア管理(License/ITS/Wiki)
25.
TAが進行管理を兼務する 25 事例紹介:兼務者のイマ(5) 兼務によって生まれる効果 • アーティストの予定を的確に最適化できる →技術面も含めて業務内容を共有できているので細かい相談が出来る。 • 問題に対する解決策を的確に選択して実行できる →技術的な解決が必要であれば発生時点で動き出せる。(TAとして先手をとる) 兼務だから客観性が保てる。特にプロジェクトで発生しやすい 「言い辛くなった問題」を明らかにして解決が出来るという点で有利です。 マネジメントの問題の多くはコミュニケーションに起因しています。
26.
まとめ 26 マネジメントの課題を解決するために、 TAが進行管理を兼務することは可能であり有益。 ミスマッチや追加コストも少なく、 プロジェクト全体の効率化という意味でTAをさらに活用できます。 ただし、進行管理を兼務するTAがいても全ての問題は解決しません。 プロジェクトリーダーやセクションリーダーによる管理は必須です。 あくまで複雑化してきたマネジメントの溝を埋める役割です。 マネジメントに興味のあるTAの方、マネジメントに困っているリーダーの方、 この選択肢を検討してみては如何でしょうか。
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