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看護学科 4 年次専門科目
「研究方法論」への参加
(情報教育支援の実践報告)
       渡辺真希子
  横浜市立大学医学情報センター

                       6/20/2009
   Lifo 5th meeting in Toho Univ.



        Lifo 5th meeting 6/20/2009
発表内容
•   はじめに
    – 医学情報センター・医学部看護学科の紹介
    – 支援の経緯
    – 支援の位置づけ
•   講義内容
    – 概要
    – 学術情報論の特徴
    – 検索演習の特徴
•   分析
    –   検討課題
    –   講義・演習について
    –   図書館サービス・文献利用における変化
    –   図書館サービスに対する波及効果
•   考察
    – 医学系図書館における情報教育支援の意義
    – 講義内容の方向性
    – 図書館(図書館員)の役割り
•   おわりに・主要参考文献             本発表内容は,来る 7 月 4 ~ 5 日に開催される第 26 回
                            医学
                            情報サービス研究大会の一般演題で発表予定の内容で
                 Lifo 5th meeting 6/20/2009               2
                            す.
横浜市立大学 医学情報センター・看護学科の紹
介

 •   横浜市立大学医学情報センター(福浦キャンパス)
     – 蔵書数 :  図書 ;   15 万冊, 雑誌 ;7600 タイトル, 電子雑誌 ;6000
       タイトル
     – 資料の特色 :  地域医療雑誌と看護病院研究報告などの資料を多く持ち
       ILL の受付数が多い
     – サービスの特色として医学部図書館 , 附属病院図書室を兼務
     – 主なサービス対象者数 :  教員 ; 335,  院生 ;280,  学生 ;627 人 
     – 職員数 :  約 11 名 (うち専任司書 4 人)

 •   医学部看護学科
     –   2005 年に短大から 4 年生大学へ昇格
     –   学生数 :   1 学年約 80 名
     –   教員数 :  約 40 名
     –   2010 年 4 月から看護研究科 ( 大学院)の開設




                     Lifo 5th meeting 6/20/2009     3
支援の経緯
 取組みの背景 :

  看護学科が短大から 4 年生学科への昇格に伴い, 2008
 年から卒業研究が必修となった . これにより看護学科 4 年
 生は,論文検索に取組むために文献検索の技術と,論文執
 筆に必要な知識の習得が必要となった .
  前年,担当教員から看護系学術資料の拡充など資料構築
 の再編の依頼を受けていた .  そこで医学情報センターで
 は,それと平行し,文献検索について意見交換や情報提供
 を行なっていた . 結果的に,この情報提供が契機となり,
 支援を開始することとなった .




            Lifo 5th meeting 6/20/2009   4
支援の位置づけ
 「研究方法論」は,看護学科 4 年次専門科目であり 2 単位通年であ
   る.

 学習の到達目標 :
 1. 各看護学専門領域における意義あるテーマを設定し , 適切な研究
    計画書を作成することができる
 2. 研究テーマならびに研究計画書に基づき , 系統的で倫理的な研究の
    プロセスを展開することができる .
 3. 研究プロセスを経て得られた成果について,第三者にも理解でき
    るように論文貸し,発表することができる .

 授業計画 :
 1. 全体講義
   1)  オリエンテーションⅠ(看護研究序論)
   2)  オリエンテーションⅡ(各領域別紹介)
   3)  研究方法論 (講義)(文献検索)支援対象
 1. ゼミ(各領域)
 2. 研究発表(全体)

              Lifo 5th meeting 6/20/2009   5
講義内容 1/3           概要

 授業は、 90 分で論文作成の概要と学術情報の仕組みについて(約 20
分) , 検索演習と文献の入手から管理(約 60 分) , 文献利用のルールにつ
いて(約 10 分)で構成している . 構成は , 講義部分と演習部分でできてお
り , それぞれ講義 30 分 , 演習 60 分である .
 なお , 授業構成は、受講者からの意見を参考に , 2009 年に一部変更を加え
た.

    2009 年度の実施例 ( 90 分授業)
  「卒業論文作成に必要な学術情報の知識と文献検索スキルについて」

  1.   学術情報の仕組み
  2.   卒業論文作成の概略                                約 20 分 ( 講
  3.   文献検索の基礎知識                                義)
  4.   本日の文献検索:テーマに沿って文献を収集する
                                               約 60 分 ( 演習 )
  5.   検索結果の評価と現物の入手
  6.   文献の管理
  7.   引用文献の基礎知識
                                               約 10 分 ( 講義 )
  8.   アカデミック・スキルズとそのルール

                  Lifo 5th meeting 6/20/2009                   6
講義内容 2/3 学術情報論(講義)の特
                徴
 ここでの学術情報論の定義 :  
  研究の初学者が,研究を行なう上で必要な知識は何か?という視点で
   ,
 大学や専門図書館系の図書館員に必要とされる知識 * をアレンジしたも
   の.
  + 研究に必要な基礎知識を組み合わせたもの .

            * 主に専門資料論や専門図書館員などの研修会などで聞
   かれる内容

 ■  学術情報の仕組み
    ・ 学術情報の種類と特性
    ・ 論文作成に必要な情報の種類と特性
    ・ 先行研究から論文が創り出されるまで(査読について)
 ■  卒業論文作成の概略
    ・ 卒業論文作成の概略と図書館利用のポイント
    ・ 文献レビューの位置づけとコツ
 ■  引用文献の基礎知識
    ・ 論文のスタイルと記述方法
 ■  アカデミック・スキルズとそのルール
    ・ 看護研究とクリティーク      Lifo 5th meeting 6/20/2009   7
    ・ コピー&ペーストと剽窃について
講義内容(参考)
       論文作成に必要な情報の種類と特性




          Lifo 5th meeting 6/20/2009   8
講義内容(参考)    卒業論文作成の概略と図書館利用
            のポイント




     Lifo 5th meeting 6/20/2009   9
演習内容 3/3 検索演習の特徴
 ■  本日の文献検索 : テーマに沿って文献を収集する
    ・ キーワードの設定(自然語とシソーラスについて)
    ・ シソーラスの選択
    ・  ③各種絞込み機能の選択

 ■  検索結果の評価と現物の入手
    ・ 検索結果の比較
    ・ 検索結果の保存
    ・ 文献の入手方法(復習)

 ■  文献の管理
    ・ エクセルによる文献管理ファイルの作成




            Lifo 5th meeting 6/20/2009   10
演習内容(参考)
       キーワードの設定




        Lifo 5th meeting 6/20/2009   11
演習内容(参考)
       シソーラスの説明画面




         Lifo 5th meeting 6/20/2009   12
分析 1/5     検討課題


  ■  授業内容について
    – 講義メインか、演習メインか?
    – 研究方法論と検索演習のバランス
    – 内容のボリューム

  ■  受講者の要望と合致しているか?
    – 教員の要望
    – 学生の要望

  ■  図書館サービス・文献利用について
    – 図書館利用に対する変化
    – どのような効果をもたらしているのか?

  ■  その他
    – 図書館(図書館員)の役割


              Lifo 5th meeting 6/20/2009   13
分析 2/5     講義について :  学生・教員の声 1
実施・回収方法 :  
依頼は , 各領域長宛てに行い , 自由回答の形式で教員・学生から授業に対
  する
感想を収集し , その結果を集計した . 実施時期は ,2008 年 5 月 .
• コメントの内訳  ( 複数回答あり )

  学生 :  
  – インターネットからの情報を安易に信用してはならないと思った
  – 卒業論文が文献検索に始まり、文献検索に終わることが分かった
  – 検索から管理まで一覧の流れで,文献の扱い方をしることができ
    た
  – 原著論文の原著性とは何かついてこれから調べたいと思った
  – 文献に関する知識が広がった
  – 看護研究によくみられるテーマを基に検索の実例があるとなお良
    かった

  教員 :
  – レクチャーがあったため,基本的な知識をもとに行えている実感
    がある(テーマ設定を指導する上で,原著,研究報告,総説の違
    いなど補足しながらゼミを進めている)
  – 資料が分かりやすかった 5th meeting 6/20/2009
              Lifo                         14
分析 3/5演習について:学生・教員の声 2
 •   コメントの内訳  ( 複数回答あり )

   学生 :
     – PubMed 、 CINAHL などの演習もしてほしい
     – シソーラスを用いた文献検索ができるようになった
     – シソーラスがどのように作られているのか興味を持った


     教員 :
     – 早い段階から文献検索を必要とするような講義・演習の必要性を
       実感した
     – 卒業研究で突然,文献検索ができるようになる,というよりは,
       もう少し早い段階で教員が文献検索をしてなければならないよう
       な講義,演習をしていくことが重要だと思った




                 Lifo 5th meeting 6/20/2009   15
分析 4/5 図書館サービス・文献利用の変化
■  医中誌 Web のアクセス状況
  –   4 ~ 5 月期の同時ログイン数が超過
  –   2007 年→ 63 回  ( 4 ~ 5 月)
  –   2008 年→ 832 回 ( 4 ~ 5 月 )
  –   2009 年→ 1302 回 ( 4 月のみ)
  –   検索回数とログイン数の比較による変化
  –   2008 年→ 4 回   ( 1 ログイン)
  –   2009 年→ 5 回   ( 1 ログイン)

■   ILL 複写依頼の申込状況
  – 1 年間に「日本精神科看護学会誌」の欠号部分へ 37 回の依頼申込(第
    2 位)

■  レファレンス質問の変化
  – 4 月中に文献管理に関する質問が, 1 日あたり 5 人程度の日が 2 週間程
    度続く
  – 論文執筆の時期になるとスタイルや引用文献に関する質問も多くなっ
    た
                    Lifo 5th meeting 6/20/2009   16
分析 5/5    図書館サービスに対する波及効果


■  レファレンス質問について
  講義内容の復習・周辺領域に関する質問の増加(講義後の 2 ヶ月
   間)
  – 研究内容そのものに対する質問の増加(先行研究に関する相談など)

 卒業研究が開始したことによる
■  文献利用方法について
  – 欠号のある学会系雑誌に対する ILL (複写依頼)の増加
  – 貸出より複写に重点を置いた利用形態

■  図書館サービスを拡大してほしいという要望の高まり
  – 祝祭日なども開館してほしいという声が寄せられた
  (貸出より場としての提供を望んでいる)




              Lifo 5th meeting 6/20/2009   17
考察 1/3
         医学系図書館における情報教育支援の意義
波及効果からみた図書館における情報支援の意義について

1 .学生の図書館利用では,雑誌の返却期限や使用文献の種類に変化をもたらし
た
2 .教員の情報教育に対する意識に変化をもたらした


                基本的な雑誌論文の活用方法について
   共通の理解
                段階に応じて文献を利用する教育の必要性に
ついて



 卒業後も,研究を必要とする医学系の学生にとって,文献検索や学術情報につ
いて系統的に理解することは重要である . 同時に,教養科目の少ないこれらの学
生にとって,情報科目は有効な教養科目の一つと考えられる .

              Lifo 5th meeting 6/20/2009   18
考察 2/3    講義内容の方向性



 ■  演習内容の充実
   ・ 領域別に設定するキーワードの拡充
                         対応策
   ・  PubMed 等の海外データベースの紹介


 ■  初年次教育から専門科目までの段階的な支援

   「能動的学習」の導入時期を教員と検討                      対応策




              Lifo 5th meeting 6/20/2009         19
考察 3/3 図書館(図書館員)の役割
 ■   図書館サービスとしての情報教育支援について

 ・ 支援を行なう上で必要と考えられる知識

 1 .学術情報を基本とした情報メディアに関する知識
 2 .論文作成の作法などをはじめとする教育方法や教育工学に関する知識
 3 .分野(特定領域)に関する知識
  
  → ブレインディッド・ライブラリアン( blended librarian )と
    図書館サービスの拡大

  
 ブレインディッド・ライブラリアンとは…
  伝統的な図書館の情報技術に関する技能と,授業設計や教育工学に関す
 る知識,指導のための諸資源とその開発や普及の動向に関する知識を兼備
 した大学図書館員を意味する .


               Lifo 5th meeting 6/20/2009    20
おわりに
   図書館員による授業支援は,教員をはじめとする専門職員との
  連携を図ることで,図書館機能をより充実させることに貢献す
  る.
   同時に,研究方法論,学術情報論,そして検索演習などを組み
  合わせることにより,既存の図書館サービスに付加価値を持たせ
  ることが可能となる .


主要参考文献

  1. 登坂善四郎 , 大学図書館員の役割 : 業務からの学びと実践 (< 特集 > 看護図書館
  員の専門性 ), 看護と情報 , 2004. vol.11, pp.18-26.

  2. 長澤多代 , 情報リテラシー教育を担当する図書館員に求められる専門能力の一
  考察 . 大学図書館研究 . 2007. vol.80,pp.79-91.

  3. 坂本俊ほか , 大学 1 年生の情報リテラシー教育の効果に関する研究 . 2008 年日
  本図書館情報学会春季研究集会発表要綱 . 2008. pp.99-102.

                    Lifo 5th meeting 6/20/2009      21

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看護学科4年次専門科目「研究方法論」の実践報告

  • 1. 看護学科 4 年次専門科目 「研究方法論」への参加 (情報教育支援の実践報告) 渡辺真希子 横浜市立大学医学情報センター 6/20/2009 Lifo 5th meeting in Toho Univ. Lifo 5th meeting 6/20/2009
  • 2. 発表内容 • はじめに – 医学情報センター・医学部看護学科の紹介 – 支援の経緯 – 支援の位置づけ • 講義内容 – 概要 – 学術情報論の特徴 – 検索演習の特徴 • 分析 – 検討課題 – 講義・演習について – 図書館サービス・文献利用における変化 – 図書館サービスに対する波及効果 • 考察 – 医学系図書館における情報教育支援の意義 – 講義内容の方向性 – 図書館(図書館員)の役割り • おわりに・主要参考文献 本発表内容は,来る 7 月 4 ~ 5 日に開催される第 26 回 医学 情報サービス研究大会の一般演題で発表予定の内容で Lifo 5th meeting 6/20/2009 2 す.
  • 3. 横浜市立大学 医学情報センター・看護学科の紹 介 • 横浜市立大学医学情報センター(福浦キャンパス) – 蔵書数 :  図書 ;   15 万冊, 雑誌 ;7600 タイトル, 電子雑誌 ;6000 タイトル – 資料の特色 :  地域医療雑誌と看護病院研究報告などの資料を多く持ち ILL の受付数が多い – サービスの特色として医学部図書館 , 附属病院図書室を兼務 – 主なサービス対象者数 :  教員 ; 335,  院生 ;280,  学生 ;627 人  – 職員数 :  約 11 名 (うち専任司書 4 人) • 医学部看護学科 – 2005 年に短大から 4 年生大学へ昇格 – 学生数 :   1 学年約 80 名 – 教員数 :  約 40 名 – 2010 年 4 月から看護研究科 ( 大学院)の開設 Lifo 5th meeting 6/20/2009 3
  • 4. 支援の経緯 取組みの背景 :  看護学科が短大から 4 年生学科への昇格に伴い, 2008 年から卒業研究が必修となった . これにより看護学科 4 年 生は,論文検索に取組むために文献検索の技術と,論文執 筆に必要な知識の習得が必要となった .  前年,担当教員から看護系学術資料の拡充など資料構築 の再編の依頼を受けていた .  そこで医学情報センターで は,それと平行し,文献検索について意見交換や情報提供 を行なっていた . 結果的に,この情報提供が契機となり, 支援を開始することとなった . Lifo 5th meeting 6/20/2009 4
  • 5. 支援の位置づけ 「研究方法論」は,看護学科 4 年次専門科目であり 2 単位通年であ る. 学習の到達目標 : 1. 各看護学専門領域における意義あるテーマを設定し , 適切な研究 計画書を作成することができる 2. 研究テーマならびに研究計画書に基づき , 系統的で倫理的な研究の プロセスを展開することができる . 3. 研究プロセスを経て得られた成果について,第三者にも理解でき るように論文貸し,発表することができる . 授業計画 : 1. 全体講義   1)  オリエンテーションⅠ(看護研究序論)   2)  オリエンテーションⅡ(各領域別紹介)   3)  研究方法論 (講義)(文献検索)支援対象 1. ゼミ(各領域) 2. 研究発表(全体) Lifo 5th meeting 6/20/2009 5
  • 6. 講義内容 1/3 概要  授業は、 90 分で論文作成の概要と学術情報の仕組みについて(約 20 分) , 検索演習と文献の入手から管理(約 60 分) , 文献利用のルールにつ いて(約 10 分)で構成している . 構成は , 講義部分と演習部分でできてお り , それぞれ講義 30 分 , 演習 60 分である .  なお , 授業構成は、受講者からの意見を参考に , 2009 年に一部変更を加え た. 2009 年度の実施例 ( 90 分授業) 「卒業論文作成に必要な学術情報の知識と文献検索スキルについて」 1. 学術情報の仕組み 2. 卒業論文作成の概略  約 20 分 ( 講 3. 文献検索の基礎知識 義) 4. 本日の文献検索:テーマに沿って文献を収集する 約 60 分 ( 演習 ) 5. 検索結果の評価と現物の入手 6. 文献の管理 7. 引用文献の基礎知識 約 10 分 ( 講義 ) 8. アカデミック・スキルズとそのルール Lifo 5th meeting 6/20/2009 6
  • 7. 講義内容 2/3 学術情報論(講義)の特 徴 ここでの学術情報論の定義 :    研究の初学者が,研究を行なう上で必要な知識は何か?という視点で , 大学や専門図書館系の図書館員に必要とされる知識 * をアレンジしたも の.  + 研究に必要な基礎知識を組み合わせたもの .            * 主に専門資料論や専門図書館員などの研修会などで聞 かれる内容 ■  学術情報の仕組み    ・ 学術情報の種類と特性    ・ 論文作成に必要な情報の種類と特性    ・ 先行研究から論文が創り出されるまで(査読について) ■  卒業論文作成の概略    ・ 卒業論文作成の概略と図書館利用のポイント    ・ 文献レビューの位置づけとコツ ■  引用文献の基礎知識    ・ 論文のスタイルと記述方法 ■  アカデミック・スキルズとそのルール    ・ 看護研究とクリティーク Lifo 5th meeting 6/20/2009 7    ・ コピー&ペーストと剽窃について
  • 8. 講義内容(参考) 論文作成に必要な情報の種類と特性 Lifo 5th meeting 6/20/2009 8
  • 9. 講義内容(参考) 卒業論文作成の概略と図書館利用 のポイント Lifo 5th meeting 6/20/2009 9
  • 10. 演習内容 3/3 検索演習の特徴 ■  本日の文献検索 : テーマに沿って文献を収集する    ・ キーワードの設定(自然語とシソーラスについて)    ・ シソーラスの選択    ・  ③各種絞込み機能の選択 ■  検索結果の評価と現物の入手    ・ 検索結果の比較    ・ 検索結果の保存    ・ 文献の入手方法(復習) ■  文献の管理    ・ エクセルによる文献管理ファイルの作成 Lifo 5th meeting 6/20/2009 10
  • 11. 演習内容(参考) キーワードの設定 Lifo 5th meeting 6/20/2009 11
  • 12. 演習内容(参考) シソーラスの説明画面 Lifo 5th meeting 6/20/2009 12
  • 13. 分析 1/5 検討課題 ■  授業内容について – 講義メインか、演習メインか? – 研究方法論と検索演習のバランス – 内容のボリューム ■  受講者の要望と合致しているか? – 教員の要望 – 学生の要望 ■  図書館サービス・文献利用について – 図書館利用に対する変化 – どのような効果をもたらしているのか? ■  その他 – 図書館(図書館員)の役割 Lifo 5th meeting 6/20/2009 13
  • 14. 分析 2/5 講義について :  学生・教員の声 1 実施・回収方法 :   依頼は , 各領域長宛てに行い , 自由回答の形式で教員・学生から授業に対 する 感想を収集し , その結果を集計した . 実施時期は ,2008 年 5 月 . • コメントの内訳  ( 複数回答あり )   学生 :   – インターネットからの情報を安易に信用してはならないと思った – 卒業論文が文献検索に始まり、文献検索に終わることが分かった – 検索から管理まで一覧の流れで,文献の扱い方をしることができ た – 原著論文の原著性とは何かついてこれから調べたいと思った – 文献に関する知識が広がった – 看護研究によくみられるテーマを基に検索の実例があるとなお良 かった 教員 : – レクチャーがあったため,基本的な知識をもとに行えている実感 がある(テーマ設定を指導する上で,原著,研究報告,総説の違 いなど補足しながらゼミを進めている) – 資料が分かりやすかった 5th meeting 6/20/2009 Lifo 14
  • 15. 分析 3/5演習について:学生・教員の声 2 • コメントの内訳  ( 複数回答あり )   学生 : – PubMed 、 CINAHL などの演習もしてほしい – シソーラスを用いた文献検索ができるようになった – シソーラスがどのように作られているのか興味を持った 教員 : – 早い段階から文献検索を必要とするような講義・演習の必要性を 実感した – 卒業研究で突然,文献検索ができるようになる,というよりは, もう少し早い段階で教員が文献検索をしてなければならないよう な講義,演習をしていくことが重要だと思った Lifo 5th meeting 6/20/2009 15
  • 16. 分析 4/5 図書館サービス・文献利用の変化 ■  医中誌 Web のアクセス状況 – 4 ~ 5 月期の同時ログイン数が超過 – 2007 年→ 63 回  ( 4 ~ 5 月) – 2008 年→ 832 回 ( 4 ~ 5 月 ) – 2009 年→ 1302 回 ( 4 月のみ) – 検索回数とログイン数の比較による変化 – 2008 年→ 4 回   ( 1 ログイン) – 2009 年→ 5 回   ( 1 ログイン) ■   ILL 複写依頼の申込状況 – 1 年間に「日本精神科看護学会誌」の欠号部分へ 37 回の依頼申込(第 2 位) ■  レファレンス質問の変化 – 4 月中に文献管理に関する質問が, 1 日あたり 5 人程度の日が 2 週間程 度続く – 論文執筆の時期になるとスタイルや引用文献に関する質問も多くなっ た Lifo 5th meeting 6/20/2009 16
  • 17. 分析 5/5 図書館サービスに対する波及効果 ■  レファレンス質問について   講義内容の復習・周辺領域に関する質問の増加(講義後の 2 ヶ月 間) – 研究内容そのものに対する質問の増加(先行研究に関する相談など)  卒業研究が開始したことによる ■  文献利用方法について – 欠号のある学会系雑誌に対する ILL (複写依頼)の増加 – 貸出より複写に重点を置いた利用形態 ■  図書館サービスを拡大してほしいという要望の高まり – 祝祭日なども開館してほしいという声が寄せられた (貸出より場としての提供を望んでいる) Lifo 5th meeting 6/20/2009 17
  • 18. 考察 1/3 医学系図書館における情報教育支援の意義 波及効果からみた図書館における情報支援の意義について 1 .学生の図書館利用では,雑誌の返却期限や使用文献の種類に変化をもたらし た 2 .教員の情報教育に対する意識に変化をもたらした                 基本的な雑誌論文の活用方法について 共通の理解                 段階に応じて文献を利用する教育の必要性に ついて  卒業後も,研究を必要とする医学系の学生にとって,文献検索や学術情報につ いて系統的に理解することは重要である . 同時に,教養科目の少ないこれらの学 生にとって,情報科目は有効な教養科目の一つと考えられる . Lifo 5th meeting 6/20/2009 18
  • 19. 考察 2/3 講義内容の方向性 ■  演習内容の充実   ・ 領域別に設定するキーワードの拡充 対応策   ・  PubMed 等の海外データベースの紹介 ■  初年次教育から専門科目までの段階的な支援   「能動的学習」の導入時期を教員と検討 対応策 Lifo 5th meeting 6/20/2009 19
  • 20. 考察 3/3 図書館(図書館員)の役割 ■   図書館サービスとしての情報教育支援について ・ 支援を行なう上で必要と考えられる知識 1 .学術情報を基本とした情報メディアに関する知識 2 .論文作成の作法などをはじめとする教育方法や教育工学に関する知識 3 .分野(特定領域)に関する知識    → ブレインディッド・ライブラリアン( blended librarian )と    図書館サービスの拡大   ブレインディッド・ライブラリアンとは…  伝統的な図書館の情報技術に関する技能と,授業設計や教育工学に関す る知識,指導のための諸資源とその開発や普及の動向に関する知識を兼備 した大学図書館員を意味する . Lifo 5th meeting 6/20/2009 20
  • 21. おわりに  図書館員による授業支援は,教員をはじめとする専門職員との 連携を図ることで,図書館機能をより充実させることに貢献す る.  同時に,研究方法論,学術情報論,そして検索演習などを組み 合わせることにより,既存の図書館サービスに付加価値を持たせ ることが可能となる . 主要参考文献 1. 登坂善四郎 , 大学図書館員の役割 : 業務からの学びと実践 (< 特集 > 看護図書館 員の専門性 ), 看護と情報 , 2004. vol.11, pp.18-26. 2. 長澤多代 , 情報リテラシー教育を担当する図書館員に求められる専門能力の一 考察 . 大学図書館研究 . 2007. vol.80,pp.79-91. 3. 坂本俊ほか , 大学 1 年生の情報リテラシー教育の効果に関する研究 . 2008 年日 本図書館情報学会春季研究集会発表要綱 . 2008. pp.99-102. Lifo 5th meeting 6/20/2009 21